事例から学ぶ、BtoB領域で効果的にリード獲得する方法

武田 大

Marketing Director / Consultant

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事例から学ぶ、BtoB領域で効果的にリード獲得する方法

コロナ禍において、これまでBtoB企業が見込み客を作るために行っていた展示会・セミナーなどが中止となり、新たな見込み客の創出、特にインバウンドでのリード獲得に課題を感じるようになったいう企業は少なくないでしょう。

リード獲得の施策は様々なものがありますが、闇雲に施策を打っても思ったようにリード獲得がうまくいかなかったり、売り上げにつながらないリードばかりを集めてしまったりするということになりかねません。

そこで本記事では、実際の成功事例を元に、どうすればBtoB領域で事業成果に結びつくリードを獲得できるか解説します。

※リード獲得の施策はオンライン施策・オフライン施策に分かれますが、本記事ではオンライン施策に絞って紹介します。

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リード獲得(=リードジェネレーション)の定義や、手法の種類については別記事「リードジェネレーションとは?主な手法とその効果の高め方」で詳しく解説していますので、こちらをご覧ください。

まずは本当にリード獲得が課題なのか?を考える

BtoB領域のリード獲得を考える際、なるべく低コストでリードを獲得したい、営業主体の組織体制から脱却しインバウンドでリード獲得したい、SFAを適切に活用したい、などと試行錯誤されている方もいらっしゃるでしょう。

本記事ではBtoB領域のリード獲得で成果を出すために弊社が学び得たポイントをお伝えしますが、前提として、リード獲得戦略や施策の策定前に考えていただきたいことがあります。

それは、本当にリード獲得が今自社で最も解決すべき課題なのか?ということです。

確かにリード獲得は、顧客に自社製品・サービスとの接点を持ってもらう最初のトリガーですから、マーケティング施策において最も重視される関門と言っても良いでしょう。

しかしBtoB領域の場合、リード獲得の「数」にこだわり「質」を蔑ろにしてしまうと、事業成果に向けて後続する「商談」「成約」などのプロセスで有効リードではなくなってしまい、結果的に窓口だけ広げて成果に繋がらない状況が起きてしまいます。

例えば下記のように、リード獲得数から成約までの段階が数値化されていたとします。リード数全体に対する成約率は2%です。

リード数商談率商談数成約率成約数
50010%5020%10

このとき、月間成約数を10件から100件に増やすことが事業目標として掲げられたとして、本当に「リード数」が課題と言い切れるかは正しく判断する必要があります。

商談率・成約率はそのままで、リードを現在の500件から5,000件に増やすことで目標は達成できるかもしれません。

とはいえ、BtoBの場合はターゲットの母数が少ないため、リード数を無限に増やせるというわけではありません。

ある程度のリード数が揃っているにも関わらず商談転換率や商談からの成約率が低い場合は、リード数を増やし続けるのではなく、ターゲットや商談プロセス・方法(ナーチャリング手法)を見直す方が事業成果に対して最短距離になる可能性もあります。

このように受注件数や売上といった最終的なゴールから逆算し、事業成果に最も貢献し得るポイントがリード獲得であるか否かを見極めることが重要です

リードナーチャリングとは、「見込み客(リード)の購買意欲を高め、受注・商談へと繋げるためのマーケティング活動」のことを指します。
リードナーチャリングについて、詳細は別記事「リードナーチャリングとは?求められる背景から手法まで解説」で解説しておりますので、ぜひこちらをご覧ください。

BtoB企業でリード獲得に成功した事例

では、実際にBtoB企業でリード獲得に成功した事例を、もともと企業が持っていた課題と施策、結果とともにご紹介していきます。

株式会社ネオキャリア|オウンドメディア立ち上げで3年でリード獲得数は年1万超え 

出典:HR NOTE

採用支援から人材サービス、またHR Techサービスに至るまで、30を越える事業を展開している株式会社ネオキャリア

2016年に立ち上がったHR Techサービスの「jinjer」の集客基盤として立ち上げた、オウンドメディア『HR NOTE』で、成約発生までの成果に結びついていない課題を抱えていました。当時は日本政府によって「働き改革」が提唱され始め、企業における人事の重要度は増していたものの、HR Tech領域についてはまだ市場認知度が低かったのと、ネオキャリア社がアウントバウンド文化に偏っておりインバウンドマーケティングに明るい人材もいない状態でした。

