企業の売上に繋がるインサイドセールスを、プロはどう実践しているか #MOLTS潜入録

まこりーぬ

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企業の売上に繋がるインサイドセールスを、プロはどう実践しているか #MOLTS潜入録

こんにちは!株式会社LIGのマーケター兼ほぼライターのまこりーぬです。

当連載【(まこりーぬの)MOLTS潜入録 】では、とことん成果で語り合う集団「MOLTS」のみなさんにマーケティング領域で成果を出すための秘訣をお聞きしています。

今回はBtoBマーケティングにおける「インサイドセールス」「MA(マーケティングオートメーション)活用」をテーマに、マーケティングディレクター/ コンサルタントの武田 大さんに取材しました!

BtoBマーケティングをこれからもっと強化していきたいみなさま、ぜひご覧くださいませ!

BtoBマーケティングの体制整え人

まこりーぬ:はじめに、武田さんは普段どんなお客様にどのようなご支援をされていらっしゃるのでしょうか?

武田:僕のお客様は基本的にBtoBで、ほとんどがSMBと呼ばれる中小企業様です。「ひとまず広告は運用しているけれども、もっと受注に繋げていきたい」というタイミングでご相談を受けることが比較的多いですね。インサイドセールスを主軸として、広告運用、MA活用、受注後のカスタマーサクセスなど網羅的に支援しています。

まこりーぬ:BtoBマーケティングをこれからもっとがんばりたい!という企業様をまるっとお手伝いされていらっしゃるのですね。本日は「これからインサイドセールスを立ち上げたい」「MAをもっと有効活用したい」と考えている方へ、ぜひたくさんアドバイスをいただけると嬉しいです!

リレーションの基本に立ち返らないインサイドセールスは失敗する

まこりーぬ:ここ数年で「インサイドセールス」という言葉が広まり、「これから部隊を立ち上げたい!」という企業様も増えてきているのではないかと思います。武田さん、そもそもインサイドセールスの役割とはなんなのでしょうか?

武田:インサイドセールスの役割は「関係構築」ですね

先ほど「ここ数年で広まったインサイドセールス」とおっしゃいましたが、顧客と適切な関係を築くリレーションシップの基本概念はずっと以前からあるんですよ。なのでインサイドセールスの考え方自体、実は目新しいものではないです。これを前提にお話ししますね。

まこりーぬ:はい、お願いします!

武田:BtoB事業のお客様には、お問い合わせの時点で購入をほぼ決めている「今すぐ客」と、まだ自社サービスをよく知らない「見込み客」がいます。当然、購入意識が低い後者のお客様を受注に繋げるためには、なにかしらのアプローチが必要ですよね。

まこりーぬ:たとえばMAでメールを送ってクリックしてくれた人に「いまメールをお送りしたんですが、見てくださいましたか?こんなことを書いていたんですけど〜…」と補足説明したり、「◯◯さんにこの情報は関連しますか?」とヒアリングしたり、でしょうか?

武田:そうです。そうやって企業とお客様がお互いに興味関心を持ち、より深く知っていくことで強いリレーションを築く。これが見込み客を受注に繋げるためのいわゆる「ナーチャリング」で、インサイドセールスのやるべきことです。

まこりーぬ:なるほど、継続的なコミュニケーションが大切ということですね!

武田:ですね。興味関心を持ってもらうだけでなく、そこから売上発生までの全てのプロセスが全部繋がらないと、ナーチャリングができているとは言えないですから。だからこそ、見込み客を獲得したらただ架電して、アポがとれたらフィールドセールスに渡すだけのインサイドセールスは失敗します。なぜならそれはただの刈り取りにすぎなくて、お客様のニーズを理解しているうちに入らない。そりゃ売上も伸びないって話ですよね。

インサイドセールスの基本概念は昔からあったと先ほどお伝えしましたが、近年その考えがマーケティングの実務に浸透したことによって、本来はお客様とのリレーションを築くことが目的であるはずの技術がプロモーションに悪用されている例もよく見受けられます。とりあえずターゲットを増やすために広告を配信しまくったり、メルマガを大量に送りつけてしまったり。

そうではなくMAをはじめとする現代の技術は、「記事を10分以上見ている」「サイト内を5ページ以上回遊している」といったお客様の行動理解と正しいリレーション構築の仕組みに活用されるべきだと思いますね。

インサイドセールスの立ち上げ、どう進める?

