後発のBtoBメディアがコンテンツSEOで勝ち切るために必要だった10のこと
コンテンツSEOで大きな成果を得るには、コンバージョンに繋がりやすいキーワードで検索上位表示を獲得することが重要ですが、そのようなキーワードは競合も強く、なかなか成果に繋がらないという相談をよくいただきます。
私はBtoB領域において、難易度の高いキーワードや後発のメディアであっても上位表示を実現し、広告に代わる新たな商談機会の創出や、インバウンドで見込み客を獲得し続けられるメディアの構築など、さまざまな成果をクライアントに提供してきました。
それらに共通していたのは、行動量を最大化できる戦略を組み立て、小さな勝利を積み重ねることでした。
いかに、中長期的な視点を持ち、今行うべきアクションを明確に定め、それを愚直に実行し続けられるかどうかが勝負の分かれ目になると考えています。
今回は、後発のBtoBメディアでもコンテンツSEOで勝ち切り、成果に繋げるために重要視している10のポイントをまとめました。
コンテンツSEOは、考え方次第でさらなる成果の最大化、そして事業成長へと繋げることができます。もしも現在、これからコンテンツSEOをはじめたいと思っている、また既に取り組んでいるものの伸び悩みを感じているのであれば私たちMOLTSへご相談ください。
コンテンツSEO領域で様々な実績を出してきたプロフェッショナルが、貴社に最適なプランをご提案させていただきます。
いかに競合をしのぐ高いクオリティを保ちつつ、行動量を最大化できるか
コンテンツSEOの支援に入らせていただく際に、クライアントの方々には半年後や1年後の成果を見越して、アクションを積み重ね続けることが大切だといつもお伝えしています。
そもそも検索エンジンは、よりユーザーのためになる、質の高いコンテンツを上位表示させる傾向があります。この原則は競合が強い領域においても同様で、コンテンツはユーザーにとって価値の高いものであることが大前提です。
他社も同様にクオリティにこだわり、日々しのぎを削っている中で、ただ検索上位に表示されている記事を参考にしたコンテンツを作るだけでは、勝てないケースがほとんどです。
つまり、いかにユーザーにとって最高の結果を提供できる価値の高いコンテンツを追求し、磨き続けられるかどうかが重要になります。メディアが後発であればなおさら、競合コンテンツよりも優れたコンテンツが必要です。
しかし、検索ニーズの調査やそれに基づいたライティング、またコンテンツの分析やコミュニケーションの調整など、高い精度でコンテンツを磨き続けるには当然ながら時間やコストが必要です。
限られた時間のなかで勝ち切るためには、まずは戦う領域を絞ったり、フェーズごとにすべきことを限定したりと、行動量を最大化させるための戦略設計・運用を心掛けています。
難易度の高いコンテンツSEOで勝ち切るために重要だった10のこと
では、後発のメディアであっても、クオリティを追求しつつ行動量を最大化させて勝ち切るためには、どのように戦えば良いのか。
私が大切にしていることを、戦略設計フェーズから運用・改善フェーズ、そしてマインドセットの3つに分けてご説明します。
戦略設計フェーズで大切なポイント
まず、戦略設計フェーズにおいては、以下の5つのポイントを重視しています。
01. 戦場を絞り、まずは小さな領域で勝ちに行く
狙いたいキーワードや成果に繋げたい商材などが多岐にわたる場合、すべての領域で勝とうとしても、限られた予算とリソースの中でできることはそう多くはありません。
そのため、まずは戦う領域を絞り込み、その範囲で集中的にアクションを積み重ね、小さな勝利を確実に取りに行くことが重要だと考えています。
人材派遣サービスや転職サービスなどを展開する、パーソルグループのコンテンツSEOを支援させていただいたケースでは、約200もの商材を3つに絞ることからスタートしました。市場ニーズや優位性などから最もインパクトが出る領域に絞り込み、それ以外の領域には手をつけないという意思決定をしました。
その結果、約1年で法人サイトからのリード獲得は5倍以上と、着実に成果獲得に繋がっていきました。もしこれが約200もの商材すべての領域で勝負を仕掛けていたら、行動がブレてしまい、ここまで勝ち切ることはできていなかったでしょう。
