【初心者向け】Googleアナリティクスとは | 使い方や設定方法を解説
この記事でわかること
- そもそもGoogleアナリティクスとは何か、活用する目的とメリット
- Googleアナリティクスで見るべき4つの指標と5つの活用事例
- Googleアナリティクスの導入3ステップと設定すべき4つのポイント
※Googleアナリティクスの計測は、2023年7月1日にてサポートが終了し、現在は「Google アナリティクス4 プロパティ(通称GA4)」へ移管しています。
「GA4」は2020年10月にリリースされた最新版のGoogle アナリティクスです。過去のレポートデータも2024年7月1日に閲覧が終了するため、今後のアクセス解析は「GA4」に慣れていく必要があります。(有償版GA360(UA)の計測/閲覧も2024年7月1日終了予定)
「GA4」の概要や使い方、旧Googleアナリティクスとの違いについては、解説記事をご覧ください。
Google アナリティクスは、サイトにどんな人が訪れているのかといった「属性データ」や、サイト内でどんなページを見ているのかといった「行動データ」を分析して、サイト改善へと繋げることができるアクセス解析ツールです。
本記事では、
- Google アナリティクスの基礎知識
- Google アナリティクスの使い方や設定方法
- Google アナリティクスの解析事例
について初心者の方でもわかりやすいように解説します。
これから本格的にGoogle アナリティクスでサイト改善をされたいご担当者さまは、ぜひご参考ください。
Googleアナリティクスをより高度に使いこなしたい方へ、プロに無料相談してみませんか?
- 複数サイト/複数担当者がいる中で、今後GAの運用をどうルール化・統制すべきか相談したい
- データの可視化から分析にかかる工数を削減するために、どんなことができそうかアドバイスしてもらいたい
- BigQueryなどを活用し、今後さらにGAを使いこなす方法を模索したい
このようなGoogleアナリティクスについてのお悩みを、業界歴15年以上のプロフェッショナルに相談してみませんか?貴社のニーズや課題にマッチした解決策をご提案・アドバイスいたします。
ご依頼は必須ではないので、まずはお気軽にご相談ください。
※「設定方法のレクチャー」ではなく「相談」「ディスカッション」が対象となります。
Google アナリティクスとは
Google アナリティクス(GA)とは、Googleが提供する無料で利用できるアクセス解析ツールです。幅広いデータの計測や解析を行い、サイト改善に繋げることができるので、Webサイトの運用には必須のツールと言えます。
計測対象となるWebサイトを、Google アナリティクスに登録することで、Javascriptで記述された「トラッキングコード」が個別に付与されます。そのトラッキングコードをサイト内に埋め込むことで、各種データの計測を開始することができます。
本記事はユニバーサルアナリティクス(UA)について解説しています。UAでの計測は、2023年7月1日にてサポートが終了し、現在は「Google アナリティクス4(通称GA4)」へ移管しています。「GA4」の概要や使い方、旧Googleアナリティクスとの違いについては、「GA4」の解説記事をご覧ください。
ユニバーサルアナリティクスで計測できるデータは、主に4つに分類できます。
これらのデータを見ていくことで、サイトの現状を正しく知り、どのように改善すればサイトの成果へと繋がるのかを議論していくことができます。
Googleアナリティクスで計測できる指標
Google アナリティクスで見るべき指標は、どのような目的でどのようなデータを得たいのかによって様々です。
※この記事では「ユニバーサルアナリティクスでの計測指標」について説明しています。Google アナリティクスの最新版である「Google アナリティクス 4(通称GA4)」での計測方法については、下記記事をご覧ください。
「ユーザー」で訪問ユーザーの数と質がわかる
左サイドバーの「ユーザー」(オーディエンス)メニューにある「概要」をクリックし、「ユーザー サマリー」レポートで下記の項目が確認できます。
ユーザー/新規ユーザー/セッション/ユーザーあたりのセッション数/ページビュー数/「ページ/セッション」/平均セッション時間/直帰率
ユーザーサマリーレポートではユニークユーザーの数、年齢や性別、地域、アクセスされているデバイスなどの数値が把握できます。どういう顧客が訪問しているかを把握できると、ランディングページや広告の訴求内容も改善がしやすくなります。
「集客」でチャネル(アクセス元の経路)がわかる
自社のサイトにどのようなチャネルからアクセスがあるのかを確認しましょう。
左サイドバーの「集客」メニューから「概要」をクリックすると「集客サマリー」から下記の数値がレポートで閲覧することができます。
上位のチャネル/ユーザー/コンバージョン
ここでは上位のチャネルの主要指標を見ていきましょう。
・Organic(オーガニック検索)
