GA4(Google Analytics 4)とは | 設定方法や使い方を解説

この記事でわかること

  • そもそもGA4とは?ユニバーサルアナリティクス(UA)との違い
  • GA4の設定方法とプロパティの使い方
  • GA4の設定でのよくある失敗やプロに依頼すべきか

ユーザーの行動や特性を分析することのできるアクセス解析は、Webサイトの運営において切っても切り離せない存在といえます。

アクセス解析で一般的に用いられているツールが「Google アナリティクス」です。2020年10月にリリースされた最新版のGoogle Analytics 4(GA4)では、これまで計測できなかった「PC→スマホアプリ→商品購入」といったようなデバイスをまたいだ行動であっても、同一ユーザーとして判断できるようになりました。サイト内でのユーザー行動を以前よりも深く計測できるようになったのがGA4の特徴です。

本記事では、GA4の設定・活用方法、GA4の設定でのよくある失敗などを解説します。

※旧Google アナリティクスであるユニバーサルアナリティクス(UA)からGoogle Analytics 4(GA4)に移行したい、両者の違いを知りたいという方は、目次より記事後半をご覧ください。

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  • データの可視化から分析にかかる工数を削減するために、どんなことができそうかアドバイスしてもらいたい
  • BigQueryなどを活用し、今後さらにGA4を使いこなす方法を模索したい

このようなGA4についてのお悩みを、業界歴15年以上のプロフェッショナルに相談してみませんか?貴社のニーズや課題にマッチした解決策をご提案・アドバイスいたします。

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西 正広

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Google Analytics 4(GA4)とは?

Google Analytics 4(GA4)とは?
引用:Googleアナリティクス(デモデータ)

Google Analytics 4(GA4)とは、Googleが提供する無料で利用できるアクセス解析ツールです。サイトやアプリに訪れたユーザーの行動解析を行い、サイト改善に繋げることができるので、Webサイトやアプリの運用には必須のツールと言えます。

計測対象となるWebサイトにGA4専用の「トラッキングコード」をサイト内に埋め込むことで、各種データの計測を開始することができます。

GA4では、例えば以下のようなデータを計測できます。

GA4データ計測

これらのデータを見ていくことで、サイトの現状を正しく知り、どのように改善すればサイトの成果へと繋がるのかを議論していくことができます

なお、以前まではGoogle Analytics 4(GA4)ではなく、ユニバーサルアナリティクス(UA)と呼ばれており、計測できる内容などが少し異なりました。

現在最新のGoogleアナリティクスが、「Google Analytics 4(GA4)」です。

これまでのユニバーサルアナリティクスでは、Webとアプリを行き来しているユーザーを別ユーザーと判別していましたが、GA4では「PC→スマホアプリ→商品購入」といったデバイスをまたいだユーザーも同一ユーザーと判別できるようになり、ユーザージャーニーを正確に把握できるようになりました。

たとえば、GA4では以下のコンバージョンの計測が可能です。

  • ECサイト:購入・売上
  • メディアサイト:問い合わせ獲得・数、資料DL完了数など
  • コーポレートサイト:メルマガ登録完了数、バナークリック数、再訪問の頻度など

「ページの下までスクロールしたか」「ファイルがダウンロードされたか」など、誰がどのページで、いつコンバージョンしたかについて詳細なデータを取得できます。

サイト内でのユーザー行動の質を以前よりも深く計測できるようになったのがGA4の特徴と言えるでしょう。ほかにもGA4には、広告の最適化や自動入札の精度向上が期待できる機械学習機能や豊富な自動計測機能が搭載されています。

