「サイトのグロースと改善に切り込み、商談数は昨対比120%」BtoB SaaS企業の転機になったプロジェクトの裏側

「サイトのグロースと改善に切り込み、商談数は昨対比120%」BtoB SaaS企業の転機になったプロジェクトの裏側

勤怠管理・工数管理・経費精算、働く人が毎日使うバックオフィス製品を搭載したクラウドサービス「チームスピリット」を開発、提供する株式会社チームスピリット。2023年8月時点で契約社数1,800社を突破し、SaaSビジネスにおいて重要なKPIであるARR(Annual Recurring Revenue)では昨年度比で19.5%の成長を実現しています。

東証グロースの上場企業の成長を後押しするマーケティング部門には、2022年10月、長年BtoBのWebマーケティングに携わっている肥田さまがマーケティング部門の統括として入社。同時期よりマーケティング戦略全体の立て直しが実施されることになり、インバウンドでリードを獲得するための環境作りを支援する目的で、THE MOLTSにお声がけいただきました。

今回はチームスピリット社でマーケティング部門を統括する肥田さまと、お取り組み以前から同社のマーケティング業務に携わる大島さまに加え、本プロジェクトを担当したTHE MOLTSの田島 光太郎西 正広を交えてお取り組みから1年が経った現在地を振り返りました。

オウンドメディアのテコ入れではなく、インバウンドによるリード獲得数の向上こそがゴール

マーケティング Dept. ディレクター 肥田さま

田島:今回のTHE MOLTSとの取り組みでは、インバウンドでリードを獲得していくための環境作りを目的に、コンテンツマーケティングやオウンドメディアといった中長期的な施策と、短期的な成果が期待できるアクセス解析によるCVR改善でご支援させていただきました。あらためてご相談いただいた背景や当時抱えていた課題について教えていただけますか?

肥田:私がマーケティング部門の統括としてジョインしたのが、2022年10月のことです。当時のマーケティング部門は、一見すると力を入れてマーケティング施策に力を入れているように感じたのですが、実際には「当たり前にやらなければいけないこと」にまったく取り組めていませんでした。当時5つもあったオウンドメディアは成果に繋がっておらず、指名検索でのみWebサイトに流入してしている状況だったのです。

大島:私は肥田さんが入社される以前から、マーケティング部門の企画業務に携わってきました。当時のオウンドメディアが成果を出せていなかった背景には、そもそも目的を立てて運用できていなかったことが挙げられます。

マーケティング施策としてオウンドメディアの立ち上げはプロジェクト化しやすいため、さまざまなメディアが立ち上げられたものの、担当者の交代や退職で運用のノウハウやナレッジがしっかり引き継がれずに形骸化していました。

田島:オウンドメディアの課題やマーケティング部門の状況を受け、どのような理想像を描いていましたか?

肥田:オウンドメディアのテコ入れが目的ではなく、インバウンドによるリード獲得数の向上がゴールです。SEOにしっかり取り組み、一般キーワードからの流入を増やし、インサイドセールスにより多くの有効リードを渡すことを目指しました。

また、一般的には営業とマーケティングが分断している企業も少なくありませんが、弊社のマーケティング組織はもともと数字への意識が高く、さらに営業の数字からマーケティングの数字に落とし込めていました。ただ、目標の数字を達成するための考え方や施策が不足していることが課題だったのです。

過去の実績や、クライアントの価値向上に取り組む姿勢を評価いただき、取り組みを決定

マーケティング Dept. 大島さま

田島:マーケティング部門にジョインされて感じた課題と、当時描かれていた理想のマーケティング像を受け、どのようなアクションを取られたのでしょうか?

肥田:すでに取り組みが決まりかけていた、他社のSEOコンサルティングサービスとの契約を撤回しました。新たにインバウンドでリード獲得するための施策をご提案、支援いただけるパートナー企業を探すなかで、前職でお取り組みさせていただき、確かな成果を出されていたTHE MOLTSにお声がけしました。

田島:他社のコンサルティングサービスなどと比較し、弊社のどのような点を評価いただいていましたか?

