「Google オプティマイズが2023年9月で終了」に向けて準備する6つのこと

「Google オプティマイズが2023年9月で終了」に向けて準備する6つのこと

2023年1月に、Google オプティマイズのヘルプを通じて、サービス終了のニュースが流れました。Google オプティマイズにおいては、GA4との連携もできるようになっており、筆者も含め多くの方が今後も変わらず利用できると考えておりました。ゆえに、このニュースの発表には驚きを隠せませんでした。

Google オプティマイズはGoogle アナリティクスとネイティブに連携する唯一のツールです。また、ノーコードでテストパターンを作成することができ、よい意味で敷居が低く、とても気軽に利用できるA/Bテストツールでした。

なお、当記事は2023年2月6日時点の情報をもとに構成しております。新しい情報が得られましたら、当記事も随時アップデートいたします。

Google オプティマイズは2023年9月30日に終了

Google オプティマイズのヘルプにて、2023年9月30日をもってGoogle オプティマイズが終了することがアナウンスされました。正式な文面は以下の通り。

2023年9月30日を過ぎると、Google オプティマイズとオプティマイズ 360はご利用いただけなくなります。この日までは引き続きテストとパーソナライズを実施可能です。当日に実施中のテストとパーソナライズはこの日にすべて終了します。

Google オプティマイズは、あらゆる規模のビジネスでユーザー エクスペリエンスを簡単にテストして改善できるよう、5 年以上前にリリースされました。Google は今後も、あらゆる規模のビジネスがユーザー エクスペリエンスを改善できるよう取り組んでまいります。さらに、Google アナリティクス 4 の A/B テストにも投資しています。

※引用:Optimizeヘルプ

Google オプティマイズとは

Google オプティマイズの詳細な情報は以下よりご確認ください。

ヘルプにはGA4版のA/Bテストツールを準備しているような表現もあるが?

ヘルプには以下のような表現もあり、Google オプティマイズの後継となるA/B テストツールを用意しているようにも読めます。

Google は今後も、あらゆる規模のビジネスがユーザー エクスペリエンスを改善できるよう取り組んでまいります。さらに、Google アナリティクス 4 の A/B テストにも投資しています。

※引用:Optimizeヘルプ

しかしながら、英語版のヘルプを参照すると、同箇所に以下の記載があります。

We remain committed to enabling businesses of all sizes to improve your user experiences and are investing inthird-party A/B testing integrations for Google Analytics 4.

※引用:Optimizeヘルプ

(意訳)
Google は今後も、あらゆる規模のビジネスがユーザー エクスペリエンスを改善できるよう取り組んでまいります。さらに、Google アナリティクス 4 の サードパーティ A/B テストとの連携にも投資しています。

「サードパーティA/Bテスト連携」という言葉はあまりなじみがないかと思いますが、ここで意味することは、「Google製ではない(サードパーティの)A/Bテストツールとの連携」の意味でとらえていただくのが自然です。

つまり、「Google オプティマイズの後継ツールは用意していない、ただし、Google社としてもその領域を完全にサポートしないわけではなく、A/Bテスト専門のよいツールとの連携という形を取りたい」と考えているように思われます。

サードパーティツールとの連携についての予想

サードパーティツール(Google オプティマイズを除く、各種のLPO・A/Bテストツール・レコメンデーションツール・サイト接客ツールなどがそれを指します)との連携とは具体的にどのようなことを意味するのでしょうか?

ここからは私の推測となりますが、いくつか考えられる連携の形を列記してみます。

連携により実現できる3つのこと(予想)

サードパーティツールとの連携で何ができるようになるのか、3つの予想を列記してみます。

1. テストツール→GA4へのテストパターンの連携(可能性高)

外部ツールで取得したA/Bテストの各パターン(A・B・・・Nパターン)の情報をGA4に連携する。GA4側でどのパターンが表示されたかを計測でき、GA4上でパターン別の表示回数・コンバージョン数・CVR測定ができる。

2. GA4アクセスデータ→テストツールへの連携(可能性中)

テストツール由来の数字ではなく、GA4で計測できているセッション数・ユーザー数・コンバージョン数を使って評価したいといったユースケースに対応するため、基本指標をGA4から抽出して、テストツール上で評価できる。

3. GA4のオーディエンスの利用(可能性低)

主にレコメンデーション・パーソナライズを目的としたツールにおいて、GA4で構築したオーディエンス(≒ユーザーセグメント)のリストをテストツールに連携し、そのオーディエンスに合致するユーザーに対してレコメンデーション・パーソナライズを行える。