Google Analytics 4(GA4)の特徴

Webサイトやアプリ、動画サイトの閲覧など、ユーザーのネット利用状況は多様化しています。複雑化したユーザー行動を計測できるのがGAの大きな特徴です。

GA4では、インターネット上でのユーザー行動を把握するための計測方法や、ユーザー行動を予測する機械学習が導入されています。

本章では、GA4の4つの特徴を解説します。

1.機械学習の導入

GA4では、機械学習を導入し、過去データから将来の予測がGoogle アナリティクス上で行えるようになっています。

具体的に使用できる予測機能は、以下の2種類です。

  1. 購入の可能性
  2. 離脱の可能性

購入の可能性とは、アプリまたはサイトを訪問したユーザーが、今後7日以内に商品購入に至る可能性を予測する指標です。

また離脱の可能性とは、最近アクティビティのあったユーザーが、アプリまたはサイトを今後7日以内に利用しなくなる可能性を予測する指標です。

予測機能画面(出典: New predictive capabilities in Google Analytics

これらの予測機能により、今後1週間の売上を推定することや、購入に至る可能性が高いユーザーにGoogle 広告でアプローチするといったマーケティング施策を打つことが可能になります。

参考サイト:Google マーケティング プラットフォーム 日本版 公式ブログ: Google アナリティクスの新しい予測機能

2.ユーザーを中心とした測定

GA4では、クロスデバイス・クロスプラットフォームを実現し、ユーザーがデバイスやプラットフォーム(ウェブ・アプリ)に関わらず、どのように行動したのかを明らかにできます。

これにより、マーケティング担当者が提供する「ユーザーID」や、ユーザーが使用する「デバイス情報(Cookie)」といった複数のIDを総合して、ユーザーのクロスデバイス(複数のデバイスをまたがった)行動を把握できるようになります。

たとえば、顧客が最初にウェブ上の広告からあなたのビジネスを発見し、後にそれが起因してアプリをインストールし購入に至ったか否かをデータで確認できるようになるのです。

これまでのアナリティクスでは、スマホやPC・タブレットといったデバイスごとにユーザーを判別していたため、同一のユーザーでも別ユーザーとして判別される可能性を孕んでいました。デバイスやプラットフォームごとに断片化された測定ではなく、ユーザー中心の測定を提供できるGA4はアナリティクスにおいて新しい概念と言えるでしょう。

参照:Introducing the new Google Analytics

3.自動計測の充実

「スクロール数」や「離脱クリック」「サイト内検索」「動画エンゲージメント」といったイベントが自動で計測できるようになりました

ユニバーサルアナリティクス上では個別でタグの設定が必要であったため、アナリティクスの設定に慣れていない方でも、これらのイベント計測が容易になったと言えるでしょう。

※自動計測を利用するには、データストリーム>ウェブ>測定強化のイベントのオプションをオンにする必要があります。

※任意の条件(タイミング)でイベントを計測したい場合には、GTM(Google タグマネージャー)やgtag.js上での個別設定が必要になります。

4. より深いデータの活用

有償版「GA360」のみに搭載されていた、BigQuery(Googleの提供するDWHサービス)へのデータエクスポート機能がGA4にも標準搭載されました。

GA4で計測したイベントのローデータとBigQueryを連携することで、より深いデータの分析〜活用が可能になります

【Google アナリティクスとBigQueryの連携でできることの一例】
  • BIツールのデータ可視化
  • 複数データソースを掛け合わせた高度な分析https://support.google.com/analytics/answer/10089681?hl=ja&sjid=12426876367992333553-AP
  • AI / MLによるデータモデリングと広告・MAツールへの活用
  • Web行動データを用いたセールス・顧客サポートへの活用

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Google Analytics 4(GA4)で理解しておきたい概念

GA4でデータを計測する際には、データストリームやイベント設計について正しく理解しておく必要があります。

データストリーム

データストリームとは、データが計測されたデータベースのことを指し、ひとつのプロパティ内に複数の異なる形式のデータストリームが存在します。

これによりタグで計測されたWebサイト用のデータと、Firebase経由で計測されたアプリ経由のデータを統合して計測し、ウェブとアプリをまたぐようなユーザー行動でも、同一ユーザーとして認識することが可能になっています。

ちなみに、これまで使われていたユニバーサルアナリティクスとGA4では、アカウント構造に違いがあります。GA4ではビューに相当する階層がなくなり、データストリームに置き換わっています。