Googleなどの検索エンジンからの自然検索流入を指します。
・Social(ソーシャル)
Facebook, Instagram, TwitterなどのSNSからの流入を指します。
・Direct(ダイレクト)
直接URLを入力したり、ブックマークからの流入を指します。
・Referral(リファラル)
他サイトに貼ってあるリンクからの流入を指します。
・Paid Search(有料検索)
検索連動型広告(リスティング広告など)からの流入を指します。
・Display(ディスプレイ)、Other Advertising(他の広告)
ディスプレイ広告など検索連動型広告以外の広告からの流入を指します。
「行動」でどのくらいページが見られているかがわかる
「行動」サマリーでは、ページビュー数や滞在時間、直帰率がわかります。
左サイドバー「行動」配下の「概要」をクリックして「行動サマリー」のレポートで下記の項目を確認することができます。
ページビュー数/ページ別訪問数/平均ページ滞在時間/直帰率/離脱率/Adsenseの収益など/ページ/サイトコンテンツ
ここでセッション、アクセス、ページビュー、ユーザー、アクセスの違いを整理しておきましょう。
セッション数とはひとりのユーザーがWebサイトを訪問(=アクセス)した回数のことです。1回のセッションで、複数ページを閲覧してもセッション数は1になります。Googleは「アクセス(数)」という言葉を正式に使用していませんが、一般的には「セッション(数)」と同義で使用されていることが多いでしょう。
ページビュー数とは、ユーザーがページを閲覧した回数です。1回の訪問で5ページ閲覧すると、「5ページビュー」かつ「1セッション」になります。
ユーザー数とはWebサイトに訪問したユーザーの数をCookieベースでカウントした数値です。デバイスごとにCookieがカウントされるので、ひとりのユーザーがPCとスマホとタブレットでサイトに訪問したい場合はユーザー数が「3」とカウントされます。
「コンバージョン」でCVの数がわかる
Google アナリティクスで「目標」を設定すると、登録完了ページや購入完了ページ、ダウンロード完了画面の訪問などを計測できます。左サイドバー「コンバージョン」>「目標」>「概要」をクリックすると「目標サマリー」レポートで下記の項目が閲覧できます。
目標の完了数/目標値/コンバージョン率/目標全体の放棄率/目標ごとの完了数
何か施策を実施した後で、CVがどのように変化したかを把握するときは「コンバージョン」内の目標の設定とサマリーの確認を行っていきましょう。詳細は次の章で説明します。
Google アナリティクスの基本的な使い方
Google アナリティクスで、サイトのデータを見ていく前に、まずは基本的な使い方をマスターしておく必要があります。
なお、Google アナリティクスの基本的な使い方に関しては、「Google アナリティクス アカデミー」で動画を使ったオンライン学習ができますので、初心者はそちらも参考にすると良いでしょう。
データの取得期間を選択する
Google アナリティクスの初期設定では、直近1週間のデータしか表示されませんが、画面上部右側の日付を選択することで、過去のデータを閲覧できます。
最大で、Google アナリティクスのトラッキングコードを埋め込んだ時点まで遡ることが可能です。
また、画面右上の比較ボタンにチェックを入れることで、「今週と先週のデータ」や「前年度の同期間のデータ」と比較することができます。
ExcelやGoogleスプレッドシートにデータをエクスポートする
Google アナリティクスではできない詳しい分析や、報告書を作成する場合には、ExcelやGoogleスプレッドシートにデータをエクスポートする必要が出てきます。
データの期間を選択した後に、画面上部右側の「エクスポート」ボタンをクリックし、「PDF」「Googleスプレッドシート」「Excel(XLSX)」「CSV」から出力したいファイル形式を選択しましょう。
なお、Googleスプレッドシートの拡張機能を活用することで、自動でGoogle アナリティクスのデータを、Googleスプレッドシートにエクスポートする方法もあります。
設定を行うには、多少の専門知識が必要になってきますが、レポート作成の工数を大幅に削減できますので、活用をおすすめします。詳しくは、「アナリティクスのデータをスプレッドシートに移動する」を参考にしてください。
独学でGoogle アナリティクスを使うときに、初心者がやってしまいがちなよくある失敗
弊社THE MOLTSにはデータ分析のプロフェッショナルが在籍しており、Google アナリティクスの使い方に関するご相談もよくいただきます。
その中でよく見られる、Google アナリティクスを使うときによくやってしまいがちな失敗例を紹介します。
- 正しく設定できていないことに気付かず運用してしまう
- 成果に繋げるために見るべき数字を洗い出せていない
- 運用する中で、どのような設定をしていたか分からなくなってしまう
