問い合わせ管理システムおすすめ12選を比較|選び方やポイントを解説

この記事でわかること

  • 複数人での対応業務を効率化する問い合わせ管理システムとは
  • システム化で解消できるエクセルによる問い合わせ管理の課題
  • おすすめの問い合わせ管理システムの紹介【導入レビュー付き】

よく利用されている注目の問い合わせ管理システム

「種類が多すぎてどう選べばいいかわからない…」という方は、豊富な導入実績を持つ、以下の問い合わせ管理システムからのご検討がおすすめです。

まずは、どのような問い合わせ管理システムがあるか知りたいという方は、「問い合わせ管理システム比較表」をご参照ください。料金プランや実際に利用した人のレビューとともに、各システムの特徴をまとめています。

問い合わせ管理システムとは

問い合わせ管理システムとは、企業に寄せられる顧客からのすべての問い合わせを集約し、案件情報やそれに紐づく顧客情報を一元管理できるシステムです。以下のような問い合わせ対応におけるオペレーション課題を解消します。

  • 過去に対応履歴がないか確認する方法がない
  • 担当者に聞くにも、どの部署の誰が対応した案件かわからない
  • 対応漏れや重複対応の発生をなかなか防げない
  • アドレスごとに受信ボックスやアカウントを切り替えなければならない

また近年は、電話やメールだけでなく、Webサイトのコンタクトフォームやチャットボット、LINEやTwitterといったSNSなど、顧客から企業への問い合わせ経路(チャネル)が多様化していますが、問い合わせ管理システムの中には、複数チャネルを統合できるタイプのものもあります。

チャネルごとに異なる管理ツールを行き来することなく、あるいは担当部門間で情報共有のタイムラグが生じることなく、的確で迅速な案件対応や情報共有を行うことが可能です。

エクセルによる問い合わせ管理方法が抱える課題

問い合わせ案件の記録と情報共有を行うには、エクセルやスプレッドシートなどの表計算ソフトを利用する方法もあります。最初は問い合わせ件数が少ないこともあり、使い慣れた人が多く手軽に運用を開始できるエクセルからはじめる企業がほとんどです。

下記のような情報をシートに記入して、問い合わせ管理表を作成します。

  • 問い合わせNo.
  • 受付日時
  • 受付担当者
  • 問い合わせ内容
  • 対応状況(未対応/対応中/完了)
  • 対応完了日時

たしかに、問い合わせ件数が少なく、担当者も1~2人の少人数であれば、エクセルは管理ツールとして十分な有用性が見込まれるかもしれません。しかしながら、事業成長とともに問い合わせ件数が増えると、それに伴って取り扱う情報量や対応スタッフの人数も増え、管理は煩雑化していきます。

そもそもエクセルは、問い合わせ管理表を1つのシート上に作成するという仕様上、複数人での同時編集に向いていません。まず情報更新のリアルタイム性が損なわれ、記入忘れや二重対応のミスも発生しやすくなります。

また、対応済みも含む累計問い合わせ件数が蓄積していくと、ファイルが大容量化し、一つひとつの操作が重くて業務にならないといったリスクも無視できません。

従来はどの企業もエクセルで行っていた問い合わせ管理ですが、こういった課題のソリューションとなるように開発されたのが「問い合わせ管理システム」です。

システムで効率化されるチームでの問い合わせ管理

問い合わせ管理システムは、その名の通り問い合わせ管理に特化したシステムです。煩雑な問い合わせ管理を整理する仕組みや、複数スタッフやチームで分担して対応を行うための機能が揃っており、従来のエクセル管理による業務課題を克服できるようになりました。

下記のような機能が備えられていることが一般的です。

  • 複数窓口からの問い合わせの一元化
  • 問い合わせ内容に応じた担当者(担当部門)の振り分け
  • 案件ステータスの可視化(未対応、対応中、解決済みなど)
  • 対応オペレーションのデータ分析・レポーティング

案件登録から対応履歴の呼び出し、進捗の可視化、レポーティングまで1つのツール上で完結し、対応スタッフ・マネージャーともに部門全体で最新情報を共有できます。途中案件の引継ぎも対応履歴を遡って容易に行うことができ、対応漏れのカバーや重複対応の無駄なタイムロスを削減可能です。

また、問い合わせ状況や各担当者の稼働状況もひと目でわかるため、業務オペレーションの改善にも役立てることができるでしょう。増員でなくオペレーションの効率化によって、問い合わせ対応件数の増加を図ることも可能です。

