新しいデジタル広告が出たら、私がすぐにトライする3つの理由

新しいデジタル広告が出たら、私がすぐにトライする3つの理由

日々進化し続けるデジタル広告。1月末にTwitterの検索広告がリリースされるなど、毎月のように、各媒体社からは新しい広告メニューや広告フォーマットのアップデート情報がリリースされています。

そういった新しいデジタル広告をどう捉えるかは人それぞれです。実際にクライアントの広告運用担当の方からも、「成果がでるかどうかわからないから、リスクがあるのでは」「他社の成功事例が出てからトライしてみたい」といった声をよく耳にします。

しかし、私はそうしたクライアントに対して、自社の出稿目的に合いそうなのであれば、まずはトライしてみましょうというご提案をさせていただきます。なぜなら、新しいデジタル広告をすぐに試すことで得られる先行者メリットがあると考えているからです。

そこで今回は私が新しいデジタル広告をすぐにトライする3つの理由、またその際の注意点についてご紹介します。

私が新しいデジタル広告をすぐにトライする3つの理由

新しいデジタル広告をすぐにトライする理由は、以下3つの理由からです。

理由01:競合他社が少ないため、1広告あたりの単価を抑えられる

新しいデジタル広告はまだ実績がないため、どういった成果が得られるのかが予測しづらいという側面があります。やはりどの企業も失敗のリスクを懸念しますから、とりあえずは様子を見ようというスタンスの企業は多いでしょう。

また、各広告代理店も、ある程度実績が出てから広告主に対して営業を展開するというケースも珍しくありません。

すなわち、新しい広告メニューがリリースされてすぐの状況では、広告出稿している競合他社が少ない可能性があることを意味します。競合他社が少ない場合、運用型広告であれば入札競合が生まれづらいでしょうし、CPCやCPMを他メニューよりも低い単価で掲載できる可能性があります。

つまり、競合他社が参入する前に出稿することで、1広告あたりの単価を抑えられるというのが、新しいデジタル広告を試すべき理由の1つ目です。

理由02:新しいメニューは広告効果が高い可能性がある

広告単価を抑えられても、成果に繋がらなければ意味がないのでは、と思われるかもしれません。しかし、広告媒体側の視点で考えたときに、成果に繋がらないとわかっているものをわざわざリリースするでしょうか。

もし広告効果の低い新メニューであれば、媒体側が自ら広告主が離れてしまう原因をつくっているのも同じです。そうしたことを避けるためにも、媒体側はこれまでの広告メニューの実績や経験から、より広告効果の高い新メニューを開発しています

そのため、新しい広告メニューというのは、広告効果が高い可能性があると私は考えています。もちろん、実際には広告効果がそこまで良くないというケースもあるでしょうが、競合他社が少なく、広告効果も高いメニューであれば、それは非常に大きな先行者メリットになります。

また、事例が少ないうちは広告媒体側も拡販に繋げるために、初期だけ配信単価を下げるなどのキャンペーンを展開することもあります。そういったキャンペーンも、先行者メリットの1つと言えるでしょう。

理由03:ユーザーにとっても新鮮であるため、視認性向上が期待できる

競合視点、媒体視点での先行者メリットを挙げてきましたが、もう1つあるのがユーザー視点での先行者メリットです。

たとえば、いつも見ているポータルサイトの広告枠で、いつも静止画のみのバナー広告だった箇所がいきなり動き始める動的な広告へと変化していたら、思わず目で追ってしまいませんか?

そういったユーザーにとって新鮮な広告メニューは、視認性も高まるでしょうし、結果的にCTRが高くなる可能性があります

一方で、ある程度ユーザーにとっても慣れが生じてくると、視認性という意味では落ち着いてくるフェーズが来るでしょうから、そうした視認性の向上は先行者だけが得られるメリットだと思います。

本当に価値あるの?実施した結果、CVRは117%増、CPAは25%改善の例

では、実際に新しい広告メニューを試した結果、どういった成果が得られたのか、様々にある中でも、一つ具体的に例を紹介します。

ビジネス向けSNSである『LinkedIn』では、以前までフィードに表示されるバナー広告やメッセージ型広告などの広告メニューがありました。そんな中、新しくチャットボット形式の広告メニューがリリースされます。