(参考)[GA4] Google アナリティクスのオーディエンスの概要

技術者向けのより情報

Google オプティマイズをGA4に連携し、Google オプティマイズでのA/Bテストを開始すると、テストパターンが表示される際に、GA4に”experiment_impression” イベントが送信されます。このイベントに紐づくイベントパラメータとして”experiment_id”(テストID)と”variant_id”(テストパターンのID)が送信され、どのパターンが表示されたかがGA4で分析できるようになっています。

各サードパーティツールにおいて、GA4との連携を実装する場合も、おそらくこのデータ送信方式を流用して、連携を行えるようにすることが予想されます。この形式であれば、少なくとも上記1の連携は技術的には難しくなく、比較的早期に実現できるようになると考えています。

ただし、現時点ではこの仕様に関するドキュメントは、筆者が知る限りはGoogle社からは示されておらず、各ツール開発ベンダが開発に乗り出すのは、仕様が明らかになってからとなるため、連携を謳ったサービスが本格的に登場してくるまではしばらくの期間を要することでしょう。

Firebase A/B Testingはどうなるのか

スマートフォンアプリ向けのA/Bテストサービスである、Firebase A/B Testingは引き続き利用できます。Google オプティマイズのヘルプにもありますが、Google社は今後もFirebase A/B Testingのサポートを継続することを明言しており、Google オプティマイズのサポートが終了しても、Firebase A/B Testingには影響ありません。

サービス終了を受けて、なにを準備すべきか?

以下を参考に、サービス終了に備えましょう。

1.実行中のテストを終了する

2023年9月30日までに、実行中のテストを終了してください。

2.(必要ならば)過去のテスト結果を保存しておく

過去に実施したテスト結果を保存しておくことを推奨します。A/Bテストで発生しがちな問題点として、「過去に実施したテストと同じようなテストを実施してしまう」というものがあります。同じ轍を踏まぬよう、テスト結果のスクリーンショットのみでもよいので、保存しておくとよいでしょう。

3.試したいテストは今のうちにやっておく

Google オプティマイズのサービス終了まで、まだ数か月の猶予が残されています。2023年10月以降は有償のツールを利用することになるため、無償で利用できるのは今だけのチャンスです。WebサイトやLPでテストを実施してみたいと感じている点があれば、ぜひこの機会にテストを実施してみてください。

4.代替ツールを探す

Google オプティマイズの代替ツールを探しておきましょう。ツール選定にあたっては、Google オプティマイズのように、ノーコードでテストパターンが作成できるかは要確認です。

この要件を満たすツールの一例としてはOptimizelyなどがあります。

また、パーソナライズの機能を利用している場合は、単純なA/Bテストができるツールだけでなく、パーソナライズの機能を備えたツールを探すようにしましょう。

ただし、今回のニュースを受け、今後各テストツールの提供会社がGA4との連携を急ピッチでリリースしていく可能性があります。そのため、2023年2月時点では移行先ツールの目星だけつけておき、7月ごろに契約、8‐9月でオンボーディング(利用準備)といったスケジュールで動くことを推奨します。

5.テストの実施目的を一度立ち止まって再考してみる

A/Bテストを実施することが目的になっていませんか?WebサイトやLPの改善のしかたはA/Bテストだけに限られません。これをよい機会ととらえ、顧客インサイトの分析、ユーザーテスト、表示速度高速化など、別の施策も検討してみるのもおすすめです。

その間にサードパーティツールとの連携も進み、よいツールを選べる可能性も高まります。

6.Google オプティマイズのタグを削除する

Google オプティマイズの利用を終了したら、Google オプティマイズのタグを忘れずに削除しましょう。不要なタグを削除することで、僅かながらサイト表示速度の改善に寄与します。

最後に

今回の記事では、23年9月末にサービスを終了するオプティマイズのお話を中心に記事の執筆を進めてきましたが、MOLTSでは現在、オプティマイズをはじめとしたA/BテストなどのCVR改善はもちろん、GA4を中心としたアクセス解析に関するご相談を随時、受け付けております。

本記事をご覧の方の中に「サイト改善を行いたい」「GA4の導入・設定を進めていきたい」などのお困りごとがございましたら、私たちMOLTSへご相談ください。

アクセス解析に精通したプロフェッショナルが、貴社に最適なプランをご提案させていただきます。

 

著者情報

MASAHIRO NISHI

西 正広

Marketing Strategist / Data Analyst

業界歴15年。データ戦略の立案、アクセス解析、CVR改善、データ活用基盤の構築などを担当。電通デジタルを経て2019年MOLTS参画。

担当領域の
サービス

  • マーケティングリサーチ
  • コミュニケーションプランニング
  • SEO
  • アクセス解析
  • CDP/DMP構築・運用

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