プロに依頼した場合の違いも含めて解説するので、参考にしてください。
よくある失敗1.正しく設定できていないことに気付かず運用してしまう
独学でGoogle アナリティクスを設定した際に発生しがちなのが、正しい設定ができておらず正確なデータを計測できていないまま運用してしまうことです。
例えば、自分では正しく設定をしたつもりでも、実際には抜け漏れや軽微なミスなどがあり、データが必要なときになってから「コンバージョン(キーイベント)が正しく計測できていない」となってしまうケースです。
データはマーケティング戦略などを考えるうえでの大切な資産ですし、後になってから過去のデータを計測し直すことはできません。そのため初めから正しい設定ができていないと、大きな機会損失に繋がってしまう恐れがあります。
データ分析のプロにGoogle アナリティクスの設定を依頼すると、そのような設定ミスを防ぐために、計測確認(テスト)をしっかりと行ってもらえます。
また弊社がGoogle アナリティクスの設定をサポートする場合は、どこでどのような設定をしたのかを設計書にまとめることで、定義を明確にして設定ミスを発見する体制を構築しています。
▼設計書イメージ
▼設計書に記載される内容
- アカウント・プロパティ一覧
- 基本設定
- 内部トラフィックルール
- 取得変数
- イベント設定
- イベントトラッキング管理
- utmパラメータ管理
- 連携済みツール
- GTMタグ情報
※設定内容により変動あり
万が一計測できていないデータが見つかったとしても設計書があれば、議論しながら設定の抜け漏れを見つけ出すことができます。
よくある失敗2.成果に繋げるために見るべき数字を洗い出せていない
Google アナリティクスに関する相談のなかには「設定自体は正しかったものの、本来自社サービスのマーケティングに必要なデータを漏れなく取得することができていなかった」というケースもよくあります。
例えば、「特定の流入経路のみに絞って施策の効果を検証しようと思ったが、その経路のみに絞ったコンバージョン(キーイベント)設定ができていなかった」「特定のコンバージョン(キーイベント)ポイントのみの獲得数を測りたかったが、そもそもそれができるURL構造になっていなかった」などが考えられます。規模が大きくページ数が多いサイトほど、このようなミスが起こりがちでしょう。
繰り返しになりますが、後になってから過去のデータを取り直すことはできないため、初めから漏れなくデータを取得できていないと機会損失に繋がってしまう恐れがあります。
Google アナリティクスを使っていくと、どうしても分析レポートを作ることが目的となってしまいがちです。本来の目的は、サイトの問題点を浮き彫りにして、改善に繋げることです。レポートを作って終わりではなく、どう成果へと紐づけていくかまでを定義していく必要があります。
Google アナリティクスには、豊富な機能があるからこそ、本当に見るべき数字を見失いがちです。ビジネスモデルやデータ分析の目的・サイトの特性によって見るべき数字も変わってくるので、分析で必要な数字を洗い出しておくことが大切です。
プロに依頼すると、これまでさまざまな企業の計測設定をしてきた知見をもとに、取るべき数字を提案してもらえるでしょう。以下のような要件定義からスタートし、ビジネスモデルや上流のマーケティング戦略も加味した設定をしてもらえます。
▼要件定義のイメージ
- 初期ヒアリング・調査
- KPI設計
- 計測範囲整理
- GAイベント・コンバージョン(キーイベント)設計
- 変数設計
- 技術要件確認
- 実装内容確定
- 設計書作成
よくある失敗3.運用する中で、どのような設定をしていたか分からなくなってしまう
運用していくなかで、企業の担当者が独学でGoogle アナリティクスの設定を行うと、後からどのような設定をしているのかが分からなくなってしまうこともよくあります。
たとえば「フォームを追加したためコンバージョン(キーイベント)の設定を更新したい」「なんらかの計測エラーが起きているため、設定内容を見直したい」などの状態で、ある特定の人しか設定内容やルールが分からないとどうなるでしょうか。最悪のケースとして、設定した人が退職してしまっていたら、現状が把握できないため、更新も修正もできないという事態に陥ってしまいます。
中長期的に運用していくには、複数人がGoogle アナリティクスの知識を持ち、触れる環境を作ることが大切です。属人化させない・設計書を残す・ナレッジ共有できる環境を作るなどの工夫が必要でしょう。
なおデータ分析の領域は、ナレッジを残すことが極めて難しいという特徴があります。そのため、今後社内でデータ分析ができる体制を作っていきたいのであれば、データのプロに支援や教育を行ってもらうのもおすすめです。
会社によっては、講習会などトレーニングを提供していることもあります。設定時から一緒に取り組むことができれば的確なアドバイスがもらえ、計測や分析で困ったことがあったときにすぐに原因把握や対策の相談ができるでしょう。