例えば、
- 市場ニーズや自社商材が複数ある中でも、特に強みとなる領域
- コンテンツSEOで既に成果が出ており、ノウハウが体系化されている領域
- 発信できる情報の価値が高い領域
など、様々な軸から戦う領域を絞り込むことが、まずは重要だと考えています。
02. 成果に繋がるキーワードに絞る
戦う領域を絞ることは、獲得すべきキーワードも絞ることになります。いきなり広げすぎず、まずは小さな範囲に限定してコンテンツを磨き上げ、勝ちに行きます。
そのためキーワード選定においては、検索ボリュームなどをもとに闇雲にキーワードを選定するのではなく、自社の体制や目的に応じて、成果に繋がりやすいキーワードを厳選することが重要です。
例えばオウンドメディアのコンサルティングサービスを展開し、そのリードを獲得するためコンテンツSEOに取り組む企業の場合を考えてみます。
もしインサイドセールスが営業へとトスアップしていける体制があるのであれば「まだコンサルティングの利用を検討してはいないものの、情報収集の段階にいるユーザーが検索するであろうキーワード」を狙うことも考えます。
まだ検討度合いが浅い段階でも、ホワイトペーパーや会員登録などを活用し、インサイドセールスによるコミュニケーションを前提としたリード獲得施策を展開できるためです。
- オウンドメディアとは
- オウンドメディア 始め方
- オウンドメディア 費用対効果 など
一方で、もし社内にインサイドセールス部隊がおらず、見込み客とのコミュニケーションが十分にできる状況ではない場合、上記のキーワードで検索するユーザーを獲得したとしても、商談には至りにくいと考えられます。
そのためまずは、検討度合いが高いリードの獲得を狙います。つまり「コンサルティングの利用を既に検討しており、各社を比較検討したり、自社に最適なパートナーを選んだりしているユーザーが検索するであろうキーワード」を集中的に狙っていきます。
- オウンドメディア コンサルティング
- オウンドメディア 運用支援
- オウンドメディア 代理店 など
ターゲット顧客や、顧客と対面する担当者へのヒアリングを実施したうえでカスタマージャーニーを作成し、彼らがどんな場面でどのような情報ニーズをもとに検索するのかを考え、キーワードを洗い出していきます。
このように「とにかく色々なキーワードを」という考え方ではなく、最も成果に繋がるであろうキーワードを厳選し、一点集中してコンテンツを磨き上げることで、競合に勝ちに行きます。
03. よそ見せず戦えるプランニングを行なう
これまでの経験上「新規コンテンツをつくりつつ、既存コンテンツのメンテナンスも行う」といった、複数のことを同時に行う戦い方では、成果のために必要なアクションにフォーカスできないという状況を何度も見てきました。
たとえば、コンテンツがある程度溜まってくると、どうしても「この記事のCTAを調整してみよう」「この記事を少しメンテナンスしてみよう」と、いろいろなことに手を出してしまいがちです。しかし後から振り返ってみると、その調整やメンテナンスは成果に貢献せず、時間をただ浪費しただけに終わるというケースもよくあります。
そのため私は、新規制作フェーズ・メンテナンスフェーズなど、期間ごとにすべきことを絞ってプロジェクトを進めていきます。そしてメンバーやクライアントには「よそ見はせず今のフェーズでやるべきことだけにフォーカスしましょう」と、いつも伝えています。
例えば新規制作フェーズであれば、計画していた新規コンテンツのみに集中し、まず作り切る。その後に既存コンテンツのメンテナンスを一気に行っていくようにしています。
もちろんリソースによって組み替えていくことは必要ですが、基本的にはよそ見はせずに一点集中すること。競合をしのぐコンテンツを作るためには、こういった戦い方が重要だと考えています。
04. 追いかける指標はシンプルにする
今やるべきことに一点集中するためには、追いかける指標も絞り、メンバーにあまり多くの数字を見させないことも重要です。
たとえばサイトの立ち上げ時期であれば、取るべきアクションは新規コンテンツを愚直に制作することなので、指標は「記事公開数」だけにすることもあります。
