BtoBのコンテンツマーケティング成功ガイド|3つの成功法則と事例紹介
この記事でわかること
- BtoB企業のコンテンツマーケティングの考え方と成功させるための道筋
- BtoB企業のコンテンツマーケティングの成功事例から学ぶ3つの法則
- 間違った認識のままコンテンツを増やしていくと、負債と化すおそれもある
コンテンツマーケティングとは、「ユーザーが興味がある、欲しい情報」をもとに、「企業が得たい成果」を、コンテンツを用いて獲得するコミュニケーション施策のことです。
商品・サービスの一方的な売り込みではなく、あくまでも見込み客にとって価値のあるコンテンツを通してコミュニケーションを取り続けることで、問い合わせ・購入・登録といった成果に繋げることを目的としています。
特にBtoB商材では、
- 意思決定者が複数人に渡る
- 購入に至るまでのリードタイム(検討時間)が長い
- 平日のユーザー数が多く、休日はWeb上でのアクセスが減少する
などBtoCとは異なる顧客特性があることから、成果獲得のためにおさえておくべきポイントが異なります。実際に、量を重視してコンテンツを作り続けても、なかなか事業の成果に繋がらず悩んでいる方も少なくはないのではないでしょうか。
そこで本記事では、累計50社以上の事業成長に貢献してきた弊社の知見を活かして、BtoB企業に特化してコンテンツマーケティングを成功させる道筋を事例と共に紹介します。
BtoBコンテンツマーケティングの戦略設計・運用にお困りではないですか?
- これからBtoBコンテンツマーケティングに取り組むため、何から着手すべきか相談したい
- リード獲得から商談・受注までの全体的な戦略設計を提案してほしい
- インバウンドでのリード獲得や商談創出ができる体制を構築したい
このような課題やお悩みは、実績が豊富なTHE MOLTSにご相談ください。数々のプロジェクトで成果をあげてきたプロフェッショナルが、戦略立案から実行支援、体制構築など、貴社の事業成長に必要なご提案をいたします。
BtoB企業におけるコンテンツマーケティングの考え方
BtoB企業におけるコンテンツマーケティングの具体的な進め方の話に入る前に、BtoB企業がコンテンツマーケティングを始めるに当たって、最初に理解しておきたい「ユーザーファースト」の考え方と、BtoBならではのコンテンツマーケティングの役割についてご紹介します。
コンテンツはあくまでもユーザーファーストであることが重要
冒頭でもお話をした通り、コンテンツマーケティングとは、「ユーザーが興味がある、欲しい情報」をもとに、「企業が得たい成果」を、コンテンツを用いて獲得するコミュニケーション施策のことです。BtoB企業の場合、サービスの成約や購入、または採用などが最終的な成果にあたります。
コンテンツマーケティングで成果を出すためにも、まずはユーザーを理解するところから始めましょう。
まず考えるべきこととして、
- どのような悩みを抱えているのか
- その悩みを(自社であれば)どのように解決できるのか
- どのようなコンテンツなら興味を持ってもらえるか
- その時のユーザーの心情はどのようなものか
などその時に抱えている課題や心理状況に応じて適切なコミュニケーションをとる必要があります。
例えば、普段の日常生活や仕事の中で、何か悩みや問題を抱えていてそれを解決しようと検索することはよくありますよね。そして検索結果で出てきたコンテンツが「まさに自分が求めていた答えがここにあった」という内容であれば、解決の糸口が見えるでしょう。
自分で対処できそうであれば自分で解決し、プロに依頼した方がいい場合は、その検索結果が出てきたサイトも含めて依頼先を探すのではないでしょうか。また、とりあえず今回は自分で対処するけど、何か困ったことがあればこのサイトを見ようと思ってブックマークしたり、メルマガなどに登録したりするかもしれません。
しかし、コンテンツが問題解決に役に立たない、押し売りの内容(つまりユーザーファーストではない内容)だった場合どうでしょうか?
