「お金になる企業が優先対応も」転職エージェントにガチ本音聞いてみた

寺倉 大史

Media Consultant / Business Producer

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「お金になる企業が優先対応も」転職エージェントにガチ本音聞いてみた

こんにちは、MOLTSのそめひこです。

『Recruiting Disscution Series』(略:RDS)と題しまして、Colleaguesの福田航太氏と共に、これまで5回に渡って人事担当者向けの勉強会を開催してまいりました。今回はその第6回目として、 “採用力強化のために「エージェントの本音を探る」会” を開催。

人事担当者の方々だけでなく、転職エージェントの皆さまをお呼びし、両者がふだん思っている疑問や悩み、要望などを「ぶっちゃけトーク」でぶつけ合い。エージェントは人事を、人事はエージェントを理解することでよりよい採用を行うための足がかりになればと。

なかなか知ることのできない転職エージェントの方の本音や、人事担当者の本音が飛び交いました。

少しでも全国の人事担当者の皆さまの参考になればと、第6回目にして初めてのイベントレポートを公開させていただきます!

Result Driven.
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「転職エージェントを活用した採用活動」の前提知識

まずは勉強会の共同主催者であるColleaguesの福田氏より、「転職エージェントを活用した採用活動」の前提知識を共有いただきました。

 1. 大前提のスタンス

福田「転職エージェントはなにもしてくれない」と思っている企業は多いですが、エージェントは「どうやったら、この人事の方をサポートできるかな」と本気で考えているんですね。そのため、大切なのは「エージェントと人事のパートナーシップの構築」。

情報がないとエージェントも動きづらいため、人事からエージェントに対して「紹介いただいた●●さんはこうでした」といった丁寧なフィードバックを返したり、月末に「今月は何人採用につながったよ」とメールを送ったり、飲み会をしたりするのも有効です。

一方で、一度失った信頼を取り戻すのは非常に大変。実際、私も過去にエージェント経由の採用比率を下げ、ダイレクト比率を上げていこうと思っていた中で、エージェントへの対応をおざなりにしてしまいました。そうすると、「あそことやり取りするのは面倒だ」と思われてしまうんですよね。

人事の方は転職エージェントの方との「パートナーシップ構築が大切」というのが、大前提となるスタンスです。

2. エージェントの種類と特徴

福田転職エージェントは大きく「総合型」「ブティック型」「ヘッドハンター(エグゼクティブ・サーチ)」の3つに分けられます。

「総合型」はいわゆる大手エージェントが多く該当するでしょう。登録者の絶対数が多く、紹介数も多いのですが、あまり会社のことを理解せずに来られることも多いのが特徴です。

総合型で効果をあげるには、人事担当者の方がエージェントの営業担当者の評価ポイントを理解してあげることが大切です。月内の採用決定数が評価ポイントであれば、選考スピードが早い企業に優先的に紹介するでしょう。また採用決定率を高めるために、候補者向き合いの方向け勉強会を営業担当に調整して開いてもらい、自社の情報を発信するのも大切です。

続いては「ブティック型」。業種を絞ることで企業に適した候補者を紹介するのが特徴です。

企業向き合いと候補者向き合いを両方されている方が多かったり、経験を積まれている方が多いため、「ここの会社決まらないな」と思われてしまうと紹介してもらえなくなる可能性があります。

そして企業側の対応が雑だと、エージェントとしての信頼も落ちてしまうため、ブティック型からの紹介は丁寧な対応とコミュニケーションを心がけるべきです。

最後に「ヘッドハンター(エグゼクティブ・サーチ)型」。採用単価は跳ね上がるかもしれませんが、難易度が高いポジションもしっかりと決めてくれるのが特徴です。

基本的に、候補者に声がかかったときに紹介されるのは1つの会社のみ。前金を支払うこともありますが、「ヘッドハンターなんだし前金払ってるんだから、決めて当たり前でしょ」という対応をしてしまうと、とりあえず決めるようなことにもなってしまうため注意が必要です。

また「まだ転職を考えてません」という候補者も多いため、エージェントと一緒に口説ける社内体制も大切。「この会社じゃ口説けないよな」と思われてしまうと紹介しづらい場合も。

3. 採用担当として大切なこと

福田エージェント視点で、採用担当者が意識すべき大切なことは3つあります。

1つは「気持ちよく仕事ができるかどうか」。

特に大事なのが、社内を動かす力です。人事と事業部の関係性が大切で、人事側の立場が事業部より弱いと採用決定率は著しく下がります。選考フローで事業部長がどんどん出てくると決まりやすいため、人事はいかに会社を巻き込むかが非常に大切になってくるのです。

そして2つめは、「候補者を口説くための情報を提供できるか」。

会社のことを知らなかったら、当然エージェントも紹介できません。エージェントにわかりやすく説明することが非常に大切です。そして、そもそも人事が理解してないとエージェントにも適切に伝えられないため、極論候補者に対して「自分たちは何を目指している会社で、なぜあなたが必要なのか」を説明できるようにしましょう。