メンテナンスフェーズであれば、キーワード軸では「検索順位」を。コンテンツ軸では「セッション数」と「CTAクリック数」「コンバージョン数」だけを見るなど、追いかける指標をシンプルにするということを徹底しています。
その際、Googleアナリティクスを通してPV数やセッション数・直帰率など、関係ないデータをメンバーやクライアントに見させないことも意識しています。そうした数値の増減に一喜一憂して「やはりこうアクションしたほうがいいのでは」と判断がブレてしまうこともあるからです。
05. メディア愛がある人をリーダーにアサインする
コンテンツSEOの施策に取り組んでいくと、途中で想定外のことが起こったり、良い成果が得られずにメンバーのモチベーションが下がってしまったりと、様々なことが起こります。
そうした状況でも、動きを止めず長期戦を乗り切るためには、困難な状況でもチームメンバーを鼓舞しつつ、適切に意思決定を行い旗振り役を担えるリーダーがいることが重要になってきます。
そのリーダーを決める際に私が特に重要視していることは、経験や役職といった基準だけでなく、そのメディアに愛着があるかという点です。
行動量を最大化させるためには、リーダー自身もアクションし続ける必要があり、それは片手間でできることではありません。主体的に考えて行動できるような、メディア愛がある人をリーダーにアサインすることで、長期戦においてもチームが前に進み続け、行動量を最大化できると思っています。
運用・改善フェーズで大切なポイント
次に、コンテンツSEOの運用・改善を行うフェーズで重視していることを紹介します。
06. まずはユーザー“だけ”に向き合う
実際にコンテンツを制作していくと、どうしても「自社サービスの訴求を入れたい」「CTAクリックに繋がるテキストを入れたい」といった考えが出てきてしまいます。
しかしコンテンツSEOでは、どれだけ自社訴求をしても、上位表示されなければ流入を得られず、何の成果も生み出さないケースがほとんどです。
そのため、まずは上位表示を実現するためにもユーザー、すなわち検索ニーズにとことん向き合うことが大切です。本当にユーザーのためになるコンテンツは何か、どういったストーリー構成であればユーザにとって価値があるかといった、ユーザー目線のみを追求し、コンテンツを作り込んでいきます。
07. メンテナンスでは、細かい改修を高頻度で行う
難易度の高い領域で高順位を獲得するためには、メンテナンスによってコンテンツを磨き上げ、勝つまでクオリティにこだわることが重要です。
新規コンテンツを一通りつくり終えたら、次は既存コンテンツのメンテナンスのみにフォーカスし、チーム全体で一気に検索順位の向上施策を仕掛けていきます。
その際に重要なことは、大きな改修を少数行うのではなく、小さな改修を数多く行うということです。それぞれのコンテンツに対して何度もメンテナンスを重ねることは珍しくありません。細かく改修や調整を行い、都度検索順位にどのような影響があったかを確認します。
メンテナンスを行いコンテンツの改修内容を反映させるたびに、ユーザーの評価やGoogleからのフィードバック≒検索順位の変動を得ることになります。じっくりと時間をかけてメンテナンスすることはそれだけフィードバックを得る機会や頻度が減ってしまうため、よっぽど確証をもった根拠がない場合は避けています。
行動量が重要となるコンテンツSEOにおいては、小さな改修を早く速く繰り返し、スピーディにPDCAを回してくことが大切だと考えています。
08. CTAは、最初から個別最適を目指さない
成果最大化のために、CTA(Call to Action)を最適化していくことは非常に重要です。
理想としては「この検索キーワードのコンテンツにはこのCTAを」といった形で、コンテンツごとや文脈ごとにCTAをフルカスタマイズすることです。当然ですが、そのコンテンツや文脈に最適化されたCTAは、コンバージョン率が高くなるためです。
しかし、多くのコンテンツに対してCTAを個別に最適化させていく作業は、リソース的に非常に負荷がかかるため、初期から取り組むとコンテンツに向き合う行動を鈍らせる要因になりかねません。