押し売りだと感じた時点でそのコンテンツから離脱してしまう恐れがあるかもしれませんし、むしろそのサイトや企業に対してよくない印象を持つかもしれません。
では、ユーザーが好きと思ってくれるコンテンツを与え続ければ、コンテンツマーケティングは成功するのか?というと、残念ながらそうではありません。
BtoBにおけるコンテンツマーケティングの役割
BtoCでは特に単価の安い商材の場合、購買における意思決定のハードルが低いことからターゲットが魅力的なコンテンツを見た後、すぐに商品を買うことも珍しくはありませんが、BtoBの場合はどんなにコンテンツが魅力的であっても、その商品を認知してからすぐには購入に至らないケースが多いです。
冒頭で挙げたように、その理由としては以下が挙げられます。
- 購買の意思決定者が複数人であることが多い
- BtoCと比較して単価が高いケースが多い
- 検討期間も長期に渡る
自社商品・サービスに興味を持っても、資料を取り寄せて社内で共有したり、ネットで調査して他社比較をしたりするなど、すぐに受注に繋がらないケースが少なくありません。
そこでユーザーが商品を認知してから購買の意思決定に至るまでの一連の流れを考えておく必要があります。
BtoBマーケティングでは下図のように、リードを創出してから受注まで一連のプロセスの中でユーザーと継続的なコミュニケーションを取り続けます。その中で各フェーズで徐々に顧客の検討度合いを高め、最終的なゴール(ここでいう受注)まで持っていきます。
このような購入の流れを理解した上で、それぞれのフェーズにおいてどのようなコミュニケーションを取れば良いのかを考えて、適切なコンテンツを配信していくことが必要不可欠です。
ただし、このリードを生み出すプロセスから受注まで、全てコンテンツマーケティングのみで解決するわけではありません。コンテンツマーケティングでは、ユーザーの態度に合わせたコンテンツを用意することで、間口を広げてリードの創出を行ったり、リードが受注に至る手助けを行います。最終的にはインサイドセールスやフィールドセールスがリードを受け取り受注に繋げていく、という流れになります。
次章からは、顧客が自社の商品・サービスを認知してからどのように態度を変容させていくのかを理解し、その態度に合わせたコンテンツ設計を行うための方法を見ていきましょう。
BtoBでコンテンツマーケティングを成功させるための道筋
購買の意思決定者が複数人で検討期間も長期に渡るBtoB企業がコンテンツマーケティングを成功させるには、以下のような道筋が必要となります。
- 自社の課題と照らし合わせ、コンテンツマーケティングを実施する目的を整理する
- ペルソナを設定する
- コンテンツのゴール設計のためにカスタマージャーニーマップを引く
- コンテンツ内容とタッチポイントはターゲットと目的に応じて変える
- 事業の目的から逆算した指標を設計する
ここでは、担当者個人としてもマーケティングチームとしてもおさえておくべきポイントを紹介します。
1. 自社課題とコンテンツマーケティングの目的を整理する
コンテンツマーケティングの目的を決める際は、まず解決すべき「自社の事業課題」を明確にしましょう。
先述の通りコンテンツマーケティングは、ユーザーにとって価値のあるコンテンツによって、自社事業の抱えている課題を解決するために行うものです。
例えば、リード獲得に悩んでいる場合は「サービス問い合わせ数」「資料ダウンロード数」、売上が低迷しているのであれば「商談数」「受注率」などが、課題として挙げられます。
ただし、コンテンツマーケティングはどのような課題でも解決できるマーケティング施策というわけではありません。コンテンツマーケティングありきで考えるのではなく、まずは自社課題に向き合う必要があるでしょう。
また商品・サービスによっても顧客行動は変わり、顧客行動が変わればコンテンツによってアピールするべき内容も異なります。これをやっておけば必ず成功するという型のようなものは存在しないので、BtoB自社事業や目的に合わせたコンテンツ戦略が必要不可欠と言えます。
2.ペルソナを設定する
次にどんなユーザーに対してコンテンツを発信していくのかを明確にするために、ペルソナを設定しましょう。
