DMP構築の3つの成功事例|成果を出すための戦略と活用のポイント

MOLTS編集部

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DMP構築の3つの成功事例|成果を出すための戦略と活用のポイント

インターネット上に蓄積される様々なデータを、一元で管理するプラットフォームであるDMP(Data Management Platform)。「顧客情報」や「アクセスログ」「広告配信」など別々に管理されているデータを同一プラットフォームに統合することで、顧客像を可視化し、様々なマーケティング施策へと活かすことができます。

日本でも2020年3月以降、新型コロナウイルスの影響で、従来に比べてオンライン完結型の消費行動も増えており、顧客のインサイトを探るためにもDMPの活用が注目を浴びています。

本記事では、DMPの導入により成功に至った事例や、導入にあたり知っておくべきことを解説していきます。

DMP活用は、顧客理解を促進し、効果的なマーケティング施策に貢献する

DMPは人的には管理しきれない大量のデータや、部署や部門を跨いで蓄積されているデータを収集・統合し、マーケティング施策に活用するためのツールです。

オンライン・オフライン問わずユーザーの行動データを一連のフローで可視化することで、顧客一人ひとりに合ったマーケティング施策を打ち出すことが可能になります。

DMPは、「プライベートDMP」と「オープンDMP」の2つに分類できます。それぞれで役割が異なりますので、DMPを導入する際には、違いをしっかりと理解しておく必要があります。

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代表的なDMPサービス、DMPの導入と相性の良い企業などを詳しく知りたい方は、別記事「5分でわかるDMPとは?データ解析のプロが種類や活用事例を解説」で詳しく解説しています。ぜひ、合わせて参考にしてください。

プライベートDMPは、LTV向上・リテンション施策に有効

プライベートDMPは、自社で保有しているデータ(1st party data)を扱うDMPで、顧客管理に活用されます。既に顧客となっている会員情報や購買履歴、お問い合わせ履歴、サイトのアクセスログ、POS等の店舗データなど統合できるデータは、非常に多岐に及びます。

商品レコメンドやサイトコンテンツの出し分け、プッシュ通知、クーポンやキャンペーンの配信など、既存顧客のLTV向上やリテンション施策に用いられることが多くなっています。

オープンDMPは、既存顧客の類似ユーザーを見つけ出し、最適な広告配信に活用できる

一方のオープンDMP(パブリックDMP)は、自社では取得できない外部データ(3rd party data)を蓄積するプラットフォームです。外部サイトでの行動・訪問履歴や属性情報といった「オーディエンスデータ」を用いることで、最適な広告配信へと繋げることができます。

既存顧客の属性や行動と似ているユーザーを探し出す「ルックアライク」といった機能を活用することで、自社サイトや商品とまだ接点を持っていない潜在顧客層に向けたアプローチを可能にします。

DMPを活用した企業の3つの成功事例

ここからは、実際に企業がプライベートDMP・パブリックDMPを活用して、事業に役立てている事例を紹介していきます。

事例1:ゴルフダイジェストオンライン

▼課題
Web上のユーザー行動を把握できておらず、最適なコミュニケーションが取れていない

▼成果
プライベートDMPを活用し、「顧客データ」と「サイト上の行動データ」を統合。顧客一人ひとりに合わせたコミュニケーション施策を実現。Web広告の配信効果を従来の約8倍にまで引き上げることに成功した。

ゴルフダイジェストオンライン(以下、GDO)は、全国のゴルフショップの情報やゴルフ場の予約、また中古ゴルフクラブ・ゴルフボール・ゴルフウェアなどの売買情報を発信するゴルフメディアです。

GDOではプライベートDMP「Rtoaster」を導入し、自社で保有する会員データやゴルフ場の予約実績、Webサイトの閲覧履歴を集約し、レコメンデーションやLP最適化といった自社サイト内でのコミュニケーション施策を実施

例えば、週末にゴルフ場の予約をしているユーザーに対して、プレーに必要なボールや消耗品のクーポンを配信することで、売上アップに貢献しました。

また、広告配信機能である「Rtoaster Ads」を活用し、リターゲティング広告施策の改善も合わせて実施しました。

潜在顧客・優良顧客など顧客ステージを分類し、広告配信の最適化やランディングページのコンテンツ設計など、顧客一人ひとりに合わせたパーソナライズマーケティングを実現。顧客全てに同じ広告を配信していた時より、コンバージョン率を約8倍にすることに成功しました。

参考サイト)プライベートDMPの導入・活用事例まとめ | SATORI

事例2:株式会社KADOKAWA

▼課題
サイトに訪問しているユーザー像を把握しきれていない

▼成果
「サイトの訪問データ」と「3rd party data」を紐付けることで、Web媒体読者のリアルな姿を可視化。新たなニーズの発見に貢献

株式会社KADOKAWAは、書籍の出版をはじめ、映像事業や音声事業、またその周辺コンテンツの制作を行い、年間2万点以上のコンテンツ制作を行う企業です。

同社では、新たに「紙媒体のEC化」や「コンテンツのネット販売」に力を入れるため、2017年より本格的にデータを活用したデジタルマーケティングに着手。

自社で運営する14のWeb媒体では、合計で月間18.9億PVの大量のトラフィックがあり、サイト内でアンケートやキャンペーンの実施により、大量の顧客データが蓄積されていました。