  • ユニバーサルアナリティクス:アカウント>プロパティ>ビュー
  • GA4:アカウント>プロパティ>データストリーム

イベント

GA4では、各種データを「イベント」という概念で計測します。

GA4のイベント計測

例えば「セッションスタート」というイベントが〇件発生した、「コンバージョン」というイベントが〇件発生した、といった形です。

なお、これまで使われていたユニバーサルアナリティクスでは、「ページビュー」や「イベント」「トランザクション」といった異なるヒットタイプのデータを、「セッション」で包括したレポーティングが行われていました。

ユニバーサルアナリティクスのイベント計測
ユニバーサルアナリティクスのイベント計測

イベントパラメータ

イベントパラメータは、計測する個々のイベントをより具体的に判別するために使用します。

例えば、Google アナリティクスで計測される情報が「イベント名:page_view」だけでは、イベントが発生したことはわかっても、どこのページが見られたのか、どこのサイトから流入してきたのかといった情報までは分かりません。

そこでイベントパラメータに「page_location」「page_referrer」といった個別のパラメータを付与することで、場所や参照サイトといった付加情報を取得することができます。

なお、自動収集されるイベント測定機能の強化に指定されているイベントに関しては、新たにイベントを作成する必要はありません。

イベントに関して、どのように設計すべきか分からない方のために、GoogleがGA4で設定すべき「推奨イベント」と関連づける「イベントパラメータ」を紹介していますので、そちらも参考にすると良いでしょう。

ユーザープロパティ

ユーザープロパティとは、顧客情報に基づく性年代や顧客ランクといったユーザーの分類情報を計測できる機能です。イベントパラメータと同様に、イベントに付随するユーザーに関するパラメータと考えれば良いでしょう。

例えば、ECサイトにおいて「会員」「非会員」のユーザープロパティの値を作成し、登録することによって、会員と非会員のサイト内での行動や購入履歴の違いを分析することが可能になります。

これまで使われていたユニバーサルアナリティクスでは、カスタムディメンションの「ユーザースコープ」が相当します。

設定の仕方についてはこちらをご参照ください。

Google Analytics 4(GA4)の設定方法

ここからは、GA4を導入する方法について解説します。GA4の導入には、次のステップが必要です。

  • STEP1:GA4プロパティを作成する
  • STEP2:GTMからタグを追加する
  • STEP3:コンバージョン(キーイベント)設定をする

STEP1:GA4プロパティを作成する

引用:Googleアナリティクス(デモデータ)

Google アナリティクスの管理画面、左下の「設定」から、プロパティの項目にある「GA4 設定アシスタント」をクリックします。

引用:Googleアナリティクス(デモデータ)

GA4へのアップグレードの内容を確認後に、「はじめに」のボタンをクリック。その後、ウィザードの実行内容という画面が表示されますので、「プロパティの作成」を選択してください。

なお、この時点でGA4のプロパティが新たに作成されますが、既存のプロパティには一切影響ありませんので、安心して操作を進めてください。

STEP2:GTMからタグを追加する

引用:Googleアナリティクス(デモデータ)

Google タグマネージャー(GTM)の管理画面から、「新しいタグを追加」をクリック。タグタイプに「Google アナリティクス:GA4 設定」選択してください。

引用:Googleアナリティクス(デモデータ)

タグの設定画面で、計測を行うサイトの「測定ID」を入力してください。なお、測定IDは、Google アナリティクスの設定>データストリーム>計測するサイトもしくはアプリを選択で確認できます。

測定IDを入力後、実際にサイトにアクセスし、リアルタイム画面に現在のユーザーが反映されていれば、設定完了です。

STEP3:コンバージョン(キーイベント)設定をする

GA4では、コンバージョン(キーイベント)の設定を次の手順で行います。

  • コンバージョンとしたいイベントを作成する
  • 作成したイベントを「コンバージョン(キーイベント)」として設定する

まずは管理画面のイベントから、イベントを作ります。例えば「/articleへの到達」をコンバージョンと定義したい場合、下図のようにイベントを設定してください。

引用:Googleアナリティクス(デモデータ)