ペルソナとは、「自社製品・サービスのターゲットとなる架空の人物像を、具体的なイメージに落とし込んだもの」を指します。実在する人物のように具体的なペルソナを用意することで、ペルソナの悩みや購買・情報収集時に活用するメディアを高度に推測することができます。BtoBの場合は、ペルソナが所属する企業の業種や規模、また役職や決定権の有無なども決めておく必要があります。
既存顧客がいる場合や、すでに行なっている施策を最適化するフェーズの場合は、より具体的な共通イメージを持つために彼・彼女たちをペルソナとして設定するのも良いでしょう。
新規事業の場合は、理想とするユーザーをペルソナとすべく、そのユーザー像に近しい人々の情報を定量・定性調査合わせて情報収集していく方法もあります。
3. コンテンツのゴール設計のためにカスタマージャーニーを引く
「カスタマージャーニーマップ」とは、自社商品・サービスの販売促進のため、見込み客が購入や登録に至るまでの考え方や行動を時系列順に整理し、それらを一枚絵にまとめたものを指します。
ユーザーとのコミュニケーションの具体プロセスを可視化することで、見込み客に対して適切なタイミングで最適なコミュニケーションを取る判断ができるようになります。
カスタマージャーニーでユーザーの態度を整理する際は、特に下記のポイントはおさえましょう。
- ユーザーにニーズのある情報はどのようなものか?何が知りたいのか?
- 次の態度に変容するためのトリガーは何か?
- 逆に次の態度に変容しないボトルネックとなっているものは何か?
コンテンツマーケティングの目的を達成するために、どういう流れを描けば良いのかをカスタマージャーニーマップで整理し、それぞれのフェーズでのゴール(課題解決)を明確にします。
具体的なコンテンツ内容を考える前段階で、このように目的とゴールを照らし合わせておくことで、軸を持ってコンテンツ制作や運用に入ることができます。
4. コンテンツの内容とタッチポイントはターゲットと目的に応じて変える
コンテンツの種類や内容は、タッチポイントと目的に応じて適切なものを選択しましょう。
タッチポイントとは、顧客と企業の「接点」のことを言います。オフラインのタッチポイントであれば展示会やテレアポなど、またオンラインの場合は、広告や検索エンジン経由、SNSのタイムラインなどがあげられます。
カスタマージャーニーマップで、どういう態度のユーザーに、何のためにコンテンツを作るのかが整理されているので、それに合わせたコンテンツの内容とタッチポイントを考えます。ただ注意したいのは、コンテンツと一口にいっても、様々な見せ方やタッチポイントのバリエーションがあることです。
- オウンドメディア(コンテンツSEO)
- オウンドメディア(SNS向け)
- 動画コンテンツ
- メルマガ
- ホワイトペーパー
- 広告 など
例えばオウンドメディアの記事一つとっても、検索向けなのか、SNSを狙ったものなのかでは、目的・成果指標・設計が異なります。どの施策が適しているか悩んだときは、最初の目的に立ち返り、予算が許す範囲で目的達成のために最もインパクトのある施策を検討しましょう。
5. 事業の目的から逆算した指標を設計する
コンテンツの成果を測るには、「どのような状態になったら成功と言えるのか」、つまり指標を決める必要があります。この指標は、事業の目的から逆算して決めていきましょう。
先述の通りコンテンツマーケティングは、ユーザーにとって価値のあるコンテンツによって、自社事業の抱えている課題を解決するための施策です。つまりコンテンツが自社の課題解決のために機能しているかということを、常に分析する必要があります。
例えば以下は、事業の目的から逆算した指標の一例です。
事業の目的 | 指標 |
---|---|
認知拡大 | PV数ターゲットキーワードの検索順位指名検索数 |
リードを増やしたい | リード獲得数 |
成果獲得 | CV(コンバージョン) BtoBであれば「資料請求」「問い合わせ」 BtoCであれば「会員登録」「商品購入」 |
「認知拡大」が目的の場合、どのくらいの認知を取りたいのかという目標を設定し、そこから具体的なPV数や指名検索数の指標値を設定することができます。その指標にした数字を元にどのようなコンテンツをどのくらいの頻度で更新するべきか、といった設計を立てることができます。
コンテンツSEOで指標を達成するためには、どうすればいいか?