肥田:前職でのお取り組みや過去の実績に対する評価はもちろん、コンテンツマーケティングにおけるTOFU(Top of Funnel)、MOFU(Middle of Funnel)、BOFU(Bottom of Funnel)をよく理解されている点は好印象です。また、私自身も過去にクライアントワークをやっていた経験からTHE MOLTSのご担当者は「いかにお客様の価値を向上させるか」に重きを置いていると感じています。

田島:肥田様にご相談いただいたのはオウンドメディアの立て直しを含めた、インバウンドの強化でした。私が携われる領域はコンテンツマーケティングやSEOのため、成果につながるまでどうしても時間がかかってしまいます。

そこでアクセス解析に強みを持つ、弊社の西をプロジェクトに加えました。さっそくWebページへのアクセスを分析したところ、トップページの改善である程度のリード獲得を強化できそうだと判断しました。また、オウンドメディアを含むサイト全体の運用を適切に評価しながら進められるよう、設計指標にあわせてデータ計測環境も西で構築しました。

当初はオウンドメディアの運用からご相談をいただいたものの、結果的には短期的に成果を出せるCVR改善と、中長期的な施策としてオウンドメディア運用、それらに関わるデータ計測環境の構築をご提案し、並行して取り組みをスタートさせています。

ベンダー側自らの頭を使うフレームワークを高く評価。CVR改善では、コンバージョンの定義から整理した

THE MOLTS 田島

田島:弊社との取り組みからちょうど1年が経ちました。プロジェクト初期の取り組みで印象に残っている施策はありますか?

大島:肥田さんとは違い、私にとってTHE MOLTSとの取り組みは初めてのことでしたが、インバウンドの強化という同じ目的に向かっていたことで、自然と取り組みが始まった印象でした。

初期にはまず、コンテンツマーケティング全体に必要なカスタマージャーニーやペルソナの設計から入っています。THE MOLTSのフレームワークはとても使いやすかったため、スムーズにペルソナ設計を進めることができました。

実は過去に別のWebマーケティング支援のパートナー企業にペルソナを設計いただいたことがあったのですが、正直ターゲットの実態を捉えきれていないことが多く、実務では使いづらいものでした。

それに比べ、THE MOLTSのフレームワークは当たり前のポイントをしっかり押さえつつ、シンプルで使い回しが良かったのです。作成することがゴールでなく、作成して施策に反映していくことを見据えていると感じました。

さらに私たちベンダー側自身が頭を使って考えなければならない項目が多く、多くの気づきが得られました。やはり、ペルソナやカスタマージャーニーといったフレームワークは、外部の協力会社に丸投げして制作いただくのではなく、ベンダーと協力会社が一緒になって作成すべきものだと思います。

西:CVR改善施策として初めに着手したのが、正しいWebコンバージョンを定義し、改めて何件のコンバージョンを獲得すればよいかを見定めることでした。

マーケティング部門内ではこれまでMQL(Marketing Qualified Lead)やSQL(Sales Qualified Lead)といった数字は整理されていたのですが、実際はすでに既存ユーザーからの問い合わせが含まれており、少しズレた数値だったのです。そこでMAツールに送られているフォーム送信数から算出された数字を正しいWebコンバージョンとして定義しています。

肥田:もともとマーケティング部門として、数字をしっかり蓄積していく文化があったのは良かったポイントです。おかげでCVR改善に必要な数字をすぐに出すことができました。さらに西さんのCVR改善の取り組みによって、ただ数字を蓄積するだけではなく、施策に落とし込むための数字の活用方法を掴むことができました。

目的なきマーケティングから購買プロセスドリブンへ。成果につなげるコンテンツ施策の体制も整った

THE MOLTS 西

田島:この1年の取り組みは、オウンドメディアの戦略設計や乱立していたメディアの立て直し、良質なコンテンツを愚直に作り続けるといった土台作りの側面が強かったのですが、並行してCVR改善施策を進めてきたことで早い段階で成果も出てきています。今現在の段階で貴社のマーケティングに対してどのような影響があったと感じられていますか。

大島:1年前に肥田さんがマーケティング部門にジョインされたことを含め、大きな転換期でした。そもそも成果や目的への意識が薄く、リード一件一件に対する意味付けができていなかった状態から、ユーザーが何を考え、何を求めているかを考えること、つまり購買プロセスドリブンで意思決定し、行動できるようになったと感じています。