問い合わせ管理システムの種類

問い合わせ管理システムの導入によって、対応品質の改善や業務効率化を図るには、現場のカスタマーサポート体制や業務課題に合ったシステムを選択することです。

まずは、問い合わせ管理システムが大きく3つのタイプに分類されることを押さえておきましょう。

  1. メール特化型:対応チャネルはメールのみ
  2. マルチチャネル型:メール、電話、SNS、ECサイトなど複数チャネルを集約
  3. カスタマーサポートツール一体型:問い合わせ管理のほか、顧客管理、FAQ作成などの幅広い業務をカバー

1. メール特化型

メール特化型は、チームでのメール対応を一元管理するメール共有システムです。予約受付や決済なども含め、各種フォームからの問い合わせをメール対応に集約します。

以下のような機能を備えており、膨大なメールの整理や案件プロセスの可視化を強みとします。

  • 対応ステータスで問い合わせメールを分類
  • 複数のメールアカウントを一か所で管理
  • メールごとに受付担当者を振り分け
  • テンプレート文面の登録

また、シンプルな機能構成であるほか、システム導入に現場が順応しやすいように、従来のメールソフトのようなデザインが多いこともメール特化型の特徴です。

2. マルチチャネル型

マルチチャネル型は、メール以外にも、電話やチャット、SNSなど複数のチャネルからの問い合わせを効率よく管理することを目的とする問い合わせ管理システムです。チャネルを横断して、同じ画面上で顧客ごとに返信や対応履歴の把握が行えます。

ECサイト事業では、Yahoo!ショッピングや楽天市場などのECモールと連携できるものを導入することで、モールからの問い合わせにも各種専用アプリを開くことなく、ほかのメールと同じように一括管理することが可能です。

3. カスタマーサポートツール一体型

カスタマサポートツール一体型とは、問い合わせ管理機能を含むカスタマーサポート部門向けの支援ツールです。以下のように、顧客からの問い合わせを起点に幅広い機能をカバーし、カスタマーサポート業務全体の効率化や品質向上を図ります。

  • 複数チャネルからの問い合わせ一元管理
  • ナレッジベースの蓄積
  • よくある問い合わせとその回答をまとめたFAQページの作成
  • Webチャット機能
  • 問い合わせフォームの作成・設置

一部の顧客管理システム(CRM/SFA)やナレッジスイートが該当し、「問い合わせ管理システム」と称されないものもありますが、問い合わせ対応・管理における課題解決の選択肢として視野に入れておくのもいいでしょう。

問い合わせ管理システム主要12製品の比較表

以下、3つのタイプ別におすすめの問い合わせ管理システムを厳選してご紹介します。

種類 おすすめツール 初期費用 最低月額料金 無料期間
メール特化型 メールワイズ 0円 500円/ユーザー 30日間
WEBCAS mailcenter 3万円~ 5,000円 デモ版
Yaritori 3万円~ 5,000円 7日間
CSCloud 要問合せ 要問合せ 要問合せ
問いマネ 11,000円 3,124円 7日間
マルチチャネル型 メールディーラー 50,000円~ 35,000円 要問合せ
Re:lation 15,000円~ 12,800円 20日間
desknet’s CAMS 要問合せ 要問合せ 30日間
カスタマーサポートツール一体型 WaWaD-Be 0円 2,800円 14日間
Freshdesk 0円 無料プラン有 21日間
Zendesk Support 0円 5ドル/ユーザー 要問合せ
Microsoft Dynamics 365 要問合せ 5,440円 要問合せ

【メール特化型】おすすめ問い合わせ管理システム

1. メールワイズ

メールワイズのプラン詳細

料金プラン内容
スタンダード月額500円/ユーザー最低2ユーザーからの契約で、メールアドレスは10個まで登録可能。
プレミアム月額1,500円/ユーザー最低2ユーザーからの契約で、メールアドレスは11個以上登録可能。最大20個×5のメールアプリケーションを設置可能。

メールワイズの利用レビュー・評価

2. WEBCAS mailcenter

WEBCAS mailcenterのプラン詳細

料金プラン内容
ASP型ライト
初期費用 3万円
月額費用 5,000円
最低1か月からの契約で、累積メール保存数5,000通まで。問い合わせ受付窓口は1グループのみ設置可能。
ASP型スタンダード
初期費用 5万円
月額費用 19,000円
最低6か月からの契約で、累積メール保存数10,000通まで。問い合わせ受付窓口は10グループまで設置可能。
SaaS型
初期費用 50万円~月額費用 10万円~
最低1年からの契約で、累積メール保存数は応相談。問い合わせ受付窓口は10グループまで設置可能。大規模利用やシステム連携、機能拡張のカスタマイズが必要な場合に最適。
パッケージ型
要問合せ
パッケージライセンス費用350万円~、保守費が別途発生。自社環境にシステムをインストールするタイプで、個人情報データをクラウド上に蓄積する運用が難しい企業に推奨。