そこで課題視されたのが、「正しい認知をしてくれるリード」を増やして着実に成約に繋げることでした。

具体的には、ターゲットユーザー(人事担当)の抱える課題解決軸でのコンテンツを自然検索向けに拡充、毎日1本ペースで更新し続け、結果、開始1年後には単月100件のリードを獲得するメディアへと成長しました。

さらに2年目には『HR NOTE』をjinjer以外のサービスにも横展開することで、リード獲得の受け皿を増やし、月間400件のリード獲得を達成。同時にSFA(営業支援システム)を導入し、リード送客がどれだけ売上に繋がっているのかを可視化することで、営業との連携を強化しています。

もともとはオウンドメディアからのリード獲得数が全く取れていなかったところから、5年たった現在では年間数万件の法人リード獲得できるようになり、営業チームとインバウンドマーケティングチームが手を組むことで企業成長を続けている例です。

SNS広告・リスティング広告の最適化|月10件のリード数が3ヶ月で月約100件へ 

店舗や旅館でスタッフが使用するツールの販売をしているA社では、インハウスで広告を運用した経験がありましたが、月5件~10件のリード獲得にとどまり、思ったような成果が出ていませんでした。

そこで、その商品をどんなターゲットがその商品を使うのか?ターゲットがなぜその商品が必要になるのか?という商品・ターゲット理解を深めて分析。するとメインターゲットは、そもそもこの商品自体を認知していないことが見えてきました。

そこで、それまでリスティング広告中心だった広告予算の8割をFacebook広告に投入。Facebook広告のターゲティング機能を使い、メインターゲットに広告が表示されるように設定をしました。

残りの予算をGoogle広告とYahoo!広告に使い、ターゲットがどのようなキーワードでその商品を探すのかという観点でキーワード選定を行い、コンバージョンに至るまでの導線の見直し。

その結果、月5〜10件程度だったリード数は月間で約100件へと成長しました。

広告アカウントの改善・MAツール戦略設計|資料ダウンロード数が4倍以上に

B社では、特定の属性を持つカスタマーと、その特定の属性を持つカスタマーにリーチしたい企業をマッチングさせるサイトを運用していましたが、広告運用の成果が頭打ちになっていたことが課題でした。

そのサイトでは、企業から集めた資料がまとめてダウンロードできるようになっており、資料ダウンロードしたリード情報は企業に買い取ってもらうことでマネタイズするという仕組みでした。

そこで以下の流れで取り組みを行いました。

最初に、リードが獲得できていないことの原因の一つに、広告アカウントのメンテナンスができていないことが考えられた為、広告アカウントと予算の最適化。

次にリードのターゲット率向上のために広告最適化を行いました。

リードのターゲット率とは、資料ダウンロードしたリードの中でターゲット(特定の属性を持つカスタマー)の割合のこと。実際に配信した広告次第で、どれだけターゲット率が変動するのかを分析し、ターゲット率が高くなるよう設定しました。

その結果、ターゲット率は20%程度から50%程度まで改善。

さらにMAツールを使い、すでにメルマガ登録をしていた人の中からターゲット層を抜き出し、資料ダウンロードを促しました。メールの精度と頻度を上げることで、資料ダウンロード数は増え、月30~100件から400件へと増加しました。

リード獲得数を増やした上、MAツールを用いてリードチャリングも行なったことで売り上げに結びつけた事例です。

成功事例から学ぶ、BtoBで効果的なリード獲得するためのポイント

ここまでBtoB領域におけるリード獲得に成功した企業事例をご紹介しましたが、企業によって抱える課題は様々であり、同じことを実施したからといって成功できるとは限りません。

ただし、成功している企業には共通点が見られました。 

それは、個別のリード獲得施策に移る前に、何を目的として、どんなターゲットのリードを集めたいか、またそのためにどんな施策に注力するのか見定めている点です。

1. リード獲得の目的を明確にする

闇雲にリード獲得をする前に、何のためにリード獲得するのか、またリード獲得をしたらそのリードはどうするのかということを明確にしておきましょう。

下記のマーケティングファネルでは、特定のサービス・商品に対するユーザーの関心度とユーザ数を表しています。

例えば、短期的な収益を目的としている場合は、すぐにでも購入したいと考えている顕在層や顧客層にリードに絞り、リードを獲得した後はインサイドセールスが架電などでアプローチすることで成果につながりやすいと考えられます。ただし、顕在層や顧客層はBtoBでは母数が少ないため、長期的に多くのリードを獲得できるわけではありません。