最後3つめは「自社に口説く力があるか」。

人事の方が自社のミッションなどをアツく語れなくても、社長や事業部長をアサインできれば問題ありません。1つめでも述べた「社内を動かす力」が大切になってきます。

※参考までに、当日のスライドも掲載させていただきます

「正直、営業担当を変えてほしいんですが……」エージェントと人事のぶっちゃけトーク

続いては今回の勉強会のメインである、転職エージェントと人事担当者が質問をぶつけ合う「ぶっちゃけトーク」に。こんなときどうすればいいの?といった疑問から、クライアント様には直接言えないエージェントの本音まで、匿名でなければ書けないぶっちゃけ話が飛び交いましたので、余すことなくご紹介いたします!

質問. エージェントのKPIはどんなものがあるの?

大手エージェントAの答え大手エージェントの場合、進捗数、一次面接の設定数、二次、内定数、決定数すべてKPIです。営業担当は50〜60社を担当し、月初に「これだけ進捗入れてたら、これだけ決定がある」という数値をマネージャーに管理されてます。つまり、どれだけ進捗を入れられるかが鍵。書類が通過しない限りはなにも進まないので、企業から特殊な要件や人物面などの要望を書類選考のタイミングで求められると、正直積極的に注力する企業からは外れてしまいます。

結局、評価されるのは成果報酬のフィーなので、決定まで時間がかかる企業よりも、スピーディーな企業が優先的に対応してしまうのは仕方がありません。

そのため、人事担当者の方に理解いただきたいのは、手間はかかりますが面談をどんどんしてほしいなと想います。そういった企業へは推薦数も増えます。

ブティック型エージェントBの答え本当はKPIで仕事をしてはいけないと思ってます。目の前のお客様を満足させることが売上につながるため。

また採用は当事者、すなわち企業側と候補者側が決めるべきことだと思うので、エージェントの自分たちがKPIを決めちゃうと、自分たちの意思が入っちゃうんですよね。なので、あまり細かいKPIは見ていないです。

ブティック型エージェントCの答えプロセスのKPIは追っていませんが、候補者の面接数は見ています。もちろん本人には伝えませんが、「この人なら決定まで何件、面接しないといけない」というのを設定しているんです。そのため面接慣れをしてもらうために、噛ませ犬的な面接を入れることはぶっちゃけありますよ。

質問. ブティック型エージェントにとって、どういうお客さんが好かれる?

ブティック型エージェントDの答え定量的なところよりも、定性的なところを見ています。具体的には「採用が決まるイメージがどれだけ湧けるか」。

スキルがうんぬんといった「最終面談で言うことかよ」みたいなことを言われる企業さまはやっぱり付き合いづらいですね。いかにリレーションシップが築けるかが大事だなと。

ブティック型エージェントCの答え人事の方のマーケット理解が大事です。人事の方がマーケット感を理解していて、エージェントとの目線と期待値が合うと、すぐに支援したいと思えます。

たとえば「こんな人、いないのはわかってるけど」とマーケット感をとらえてもらえるだけでも嬉しい。「Rubyをやってて転職活動中の人」なんて5人とかだったりするわけです。一方、求人は1000社あったり。そういったマーケット感は少し調べれば分かります。また、IT白書などでマーケット感を知っておくなども大切ですね。

質問. マーケット感はどう把握すればいい?

ブティック型エージェントBの答え人事の方はやっぱりわからないので、エージェントと一緒に決めたほうがいいと想います。たとえば大手エージェントのサービスを使って「Webマーケティング ●●歳」と検索するだけでも、どれだけの人数がいるか市場規模が分かります。そういった情報をデータ化しておいて、仮説を立てられるようにするだけでも意味があります。

質問. 人事がマーケット感を理解していても、事業部からは「それが仕事だろ」と板挟みに。どうすればよい?

ブティック型エージェントCの答え打ち合わせに現場の方も連れて来てもらえれば、エージェントから説明できます。

質問.(エージェントから人事へ)「面接官はどなたが担当されますか?」と聞いても答えてもらえないことがある。なぜ? エージェント側からすると候補者に事前に情報共有できるため、決定数をあげるためにも教えてほしい。

人事担当A:当日にならないと決まらないことがあるんです。「まだ調整がついてない」ということがほとんどではないでしょうか。

人事担当B:大手企業になればなるほど、「(社内情報だから)言ってはいけないのでは?」と思ってる場合もあると思います。

ヘッドハンター型エージェントE:私たちは「いつもの◯◯さん(候補者)で面談に挑んでください」と伝えてます。地頭力で勝負してほしいのに、事前に面談の情報を伝えてしまうと用意してきてしまうため。

大手エージェントA:大手企業と総合型エージェントがタッグを組むと、あまり良い結果は生まれないかもしれません。人事は事業部に候補者を送り込めば評価され、エージェントは決定数出せば評価される。つまり、決定数は増えるけど、(最適な人材を送り込めず)離職率も増えていく可能性が高まります。

 質問. エージェントの方も、人事担当者と相性が合わないと思うことはありますか?