↓
1位を取ってクリック率が30%だと仮定すると、
検索ボリュームが10,000/月のキーワードで1位を取れば
1ヶ月に10000×30%=3000PV数を取ることができる。
↓
合計検索ボリュームが33万のキーワードで、
それぞれ1位を獲る必要がある
※あくまでシミュレーションは一例です。
ただし、書いた記事が必ずしも1位を取れるとは限りませんし、1位を取ったからといって30%というクリック率を確保できるわけではありません。またそれが企業の最終成果である売上に貢献しているかどうかも別物です。あくまでもコンテンツを作って終わりではなく、運用・分析・改善を繰り返して指標に向かっていくことが大切です。
ここまでの話を聞いて「コンテンツマーケティングで成果を出すのは難しそう」と感じた方もいるのではないでしょうか。
- 成果を出すための道筋を描けない
- 自社のリード創出に最適な手法・コンテンツが何か分からない
- KPIをどう設計すれば良いのかがイメージできない
これまでの事例も交えてどのような価値提供ができるかをお話させていただきますので、ぜひ一度THE MOLTSにご相談ください。
BtoBコンテンツマーケティングと併せて知っておきたい施策
本章では、「コンテンツの内容とタッチポイントはターゲットと目的に応じて変える」でご紹介してきた、BtoBのコンテンツマーケティングにおける代表的な手法を3つご紹介します。
- コンテンツSEO
- ホワイトペーパー
- メルマガ
コンテンツSEO
コンテンツSEOとは、検索をタッチポイントとしたコンテンツマーケティングのことを指します。コンテンツSEOが最も効果を発揮するのが、新規リード獲得など「CV獲得」が事業の課題となっているケースです。
その理由として、以下の2点が挙げられます。
- ユーザーのニーズがキーワードとして顕在化しているため、戦略次第では大きくCVに貢献する可能性がある
- 一度検索上位を獲れたら一定の流入数やCVが継続的に確保可能
例えば、自社で企業向けの会計ソフトを提供している場合、ターゲットとなるユーザーは「会計ソフト 比較」「会計ソフト おすすめ」といったキーワードで、情報収集することが予想されます。
このようにサービスや商品の導入を、まさに検討しているユーザーに対してダイレクトにアプローチできるのがコンテンツSEOの大きなメリットと言えるでしょう。
ホワイトペーパー
ホワイトペーパーはコンテンツマーケティングにおいて、認知拡大や新規リード獲得に有効な施策です。自社の商品やサービスのメリットや活用方法などの情報を記載し、課題解決のための情報を提供します。
オウンドメディアやメルマガなどからダウンロードさせて、自社に興味を持つ層の購入の意欲を高める目的で利用します。オウンドメディアのコンテンツ内やメルマガにCTAを設置することで、リード数やコンバージョン数を高められるでしょう。
メルマガ
メルマガ(メールマガジン)とは、登録した全ての顧客に対して一斉にメールを配信するメールマーケティング手法の一つです。メールの配信数や配信時間などを自由に調整でき、自動でリード獲得やコンバージョン数の向上につなげられます。
主に、自社商品やサービスの告知、キャンペーン情報やメンテナンス情報などのコンテンツを発信します。また、ターゲットを絞ってアプローチできるので、登録者情報から年齢・性別・役職などに応じて、配信するコンテンツの内容を変えることが可能です。
認知拡大から、顧客の購買意欲を高める、リピーターの獲得など、様々な場面で使える手法です。制作のコストも低く、的確にアプローチができるので、BtoBマーケティングに有効活用できるでしょう。メールマーケティングに関しては、以下の記事を参考にしてください。
BtoB企業のコンテンツマーケティング成功事例
ここまで、BtoB企業がコンテンツマーケティングを行うときの考え方と道筋をご紹介しました。具体的なイメージを持つためにも、実際にコンテンツマーケティングで成果を出したBtoB企業の事例をご紹介します。
株式会社SAKIYOMI|半年でリード数10件→500件へ成長させたオウンドメディア