これで「/articleへの到達」がイベントとして計測されるようになりました。続いて、「設定」>「イベント」から、このイベントをコンバージョン(キーイベント)として設定しましょう。

下図の「コンバージョンとしてマークを付ける」をオンにすれば、設定は完了です。

引用:Googleアナリティクス(デモデータ)

この一連の手順は「GA4のコンバージョン設定方法|サンクス到達・クリック・ファイルダウンロードを計測」の記事にも詳説しておりますので、ぜひお読みください。

これでGA4を導入するための最低限の作業は終了です。なお、イベントトラッキング(クリック計測)やカスタムディメンションの設計・設定は実装難易度が高いため、専門家への相談をおすすめします。

独学でのGA4の設定で、初心者がやってしまいがちなよくある失敗

弊社THE MOLTSにはデータ分析のプロフェッショナルが在籍しており、GA4の設定に関するご相談もよくいただきます。

その中でよく見られる、GA4の設定でよくやってしまいがちな失敗例を紹介します。

  1. 正しい数字が計測されていないことに気付かず運用を続けてしまう
  2. 本来取るべき数字を十分に洗い出せていない
  3. 運用する中で、以前どのような設定をしていたか分からなくなってしまう

プロに依頼した場合の違いも含めて解説するので、参考にしてください。

よくある失敗1.正しい数字が計測されていないことに気付かず運用を続けてしまう

独学でGA4の設定をした際に発生しがちなのが、正しい設定ができておらず正確なデータを計測できていないまま運用してしまうことです。

例えば、自分では正しく設定をしたつもりでも、実際には抜け漏れや軽微なミスなどがあり、データが必要なときになってから「コンバージョンが正しく計測できていない」となってしまうケースです。

データはマーケティング戦略などを考えるうえでの大切な資産ですし、後になってから過去のデータを計測し直すことはできません。そのため初めから正しい設定ができていないと、大きな機会損失に繋がってしまう恐れがあります。

データ分析のプロにGA4の設定を依頼すると、そのような設定ミスを防ぐために、計測確認(テスト)をしっかりと行ってもらえます。

また弊社がGA4の設定をサポートする場合は、どこでどのような設定をしたのかを設計書にまとめることで、定義を明確にして設定ミスを発見する体制を構築しています。

▼設計書イメージ

設計書イメージ

▼設計書に記載される内容

  • アカウント・プロパティ一覧
  • 基本設定
  • 内部トラフィックルール
  • 取得変数
  • イベント設定
  • イベントトラッキング管理
  • utmパラメータ管理
  • 連携済みツール
  • GTMタグ情報

※設定内容により変動あり

万が一計測できていないデータが見つかったとしても設計書があれば、議論しながら設定の抜け漏れを見つけ出すことができます。

よくある失敗2.本来取るべき数字を十分に洗い出せていない

設定自体は正しかったものの、本来自社サービスのマーケティングに必要なデータを漏れなく取得することができていなかった、というケースもよくあります。

例えば、「特定の流入経路のみに絞って施策の効果を検証しようと思ったが、その経路のみに絞ったコンバージョン設定ができていなかった」「特定のコンバージョンポイントのみの獲得数を測りたかったが、そもそもそれができるURL構造になっていなかった」などが考えられます。規模が大きくページ数が多いサイトほど、このようなミスが起こりがちでしょう。

繰り返しになりますが、後になってから過去のデータを取り直すことはできないため、初めから漏れなくデータを取得できていないと機会損失に繋がってしまう恐れがあります。

ビジネスモデルやデータ分析の目的・サイトの特性によって見るべき数字も変わってくるので、分析で必要な数字を洗い出しておく必要があります。

プロに依頼すると、これまでさまざまな企業の計測設定をしてきた知見をもとに、取るべき数字を提案してもらえるでしょう。以下のような要件定義からスタートし、ビジネスモデルや上流のマーケティング戦略も加味した設定をしてもらえます。

