「脱・MAのメルマガ配信ツール化」でハウスリストから商談創出。マーケ施策の幅が一気に広がったワケ

武田 大

Marketing Director / Consultant

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「脱・MAのメルマガ配信ツール化」でハウスリストから商談創出。マーケ施策の幅が一気に広がったワケ

「デジタルリスクに、盾を。」をキャッチコピーに掲げ、SNS炎上といった企業が抱えるデジタルリスクの課題を解決するためのサービスを手掛ける株式会社エルテス

同社はこれまでフィールドセールス主体による顧客獲得で成長してきた一方、さらなる事業拡大にはマーケティング活動による潜在層へのアプローチが必要だと考え、MAツールを導入しました。しかしマーケティンググループのリソースやノウハウが不足していたことでMAツールを活用しきれず、メルマガを配信するだけのツールに。そこでMAツールの活用サポートと同時に、自立したマーケティング組織を目指し、MOLTSがご支援させていただきました。

今回はエルテスのマーケティンググループより、奥村さま、釜石さま、そして本プロジェクトを担当したMOLTSのBtoBマーケティング コンサルタントの武田大を交え、これまでの取り組みを振り返りました。

Result Driven.

“メルマガ配信ツール化” していたMAツール。自立したマーケティング組織を目指して、プロの成功体験を移植したかった

エルテス 奥村さま

武田:今回、MAツール(Account Engagement:旧Pardot)の活用と自立したマーケティング組織の実現を目指してご支援させていただきました。改めて、ご相談いただいた当時の課題について教えていただけますか?

奥村:これまで弊社の事業は、すでにデジタルリスクが顕在化し、お問い合わせいただいたお客様へアプローチすることで成長してきたのですが、事業を今後さらに拡大していくためには、ニーズがまだ顕在化していない層(潜在層)へデジタルリスクの重要性を啓蒙しなければならないと考えていました。

しかし、その当時のマーケティング戦略全体の課題として、デジタルリスクや商品への興味・関心が薄い潜在層へアプローチし、顕在層化するためのリードナーチャリングの具体的な方法が分からなかったのです。

私がマーケティンググループに参加した2018年の時点で、MAツールはすでに導入されていたのですが、マーケティングチームは少人数でリソースが不足していたために有効な設定がほとんどなされていない状態でした。その結果、安くない月額利用料を投じているにも関わらず、情報発信にしか使われない“メルマガ配信ツール”になっており……。

釜石:メルマガのコンテンツはマーケティング戦略に沿った内容ではなく、協力会社さんが制作した内容そのままで週1回の頻度で送り続けていたのです。弊社のメインターゲットは広報やブランディング担当の方なのですが、情報システム担当者が興味を持つようなマルウェア対策やテレワーク推進といった、サービスに関係ない情報の発信になっていることもありました。

奥村:こうした背景から、近しい業界や近しい規模の企業の成功体験を、弊社のマーケティングに移植してもらいながら進めたほうが、短時間で大きな成果に繋げられるのではないかと考えたのです。そこで2020年8月に武田さんにお声がけさせていただき、MAツールの活用と自立したマーケティング組織を目指してご支援いただくことになりました。

具体的な施策の前に、現状の課題を整理。デジタルリスクマネジメントの商品ならではの、マーケティングの難しさとは

エルテス 釜石さま

武田:ご契約いただいてからすぐに3回前後のミーティングを実施させていただき、まずは課題のすり合わせをさせていただきました。具体的には、MAツールでできることをご説明し、現状の課題をいかに解決することができるか、前任者の方とお話しさせていただきました。

奥村:打ち合わせの中では、弊社の商品に興味があるリードや契約につながりそうなリードを、MAツールが自動抽出できている状態を目指してほしいとオーダーしたと聞いています。

武田:その通りです。前任者の方にオーダーいただいた当時、すでにMAツールには資料ダウンロードやオンラインセミナーなどで得られた3万件のリード情報が蓄積されていました。この資産を有効活用していくべく、まずはExcelにエクスポートしたリード情報をもとに、まず前向きに検討しているリードや受注につながりやすいリードを定義しました。

その後、それらのリードがMAツール上でどのような動きをしているかをすべて分析し、可視化しています。具体的には「どのページを何回閲覧し、資料ダウンロードまで至っているのか」「初回のアポ獲得までどれくらいの日数がかかっているか」といった要素をまとめるなど。データ分析を進めていく中で、新しい気付きはありましたか?