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- 複数サイト/複数担当者がいる中で、今後GAの運用をどうルール化・統制すべきか相談したい
- データの可視化から分析にかかる工数を削減するために、どんなことができそうかアドバイスしてもらいたい
- BigQueryなどを活用し、今後さらにGAを使いこなす方法を模索したい
このようなGoogleアナリティクスについてのお悩みを、業界歴15年以上のプロフェッショナルに相談してみませんか?貴社のニーズや課題にマッチした解決策をご提案・アドバイスいたします。
ご依頼は必須ではないので、まずはお気軽にご相談ください。
※「設定方法のレクチャー」ではなく「相談」「ディスカッション」が対象となります。
Google アナリティクスの導入方法
Google アナリティクスの導入方法を、手順に沿ってご紹介していきます。Google アナリティクスの導入は難しく思われるかもしれませんが、初心者でも簡単に導入できます。
- Googleアカウントを取得する(持っていない方のみ)
- Google アナリティクスに登録する
- トラッキングIDの取得と埋め込み
なお、本章で紹介しているのはユニバーサルアナリティクスの導入方法です。これからGoogle アナリティクスを導入する場合は、最新バージョンのGoogle アナリティクス4(GA4)について解説している下記記事を参考にしてください。
STEP1:Googleアカウントを取得する(持っていない方のみ)
Google アナリティクスを利用するためには、Googleアカウントを作成する必要があります。フォームに従い、「氏名」「Gmailアドレス」「パスワード」「生年月日」「性別」といった基本情報を入力します。
この際、「電話番号」「メールアドレス」の入力を求められます。必須ではありませんが、パスワードを忘れた時に、パスワードのリセットができるようになりますので、なるべく登録をしておきましょう。
なお、既存の会社のメールアドレスを、そのままGoogleアカウントとして登録したい場合は、「代わりに現在のメールアドレスを使用」をクリックして、登録を進めてください。
Google アナリティクスを複数人で共有したい場合(権限を付与する場合)は、オーナーだけでなく閲覧者もGoogleアカウントが必要になります。それぞれで、Googleアカウントの取得を行いましょう。
基本情報を入力し終えたら、「プライバシーと利用規約」が表示されます。規約を読み、「同意する」をクリックしたら、Googleアカウント登録は完了です。
詳しい規約内容については、「Google アナリティクス利用規約」を必ずご確認ください。
STEP2:Google アナリティクスに登録する
ここから、実際にGoogle アナリティクスに登録していきます。
Googleマーケティングプラットフォームのアナリティクスのサービスページにアクセスをして、「無料で利用する」をクリックしましょう。
アカウント名には、会社名や部署名などを入力しましょう。同一アカウントに複数のトラッキングIDを紐づけることができます。
続いて、アカウントのデータ共有設定を行います。個々の設定の詳しい概要に関しては、「アナリティクス ヘルプページ」で解説されていますが、基本的にはGoogleの推奨に従い、全てチェックボタンを入れていきます。
次へボタンをクリックし、「ウェブ」「Apps」「ウェブとアプリ」の3つから測定対象を指定します。「Apps」を指定した場合、iOSまたはAndroidアプリの測定ができます。今回はウェブサイトの測定を想定して、次に進んでいきます。
「ウェブサイトの名前」「ウェブサイトのURL」「業種」を入力し、「レポートのタイムゾーン」を日本に指定すれば、Google アナリティクスのアカウント作成ができます。
最後に「Google アナリティクス利用規約」「Googleとのデータ共有に適用される追加条項」の2つにチェックボタンを入れます。
IPアドレスやCookie情報を個人情報とみなし、取得の際はユーザーの同意が必要になる「GDPR(一般データ保護規則)」に関する規約も含まれています。ご確認の上、同意をしてください。
STEP3:トラッキングIDの取得と埋め込み
Google アナリティクスのアカウント登録が終わると、トラッキングコード(グローバルサイトタグ)が発行されます。このコードをコピーして、ウェブページの<HEAD>内の最初の要素として貼り付けてください。
上記の工程でWebサイトのデータ計測を開始することができます。
アカウント・プロパティ・ビューの違いを知っておこう
Google アナリティクスには、「アカウント」「プロパティ」「ビュー」の3つの階層で集計区分の設定ができます。
アカウントは親となる階層で、◯◯会社、△△事業部といった、会社名や部署名などを設定しするのが一般的です。
