リスティング広告は、GoogleやYahoo!JAPANといった検索エンジンでユーザーが検索したキーワードを元に、検索結果画面に掲載されるテキスト形式の広告です。

誰にでも今日から始められる手軽さはありますが、配信の仕組みがやや複雑なため、しっかりと理解した上で配信を開始できるようにしましょう。

本記事では、リスティング広告の「掲載されるまでの流れ」「掲載順位」「クリック単価」がどのような仕組みで決まるのかをお伝えした上で、広告運用を成功させる確率をより上げるためのポイントを詳しく解説していきます。

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目次 非表示

リスティング広告が掲載されるまでの仕組み

リスティング広告は、検索結果に掲載する広告をオークション形式で決定しています。

広告主は、「広告を出稿したいキーワード」に「1クリックあたり上限いくらまで払う」と「入札」を行い、同様に入札した広告主とのオークションの結果、掲載される広告と掲載順位が決まります。

オークションはユーザーの検索が発生する度に行われるため、掲載される広告や掲載順位は常に変動します。

オークションに参加するための準備

1. 広告を出稿したいキーワードを登録する

まずは、出稿したいキーワードを登録しましょう。ここでは検索語句に対してどのような条件で広告を表示するかを定める「マッチタイプ」を選択する必要があります。

マッチタイプには、部分一致・絞り込み部分一致・フレーズ一致・完全一致の4種類がありますが、デフォルトで「部分一致」が設定されています。

例えば、誤字や送り仮名の違い、多少の言葉ゆれがある場合や関連性がある語句で検索された場合でも広告が表示されます。

例えば、「男性用 帽子」のキーワードを部分一致で登録した場合、「男性用 ぼうし」「メンズ 帽子」「男性用 キャップ」「男性 人気 ハット」といった語句でも広告が表示される可能性があります。(※キーワードの関連性は、広告ネットワーク側で判断され、常時変更されます。)

▼「男性用 帽子」で登録する場合

マッチタイプ 表示パターン 特徴 広告表示対象キーワード
部分一致 広告の配信費に15~20%ほど代行手数料が発生 配信費が上昇するとマージンも上昇するため、広告規模が大きくなるほど代理店の手数料も増加する

◯男性用 帽子 大きめ
◯男性用 キャップ
◯男性 人気 ハット
など

絞り込み
部分一致
広告費に関係なく一定金額が発生 サービスレベルに応じて固定のフィーが発生。作業工数量に応じて金額が上下するケースが多い

◯男性用 帽子 大きめ
◯男性用 大きめ 帽子

フレーズ
一致
成果に応じて報酬が変動 アフィリエイター等が該当し、「成果1件でいくら」と条件を決め契約

◯男性用 帽子 大きめ
×男性用 大きめ 帽子

完全一致 成果に応じて報酬が変動 アフィリエイター等が該当し、「成果1件でいくら」と条件を決め契約 ◯男性用 帽子

2. 上限クリック単価を設定する

リスティング広告では、上限クリック単価(1回のクリックに対して支払い可能な金額)を超える金額が請求されることはありません。

一般的に、上限クリック単価が高いほど広告の掲載順位が上がります。

逆に上限クリック単価が低いほど掲載順位が下がり、広告を掲載する機会が減少します。上限クリック単価が低いことでのペナルティはないので配信開始時は慎重に単価を設定していきます。

オークションが発生してからの流れ

3. ユーザーが検索窓にキーワードを打ち込み、検索が発生する

リスティング広告は、ユーザーの検索キーワードに連動して掲載される広告です。

4. 検索内容と一致するキーワードが設定された広告がすべて検出される

競合広告主を含めた、リスティングを実施している全広告主を対象に検出します。検出された広告のうち、ポリシーに違反している不承認の広告や配信対象(年齢・性別・地域 等)が異なる広告は排除されます。

ヘルスケアや医薬品・金融サービス・アルコールなどYMYL領域に関連する商品の広告には、厳しい制限があります。出稿を行なっても広告が表示されない可能性がありますので、事前に広告ネットワークのポリシーを確認しましょう。

関連:Google 広告のポリシー – Google 広告ポリシー ヘルプ
関連:広告掲載基準:もくじ – ヘルプ – Yahoo!広告

5. 広告枠に掲載する広告を決めるオークションが発生する

オークションでは、上限クリック単価や広告の品質を相対的に判断し、ユーザーにとって有益な広告が評価されます。

6. オークションで広告枠を落札できた広告が表示される

オークションは検索が発生する度に行われるため、オークション結果はその時点での競合状況によって都度変わる可能性があります。

午前中は掲載できていたのに、午後には掲載できていないといった事象がごく普通に発生します。

リスティング広告の掲載順位が決まる仕組み

リスティング広告は、上限クリック単価の大小だけでは掲載順位を決まりません。

ユーザーの検索ニーズを満たせるコンテンツかどうかも含めて掲載順位が決まります。

掲載順位は「お金の大小」で決まらない

リスティング広告の掲載順位が上限クリック単価で決まらない理由は、広告の掲載先となるGoogle社、Yahoo!JAPAN社の企業ミッションと密に関係しています。

ミッション
(一部抜粋)
Google社 Yahoo!JAPAN社
内容 Googleの使命は、
世界中の情報を整理し、
世界中の人がアクセスできて
使えるようにすることです。
買いたいものが、すぐ手に入る。
知りたいことが、すぐわかる。
世の中を便利にすればするほど、
人はもっと自由に、人生はもっと豊かに。
引用元 https://about.google/intl/ja_JP/ https://about.yahoo.co.jp/info/mission/