Instagramの運用代行やコンサル、運用支援ツールの提供をする株式会社SAKIYOMIでは、自社のリード獲得を目的としたオウンドメディアを運営しています。
当初から、将来的にはオウンドメディアを軸にインバウンドでCV獲得ができる体制を目指し、社内で制作を全て内製化。その後、3カ月で100記事ほどのコンテンツを制作しました。
しかし、コンテンツの掲載である程度の流入は見込めたものの、想定していた成果に繋がっていないという運営上の課題がありました。
ある程度の流入の確保ができていたこと、またそれに連動する形で検索の上位表示が獲得できていた背景から、課題は「成果に結びつけるための動線がないこと」という現状を加味し、CTA改善施策と戦略的リライト施策を実行しました。
結果、リード創出は月10件→500件増加し、そのうち月間40〜50件が安定してアポ獲得、月5件はオウンドメディアから安定して受注できる体制を整えることができました。
株式会社ウィルオブ・ワーク|リード獲得件数が26〜32.5倍に急成長できたオウンドメディア
求人サイト「WILLOF(ウィルオブ)」を運営する株式会社ウィルオブ・ワークは、「Chance-Making Company」というブランドビジョンのもと、人材派遣、人材紹介事業のオウンドメディアを運営しています。
もともとはテレアポを中心とするアウトバウンド営業を中心に展開していましたが、より効率的に新規顧客を開拓するためにインバウンドマーケティング(オウンドメディア施策)の取り組みに注力していました。
しかし、「とりあえず思いついた記事を書こう!PVを伸ばそう!」など、成果指標や事業成長に基づいたプロセスを描くノウハウがごっそり抜けていたため、なかなか事業に直結する成果が出ないという課題がありました。
そこで、まずはPV数が出ていたとしても、自社の認知並びにリード獲得に繋がっていないコンテンツを一斉に削除。その上で、本質的な成果とは?を定め、目先の数字ではなく、成果から試算したオウンドメディアの運用を開始。リード獲得を成果指標と定めた上で、事業成長に基づいた戦略を練り記事を作成していきました。
結果、お取り組み以前の2021年1月頃は、毎月の4、5件ほどだった弊社サービス全般への問い合わせ件数が、2022年6月時点で毎月130件前後まで急増し、26〜32.5倍もの急成長に繋がりました。
また、単なるお問い合わせだけではなく、オウンドメディア経由で獲得した問い合わせから数億を超える売上を作り出すことに成功しました。
株式会社ブイキューブ|リード数10倍以上、受注率3倍増
サイト名 | テレワークナビ |
企業名 | 株式会社ブイキューブ |
コンテンツマーケティングをする目的 | リード獲得最大化 |
コンテンツの種類 | オウンドメディア(コンテンツSEO)、ホワイトペーパー、TVCM、広告 |
Web会議システムやセミナー向け動画配信サービスなど、テレワークに関する様々なソリューションを提供する株式会社ブイキューブ。
同社では、オウンドメディア「テレワークナビ」や、複数のサービスサイトを運用していましたが、社内にリードを最大化するためのノウハウが不足しているという課題を抱えていました。
そこで、弊社では「オウンドメディアを含めた保有WebサイトのCV最大化」をミッションにプロジェクトに参画。月間のリード獲得数が400〜500件であったところを、1年で3倍にあたる1,500件に伸ばすという目標を設定しました。
プロジェクト開始時は、CVのポイントが数百あり、正確なCV数を把握できていない状態であったため、まずはGoogleアナリティクスの整理からスタート。複数サイトのCVを正確に計測できる体制を整えました。
また、同時並行でセッション数の最大化に向けたコンテンツSEO施策を実施。短期間でのグロースが必要だったため、行動量を徹底し、2ヶ月間で120〜130コンテンツのリライト、そして新規コンテンツの制作を進めていきました。
その結果、半年後には35のキーワードで検索順位1位を獲得、上位10位以内に入っているキーワードも106ワードと、対策していた検索キーワードで軒並み上位表示を達成。