プロパティには、主に計測対象となるサイト名を設定します。1つのアカウント内に複数のプロパティを作ることができます。例えば、自社で複数のサイトを運営している場合は、一つのアカウント内に、いくつものプロパティを抱えることになります。プロパティを設定すると、プロパティごとに個別のトラッキングIDが生成されます。
最も深い階層のビューには、「プロパティ全体」に加えて、「カテゴリー別」「デバイス別」「サイトドメイン別」「特定のIPアドレス除外」などを設定することで、集計したい区分によって複数に切り分けていくことが可能です。
ビューを一つしか用意しない場合は、スマホとPCのアクセスを切り分けて見たい場合や、特定のドメインやディレクトリ配下のアクセス傾向を分析したい場合などに、毎回操作が必要になってきます。素早くそして分かりやすくデータを見ていくためにも、ビューをうまく活用することがおすすめです。
Google アナリティクスで設定すべき4つのポイント
Google アナリティクスの導入が完了したら、データを正しく、そして成果に対して効率的に見ていくための設定を行いましょう。
- コンバージョン設定
- フィルタ設定
- ボットのフィルタリング
- 除外するURLクエリパラメータ
なお、この記事ではユニバーサルアナリティクスでの設定方法について解説しています。Google アナリティクスの最新版である「Google アナリティクス4(通称GA4)」での設定方法については、「GA4」の解説記事をご覧ください。
1. コンバージョン設定
アクセス解析において、サイトの目標(コンバージョン)を設定し、成果の達成度を把握することは重要です。コンバージョン数を把握できるだけでなく、目標を達成したユーザーと達成しなかったユーザーを可視化し、サイト改善へと貢献します。
目標設定は、Google アナリティクスのコンバージョン>目標>概要から行うことができます。目標には、以下の4つを設定することが可能です。
- 到達ページ:お問い合わせ完了ページ・購入完了ページなど
- 滞在時間
- ページビュー数 / スクリーンビュー数
- イベント:動画再生など
到達ページの場合は、コンバージョンポイントの「ページURL」を入力することで設定が可能。目標は20個まで追加できるので、新しいフォームやLPなどを作成したときなどコンバージョンが複数ある場合には、忘れずに追加していきましょう。
※GA4でのコンバージョン(キーイベント)設定については、下記の参考記事をご覧ください。またGA4では、2024年3月に「コンバージョン」が「キーイベント」に名称が変更となりました。「キーイベント」についても参考記事で解説しています
2. フィルタ設定
フィルター設定とは、自社内からのアクセス除外や、テスト環境へのアクセス除外を行い、適切にログを計測するために行うものです。設定>ビューの設定>フィルタから設定が可能です。
Googleがよく使うであろうフィルタの種類として「ISPドメインからのトラフィック」「IPアドレスからのトラフィック」「サブディレクトリへのトラフィック」「ホスト名へのトラフィック」の4つが定義されています。
これらの定義済みフィルターを活用することで、簡単に不要なトラフィックの除外設定や特定ディレクトリのみのデータを見るための設定が可能です。
3. ボットのフィルタリング
ボット(情報収集ロボット)からのトラフィックを計測しないために、ボットのフィルタリングを行いましょう。設定>ビューの設定から、フィルタリングが可能です。(※初期設定でチェックが入っているので、基本的に変更不要)
4. 除外するURLクエリパラメータ
表示をするページは同一でも、「クエリパラメータ」によってURLが異なる場合があります。これらを別々のページとして計測すると、分析がしにくくなってしまいます。
不要なパラメータは、予め除外しておくと良いでしょう。
特に最近は、広告やSNSから来訪した際に、分析上は余計なパラメータが付与されてしまうケースが多くあります。その場合には、不要なパラメータをこの設定で除外すると分析しやすくなります。
Google アナリティクスの設定はプロに頼むべきか、自分でやるべきか
自力でGoogle アナリティクスの設定をした方から「とりあえず設定したけれど、これで計測できていますか?」といった相談をよくいただきます。独学で設定することもできますが、以下に該当する方はプロに相談するのがおすすめです。
- 自分で設定するのが難しく時間が掛かる
- 正しく設定できているか不安
Google アナリティクスは過去に戻って設定を修正することができません。設定が間違っていると正しい計測データを取得できず、これまで計測したデータが無駄になってしまいます。
独学で一から設定を学ぶと時間を要してしまい、工数も掛かるので結果的にプロに頼んだ方が安く済むこともあるでしょう。プロに依頼した場合は、「そもそも何がKPIなのか」KPIツリーを作成して見直しもできるので、取るべき数字の洗い出しもできます。
設定に不安があるときは、プロに依頼して学びながら将来的にインハウス化を目指すと良いでしょう。
Googleアナリティクスをより高度に使いこなしたい方へ、プロに無料相談してみませんか?