まこりーぬ:インサイドセールスの考え方をお伺いしたところで、ここからは体制についてもお聞きできればと思います!

インサイドセールスを社内で立ち上げよう!という場合、どこからどのように始めたら良いのでしょうか?

武田:社内でインサイドセールスチームを立ち上げるなら、最初から部門は作らずに専任メンバーのみ決めて、「マーケティング部門」「セールス部門」の順に配置し、最後に「インサイドセールス部門として独立を検討」することを推奨します。

営業活動が売上に繋がっていない場合、最初にやるべきことはマーケティングチームがリードの質を上げることです。より購買確度の高い見込み客(ホットリード)に対して優先的にアプローチできれば売上に繋がりやすいですから、まずはその勝ち筋を見つけます。ただ現状それができていない場合は、セールスとのコミュニケーションが上手くとれていないことが原因です。よってインサイドセールスは、マーケティングと営業のコミュニケーションギャップを埋めてリードの質を担保しにいく働きが求められます

リードの質が上がった次は、受注しやすいリードを追い求めるためにセールスチーム内で密にコミュニケーションをとりにいきましょう。しかし受注しやすいリードを追い求めた結果、マーケティングチームがリードの質を担保できなくなってしまう…ということがよく起こります。なので最終的にはインサイドセールスが1つの部署として独立して、マーケティングともセールスともコミュニケーションをとっていくのが理想です。

まこりーぬ:なるほど。どういう順番で、どんな働きを担うべきか具体的にイメージが湧きました!そのときKPIはどう設計すべきでしょうか?

武田:もちろん有効商談数や有効商談率も見ますけど、売上や受注件数まで絶対に追うべきですね。だって結果的に企業の売上に繋がっていなかったらインサイドセールスをやる意味がなくないですか?

まこりーぬ:はい、おっしゃるとおりです…!ちなみに、チームにはどんな人材を呼んでくるのがおすすめですか?

武田:ゼロからの立ち上げであれば、まずは社内からインサイドセールスという部署を認めてもらうためにも成功事例を作ることが大切です。となると、商品やお客様の課題を理解している、お客様とのコミュニケーション経験がある人のほうが成果が出しやすいと思います。なので最初は営業経験者がインサイドセールスに入ると良いでしょうね。

ただ、インサイドセールスに本来向いている人って「コミュニケーションおばけ」なんですよ。接客業に多い印象ですが、初対面でも関係性を築くことが上手な人っていますよね。これは才能だと思います。僕にはマネできません(笑)。成果が出るまで少し時間はかかると思いますが、長期的に見るとこういう人をチームに入れるのが望ましいと思います。

まこりーぬ:コミュニケーションおばけ!(笑)たしかに才能の域ですね。

インサイドセールスもMAも関係構築を目的としたもの

まこりーぬ:ここからはMAについてお聞きしたいと思います。正直なところメール配信機能ぐらいしかしっかり使えておらず…(涙)MAの本来の役割についてぜひ教えていただけないでしょうか?

武田:MAの役割もインサイドセールスと同じく「関係構築」ですね。インサイドセールスができないことをMAで補完する、また同時にMAでできないことをインサイドセールスが補完するといった相互関係にあると思います。インサイドセールスでは、見込み客の興味関心の度合をデータとして蓄積・活用することが必要不可欠です。この点において、インサイドセールスとMAは表裏一体と言えるかと。

見込み客との関係構築をすべてMAで自動化するっていう方法もとれますよ。実は僕自身はそうやって支援することのほうが多いです。

まこりーぬ:MAで関係構築をすべて自動化ですか!?

武田:たとえば、下図は僕がPardotというMAで実際に運用しているコミュニケーションフローのサンプルです。

リードとの最初の接点から「アポ/ 訪問」までの工程はすべて自動で動くように設計されているんですよ。リードをセグメントする→セグメントにそってスコアが付与される→スコアが溜まりホットリードとなるとお客様にオファーを出す→商談…みたいな流れです。

同じリードでも、セグメント毎に複数のEngagement Studioを設定することで、オプトアウト数(率)を低下させる仕組みとなっています。

まこりーぬ:こ、細かい…!MAを使いこなすとはこういうことなんですね…!