しかし、サイトに訪れるユーザーの「Cookie情報」と「属性情報」が紐づいていなかったため、どんなユーザーがいるのか、そのリアルな姿を捉えきれていないという問題がありました。そこで、DMP「Arm Treasure Data」を導入し、3rd party dataを活用することで、Cookie情報から類推した顧客の属性情報の可視化を進めました。

その結果、Web媒体ごとに読者のリアルな姿が見えるようになり、ユーザーの性別や年齢層・家族構成をはじめ、どんなことに興味関心を抱いているのかを把握。新たなニーズの発見や商品開発の推進に役立てることに成功しました。

参考サイト)出版社の多種多様なコンテンツが映すDMPの未来|KADOKAWA | PLAZMA

事例3:自動車メーカー

▼課題
メーカー本体・販売店・マーケティング部門・システム部門など、各部門ごとにデータがばらばらに管理されており、収集したデータを有効に活用できていない

▼成果
部門ごとに分断していたデータを一括で管理。「カーナビの移動データ」や「来店データ」などオフラインデータを活用し、業務効率化を実現

とある自動車メーカーでは、メーカー本体・販売店・マーケティング部門・システム部門など、各部門ごとにそれぞれ顧客データを管理しており、全社で横断して顧客データを管理できる仕組みがなく、データの活用が効率よく行えていないという課題がありました。

そこで、DMP「INTEGRAL-CORE」を導入し、サイロ化していたデータを収集・統合〜分析することで、スピード感を持って、顧客が求めているサービスを提供できるようになりました。

販売店が持っている「最新の来店データ」と、システム部門が持っている「顧客のカーナビの移動データ」を活用。顧客の生活圏内を特定し、顧客が転居し他店舗で車検を受けた際でも、二重でDMが送付されるのを防ぎ、DM発送コストの削減や顧客からのイメージダウンを防ぐことができるようになりました。

また、「カーナビの移動データ」と「車の購入時期のデータ」を照らし合わせることで、推定した走行距離からタイヤやワイパーなど、消耗品の交換をリアルタイムでお知らせしたり、クーポンを配信できるようになりました。

参考サイト)車メーカーでのCDP活用例 |  INTEGRAL CORE

DMPを検討する際に、担当者が知っておくべきこと

DMPは、今までサイロ化されていたデータを一括で管理し、分析することで、個客像を鮮明にすると共に、新しいマーケティング施策に繋げることができるツールです。

しかし、目的を明確にしないまま導入しても、費用対効果に見合わないケースがほとんどです。

ここでは、担当者がDMPを導入する際に頭に入れておくべきポイントについて解説していきます。

「導入目的の明確化」と「部署を横断した取り組み」が必要

DMPは、自社で保有している様々なデータと、時に外部データを活用して、巨大な顧客の名簿を作ることができます。しかし、DMPを何のために活用するのかを明確にしていないと、そもそもどのデータを収集すべきかが定まりません

DMPで活用できるデータの種類は、Webサイトのアクセスログ・顧客データ・広告データ・来店データ・オフラインデータなど非常に多岐に及びます。

これらのデータを収集するためには、マーケティング部門だけでなく営業部門や、情報システム部、実店舗の管理部門など、部署部門を横断した協力が必要不可欠です。

DMP導入の目的を明確化し、なぜDMPが必要なのかを共有した上で、全社でDMPの活用に取り組む必要があるでしょう。

導入によって得られる費用対効果を見極める

DMP導入のメリットの一つに、「顧客像の可視化」があります。分断されていたデータを統合し、ユーザーのWeb上の行動やオフラインの行動を一連のフローで見ることで、顧客の属性や新しいユーザーニーズを浮き彫りにすることができます。

しかし、顧客像を可視化することができても、事業に貢献するために有効なマーケティング施策の実行に繋げられなければ、DMPを導入しても十分な効果を得ることはできないでしょう。

そもそも、DMPの導入や運用には多額のコストがかかります。システムの導入だけでも数百万〜数千万かかりますし、運用にも数十万程度の費用が必要になってきます。(オンプレミス型のDMPの場合)

また、DWH(データウェアハウス)が導入されていない場合や各部署にデータがばらばらに存在している場合には、データを一元で管理するためのデータ基盤構築や、各データ間を繋ぐための共通IDの設計から入る必要があり、実際に分析〜施策の実行に移すためには時間がかかります。

これらの費用面や時間の問題を十分に加味した上で、DMPの導入を進めていく必要があるでしょう。ただ顧客像を可視化するのではなく、マーケティング施策に繋げた時に、コストに見合うリターンが得られるのか、DMP導入の担当者はこの視点を頭に入れておくことが大切です。

DMPを正しく活用するためには、戦略と活用イメージを持とう

今回はDMPの活用事例を中心に、担当者が気をつけるべきポイントについて解説しました。

業種業界問わずにデータ活用が進み、DMPは一種の「バズワード」のように使われることがあります。「他社でも導入しているから」などの理由で導入しても、DMPの導入・運用コストに対して効果的な運用を行えるケースは多くありません。

DMP導入の最大の目的は、効果的なマーケティング施策を打ち出すために他なりません。自社でどのように運用し、具体的にどんな施策に繋げたいのかを見極めた上での導入が必須になります。

もし、DMP活用の戦略や活用イメージを持てないのであれば、広告代理店などDMP活用のプロに相談した上で、導入の是非を検討すると良いでしょう。

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