- 複数サイト/複数担当者がいる中で、今後GAの運用をどうルール化・統制すべきか相談したい
- データの可視化から分析にかかる工数を削減するために、どんなことができそうかアドバイスしてもらいたい
- BigQueryなどを活用し、今後さらにGAを使いこなす方法を模索したい
このようなGoogleアナリティクスについてのお悩みを、業界歴15年以上のプロフェッショナルに相談してみませんか?貴社のニーズや課題にマッチした解決策をご提案・アドバイスいたします。
ご依頼は必須ではないので、まずはお気軽にご相談ください。
※「設定方法のレクチャー」ではなく「相談」「ディスカッション」が対象となります。
プロはこのように使う、5つのアクセス解析事例
ここでは、アクセス解析のプロがどのようにGoogle アナリティクスを用いるのか、実際の事例を見ながら解説していきます。
1.BtoBサイト
一つ目は、BtoBサイトにおけるユーザー分析です。
BtoBサイトはWeb上で成約まで至ることがなく、Web上でお問い合わせ(リード)を獲得したのち、ヒアリング→商談→成約とオフライン上での営業接点をもったうえで成約に至るフローが一般的です。また成約後に、FAQを閲覧する、オプション製品の検討を行う、といった用途で使われるケースもあります。
そのため、BtoBサイトにおいては、さまざまなステータス(未成約・商談中・○○製品を購入済み、など)に置かれたユーザーを特定し、それぞれのステータスでのサイト閲覧行動を分析し、行動仮説を立てることが重要です。
具体的な方法論としては、顧客ステータスごとにメールのパラメータを変更し、それぞれのパラメータを踏んだユーザーがどのようなコンテンツを閲覧しているかを分析する、といったアイデアが考えられます。
HubspotなどのMAとCMSが一体となったツールを導入している場合は、検討ステータス情報をGoogle アナリティクスと連携して、分析することもできます。設定の難易度は高まりますが、精度高く分析したい場合にはこれらの方法も検討していくことを推奨します。
事例:株式会社ブイキューブ
株式会社ブイキューブは、企業向けにWeb会議システムやテレビ会議システム・セミナー向け動画配信サービスの提供や、テレワークの実施に向けたコンサルティングを行う企業です。
当社では、扱っているプロダクトが多岐に及び、またサービスサイトやオウンドメディアなどコンバージョンポイントが複数あり、「Google アナリティクスのCV数と自分たちで把握している数値が大きく異なる」といった分析の課題を抱えていました。
弊社では、まず100以上あるCVポイントの中で、どこがGoogle アナリティクス上で計測できているのか、また計測できていないのかを分析。また同時に、それぞれのCVポイントのアクションのルールも定義、Google アナリティクス上の数値と実数値に乖離が出ない状況を構築しました。
加えて、目標としていたコンバージョン数を達成するための、モニタリングを実施。Google アナリティクスの計測やレポーティングの仕組みを整えることで、目標に対する達成度合いを日次で追いかけられる体制を構築しました。
結果的に、弊社でサポートしていたオウンドメディアマーケティングの施策も含めて、セッション数を前年比の約7倍、リード獲得数も約10倍以上に成長を遂げました。
2.Eコマース
Eコマースでは、拡張eコマースを実装し、Google アナリティクス上でECサイトの受注データを計測できるように設定します。
売上だけでなく、商品の閲覧回数・カート投入回数・カートからの削除数・購入フォームへの遷移数など、受注DBに計測されない指標も計測することで、商品のパフォーマンスを多面的に判断していきます。また、ある特定の商品の売上を伸ばすうえで、商品の閲覧回数が少ないのか、カートに投入される回数が少ないのか、などの課題特定を行います。
売上が見えるようになることにより、デジタルマーケティング施策の費用対効果がはっきりと可視化されるようになるので、売上ベースでみて効果のある施策だけを残すことができます。
拡張Eコマースは実装難易度の高い設定なので、設定の仕方がわからない場合には、Google アナリティクスのコンサルタントや、利用中のECカートシステムのベンダーに相談してみましょう。
参考:拡張eコマース
3.FAQサイト
FAQサイトにおいては、Q(質問)とA(回答)が見られた回数のほか、回答の質も合わせて評価することがあります。
回答の質は「役に立った」「役に立たなかった」等の、閲覧者のフィードバックを得られるボタンを設置し、このクリック数を計測していきます。
フィードバック数(クリック数)のうち、「役に立たなかった」回数の割合が高い&閲覧回数の多いFAQから、回答内容を見直し改善へと繋げます。
4.Webサイトリニューアル前後分析
昨今のWebサイトは見た目上は綺麗に整っているものが多く、一見、課題点がどこに潜んでいるかわからないケースがあります。
しかし、「サイトリニューアルでかえってコンバージョンが減ってしまった」といった失敗は避けたいものです。
こうした場合は、以下のステップでのアプローチを検討していきます。
- 顧客がWebサイトに訪れる目的を考える(いくらで購入できるのか知りたい・お店がどこにあるのか知りたいなど)