そのチャットボット形式の広告は、ユーザーにメッセージという形で広告配信され、設定された回答が選択されることで自動的に対話が展開されるもの。もともとメッセージ型広告は存在していましたが、チャットボット形式での対話型広告は初めてのメニューでした。

実際クライアントにすぐに提案し実施してみた結果、従来までとは異なるユーザーコミュニケーションを図ることができ、投資額136%と上昇させながらもCPCが前月比で5%改善、CVR 117%アップ、CPAは25%改善と、最終的に1件あたりの獲得単価を下げることに繋がりました。

これまでのバナー広告やメッセージ型広告のような一方通行のコミュニケーションではなく、チャットボット形式で相互コミュニケーションが図れる形であり、さらに目新しさもあったことから、高い反応率を得られたのだと推測しています。

注意すべきことは? 新しい広告メニューだからと言って、すべてが自社に最適とは限らない

新しい広告メニューにトライすべき理由と実際の事例をご紹介してきました。ただ、ここで注意すべきは、必ずしも新しいからと言って自社に最適であるとは限らないということです。

そこで新しい広告メニューがリリースされたときに、トライするかどうかの判断基準として注意すべき点は、以下の2つです。

注意点その1. 自社の出稿目的に沿った広告メニューであるかどうか

まず注意すべきは、新しい広告メニューが自社の出稿目的に合っているかどうかです。

たとえば、新しい動画広告メニューがリリースされたとします。動画広告は一般的にブランディング・認知獲得を目的とし、ダイレクトレスポンスは期待できないケースが多くあります。

もし自社がダイレクトレスポンスを成果としている場合、新しい広告メニューであっても、そうしたブランディング目的の広告メニューでは期待している成果は得られないかもしれません。

新しい広告メニューが自社の出稿目的に沿ったものであるかどうか、精査することが大切です。

注意点その2. 既存の実施メニューとのすみ分けができるかどうか

新しい広告プロダクトだと思っても、実は配信プラットフォームが違うだけでターゲティングや配信先、広告フォーマットが同じというケースもありうるでしょう。その場合、自ら入札競合を生み出してしまいかねない状況をつくってしまうため、既存の実施メニューに悪影響を及ぼしてしまう可能性があります。

また、新しい広告メニューや広告プロダクトが、既存の実施メニューと似たようなものの場合は、既存メニューでターゲティングボリュームを上げて、配信単価が上がるようであれば新しい広告メニューを試してみるという考え方をするのが良いと思っています。

私自身、なんでもかんでも新しい広告メニューだからと飛びつくのではなく、既存の実施メニューとのすみ分けができるかどうかを注意するようにしています。

おわりに

あらためて、新しい広告メニューがリリースされたらすぐに試すべきだと私が考える理由は、次の3つです。

  1. 競合他社が少ないため、1広告あたりの単価を抑えられる
  2. 新しいメニューは広告効果が高い可能性がある
  3. ユーザーにとっても新鮮であるため、視認性向上が期待できる

広告代理店に広告運用を任せている場合は、代理店側で新しい広告メニューのリリース情報を止めているケースもあります。そのため、新メニューはないかと聞いてみてもいいと思います。

また、新しい広告メニューを積極的に活用していると、媒体とのリレーション構築にも繋がります。リレーションが構築されれば、また新たな広告メニューがリリースされた際に情報提供をしてもらえたり、同業他社の事例を紹介してもらえるといったこともあるので、おすすめです。

そして新しい広告メニューを試してみたいけど、どう進めていいかわからないという方、また現在デジタル広告の運用を進めているものの成果に伸び悩んでいる方は、ぜひお気軽にご相談ください。私たちMOLTSへご相談ください。デジタル広告領域に精通したプロフェッショナルが貴社に最適なプランをご提案します。

 

著者情報

HIROYUKI HIGASHIYAMA

東山 博行

Marketing Director / Consultant

業界歴13年。ダイレクト案件中心にリスティング・ディスプレイ広告・SNS広告運用型広告の実行、コンサルティングなどマーケティング支援を担当。

担当領域の
サービス

  • ECマーケティング
  • BtoBマーケティング
  • ディスプレイ広告
  • SNS広告

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