事業戦略にまで踏み込み、売上20%増を実現したリスティング広告運用の裏側

事業戦略にまで踏み込み、売上20%増を実現したリスティング広告運用の裏側

パスクリエイト株式会社では、結婚相談所の比較や資料請求可能な『婚活・結婚おうえんネット』、税理士が探せるマッチングサービス『税理士紹介エージェント』を運営しています。

サービスのリード獲得を目的としたリスティング広告は、会社運営における“心臓”と捉え、取り組み以前よりインハウスでの広告運用を行っていました。

その一方で、当時の担当者が退職したことや同事業の成長が伸び悩んでいたことから、MOLTSのグループ会社でデジタルマーケティング領域のエージェンシー事業を行うSTAUTへご相談をいただくことに。

2017年8月からスタートした本プロジェクトでは、マーケティングチームの体制を一から構築し直すところから始まりました。そしてリスティング広告の運用を継続した結果、現在では、事業全体の売り上げ前年比20パーセント増という成長を実現しました。

今回の対談では、パスクリエイト株式会社で代表取締役社長を務める飯原崇暁氏、シニアコンサルタントを務めるYoshi氏、アツシ氏と、STAUT取締役兼COOの菊池真也が、事業成長を実現したリスティング広告運用の裏側を振り返りました。

Marketing Strategist / Consultant
菊池 真也
業界歴15年。運用型広告のコンサルティング、インハウス化支援、代理店の組織構築などを行う。成果を最大化するためのチームビルディングが得意。

同じ目線に立って一緒に事業を成長させてくれる存在

菊池:STAUTの代表取締役である松尾の役割を引き継ぐ形で、私は今御社を担当させていただいていますが、そもそもSTAUTへ依頼をいただいた経緯は何だったのでしょうか?※

飯原:弊社では資料請求や問い合わせ獲得を目的としたメディアを10年ほど運営をしてきました。それらを獲得するための“柱”となるのが、リスティング広告なんですよね。もはや、会社運営における“心臓”といっても過言ではないくらい重要だと感じています。だからこそ、広告代理店などの他社に任せるのではなく、インハウス化して進めていくべきだと考えていました。

しかし、昨今ではアドテクノロジーの急激な進化や高騰する広告費の影響を受け、リスティング広告の運用自体がより複雑化し、運用を担当する人材に高い専門性(スキル)が求められるようになってきました。

当然、そうなると、各社こぞってより優秀な人材を確保しようと動き出します。その結果、広告運用担当者の人材需要が急激に高まるわけです。その結果、退職者を出すたびになかなか優秀な人材に出会うことができず、人材探しが常態化していました。

そんなときにSTAUTの松尾さんにお会いしたんですよね。まだその当時は、リスティング広告運用はインハウスでやるべきだという思いはあったのですが、人材に困っていたこともあり、「広告運用を“本当のプロ”に任せてみたらどうなるのだろう?」という期待もあったためSTAUTに依頼した、というのが経緯です。

※お取り組み当初の2017年8月〜2018年5月までは代表の松尾が担当し、2018年6月〜現在までは取締役である菊池が同社の担当をしています。

パスクリエイト代表取締役社長 飯原崇暁 氏

菊池:「任せてみたい」と思った決め手は何だったのでしょう?

飯原:STAUTが「ただのリスティング屋さん」じゃない、ということでした。最初にいただいたお話が、「運用手数料◯%ください」といった“広告の運用”だけを見た提案ではなかったんですよね。

あくまで広告運用を一つの手段として捉え、我々のビジネス構造を正しく理解し事業全体を把握した上でこれからどのようにして加速していけばよいのかというご提案をしてくださったんです。会社を経営する立場からすると、コミュニケーションコストが少なく済むことは非常にありがたいことですし、何より「同じ目線に立って一緒に事業を成長させること」ができる方なんだなと確信できました。

リスティング広告はあくまで事業を成長するための“一つの手段”。パートナー関係を越えた取り組みで社内の数値意識も変わっていった

菊池:広告の運用を委託する際、「数値報告だけをして打ち合わせが終了」というのはよくありがちなことだと思います。もちろん、数値がどのように変わっていったかを知ることはとても大切なことですが、それよりもビジネスの骨幹である「事業」をどのようにして成長させていくのかを考えていくことこそが、より重要なことだと感じています。

これまでの取り組みでは、そういった「事業成長」に重きをおきプロジェクトを進めてきたわけですが、2017年8月からはじめて約1年半、振り返ってみていかがですか

飯原:ジレンマとして強く感じていたのが、松尾さんと我々メンバーのレベルの違いでした。毎週の戦略会議では皆フルパワーで議論を進めていく中で、私と松尾さんはどんどんマニアックな会話になっていくわけです。

当時、アツシやYoshiはデジタルマーケティング領域は専門外での入社でしたので、まだ会話についていけるほどの知識はありませんでした。当然彼らの理解度に合わせていてはスピーディな事業成長のための議論にはなりません。そこで、二人には特に意識的に自らノウハウを取りに行くための動きを増やすように、と常に伝えていました。

高い基準でプロジェクトを進めてもらうことこそが、プロへ対価を支払う価値があると思っていました。

シニアコンサルタント Yoshi 氏

Yoshi:私はもともとWebマーケティング未経験で入社してきており、最初は会話についていくのがやっとでした。そのため、自分の中で立てた仮説を松尾さんに相談するたび、「これは、こういうことです。」といろいろ教えていただきました。事業成長はもちろんですが、私自身もとても成長させていただいたなと感じています。

