生成AIとはじめる「ゆるサイト分析」

こんにちは、THE MOLTSのデータアナリストの西です。

ここ半年ほどで、「私がサイトを分析してもChatGPTに分析させても、そこまで結果は変わらないな」とよく感じるようになりました。

この調子だと、データアナリストの仕事がなくなる未来もそう遠くないかもしれません。

ですが私個人としては、「生成AIをどんどん活用して誰しも一定のサイト分析ができるようになったらいいな」と考えていますし、生成AIの活用を啓蒙することも、自分が担える役割の一つだと捉えています。

そこで今回は、「ChatGPTにサイトを分析させてみたけど、当たり障りのない回答しか出てこない」と、アウトプットにあまり満足できていない方にむけて、サイト分析×生成AI活用のススメをお話しします。

はじめに:ChatGPTはGA4にめちゃめちゃ詳しい

はじめに、ChatGPTはGA4にめちゃめちゃ詳しいことをみなさんご存じでしょうか。

たとえば「GA4のセッションとユーザーと表示回数の違いを教えて」と質問すると、こんな回答をしてくれます。

GA4で使われる3つの代表的な指標
ユーザー(Users):同じブラウザ/アプリをまたぐ一意の利用者。レポート上は既定でActive Users(過去5分以内にイベントがあるユーザー)が表示される。「何人来たか」「リピーター率」など利用者規模の把握に使われる。
セッション(Sessions):まとめて行動した「訪問」の単位。開始イベント(session_start)から30分の無操作で切れる。流入施策の効果測定、サイト回遊の粒度で活用される。
表示回数(Views):ページビュー(page_view)とスクリーンビュー(screen_view)のイベント回数。ページ別人気度、導線分析、スクロール率などで使われる。

さらには、「よくわからんから小学生にもわかるように説明して」と追加で聞くと、こう説明してくれます。

あそびに行く「遊園地」のたとえで考えてみよう
ユーザー = お客さん1人(その日に遊園地へ来た「きみ」や「友だち」。人を数えているよ。)
セッション = 遊園地に来た回数(朝に一度来て、いったん帰って、夕方また来たら「2回」になるよ。)
表示回数(ビュー) = 乗りものやお店をのぞいた回数(観覧車を1回、ジェットコースターを2回のったら「3回」だね。)

このようにChatGPTはGA4にかなり詳しく、質問すればわかりやすく丁寧に教えてくれます。特にここ半年間は、雑な相談でもある程度網羅的に改善策まで示してくれるようになりました。

しかし周りを見渡してみると、「生成AIはいい感じの分析結果を出してくれない」とうまく活用できていないケースがちらほら。その代表例を2つ挙げてみます。

NG例1:自分が知りうる情報を入力していない

一つはシンプルに、インプットが足りずに回答がいまいちなケースです。いいアウトプットが出てこないのは、生成AIが悪いのではなく、インプットが足りていないから。そう捉えて情報を追加してあげると、どんどん回答の精度は高まります。

悪い例:「先週のコンバージョン数が前週比で20%下がりました。原因を教えてください」
良い例:「ECサイトのコンバージョン数が先週20%下がりました」「主力商品はアパレル(客単価約8,000円)です」「先週は特別な施策は実施していませんが、競合が大型セールを実施していました」「このような背景で、考えられる要因と対策を教えてください」

前者より後者のほうが、生成AIはより具体的なアドバイスを返してくれるはずです。

また、以前別のコラムにこんなことを書きました。

AIが分析を代替する時代に、GA4で今やるべきことはなんだろうか より

分析は最終的にはクライアントサイドでやった方が良いものになります。理由は、クライアント側でしか持っていない情報、特に暗黙知が多くあるためです。

実際によくあるのが、私が「この日、理由はわからないがCV数が増えている」とクライアントに報告したら、「あー、それは○○があったからだね」と言われるパターン。私たちが知らない施策、たとえば社内でプレスリリースを出していたとか、営業チームが大型展示会に出展していたとか、そういう背景情報がないと分析が的外れになってしまうんです。

自分が持っている情報を提供することなく、自分の期待を超えるアウトプットを求めるのはやはり不可能に近いので、面倒でもサボらず、知りうる情報をインプットすることが重要です。

ただしこの話をすると「じゃあデータ分析における必須の入力項目はなんですか」「どんなプロンプトが有効ですか」といった質問をよく受けます。……残念ながらこの発想は、しばしば次のNGパターンにつながります。

NG例2:一発で精度高い回答を期待しがち

生成AIに満足していない人の多くは、一発で精度の高い回答が返ってくることを期待しすぎているように感じます。

かつ、一回目の回答がいまいちだと「こいつはダメだ」と生成AIの活用を止めてしまいがちです。

人間のコンサルタントが顧客にヒアリングを重ねるなかで仮説を立て、提案の精度を高めていくように、生成AIにとっても “対話” は必要です。いくら十分過ぎる知識を持っていたとしても、一発でいい回答を出すのはやはり難しいものなんです。

「直近1週間でコンバージョン数が下がっているのですが、どんな要因が考えられますか?」とまずはざっくり気軽に相談してみる。これに対する回答を受けて、「具体的にはどこをチェックすればいいでしょうか?」「どんな対策が効果的ですか?」と深掘りしていく。

このように、対話を通じて段階的にアウトプットの精度を高めていくのがオススメです。

「よいプロンプトを入力しよう」ではなく「いったん気軽に相談してみよう」というスタンスで、「なんだか最近この数字が下がってるんだけどどう思う?」と、まずはぜひ話しかけてみてください。

「実際どれが実行できるか?」はAIにはわからない

おまけに、生成AIが出してくれた分析結果を成果につなげるうえでの大切な心構えもお話しします。

生成AIは、パパっと網羅的に多くの課題と改善策を提案してくれます。改善策は実行してはじめて成果が生まれるわけなので、私たち人間はそこから実現可能な施策を取捨選択して、行動に落とし込んでいかなければなりません。

しかし、生成AIが最適なアクションプランをズバリ弾き出すのはなかなか難しいものです。

なぜなら実行可否や実行スピードは、「身の周りに適任者がいるかどうか」「その人のリソースが空いているかどうか」といった組織の内情、「やんなきゃいけないとわかっているけど、僕はこっちの施策のほうがやりたい」といった担当者の個人的なモチベーションにも左右されてしまうから。

よって分析そのものはどんどん生成AIに任せて、我々人間は判断すること、そして施策を実行することに力を注いでいくのが理想的だと思います。

さいごに

もしかすると、生成AIのことをみんな小難しく捉え過ぎているかもしれません。

「とりあえず生成AIに聞いてみよう」精神で、まずはゆるっと気軽に相談してみてください。

対話を繰り返すなかで必要な情報を足してしていけば、データアナリストである私とさほど変わらないアウトプットを出してくれると思います。

著者情報

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MASAHIRO NISHI

西 正広

Marketing Strategist / Data Analyst

業界歴16年以上。データ戦略の立案、アクセス解析、 CVR改善、データ活用基盤の構築など、データドリブンなマーケティング組織の構築を支援。電通デジタルを経て2019年にTHE MOLTS参画。

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