奥村:弊社のデジタルリスクマネジメントの商品は、企業規模によってアプローチすべき部署や役職が違ってくることに気づきました。一般的には広報の方が担当されていることが多いのですが、中小企業だと人事・総務の方が兼任されていたり、経営者自ら課題に感じられていることも。また、社員のPCからの情報持ち出しを対策する、情報システム部門向けのサービスも手掛けており、さまざまな部署の方がさまざまな期待値を持って弊社サービスに接してくださっていることがわかったのです。

私たちマーケティンググループは、なるべく多くの見込み顧客にアプローチしたいと考えていましたので、多種多様な期待値を武田さんに一つひとつ分析していただくのは大変ありがたかった反面、とても大変な作業だったと思います。

3万件のリード情報を分析し、有効なリードをMAツール上で自動抽出、通知される状態を構築

MOLTS 武田

武田:次のフェーズとして、3万件のリード情報を分析した結果と営業の方への定性的なヒアリング内容に基づき、MAツール上でセグメントの設定を進めていきました。購買の見込みが高い顧客、いわゆる「今すぐ客」を定義し、セグメントの軸に据えて1つひとつレイヤーを落としていきながら設定を進めました。

具体的には、オートメーションルール(指定した条件に基づいて自動的にプロスペクトを抽出し、さまざまなアクションを実行できる機能)やEngagement Studio(1対1のカスタマージャーニーを構築し、ビジュアル化、効果の検証、パフォーマンスを測定できる機能)といったMAツールの機能を活用しています。

このフェーズで、商品に興味があるリードや契約につながりそうなリードをMAツール上で自動抽出し、通知される状態を構築していきました。

奥村:その間、事前に話し合っていた通り、MAツール専属の担当者を配置しました。担当者がMAツールにしっかり向き合えるように社内体制を整え、その他のマーケティング担当者がMAツール以外の業務を巻き取ったりなど。また、MAツールの担当者には、営業にトスアップするリード件数をKPIとして追ってもらうことにしました。

もう1つ大きく変えたことが、改めてメルマガに力をいれるようになったこと。MAツールで適切な見込み顧客に情報を届けることができるようになったことで、コンテンツマーケティングで成果を出せるなど。もともとカスタマーサクセスでお客様に接していた釜石にメルマガを担当してもらい、お客様が求めている情報を届けていくようにしました。

目的なきメルマガ配信からの脱却。ゴールから逆算し、デジタルリスクを啓蒙するメルマガへ

武田:以前はメルマガのゴールを設定されないまま、MAツールをメール配信ツールとして使用されていたかと。狙った見込み顧客にメルマガを届けることでナーチャリングし、セールスへトスアップできる状態をゴールとして設定し、そのゴールから逆算してメルマガの企画を進めるようにお話しさせていただきました。

メルマガを担当されている釜石様は、どのような点を意識してメルマガを配信されていますか?

釜石:カスタマーサクセスにいた頃は、すでにデジタルリスクマネジメントの必要性を実感されているお客様と向き合ってきました。しかし、メルマガ配信では、まだデジタルリスクマネジメントの必要性を感じていないお客様にコンテンツを届けることになります。そこで武田さんのアドバイスを受けながら意識を切り替えていき、デジタルリスクを啓蒙するためのメルマガ内容を企画していきました。

武田:具体的にはどのような内容のメルマガを配信されていますか?

釜石:リードの分析データに基づく企画だけでなく、トレンド性を意識したメルマガになっていますね。例えば直近だとバイトテロやSNSの誹謗中傷などです。

週に1回配信さえできればよいという状態から、しっかりマーケティングの流れとゴールを自分の頭で意識して企画できるようになった点が、取り組みで大きく変わったポイントだと思います。

昨対比で獲得リード件数が138%増加。MAツールの活用に留まらない、マーケティングシステムを実現

武田:今回のプロジェクトでは、3万件のリード情報の分析からMAツールのセグメント設定、メルマガ配信まで伴走させていただきました。現在も取り組み中の部分がありますが、今回のプロジェクトで得られた成果をお聞かせください。

奥村:MAツールを活用できる体制が整ったというよりも、「マーケティングシステム」が構築できたというべきでしょうか。MAツールを軸に、メルマガやホワイトペーパー、セミナーといった施策を展開できるようになったのです。