田島:初年度の取り組みで得られた定量的な成果を教えてください。

肥田:プロジェクト開始以降、リード獲得数はおしなべて右肩上がりで伸びており、通期では昨対比115%となりました。そこから先の商談創出も昨対比121%で成長しており、リードの質を担保しつつしっかりと数を伸ばすことができています。

大島:オウンドメディアについても、まだ検索順位は上がり切っていないものの、ローンチから半年足らずで月10件程度リードが発生してきています。「勤怠管理システム」関連などメインのキーワードでも1ページ以内に入ってくるようになりました。以前はほぼ指名検索でしか流入していませんでしたが、一般キーワードも獲得できるようになり、セッションはサイト全体で、前年同月比約150%伸びています。これからコンテンツ一つひとつの精度をさらに上げていき、より明確にCV数を成果として追っていく段階です。

西:より実用的なコンバージョンを計測するため、GA4の導入と同時に実施した多数のフォームの整理と改善(EFO)も、間接的には数字の改善に繋がっています。また、全体的に広く浅く分析した結果、トラフィックボリュームの大きさからまず着手すべきはトップページであるとの結論に至りました。

フォームとトップページを中心にCVR改善に取り組み、オウンドメディア施策が立ち上がるまでのタイムラグを埋める成果を出すことができました。

田島:現時点でのTHE MOLTSの取り組みに対するご評価をお聞かせください。

肥田:施策ありきではなく、マーケティングの目的と数字をもとに今何をすべきかを考えてご提案いただいたことは、まさに期待通りでした。取り組み以前は「SEOに取り組まなければ」と考えていたマーケティング部門も、THE MOLTSのご提案を受けて目的から逆算してコンバージョン向上に取り組めるようになっています。

そうしたマーケティングに対する姿勢の変化を含め、この1年で戦略の骨子ができたと考えてます。次の1年は、その骨子への肉付けに取り組んでいきたいですね。

より大きな売り上げを達成するためには、「コンテンツ」が必要不可欠

田島:マーケティングを含め、今後の事業の展望についてお聞かせください。

肥田:来年度はこれまで以上に大きい売上高を目標としており、以前のようなマーケティングでは達成することはできないでしょう。ここで重要になる存在が「コンテンツ」です。コンテンツを拡充し、必要なキーワードを押さえ、一定数は自然とリードが獲得できる体制を作る必要があります。

また、マーケティングシナリオや営業シナリオの確立も今後の課題です。たとえば、営業にパスしたリードに対して、営業担当者は何を提案して良いか分からずに困ってしまう、といった問題が起きています。マーケティングシナリオから営業シナリオへ、またその逆のフィードバックを繰り返していき、コンテンツに落とし込んでいきたいですね。

田島:取材の最後に、THE MOLTSはどのような企業におすすめできそうでしょうか。

肥田:どのような企業にも当てはまることかもしれませんが、マーケティングで成果を上げたい企業にはおすすめできると思います。マーケターがよく陥りがちな、マーケティングの目的を見失って施策ありきで進めようとする姿勢を覆してくれますし、数字に対する意識が高いマーケターにとっても満足できる成果を上げてくれる心強いパートナーです。

大島:この1年の取り組みを振り返ると、フレームワークの使いやすさがとにかく印象に残っています。ただ、このフレームワークは私たち自身が考えなければいけない部分であり、逆に「マーケティングのすべてを丸投げしたい」という企業にはTHE MOLTSは合わないかもしれません。

「自分たちでマーケティングを何とかしなければならない。だけど、どこから取り掛かればよいか分からない」という企業こそ、まずはTHE MOLTSさんにご相談してみてはいかがでしょうか。

著者情報

MASAHIRO NISHI

西 正広

Marketing Strategist / Data Analyst

業界歴15年。データ戦略の立案、アクセス解析、CVR改善、データ活用基盤の構築などを担当。電通デジタルを経て2019年MOLTS参画。

担当領域の
サービス

  • マーケティングリサーチ
  • コミュニケーションプランニング
  • SEO
  • アクセス解析
  • CDP/DMP構築・運用

著者情報

KOTARO TAJIMA

田島 光太郎

Media Planner / Consultant

業界歴8年。オウンドメディア、コンテンツマーケティングを担当。コンサルタント・PMとして戦略設計、インハウス化・グロース支援を行う。

担当領域の
サービス

  • コミュニケーションプランニング
  • コンテンツマーケティング
  • オウンドメディア
  • SEO

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