▼要件定義のイメージ

  • 初期ヒアリング・調査
  • KPI設計
  • 計測範囲整理
  • GAイベント・コンバージョン設計
  • 変数設計
  • 技術要件確認
  • 実装内容確定
  • 設計書作成

よくある失敗3.運用する中で、以前どのような設定をしていたか分からなくなってしまう

運用していくなかで、企業の担当者が独学でGA4の設定を行うと、後からどのような設定をしているのかが分からなくなってしまうこともよくあります。

たとえば「フォームを追加したためコンバージョンの設定を更新したい」「なんらかの計測エラーが起きているため、設定内容を見直したい」などの状態で、ある特定の人しか設定内容やルールが分からないとどうなるでしょうか。最悪のケースとして、設定した人が退職してしまっていたら、現状が把握できないため、更新も修正もできないという事態に陥ってしまいます。

中長期的に運用していくには、複数人がGA4についての知識を持ち、触れる環境を作ることが大切です。属人化させない・設計書を残す・ナレッジ共有できる環境を作るなどの工夫が必要でしょう。

なおデータ分析の領域は、ナレッジを残すことが極めて難しいという特徴があります。そのため、今後社内でデータ分析ができる体制を作っていきたいのであれば、データのプロに支援や教育を行ってもらうのもおすすめです。

会社によっては、講習会などトレーニングを提供していることもあります。設定時から一緒に取り組むことができれば的確なアドバイスがもらえ、計測や分析で困ったことがあったときにすぐに原因把握や対策の相談ができるでしょう。

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  • データの可視化から分析にかかる工数を削減するために、どんなことができそうかアドバイスしてもらいたい
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Google Analytics 4の設定はプロに頼むべきか、自分でやるべきか

自力でGA4の設定をした方から「とりあえず設定したけれど、これで計測できていますか?」といった相談をよくいただきます。独学で設定することもできますが、以下に該当する方はプロに相談するのがおすすめです。

  • 自分で設定するのが難しく時間が掛かる
  • 正しく設定できているか不安

GA4は過去に戻って設定を修正することができません。設定が間違っていると正しい計測データを取得できず、計測したデータが無駄になってしまいます。

独学で一から設定を学ぶと時間を要してしまい、制作工数も掛かるので結果的にプロに頼んだ方が安く済むこともあるでしょう。プロに依頼した場合は、「そもそも何がKPIなのか」KPIツリーを作成して見直しもできるので、取るべき数字の洗い出しもできます。

設定に不安があるときは、プロに依頼して学びながら将来的にインハウス化を目指すと良いでしょう。

Google Analytics 4 (GA4)の使い方

GA4で、サイトのデータを見ていく前に、まずは基本的な使い方をマスターしておく必要があります。なお、GA4の基本的な使い方に関しては、「Google アナリティクス 4 スキルショップ コース」で動画を使ったオンライン学習ができますので、初心者はそちらも参考にすると良いでしょう。

データの取得期間を選択する

引用:GA4(デモデータ)

GA4の初期設定では、直近1週間のデータしか表示されませんが、画面上部右側の日付を選択することで、過去のデータを閲覧できます。

なお、GA4導入時のデフォルトの設定ではデータの保持期間が「2ヶ月」と設定されており、2ヶ月経つと、GA4に保存されたユーザー単位およびイベント単位のデータが自動的に削除されてしまいます。

もしデータ取得期間を操作していて、プロパティ開設後の期間のデータが見られない場合は、設定から「データの保持期間」を確認してみてください。データの保持期間は2ヶ月と14ヶ月が選べるので、14ヶ月に設定しておくことをおすすめします。

引用:GA4(デモデータ)

また、画面右上の比較ボタンにチェックを入れることで、「指定した期間のデータ」や「今週と先週のデータ」「前年度の同期間のデータ」と比較することができます。

ExcelやGoogleスプレッドシートにデータをエクスポートする

引用:GA4(デモデータ)