WEBCAS mailcenterの利用レビュー・評価

3. yaritori

yaritoriのプラン詳細

料金プラン内容
初期費用
30,000円~
契約プランによって料金が変動
5,000円/月アドレス登録上限5,000件まで
10,000円/月アドレス登録上限10,000件まで
20,000円/月アドレス登録上限30,000件まで
50,000円/月アドレス登録上限50,000件まで
10万円/月~アドレス登録上限10万件~
オンプレミス要問合せ自社サーバー内に製品をインストールして使用するプランです。利用料金については問い合わせください。

4. CSCloud

CSCloudのプラン詳細

料金プラン内容
要問合せ利用ユーザー数に応じて月額料金が変わります。

5. 問いマネ

問いマネのプラン詳細

料金プラン内容
初期費用
11,000円
スタンダード
3,124円/月~
メール保存容量1GB(10万件)、10ユーザーまで
アドバンスド
5,500円/月~
メール保存容量3GB(30万件)、30ユーザーまで
オプション要問合せ運用規模や業務内容に合わせて、各プランの標準仕様に利用数・容量を追加可能

【マルチチャネル型】おすすめ問い合わせ管理システム

対応チャネル最低月額料金
メールディーラーメール、電話、LINE、チャット、ショッピングモールメッセージ35,000円
Re:lationメール、電話、LINE、Twitter、ECサイトの問い合わせ12,800円
desknet’s CAMSメール、電話要問合せ

6. メールディーラー

メールディーラーのプラン詳細

料金プラン内容
要問合せ初期費用50,000円~+月額費用35,000円/月~利用ユーザー数、保存通数に応じて変わります。

メールディーラーの利用レビュー・評価

7. Re:lation

Re:lationのプラン詳細

料金プラン内容
フリープラン
0円/月
基本的な機能を使用可能ですが、ユーザー上限数3人まで、ファイル容量100MGまでなどの制限があります。
有償プラン
要問合せ
初期費用15,000円~+月額費用12,800円/月~月額費用は利用ユーザー数やストレージ容量によって変わります。

Re:lationの利用レビュー・評価

8. desknet’s CAMS

desknet’s CAMSのプラン詳細

料金プラン内容
15万円5ユーザーのライセンス価格
20万円10ユーザーのライセンス価格
30万円20ユーザーのライセンス価格
60万円50ユーザーのライセンス価格
110万円100ユーザーのライセンス価格

【カスタマーサポートツール一体型】おすすめ問い合わせ管理システム

主な機能最低月額料金
WaWaD-Be・顧客管理、案件管理、問い合わせ/クレーム管理2,800円~
Freshdesk・マルチチャネルの問い合わせ管理(メール、電話、チャット、SNS、Facebook、Twitter、LINE)
・FAQ作成、コミュニティフォーラム作成、内部チャットツール
無料プランあり
Zendesk Support・マルチチャネルの問い合わせ管理(電話、メール、チャット、SNS、Webサイト経由の問い合わせ)
・問い合わせメールの自動返信・担当者の自動割当
5ドル/ユーザー~
Microsoft Dynamics 365・顧客管理、商談管理、活動管理、問い合わせ管理、ダッシュボード5,440円~

9. WaWaD-Be

WaWaD-Beのプラン詳細

料金プラン内容
初期費用要問合せ
月額費用2,500円~/月基本料金2,500円/月に加えて、利用IDごとに300円/月が発生します。

10. Freshdesk

11. Zendesk Support

Zendesk Supportの利用レビュー・評価

12. Microsoft Dynamics 365

問い合わせ管理システムの選び方・比較のポイント

問い合わせ管理システムの導入課題は、情報共有やコミュニケーションのタイムロスをなくし、運用しやすいシステムを選定することです。比較検討のポイントとしては、下記の3点が挙げられます。

  • 対応チャネル
  • 目的に合った機能
  • 現場目線での操作性

自社の業務オペレーション課題や運用環境などを整理し、導入目的を明確にした上で、それぞれのポイントを押さえた比較検討を進めていきましょう。

対応チャネル

問い合わせ管理システムには、「Eメール特化型」と「マルチチャネル型」があることは前述の通りですが、マルチチャネル型でも連携可能なチャネルやWebサービス、および業務アプリケーションは、製品の提携先によって異なります。自社の問い合わせ窓口を洗い出し、運用体制に合ったものを取捨選択するようにしましょう。

目的に合った機能

問い合わせ管理システムは、問い合わせの情報管理を起点とする総合的な顧客対応ツールでもあり、製品によって、カスタマーサポート業務のカバー範囲や提供されるソリューションはまちまちです。