- その目的ごとに、Webサイト上でのゴールとなるページを決める(お店がどこにあるのか知りたい→店舗詳細ページなど)
- Webサイト上でアンケートを行い、Google アナリティクスで計測されたアクセスログを付け合わせ、目的ごとにゴールに到達した率を測定する。
具体例で説明しましょう。
あなたはある「貴金属・ジュエリー買い取りサービス」のサイトリニューアルを担当することになりました。ただ、Webサイトは高級感のあるデザインで組まれており、ぱっと見ただけでは、どこに問題があるのかわかりません。
「貴金属・ジュエリー買い取りサービス」のWebサイトに訪問するユーザーの目的は主に以下にあると考えました。
- 自分の持っている貴金属・ジュエリーが買い取ってもらえるのか知りたい
- いくらで買い取ってもらえるのか知りたい
- 傷などがあったら・箱をなくしていたら査定にどれだけ影響があるのかを知りたい
- そもそも正しく査定してくれるのか、不当に安く査定されないのか知りたい
- お店の場所・営業時間が知りたい
それぞれの目的に対し、ゴールとなるページを定め、Webサイト訪問時にポップアップアンケートでアンケート聴取し、回答ごとにゴール到達率を測定します。
分析の結果、「いくらで買い取ってもらえるか知りたい」に課題があることが判明したので、Google アナリティクスのユーザーエクスプローラーを利用して、サイト行動導線をつぶさに分析し、課題点を明らかにし、改修が必要なページを特定し、リニューアル時に補強すべきポイントを明らかにします。
5.メディアサイト
メディアサイトは明確なコンバージョンポイントがないため、「PV」をKPIに置きがちです。
もちろん、PVはメディアサイトにおいて重要なKPIの一つですが、
- PV=セッション × (ページ/セッション)
- セッション=新規セッション+リピートセッション
とKPIをさらに分解していくと、PVを上げるには、それぞれの項目をどう改善していくか、という目線が必要だと思いませんか?このように、KPIを分解していくことを「KPIの因数分解」といいます。
例えばページ/セッションを増やすには、「直帰率を下げる」「回遊性を高める」という2つの視点に分解できます。
直帰率を下げる施策としては、パッと見の印象で「長そうだな」「難しそうだな」という印象を回避するランディングページを作るといった施策が考えられます。回遊性を高める施策としては、記事のレコメンデーションや、過去に見た記事の表示、カテゴリページへの誘導などが考えられるでしょう。
また新規セッションを増やすには、SEO対策、SNSのシェア増強、広告などが考えられます。リピートセッションを増やすには、会員登録促進、メールマガジン登録、SNSの登録、WebPushの登録なども有効です。
このように一口にPV数といっても、KPIの因数分解を行うことでいろいろと施策の切り口が見えてきます。Google アナリティクスは、「いま、各KPIがどのようなスコアになっているか」「施策を実行したことで、スコアに改善がみられるか」を判断するために使用しています。
Google アナリティクス360とは?スタンダード版との違い
Google アナリティクス360(旧:Google アナリティクス プレミアム)は、Google アナリティクスの機能がアップグレードされた上位版(有料)です。
Googleマーケティングプラットフォームから、導入を申し込むことができます。
※本章で紹介しているのは、ユニバーサルアナリティクス導入時のGoogle アナリティクス360の内容です。
無料版と有料版の違い
無料版との大きな違いは、「機能面のグレードアップ」「データ信頼性と安全性」「導入後のサポート」の3点です。
1.機能面のグレードアップ
無料版 | 有料版 | |
---|---|---|
月額上限ヒット数 | 1,000万ヒット | 10億~200億ヒット |
カスタムディメンション・指標 | 20個 | 200個 |
Google BigQuery連携 | — | ◯ |
Salesforce連携 | — | ◯ |
非サンプリングレポート | — | ◯ |
高度なアトリビューション | — | ◯ |
無料版で制限されている制限が緩和され、データ処理を向上できます。例えば月額ヒット数の上限が、無料版では月間1,000万ヒットなのに対して、有料版では月間10億万ヒットと約100倍に向上します。
ヒット数とは、Google アナリティクスにデータとして送信される操作を指します。例えばページや動画の読み込み、トランザクション(決済)などが含まれます。基本的にアクセスの多い大規模サイトでは、ヒット数が多くなる傾向があるので、無料版だと正しくデータを計測できない可能性があります。
また、非サンプリングデータを出力できることも、有料版の魅力です。サンプリングとは、膨大な量のデータから一部のみを抜き出すことによって、分析を行う手法です。効率的に統計ができる反面、1,000万ヒットを超えるような大規模サイトの場合は、実際の数値と大きな誤差が生じてしまう場合があります。精度の高いデータ分析をしたい場合は、非サンプリングデータを活用しましょう。
2.データの信頼性と安全性
無料版 | 有料版 | |
---|---|---|