一方、長期的に安定したリード獲得に注力したい場合は、まだ購入まで遠いが幅広く数を取れる低感心層や潜在層のリードを獲得し、その関心度の低いユーザーにより関心を持ってもらい、最終的に顧客になってもらうためにはどうすればいいのか、ナーチャリング方法を考える必要があります。

このように目先のリード獲得を目的にするのではなく、何のためにリード獲得をし、その後リードをどうするのかということまでを視野に入れることで、どんなリードが必要かというのも見えてきます。

2. ターゲット理解を深める

リード獲得の目的が明確になったら、次にターゲット理解を深めましょう。

どんなターゲットがリードになれば収益に繋がるのか、またそのターゲットはどんな悩みを持ち、どんな媒体を使っていて、どういう行動をするのかということを把握します。

ターゲットを深く理解するためには、以下のような方法が考えられます。

  • 既存顧客のデータを分析する
  • 既存顧客にヒアリングする
  • 営業部隊にヒアリングする
  • 市場調査を行う
  • カスタマージャーニーを作る

逆にターゲット理解が甘いと、リードを獲得できても顧客化することは難しいです。具体的には、購入までまだ時間のかかる潜在層に購入を促してしまって、カスタマーに不要な情報だと思われてしまったり、逆に購入したいターゲットに対してタイミングよくアプローチできず最悪の場合競合他社に負けてしまうことも考えられます。

3. 受注効率が最も良い施策を選択し集中する

目的とターゲットがしっかりと定まったら、ここでようやく具体的な施策を検討し始めるフェーズになります。

ただしリード獲得のために有効な施策は数多く存在するため、マーケティングの成果を早くに獲得するためには、様々な施策に一挙に手を付けるのではなく、目的とターゲットに対して最も投資対効果の高く見込める施策に選択と集中することが重要です。

ターゲットが商品・サービスを認知してから購入に至るまで、リード獲得で打てる施策の一部を一覧にしたものです。このように一覧にすると、どの施策が影響力が強く、自社の目的にあっているかということが分かります。

態度変容とマーケティング施策の例

また、施策ごとで獲得したリードの受注率を分析し、ROASやROIで見た時に投資対効果が得られていないものは、事業としてストップさせるべきでしょう。受注率の高い施策でPDCAを回して、よりリード数を増やしていきましょう。

そのためには正しいデータ測定や分析を行って施策の貢献度を検証することや、施策を実行するチームの構築・連携も重要です。

まとめ|目的にあったリード獲得が営業効率を上げる

BtoBマーケティングで重要視されることの多いリード獲得ですが、獲得したリードをいかに収益化するかということが重要であるとお伝えしました。

何のためにリード獲得をするのか、そして獲得した後のリードをどうするのかということを明確にし、ターゲットを明確にした上でマッチングしたリード獲得を行いましょう。目的とターゲットを明確にしておくことは、リードナーチャリングや営業にも役立ちます。そして、獲得したリードは放置せず、ナーチャリングして収益化に結びつけていきましょう。

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BtoBマーケティング全般については、「5分でわかるBtoBマーケティング|戦略や手法、事例を解説」をご覧ください。 

この記事を書いたメンバー

DAI TAKEDA

武田 大

Marketing Director / Consultant

1986年生まれ。リクルートでの法人営業、中小企業向けのマーケティング会社で勤務した後、2019年4月にMOLTSに参画し、2020年3月より子会社KASCADEに所属。延べ30社以上のBtoBマーケティングを支援。リードジェネレーション、インサイドセールス立ち上げ/改善、MA活用、CSなどのインバウンドマーケティングの戦略立案、改善/実行支援やABM戦略の立案/改善/実行、インハウスでの戦略設計、施策実行のオンボード支援など、一気通貫してBtoBマーケティングを支援する。2020年9月より同社執行役員に就任。

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