セッション数も前年比で7倍、リード件数も10倍以上の成長を見せており、案件化率は30%増、そして受注率も前年同月比で3倍増と、事業成長に大きく貢献しました。
スマートキャンプ株式会社|比較・検討ワードで高いCV率を確保
サイト名 | ボクシルマガジン |
企業名 | スマートキャンプ株式会社 |
コンテンツマーケティングをする目的 | リード獲得 |
コンテンツの種類 | コンテンツSEO、SNS向け記事 |
『ボクシルマガジン』は、株式会社スマートキャンプによって運用されているBtoB向けのオウンドメディアです。
コスト削減や業務効率化を図るために、クラウド型サービスの導入を検討している企業担当者をターゲットとして、ツールの比較に必要な基礎知識や、各ツールの価格や特徴を解説しています。担当者がボクシルマガジンを経由して、あらゆる法人向けSaaSを無料で比較検討でき、資料請求を促すことで、メディアの収益化へと繋げています。
同社は以前、SEOに関する知識が社内にあるが体系化されず、成果が伸び悩んでいました。元々はSNSをタッチポイントとするコンテンツも作っていましたが、SNS上でバズらせ続けて成果に繋げるには確率的な要素が含まれるため、一度大きな成果をあげれば長期的な資産となる可能性のあるコンテンツSEOを軸に切り替えています。
また、それまでSEOの知識に偏ったテクニック頼りのコンテンツ作りを行なっていたところを、改めてユーザー目線にキーワード選定や情報のピックアップを行なっていきました。
その結果、「マーケティングオートメーション 比較」「勤怠管理 比較」といった、ツールを実際に比較検討しているユーザーが検索するであろうキーワードでの上位表示を実現。見込み客を効率よく集客することでリードの最大化に繋げています。
3ヶ月間で月間40万UUから70万UUへ伸長し、リード獲得も4,000件弱に倍増と言った成果に繋がりました。
- これからBtoBコンテンツマーケティングに取り組むため、何から着手すべきか相談したい
- リード獲得から商談・受注までの全体的な戦略設計を提案してほしい
- インバウンドでのリード獲得や商談創出ができる体制を構築したい
コンテンツマーケティングの成功事例から学ぶ3つの法則
本記事で取り上げた事例の他にも、弊社は今まで多くのコンテンツマーケティングに携わらせていただきましたが、その中で、成功には3つの法則があるということがわかっています。
- 目的と成果が明確であること
- 一発で終わりではなく、継続し改善し続けていること
- タッチポイントによって適したコンテンツ運用が行われていること
目的と成果が明確である
まずは、成果が明確だからこそ、成果を得るための適切な行動が取れるということです。
なんとなく作る、ただバズらせたい、とりあえず検索順位1位を取りたい。これらは全て、成果が定義できていなければ、正しいマーケティング施策として成り立ちません。コンテンツマーケティングで成功するには、目的や成果から逆算してコンテンツを作る必要があります。
例えばブイキューブの事例では「テレワーク=ブイキューブ」というイメージ戦略によってリード獲得の最大化を目指したい、という大きな目標がありました。
そのために「テレワーク」を主軸としたコンテンツ制作・サイトリニューアルを行うという手段をコンテンツマーケティングの施策として実行し、成果に繋がっています。
一発で終わりではなく、継続し改善し続けている
良いコンテンツは一朝一夕で出来上がったのではなく、作り手側が何十回、何百回と継続的にマーケティングの改善を重ね、ようやく辿り着いた結果です。
成功しているメディアは幾度となくコンテンツを改善していますし、単発のコンテンツでは十分に認知されなくても、継続的にユーザーと接点を持ち続けることで確固たるブランドを構築しています。例えばボクシルは、サイト内に様々なコンテンツが敷き詰まっていることがわかります。
何が言いたいかというと、コンテンツはたかが一本や何十本を作っただけで本当に意味のある成果を獲得できるものではなく、タッチポイントごとに切り分けて成果に紐づいた戦略を立てた上で、しっかりと計測・継続していかねばならないということです。