データ保証 | — | ◯ |
データ更新頻度 (当日データ) | 24時間以内 | 4時間以内 |
データの収集 | — | 99.9% |
データ処理 レポート画面反映 | — | 99% |
Googleが定める一定のヒット数を超えた場合、無料版のアナリティクスは超過分に関して、正しい計測をしているという保証をしてくれません。一方の有料版の場合は、月間10億万ヒットまでデータ保証をしてくれるので、安心して使用することができます。
またデータ更新頻度が早いというメリットもあります。通常データを計測し、レポートや指標に反映するためには、最大24時間の時間を要します(当日データの場合)。有料版だと、データ更新頻度を最大4時間短縮。Eコマースサイトなど、サイト改善が売上に直結するような場合、すぐにユーザー行動の変化を確認、効果検証へと繋げることができます。
3.導入後のサポート
Google アナリティクスを導入後のサポートを受けることができます。専用の窓口が設けられ、利用方法や設定のアシストをしてくれます。チャットやメールでのサポートが可能なため、困った時にいつでも対応してくれるのが、便利な点と言えるでしょう。
※サービスレベルは、リセラーにより異なる場合がございます。
Google アナリティクス4 (GA4)とは?今までのGoogleアナリティクスの違い
「Google アナリティクス4 (以下、GA4)」とは、2020年10月にリリースされた最新版のGoogle アナリティクスです。
この新バージョンのアナリティクスは、2019年に導入された「アプリ+ウェブ プロパティ(ベータ版)」が改良されたものとなっています。
GA4の一世代前のGAである「ユニバーサルアナリティクス(UA)」は2023年7月1日に計測が終了し、過去のレポートデータも2024年7月1日に閲覧終了となります。※有償版GA360(UA)は2024年7月1日に計測を終了、閲覧も2024年7月1日まで。
ユニバーサルアナリティクスとの違い
GA4とユニバーサルアナリティクスの違いは、名称や機能以外でもさまざまな違いがあります。GA4への変更は今後の企業のデータ戦略に関わる根本的な部分で起きています。
具体的に変わる抜本的な考え方は以下の4つです。
- 機械学習の導入
- ユーザーを中心とした測定
- 自動計測の充実
- より深いデータの活用
特に「2. ユーザーを中心とした測定」ができるようになった点は大きな違いとなります。従来のユニバーサルアナリティクスでは、スマホやPCなどデバイスごとにユーザーを判別していました。
そのため、同一のユーザーであっても、別のユーザーとして判断される可能性があり、ユーザー行動を詳細に把握するための妨げとなっていました。
一方でGA4では、「PC→スマホアプリ→商品購入」といったようなデバイスをまたいだ行動であっても、同一ユーザーとして判断できるようになります。
この他、GA4には機械学習の導入や自動計測の充実といった変更点がありますが、いずれにしても、サイト内でのユーザー行動の質を以前よりも深く計測できるようになったのがGA4の特徴と言えるでしょう。
GA4が開発された背景
今回GA4がリリースされた背景には、急速に変化するユーザーの行動に、ユニバーサルアナリティクスの基盤では対応しきれなくなったことが挙げられます。
もともとGoogle アナリティクスは、2005年にGoogle社が買収した米国のWeb解析ソリューションベンダー「Urchin Software」の技術を利用・拡張して作られたものです。
しかし、Google アナリティクスが開発された当初と現在では、ユーザーとインターネットの関係は大きく変化しました。
かつては一家に一台のパソコンを家族で共有してインターネットを利用していたものが、一人一台スマートフォンを持つようになり、また、ここ数年でスマートウォッチやスマートスピーカーをはじめとする「IoTデバイス」の普及も急速に進んでいます。
このような変化から、ブラウザから付与されるCookie情報だけではユーザーの行動を正確に把握しきれなくなり、デバイスやブラウザを超えてユーザーを判別する仕組み、つまり今回の大型アップデートが必要になったと考えられます。
ユーザー行動把握の一要素で合ったサードパーティcookieは、ログインシステムや広告計測に非常に役立つ反面、ユーザーのプライバシーを脅かす恐れがあることから、Appleを筆頭に規制が強められています。
Google アナリティクスを活用し、ユーザーとうまく向き合う
Google アナリティクスは、ユーザーのサイト上の行動をはじめ、様々なデータを見ることができます。しかし、サイトを使っているのは、他ならぬユーザーそのものです。ユーザーのインサイトや、ユーザーを取り巻く環境といったデータとして可視化できない側面も無視してはいけません。
実際にユーザーにインタビューすることや、ユーザーに近い人にサイトを使ってもらうことで、データでは見えなかった問題点を浮き彫りにして、新たな施策を打つことができます。
施策の効果を改めてGoogle アナリティクスで分析することで、本質的なサイト改善へと繋げることができるでしょう。
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