そして何か知りたいこと、確認したいことが出てきたら、寄り添ったコミュニケーションをしてくれる点も安心でした。レスポンスも早く、社外にいるけど社内にいるかのような感覚でお仕事をさせていただいています。

現在、広告運用は外部へ依頼している形ではありますが、インハウスに近い取り組み方ができているなと思います。また、私たちが考えたことをすぐに実行してくださったりと、もはやパートナー関係を越えた、“一事業部の仲間”としてプロジェクトを進められているのは本当にありがたいなと感じています。

アツシ:私は広告のクリエイティブを担当しています。松尾さんに担当をしていただいていた当時は、まずはクリエイティブのベースを築き上げていく、というフェーズでした。そのため、既存のモノをどのようにしてより良いものに改善していくか、を中心に施策を進めて行きました。その後、土台ができたタイミングで菊池さんに担当が変わり、新規でクリエイティブを作っていくというフェーズに入りました。

菊池さんが分析してデータを出してくださり、それをデザインに反映していくという連携がきちんとできていることにありがたさを感じています。また、目に見えてユーザーの反応が変わってくるのは、非常に面白いなと思いますね。

シニアコンサルタント アツシ 氏

菊池:ちょうど獲得件数も安定的にとれるようになっていった時期であったため、クリエイティブの重要性が高まっていったフェーズでしたね。私たちSTAUTがコンサルとしてジョインしてからは、社内の他のメンバーの方々やその体制に何か変化はありましたか?

飯原:メディア運営の要である「集客」をリスティング広告運用のプロに任せることで、社内が「接客」に集中できるようになったことです。

サイト側のA/Bテストにより集中して取り組めるようになったり、KPIに対しての改善施策をこれまで以上に行えるようになりました。また、社内の他メンバーも広告の数値だけでなく、接客を含めた各KPIへの意識も高まるようになっていったと感じています。

売上20%増、広告運用は事業にアジャストさせることが重要であると改めて気付かされた

菊池:当初はインハウスでやるべき、という思いがあったとのことですが、STAUTに任せてみていかがでしたか?

飯原:正直、インハウス化していた以前と比べ運用が見えにくくなった部分もあります。しかしその一方で、事業全体の売上は前年比で20%増加しています。これはひとえに松尾さん、菊池さんが貢献してくださった「結果」だと思っていますし、何よりお二人は日本トップレベルのマーケターだと感じています。そんな方々と“パートナー”として一緒にお仕事をできていることに、とても感謝しています。

また、STAUTに任せて良かったなと再認識できる瞬間があって、それは“トラブルが起きたとき”なんですよね。すごく印象に残っているのが、不正コンバージョンが発生していたときのことです。「ヤバい!」と思って菊池さんに連絡したら、状況の深刻さをすぐに理解してくださり、ギアを上げて迅速な対応をしてくださったんです。

普通、広告代理店のいち担当者であれば、そんなにすぐに対応してくれないですよ。本当の意味で事業に伴走してくれていることを実感しますし、同じ仲間としてやるべきことをやっていただけているなと。

菊池:私が松尾から担当を引き継いだとき、御社の松尾への信頼が厚く、また社長自らが責任を持って数値を見ていらっしゃるので、実はとてもプレッシャーを感じていたんです(笑)。

ただ、私自身がマージンモデルではなく一緒に事業サイドに入って伴走し、もっと事業戦略に踏み込むスタイルを実現したいと思っていましたので、そうおっしゃっていただけて、とてもありがたいです。

一緒に事業をつくっていけるパートナーとして認めていただけるよう、これからも足元の短期的な改善・集客だけではなく、中長期的な事業の戦略を討議できるような関係を築いていきたいと思っています。

飯原:我々のビジネスの場合、1CVの価値が違ったりするんですよね。例えば、同じ東京のユーザーでも、60代男性と30代男性では売上が違う。そのためCPAベースではなく、ROASベースで運用していかなければなりません。

そのために我々も会社としての重要な数値を開示する必要があるわけです。もちろん信頼はしていますが、会社を守るものとして経営にインパクトのある情報であればあるほど開示するには勇気がいります。しかし、お渡しした情報をもとにしっかりと施策に反映してくださっていて、我々としても気持ち良く開示できます。良いパートナーシップを築けているなと感じますね。

菊池:今は「広告運用も自動化させてアジャストさせていきましょう」という流れがありますが、御社との取り組みを通じて「広告運用は事業にアジャストさせていかないと成長できない」というのを改めて気付かせていただきました。

SDC(Smart Display Campaign)なんかはまさにそうだなと。エージェンシー側として「CVが取れているからよいよね」と判断するのではなく、その先の粗利、またエンドユーザーのことを考えないといけません

さらに運用型広告ではいま競合性が強まっているため、クリエイティブで差別化していく必要があります。そんな中、こちらからの提案に対して即座に意思決定していただき、クリエイティブを見直したり、新しいクリエイティブをすぐに用意していただき、成果につながっているのはうれしいですね。

最後に、これからのSTAUTに期待していることがあれば教えてください。

飯原:ガンガン我々の尻を叩いてほしいなと(笑)。集客はうまくいっているのに対して、弊社側がやるべき接客のせいで成果が出ていないというのは良くないことだと思うので、「ターゲットに対してその接客でいいのか?」ということを、ぜひ批判的にフィードバックしていただきたいですね。

著者情報

SHINYA KIKUCHI

菊池 真也

Marketing Strategist / Consultant

業界歴15年。運用型広告のコンサルティング、インハウス化支援、代理店の組織構築などを行う。成果を最大化するためのチームビルディングが得意。

担当領域の
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  • ECマーケティング
  • BtoBマーケティング
  • リスティング広告
  • ディスプレイ広告
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