武田:MAで失敗する企業のほとんどは「とりあえずメールをいっぱい送ってクリックされたら電話しよう」という思考に陥っていて、ホットリードの定義も曖昧です。関係性を築いていないのだから、売上が伸びないのも当然ですよね。

まこりーぬ:ホットリードって、もちろんお客様によってスコアの加点方法やしきい値はバラバラだとは思うのですが、どのように定義していくのでしょうか?

武田:既にデータがあるならそこから導けば良いと思います。「受注に至った人たちは過去どんなページを何回見ていたのか」「どんなフォームを何回送信していたのか」を全部洗い出したうえでホットリードの定義の精度を高められますしね。ただ、ほとんどの会社は最初にそこまでデータをもっていません。この場合ペルソナのカスタマージャーニーから仮説を立ててホットリードを定義するしかありませんね。

まこりーぬ:データを残しておく、これから残していくことの重要性を感じますね…!

インサイドセールスもMAも、結局は目的次第

まこりーぬ:ここまでいろいろとお聞きしてきましたが、ズバリお答えいただきたいことが。BtoBマーケティングにインサイドセールスとMAは必須だと思われますか…!?

武田:必須とは思いませんよ。リードの質がもともと高いのであれば、マーケティングチームからそのままフィールドセールスに渡せばいいだけなので。インサイドセールスを立ち上げるよりフィールドセールスの人材を増やして売上を伸ばすべきです。

MAに関しては、リード数が月10件程度だったらぶっちゃけExcel管理で十分だと思います。一方で、月300件のリードがとれている場合は、さすがに人力で全て管理するのは非効率なので、スコア機能などを活用して関係構築を自動化させ「どのリードにアプローチすれば受注の可能性が高まるのか」と見定める方が賢明ですよね。ここでようやく、メール配信ツールでメールを送るのではなく、見込み客の興味関心の度合いに合わせたコミュニケーションを取るためにはMAじゃなきゃダメだよね、という話になります。

さらには、MAと言っても「カスタマイズ性の高いフォームも作りたい」「記事を作ってアップもしたい」となれば、HubSpotやマルケトのようなリッチなMAの導入も検討しなきゃいけない。

当たり前のことではありますが、インサイドセールスもMAも、これらを導入することでなにを実現したいのか、目的を明確にすることが大切ですよね。

まこりーぬ:明確なアドバイス、ありがとうございます!おっしゃるとおりですね。

BtoBマーケティングはLTVの高い顧客を見つけ出せ

まこりーぬ:武田さん、ここまでありがとうございます!インサイドセールスやMAの真髄に触れられた貴重な時間でした…!さいごに、多くのBtoBマーケティングを支援してきた武田さんから見た、成功するプロジェクトの共通点を教えていただけないでしょうか?

武田:最初にペルソナをしっかり固めること、ですね。これをやって成果が出なかった会社は僕の経験上ありません。逆にこれをやらなかった会社はやっぱり成果を出しづらくて、正直苦戦します。BtoBマーケティングってターゲットに対して適切なコミュニケーションをとれば売上に繋がるもんだって、個人的には思いますね。

ペルソナの作り方はデータから抽出するか、ヒアリングから抽出するかだと思うんですが、僕は主に前者の方法をとっています。CRMやSFAのデータ、売上データからいわゆるLTV(Lifetime Value/ 顧客生涯価値)が高いお客様の業種や課題を探る。するとほとんどの会社は特定の業種でLTVが高い結果になるんですよ。そこからなぜその業種のLTVが高いのか、ヒアリングもかけ合わせながら深ぼっていきます。こうして見えてきたお客様の課題に合わせて訴求を固める。シンプルですが、これがBtoBマーケティングで成果を出すポイントです。

まこりーぬ:武田さんがそうおっしゃると重みがありますね。LTVが高いお客様の特性を今一度社内に戻って確認します!本日は本当にありがとうございました!

さいごに

インサイドセールスもMAもなんとなくわかった気になっていましたが、その真価は理解できていなかったのだな…と反省しました。ただ電話する、ただメールを送るという形式だけ取り入れても、関係構築の視点が抜けていたらそりゃ売上には繋がりませんよね

どちらも「周りが導入しているからうちもやらなきゃいけないのでは?」と安易に思ってしまいがちな施策ですが、改めて自社にとっての目的を明確化する必要があるな、と気が引き締まりました。

また、インサイドセールスやMA活用を見直すことと同時に、今一度しっかりLTVの高い顧客を明らかにしようと思います!

以上、まこりーぬがお届けしました!

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