GA4ではできない詳しい分析や、報告書を作成する場合には、ExcelやGoogleスプレッドシートにデータをエクスポートする必要が出てきます。

データの期間を選択した後に、画面上部右側の「エクスポート」ボタンをクリックし、「PDF」「Googleスプレッドシート」「Excel(XLSX)」「CSV」から出力したいファイル形式を選択しましょう。

なお、Googleスプレッドシートの拡張機能を活用することで、自動でGA4のデータを、Googleスプレッドシートにエクスポートする方法もあります。設定を行うには、多少の専門知識が必要になってきますが、レポート作成の工数を大幅に削減できますので、活用をおすすめします。

「経路データ探索」を活用する

経路データ探索1
引用:GA4(デモデータ)

GA4の「経路データ探索」は、ユーザーのページ遷移を樹形図で可視化できるレポートです。「始点」または「終点」を設定することで、ユーザーがどのような経路で辿ったのかが把握できます。

例えば、ユーザーの離脱率が高いページの訪問や直帰などの状況を確認したいときに役立ちます。想定していなかった遷移を見つけ出したいときにも有効です。

経路データ探索2
引用:GA4(デモデータ)

レポート上部の「始点」「ステップ1」などデータのポイント部分は「ノード」と呼ばれており、レポートの利用目的にあわせてイベント名を選択することができます。Webサイト内での経路を把握するときは、「ページタイトルとスクリーン名」に設定しておきましょう

経路データ探索3

引用:GA4(デモデータ)

各ページタイトルを選択すると、次に訪れたページがツリー形式で表示されます。さらに「セグメント」や「内訳」「フィルタ」を設定してデバイス別の内訳や属性など、詳細なデータを確認することも可能です。

「経路データ探索」では、ユーザーの行動経路を把握できるので、Webサイトのリンク構造の改善などにも活用できるでしょう。

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Google Analytics 4(GA4)とGoogle Search Consoleの連携方法

GA4とSearch Consoleの連携1
引用:GA4(デモデータ)

GA4は、ユニバーサルアナリティクスと同じくGoogle Search Consoleと連携することが可能です。連携すると、レポート画面の左側メニューに「Search Console」が追加され詳しいレポートを確認できるようになります。ここからは、GA4とサーチコンソールの連携方法をお伝えします。

GA4とサーチコンソールの連携するには、GA4の権限設定が「編集者」以上で、サーチコンソールではSearch Console プロパティの「確認済みサイト所有者」に設定しておかなければいけません。連携を進める前に、事前に権限設定が適切か確認しておきましょう。

事前準備ができたら、連携したメディアの管理画面にログインした状態で左下にある管理アイコン(歯車マーク)をクリックします。

GA4とSearch Consoleの連携2
引用:GA4(デモデータ)

管理者画面から「Search Consoleのリンク」をクリックするとリンクの設定画面に遷移します。

GA4とSearch Consoleの連携3

「リンク」をクリックして、以下のリンク設定画面が表示されます。

GA4とSearch Consoleの連携4

リンク設定の手順に沿って、連携を進めていきましょう。まずは「アカウントの選択」をクリックして、連携したいサーチコンソール プロパティを選択します。

GA4とSearch Consoleの連携5
GA4とSearch Consoleの連携6

サーチコンソール プロパティをチェックして「確認する」ボタンをクリックすると上記の画面に遷移するので、「次」ボタンをクリックしましょう。

GA4とSearch Consoleの連携7
GA4とSearch Consoleの連携8

Webストリームを選択すると上記のように選んだメディア名が表示されるので、問題なければ「次」をクリックします。

GA4とSearch Consoleの連携9

これまで設定したサーチコンソール プロパティとWebストリームが表示されるので、正しく設定できていれば「提出する」ボタンをクリックして、「リンク作成済み」が表示されればGA4とサーチコンソールの連携設定が完了です。

Google Analytics 4(GA4)とユニバーサルアナリティクス(旧GA)の違い

GA4とユニバーサルアナリティクスの大きな違いは、ユーザーを中心とした測定ができるようになった点です。従来のユニバーサルアナリティクスでは、スマホやPCなどデバイスごとにユーザーを判別していました。