製品の選定に際しては、問い合わせ管理の業務オペレーションにおいて、現状課題の解決にどういった機能が必要になるかをあらかじめ整理しておく必要があります。

たとえば、対応漏れや重複対応などのミスの多さを最優先で解消すべき課題であれば、案件の進捗ステータスがわかりやすく、担当者の自動振り分け、未対応案件の優先表示やアラートが対策機能となるでしょう。

また、業務フローや人員配置の最適化を目的とする場合、「どういった内容の問い合わせのどの対応フェーズで業務が停滞しているのか」といった現場の状況把握が重要になります。分析に必要な指標を取得できるか、施策の効果検証や前後の比較はしやすいか、分析やレポーティングのダッシュボード機能をチェックしておきましょう。

現場目線での操作性

問い合わせ管理の業務効率に大きく影響するのが、コミュニケーションツールや情報共有システムの使いやすさです。多機能・高性能なツールでも、現場の担当者が使いにくいと感じれば生産性は下がってしまうため、管理者視点だけで使い勝手を判断しないように注意しましょう。

オペレーターとして派遣社員やアルバイトスタッフを採用する場合、また人材の出入りが多い場合などは、都度教育コストがかからないよう、システムの付帯機能を必要最小限に抑えて運用するのも一手です。

ほとんどのサービスには無料期間やデモ版が準備されているため、管理画面の見やすさや情報登録の手順などをひと通り確認しておきましょう。

まとめ|現場が運用しやすい問い合わせ管理システムを

本記事では、問い合わせ管理システム12製品について、それぞれの特徴や価格、利用レビューとともにご紹介しました。

問い合わせ管理システムは、企業に日々寄せられる問い合わせを、複数スタッフやチームで分担して対応・管理を行うための顧客対応ツールです。システム導入によって、対応品質の改善や業務効率化などの課題解決を図るには、現場が運用しやすいシステムの選択が重要となります。

管理者目線のみで使い勝手や効率を定義せず、「誰でも操作を覚えやすい」「情報共有やナレッジ蓄積を行いやすい」現場のニーズや体制に合った問い合わせ管理システムをご検討ください。

よくある質問と回答

問い合わせ管理システムとは何ですか?

問い合わせ管理システムは、企業に寄せられる顧客からのすべての問い合わせを集約し、案件情報やそれに紐づく顧客情報を一元管理できるシステムです。

主な機能は下記の通り。

  • 複数チャネル(メール、問い合わせフォーム、LINE、SNSメッセージなど)の統合管理
  • 顧客情報(個人情報、問い合わせ内容、過去の対応履歴など)の一元管理 
  • 案件のステータス表示(未対応、対応中、解決済みなど)
  • 対応オペレーションのデータ分析・レポーティング

煩雑な問い合わせ管理を整理する仕組みや、複数スタッフやチームで分担して対応を行うための機能が揃っています。

詳しくは、「問い合わせ管理システムとは」をご参照ください。

おすすめの問い合わせ管理システムを教えてください。

問い合わせ管理システムは、対応窓口の範囲がメールのみの「①メール特化型」と、電話やLINE、ECサイト経由のメッセージなど複数窓口を統合する「②マルチチャネル型」に分類されます。

①メール特化型のおすすめ問い合わせ管理システム

  • メールワイズ
  • WEBCAS mailcenter
  • Yaritori
  • CSCloud
  • 問いマネ

②マルチチャネル型のおすすめ問い合わせ管理システム

  • メールディーラー
  • Re:lation
  • desknet’s CAMS

また、顧客からの問い合わせを起点に、FAQ作成や顧客情報管理など幅広い機能をカバーする総合的な顧客対応ツールも問い合わせ管理の課題を解決できることがあります。

問い合わせ管理システムの種類と各サービスの特徴や価格などの詳細、および全12製品の比較表は「問い合わせ管理システム主要12製品の比較表」からご覧ください。

問い合わせ管理にはどのような方法がありますか?

問い合わせ管理の方法には、以下の2通りの方法があります。

  • エクセルやスプレッドシートの管理表に案件情報を記録・管理する
  • 問い合わせ管理システムで案件内容や対応状況を共有する

すでに広く普及しており使える人も多く、すぐに運用開始できることもあり、ほとんどの企業はエクセルでの問い合わせ管理からスタートします。

問い合わせ件数や担当者数が少なければ、エクセルは管理ツールとして十分な有用性が見込まれますが、問い合わせ件数や人数も増えると管理は煩雑化していきます。従来のエクセル管理にまつわる課題を解消するために生まれたのが「問い合わせ管理システム」です。

詳しくは、「エクセルによる問い合わせ管理方法が抱える課題」をご参照ください。

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