大手エージェントAの答えあります。(成果を出すために)時間が限られているので、正直ベースで相性がいいご担当者と付き合いたいと思います。相性が悪いと成果を出しづらいため、優先度は下がってしまいます。

ただ、大手エージェントの場合は営業担当は若いものが担当することがほとんどのため、「一緒に頑張りましょうね!」という一言でモチベーションは変わります。「この人事から認められてる」と感じられるかどうかが意外にも大切。

ブティック型エージェントBの答え150社担当している中で、月に決定するのは多くて4〜5人。そうなると、注力できる企業さまは20社程度。会社が好きか、その人事担当者が好きかで注力企業は選ぶのが実情です。

注力したくなるのは、フィードバックをきとんといただける人事の方。理想とする候補者がどういった人材なのか、目線が合わないとやはり紹介しづらい。そのため、フィードバックも「スキル不足だから」だけだと何が悪かったのかわからないため、ぶっちゃけて話して欲しいと思います。逆に面談を通過した場合も「どこがよかった」というのをフィードバックしていただけると嬉しいですね。

 質問. RA(リクルーティング・アドバイザー)の実力によって採用成功率が変わってしまうため、優秀なRAに担当してもらうためにはどうすればよいか?

大手エージェントAの答えお金が出やすい案件であれば、優秀な担当がつきます。また、クレームを入れるのも嫌な方法ですが、担当変えには効果があります。

質問. エージェントに求める人物像のイメージを共有するには、どういった方法が効果的ですか?

ブティック型エージェントBの答え左脳ではなく右脳で語るほうが伝わります。(候補者の)入社後のイメージを文字でも画像でも映像でも、現場の方を連れて来てもいいので、右脳的訴求で伝えられると効果的です。

大手エージェントAの答え直近で採用が決定した方の「他にどこの企業の面談を受けたか」「どういった志向性があるか」といった情報をデータベースに残しておくと、エージェントにすぐ共有できるため効果的です。そういったデータベースがあればエージェントも推薦を加速できます。

質問. エージェントが思う「イケてる人事」と「イケてない人事」の違いは?

大手エージェントAの答え調整業務しかできない人事担当者は正直微妙だなと思います。またレスが遅い方もイケてない。

ブティック型エージェントBの答えそもそもで経営課題があって採用課題が存在します。経営課題がわかってない人事の方と話していても、あまり実のあるお話にはなりにくい。

また自社に完全にマッチする100点の人材はもちろんいないんですね。なので企業側も「この候補者はここがいいけど、ここが合わないかもしれませんね」とジャッジできると良いのですが、経営課題をわかっていないとジャッジできない、というのはあります。

ブティック型エージェントCの答え転職エージェントを業者扱いをする人事担当者は正直お付き合いしづらいです。あとは自社の採用課題を言えるか、言えないかは大切。伝書鳩人事は課題が分かっていないことがほとんどだなと感じます。

ヘッドハンター型エージェントEの答え正確な情報をちゃんと言語化できる人事はイケているなと感じます。エージェント側は推薦するかどうかを判断しないといけないため、企業がどこで迷っているのか、(候補者に対して)どういう期待値を持っているのか、といった情報を共有してほしいんです。極論、「社長の気分で変わっちゃいました」でもいいので、なんでも共有してもらえると雰囲気がつかめるんですよね。

 おわりに

ぶっちゃけトーク、めちゃくちゃ白熱いたしました。なるべくリアルなコメントをそのままお伝えしてきましたが、現場の「ぶっちゃけ感」は伝わりましたでしょうか?

終始、転職エージェントの方々から出たのは「目線を同じにする」ということ。自社が求める人物像、また自社の採用課題から経営課題まで、人事担当者と転職エージェントが同じ目線に立てるようコミュニケーションをとることが非常に大切です。

もし「転職エージェントを活用しているが採用がうまくいかない」とお悩みでしたら、今回の内容をぜひ思い返してみてくださいね。

そして今後も『Recruiting Disscution Series』は開催予定!

「人事の繋がりをつくりたい」「人事同士で情報共有をしたい」という人事担当者の皆さま、ぜひ次回もご参加ください! それでは、また!

この記事を書いたメンバー

TAISHI TERAKURA

寺倉 大史

Media Consultant / Business Producer

1987年、京都生まれ。藍染職人から2013年株式会社LIGに入社。同社でメディア事業部部長、人事部長を経て、2015年9月からは執行役員を務める。2016年3月にデジタルマーケティングカンパニー『MOLTS』を設立し、独立。オウンドメディア、コンテンツマーケティングのアドバイザリー、インハウス化支援、運用代行を軸にし、事業開発、営業組織教育、組織開発など幅広く支援の幅を広げ、累計50社以上の事業成長に貢献する。

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