タッチポイントによって適したコンテンツ運用が行われている
タッチポイントがソーシャルの場合は企画が、また自然検索流入の場合はキーワードから読み取れるユーザーニーズの調査が、コンテンツマーケティング成功の鍵を握っています。
良質なコンテンツを作るためには、このようにタッチポイントによって戦略立てが変わってくるのですが、ご紹介した事例はどれも、奇をてらったアイディアや企画ではありません。それぞれに適したコンテンツ制作・運用が成果に繋がっていることがお分かりいただけたかと思います。
コンテンツは一度作って終わりではない
最後に、実際にこれからコンテンツマーケティングに取り組もうとしている方や、現在取り組んでいるが成果につながっていない方に向けて、成功のためのポイントをご紹介します。
コンテンツマーケティングをするにあたって、カスタマージャーニーマップなどで戦略・設計をしてからコンテンツ制作することが重要と伝えました。しかし、そこで終わるのではなく、PDCAを回して行くことが必須です。
戦略を立てる時にKPIを明確にし、コンテンツを発信した後にどのような成果が出たのか、なぜ成果に繋がったか、あるいは繋がらなかったかを分析し改善していきましょう。
コンテンツが負債になる可能性もある
これまでコンテンツマーケティングの支援をしてきた中で、クライアントから「コンテンツは資産になるので、とにかく数を増やしたい」というお話を良くいただきます。しかし、これまで様々なコンテンツマーケティング支援をしていた経験から指摘させていただくと、「コンテンツは資産」という認識は誤りです。間違った認識のままコンテンツを増やしていくと、むしろビジネスの足を引っ張る「負債」と化すおそれがあります。
コンテンツは資産という議論で対比に挙げられるのが広告です。広告投資は一時的に効果を発揮する「フロー型」であるのに対し、コンテンツは一度つくっておけば消えてなくならない「ストック型」という意味で、「コンテンツは資産になる」と捉える方が多いのでしょう。
しかし、コンテンツは「価値を生むものもあれば、生まないものもある。また、価値が増えるものもあれば減るものもある」ものです。品質の低いコンテンツは、価値を生まないどころか、存在することで価値を毀損する「負債」になるケースがあります。
コンテンツは、眠らせておいても勝手に価値を生み出してくれるような種類の資産ではありません。価値が生まれるように、絶えず手入れが必要です。
戦略や制作はプロに任せてみるのもあり
コンテンツマーケティングを始めるにあたって不安な方は、施策の土台となる「戦略」や「制作」はプロに任せてみる選択肢も視野に入れておくと良いでしょう。
というのも、戦略や制作といった土台となる部分がうまくいっていないと、どれだけ時間や労力を使っても成果になかなか結びつかないからです。
闇雲にコンテンツを作っても簡単に結果が出るというものではない施策だからこそ、プロと一緒にしっかりと土台を固めた上で目標に向かって動いていくというのが賢い判断と言えるでしょう。
コンテンツ制作でも大切にすべきことは多々ありますが、プロに任せるにしても自社での制作にしても、最終的にはユーザーに寄り添い、突き詰めて考え抜かれたコンテンツが重要となります。
実際にプロがコンテンツ制作の際、何を重要と捉えているのか、どういった仕事をしているのかを知ることが、外部に依頼する際の判断材料になるでしょう。
まとめ|ターゲットの態度変容に合わせたコンテンツが成功の鍵
本記事では、BtoB企業がコンテンツマーケティングを成功させるための考え方と道筋を事例と共に紹介しました。
BtoB企業は認知から購入までの道のりが長い上、複雑であることも多々あります。
コンテンツマーケティングを行うときは、ターゲットと目的を明確にした上で、コンテンツ形態・内容とタッチポイントを最適化し、PDCAを回すことで成果につなげていきましょう。
よくある質問とその回答
コンテンツマーケティングで成果を上げたいのですが、どのようにすれば良いですか?