また、コンテンツへの流入が少ない状態でいくらCTAを工夫しても成果には繋がりにくいので、まずはサイト全体で一括設置する程度にとどめます。
全体で同じCTAを設置すると、結果的に各ページのパフォーマンスが比較できるため、その後検索流入の増加に伴って、成果に繋がりやすいコンテンツから徐々にフルカスタマイズを行っていきます。
全体を通して重要なマインドセット
最後に、コンテンツSEOのプロジェクト全体を通して重要だと考えていることを紹介します。
09. 行動量を最大化すること自体を目的としない
行動量をいかに最大化すべきかというお話をしてきましたが、忘れてはいけないのは、コンテンツ制作は、リード獲得や売上増といった成果を最大化させていくためのいち手段でしかない、ということです。
コンテンツSEOで勝ち切るため、行動量を最大化させるためにすべきことを明確に定めていたとしても、他のアクションを優先することも時にはあります。
たとえば新規コンテンツの制作フェーズであっても、フォーム改修に注力する、コンバージョンポイントを見直すといったことが成果獲得に繋がるのであれば、そちらに舵を切ることもあります。
アクションは明確に定めるものの、「成果のために今何が必要なのか」という観点は常に忘れないようにしています。
10. 小さな成功体験を繰り返して長期戦を楽しむ
やはり難易度の高い長期戦を戦う中では、コンテンツSEOに携わるメンバーは心理的にも負担を感じ「本当にこのまま続けて大丈夫だろうか」と迷いや不安が生じることもあります。
すると行動が鈍ったり、失速したりする原因になってしまうため、メンバーにコンテンツSEOという長期戦を楽しんでもらうための工夫も大切だと考えています。
たとえば「検索結果にインデックスされた」「検索結果の1ページ目に表示された」など、どんなに細かなことでも、メンバーやチームの成功体験を共有することを意識しています。
そうした成功体験をもとに、自分たちのやってきたことは間違っていなかった、プロジェクトが前に進んでいるという感覚を持ってもらうことで、長期戦を楽しみつつも、成果を追って戦い続けられるのだと思っています。
コンテンツSEOで勝つための裏技は存在しない
後発のBtoBメディアでもコンテンツSEOで勝ち切るために、私が大切にしてきた10のポイントを紹介しました。
私は、コンテンツSEOで勝つための裏技は存在しないと考えています。
繰り返しになりますが、競合が多く難易度の高い領域であっても結局のところ、どれだけユーザーにとって価値あるコンテンツを出し続けられるか、そして中長期的な戦いをいかに走り切れるかが勝負の分かれ目になるのだと思っています。
しかし、それは競合他社も同じことです。成果に繋がるキーワードで1位を取るためには、周りと同じことをしているだけでは不十分な場合がほとんどです。
だからこそ私は、一つ一つの小さな勝ちにこだわり、領域を絞ったり、キーワードを厳選したり、行動量を最大化させるための工夫を考え続けています。
コンテンツSEOは、考え方次第でさらなる成果の最大化、そして事業成長へと繋げることができます。もしも現在、これからコンテンツSEOをはじめたいと思っている、また既に取り組んでいるものの伸び悩みを感じているのであれば私たちMOLTSへご相談ください。
コンテンツSEO領域で様々な実績を出してきたプロフェッショナルが、貴社に最適なプランをご提案させていただきます。
著者情報
PICK UP
-
半年間で「リード数10倍以上、受注率3倍増」と、爆速でBtoBベンダーのマーケ施策が成長したワケ
株式会社ブイキューブ
-
億超の広告運用を引き継いだ未経験者が、2ヶ月でROAS30%改善した裏側
株式会社Techouse
-
「0から年間数万件の法人リードを生み出す組織へ」ネオキャリアがインバウンド文化へ変化していく5年の歴史
株式会社ネオキャリア
-
なぜ、外部パートナーがインハウスの強いマーケティングチームに信頼されたのか?じげん『アルバイトEX』の事業成長の裏側
株式会社じげん
-
「約200の商材から何を狙うか」パーソルHDオウンドメディアが1年で流入3倍、CV5倍に伸長した理由
パーソルホールディングス株式会社