そしてさまざまな施策を展開できるようになった結果、我々の商品に適したマーケティングの勝ちパターンを見つけることができました。具体的には、ナーチャリングしたリードに弊社のセミナーへ誘導し、デジタルリスクマネジメントの重要性をしっかりお伝えした上で営業する、という流れです。この発見は今回のプロジェクトにとって大きな成果であり、マーケティングが前に進む実感が得られました。

こうした成果は、定量的な面にも。MAツールを活用できるようになったことでセミナー告知が効率化されたり、ホワイトペーパーDLが促進されたりと、結果として1Q(3〜5月)の昨対比で獲得リード件数が138%も増加しています。

武田:取り組みの中では、マーケティング人材の育成を支援してほしいというご要望もいただきましたよね。ご自身の実感として、マーケティングに対してどのような意識の変化と成長がありましたか?

奥村:目的志向を持ってマーケティングに向き合えるようになりました。以前は特に理由もなく週に1回メルマガを配信していましたが、今では1本のメルマガであっても、何を目的とし、どんな人に届け、どういう態度変容を起こしたいのかまで考えて企画するようになっています。また、マーケティング施策ごとに仮説を打ち立て、それを検証していくという姿勢も、組織に定着してきました。

武田:それは嬉しいですね!他にも、社内からの評価のお声があれば、ぜひお聞かせください。

奥村:フィールドセールスのメンバーからは、MAを中心としたホットリードの共有により、効率的なアポイント獲得が取れる状態になったこと、その結果商談に集中できるようになったと感謝のフィードバックを頂いてます。広告費のようなフロー面ではなく、社内のマーケティングスキルやノウハウといった蓄積されるストック面にマーケティング予算を投じていきたいという会社の考えにも沿った取り組みだったと思います。

「マーケティング組織が自立するための『ショートカット』のような取り組み」

武田:今現在もさまざまなプロジェクトに関わらせてもらっていますが、改めてマーケティンググループとして、今後どのような展開をされていく予定でしょうか?

奥村:さらに理想のマーケティングシステムを構築していくためにも、私たち自身が自走してMAツールを活用し、人や時間といった社内のリソースをもっとマーケティングに投下できる組織を作っていきたいですね。その上で、例えばチェーン店の店長向けにバイトテロに関するコンテンツをピンポイントで配信するような、より細かくセグメントを分けることで一対一に近い顧客接点を実現できればと思います。

武田:MAツールの活用と自立したマーケティング組織を目指して、今回ご支援させていただきました。私たちのサービスは、どのような企業にどういった点でおすすめできるでしょうか?

奥村:以前の私たちと同じく、MAツールがメルマガ配信ツールになってしまっている企業にこそ、おすすめできると思います。あとはマーケティング組織を立ち上げたばかりであったり、マーケティング初心者の方が右も左も分からない中でマーケティングに向き合っていくことになったり、といった企業でしょうか。

特に武田さんはMAツールの活用といった手法に留まらず、自立したマーケティング組織を構築していくために必要なマーケティング思考や姿勢に関するアドバイスをしてくださいました。現在は武田さんの関与度を少しずつ抑えていただき、マーケティングの内製化にご協力いただいております。

武田:お話の最後に、今回のプロジェクトを一言で表すとどのようなお取り組みでしたか?

奥村:限られた時間の中で、ゼロからマーケティング組織を立ち上げていくのは、正直簡単なことではありません……。さまざまな企業で成功体験を積み重ねてこられたからこそ、的確なご提案いただけたのではないかと感じています。これを一言で表すと、マーケティング組織が自立するための「ショートカット」のような取り組みだったと思いますね。

武田:理想のマーケティングシステム構築に向け、引き続きよろしくお願いします。本日はありがとうございました!

この記事を書いたメンバー

DAI TAKEDA

武田 大

Marketing Director / Consultant

1986年生まれ。リクルートでの法人営業、中小企業向けのマーケティング会社で勤務した後、2019年4月にMOLTSに参画し、2020年3月より子会社KASCADEに所属。延べ30社以上のBtoBマーケティングを支援。リードジェネレーション、インサイドセールス立ち上げ/改善、MA活用、CSなどのインバウンドマーケティングの戦略立案、改善/実行支援やABM戦略の立案/改善/実行、インハウスでの戦略設計、施策実行のオンボード支援など、一気通貫してBtoBマーケティングを支援する。2022年3月より同社取締役に就任。

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