コンテンツマーケティングで成果を上げるためには、目的・KPIの明確化、戦略設計、運用、改善を繰り返していく必要があり、短くても成果が出始めるまでに半年〜1年程度はかかってきます。
常に目指すべき成果を見据えながら、改善を繰り返し、長期に渡って継続できる運用体制が必要です。
コンテンツマーケティングを新たに取り組みたい、今行っているコンテンツマーケティングが正しいかを判断したいという担当者様に、MOLTSでは成果につながるコンテンツマーケティングの体制構築や支援を提供しております。
まずは一度「コンテンツマーケティングの支援内容」をご覧ください。
BtoB企業がコンテンツマーケティングに成功した事例を教えて下さい。
BtoB企業がコンテンツマーケティングを行う目的の一つとして、サービスの成約や購入などが挙げられます。
成約事例の一つとして、テレワークに関する様々なソリューションを提供する株式会社ブイキューブでは、リード獲得を目的に運営しているオウンドメディア「テレワークナビ」からリード獲得数を増やすために、コンテンツマーケティングに注力しました。オウンドメディア上で数百にもおよぶ計測ポイントをGoogle アナリティクスで整理し、新規でのSEO記事制作や認知拡大のためのホワイトペーパー設置も進めたことにより、受注率も前年同月比で3倍増となりました。
本記事では、BtoB企業でリード獲得目的に運営しているオウンドメディアについて紹介しています。詳しくは「BtoB企業のコンテンツマーケティング成功事例」をご覧ください。
はじめてコンテンツマーケティングを行います。何から取り組めば良いでしょうか。
コンテンツマーケティングを始める前に、自社課題とコンテンツマーケティングの目的を整理します。
前提として、コンテンツマーケティングは、ユーザーにとって価値のあるコンテンツによって、自社事業の抱えている課題を解決するために行うものです。
例えば、リード獲得に悩んでいる場合は「サービス問い合わせ数」「資料ダウンロード数」、売上が低迷しているのであれば「商談数」「受注率」などが、課題として挙げられます。ただし、コンテンツマーケティングはどのような課題でも解決できるマーケティング施策というわけではありません。コンテンツマーケティングありきで考えるのではなく、まずは自社課題に向き合う必要があるでしょう。
本記事では、BtoB企業がコンテンツマーケティングに成功するための5つのステップや、成功事例を3つ紹介しています。詳しくは「BtoBでコンテンツマーケティングを成功させるための道筋」をご覧ください。
BtoBコンテンツマーケティングのプロに一度相談してみませんか?
THE MOLTSはデジタルマーケティングに関するさまざまな領域のプロフェッショナルが集う会社です。弊社では、パッケージでの支援内容の提供を禁止しており、頂いた相談内容に応じて、最適な支援内容は何かを模索し、都度フルカスタマイズして支援内容を定めております。
そうした形でのクライアント支援を通じて、以下のような成果を数多く上げてきました。
- リード創出が月10件から500件に増加し、月間40〜50件のアポ獲得を実現した事例
- リード創出数10倍以上、受注率3倍に増加した事例
- 3ヶ月間で月間40万UUから70万UUへ伸長した事例
- 月4,000件のリード獲得を達成した事例 など
全体戦略設計やコンテンツ制作・運用代行、周辺組織との連携構築などが可能です。貴社の状況に応じて、一部のみの支援をすることやコンテンツマーケティング以外の施策をご提案することも可能です。
「こんなことも相談できるのかな?」といった些細なお困りごとでも構いませんので、まずは貴社のお取り組み状況や展望についてお聞かせください。貴社が成果を出すために必要な施策やプランをご提案します。
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