そのため、同一のユーザーであっても、別のユーザーとして判断される可能性があり、ユーザー行動を詳細に把握するための妨げとなっていました。

一方でGA4ではユーザー行動を計測するため、Webサイトやアプリなど媒体を横断していても同一ユーザーとして判別できます。ユニバーサルアナリティクスではセッション単位で計測するため、データの活用目的がWebサイトの改善に留まっており、多様化しているユーザー行動の把握が難しかったのです。

その点、GA4では「PC→スマホアプリ→商品購入」といったようなデバイスを横断した行動であっても、同一ユーザーとして判断できるため、Webサイトだけではなく包括的にマーケティング施策の最適化を実施できるようになります。

2023年7月1日にユニバーサルアナリティクス(以下UA)の計測が終了しました。データの閲覧は2024年7月1日までは保証されているものの、それ以降は閲覧することさえできなくなります。そのため、必要に応じて過去のデータをバックアップする必要があります。

本記事をご覧の方の中には、「全てのデータを残しておくべきなのか、部分的に残すべきかが分からない」とお困りの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

これからご紹介する「UAの計測終了!今のうちにバックアップすべき過去データの選び方」では、アクセス解析領域で様々な成果を出してきたアナリストが、UAからGA4に引き継ぐ上でバックアップすべきデータについて解説しています。ぜひご一読ください。

Google Analytics 4 プロパティ(GA4)が開発された背景

今回GA4がリリースされた背景には、急速に変化するユーザーの行動に、ユニバーサルアナリティクスの基盤では対応しきれなくなったことが挙げられます。

もともとGoogle アナリティクスは、2005年にGoogle社が買収した米国のWeb解析ソリューションベンダー「Urchin Software」の技術を利用・拡張して作られたものです。

しかし、Google アナリティクスが開発された当初と現在では、ユーザーとインターネットの関係は大きく変化しました。

かつては一家に一台のパソコンを家族で共有してインターネットを利用していたものが、一人一台スマートフォンを持つようになり、また、ここ数年でスマートウォッチやスマートスピーカーをはじめとする「IoTデバイス」の普及も急速に進んでいます。

このような変化から、ブラウザから付与されるCookie情報だけではユーザーの行動を正確に把握しきれなくなり、デバイスやブラウザを超えてユーザーを判別する仕組み、つまり今回の大型アップデートが必要になったと考えられます。

ユーザー行動把握の一要素で合ったサードパーティcookieは、ログインシステムや広告計測に非常に役立つ反面、ユーザーのプライバシーを脅かす恐れがあることから、Appleを筆頭に規制が強められています。

まとめ|Google analytics 4 プロパティの基本設定を理解して正しく計測しよう

GA4では、PCやスマホアプリなどデバイスをまたいだユーザーを同一ユーザーと判別できるようになり、ユーザー行動を正確に計測できるようになりました。

GA4の主な特徴としては、以下の4つがあげられます。

  • 機械学習の導入
  • ユーザーを中心とした測定
  • 自動計測の充実
  • より深いデータの活用

多様化したユーザー行動を把握できるようになりましたが、GA4の計測データを活用するには自社で取るべき数字を洗い出し、正しく設定する必要があります。

もし、自社での設定や活用、そもそものユーザー行動把握やアクセス解析データ戦略(CDP/ DMP構築含む)にお悩みの方は、ぜひお気軽にご相談ください。

GA4をより高度に使いこなしたい方へ、プロに無料相談してみませんか?

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著者情報

MASAHIRO NISHI

西 正広

Marketing Strategist / Data Analyst

業界歴15年。データ戦略の立案、アクセス解析、CVR改善、データ活用基盤の構築などを担当。電通デジタルを経て2019年MOLTS参画。

担当領域の
サービス

  • マーケティングリサーチ
  • コミュニケーションプランニング
  • SEO
  • アクセス解析
  • CDP/DMP構築・運用

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