Google社、Yahoo!JAPAN社ともに「検索」というタッチポイントを起点に、有益な情報を提供しユーザーの問題を解決していくことを掲げています。

そのため、リスティング広告においても検索しているユーザーにとって有益な情報を提供しているかを評価する「品質」という要素を導入し重視しています。

これが、お金が潤沢にある広告主が市場を独占するのではなく、よりユーザーに有益な情報を提供している広告主が正しく評価されるという、リスティング広告の仕組みです。

掲載順位は「広告ランク」で決まる

広告ランクとは、検索結果に広告を掲載するかどうか、掲載する場合、順位は何位にするかを決めるための値です。この値が高いほど、自社の広告が広告枠のより上位に掲載されます

広告ランクは広告の管理画面上には表示されないため、あくまで概念的なものとして理解しましょう。

広告ランクを決定する4つの要素

広告ランクは、以下の公式で算出されます。

広告ランク=上限クリック単価(1)× 広告の品質(2)+ 広告表示オプション(3)+ 広告フォーマット(4)

(1)上限クリック単価

1回のクリックに対して支払い可能な上限クリック単価を設定。

業界によりクリック単価の相場はありつつも、任意の金額で設定が可能。

(2)広告の品質

オークション時に毎回算出されて、実際の広告の掲載順位に関わる評価のこと。

広告・キーワード・リンク先と広告が表示されたユーザーとの関連性を10段階で評価した、「品質スコア」と呼ばれる指標もあります。こちら管理画面上でスコアの確認が可能ではあるものの、キーワードと完全一致の検索がされた場合の、推定の評価で、実際のオークション時には使用されないため、品質スコアだけに頼るのは望ましくないことを覚えておきましょう。

品質スコアは、広告の管理画面上で確認が可能です。しかしこれはキーワードと完全一致の検索がされた場合の推定の評価になり、実際のオークション時には使用されものではありません。リスティング広告の運用担当者の中には、いかに品質スコアをあげるかに注力してしまうケースがありますが、品質スコアを改善したとしても、必ずしも実際のオークション時に有利に働くとは限らないことを頭にいれておく必要があります。

▼関連記事
リスティングの品質スコアに関しては、別記事「リスティング広告の品質スコアとは?3つの要因と運用における原則」で詳しく解説しています。ぜひ、あわせてご覧ください。

※Googleでは品質スコア、Yahoo!では品質インデックスと呼称が異なるが意味は同様

(3)広告表示オプション

主に広告の下部に表示されるオプションで、検索結果上の情報量を増やすことで画面占有率や広告のクリック率を高める役割があります。

複数のオプションがあり、可能な限り設定していくことが推奨されています。

【代表的な広告表示オプション】

  • サイトリンク表示オプション
  • コールアウト表示オプション
  • 構造化スニペット表示オプション
  • 電話番号表示オプション
  • 住所表示オプション

例えば、飲食店やクリニック・美容室など店舗を運営している場合は、電話番号表示オプションや住所表示オプションを設定することで、来店してくれるお客さんや電話でのお問い合わせの増加を期待することができます。

ただし、広告表示オプションを設定したとしても、広告に常に表示されるとは限りませんので、注意が必要です。

(4)広告フォーマット

「テキスト広告」「検索レスポンシブ広告」「商品ショッピング広告」「アプリ訴求広告」「電話専用広告」と複数の広告フォーマットが存在。訴求可能な情報量に差があり、CTRに影響します。

▼広告ランクの決まり方から実際の掲載順位が決まるまで

どんなに上限クリック単価を高く設定していても、広告の品質が低い場合、A社のように広告の掲載順位は低くなる可能性が高くなります。

また、広告の品質が低いということは、ユーザーをページに誘導しても期待する成果が発生する可能性も低いと想定されるため、ユーザニーズを満たす広告への改善が求められます

広告の品質が低い際の想定原因と改善策

品質スコアは、広告の品質を高めた結果として表れます。品質スコアの高めるために、改善施策を行うのは本質的ではありませんが、現状出稿している広告の状態を客観的に把握する一つの方法です。

1〜10の「10段階」で評価がされますが、狙っているキーワードでの評価があまりにも低い場合は、以下のような原因が見られますので、改善していく必要があります。

1. 広告文がニーズに即していない

広告文は複数のパターンを入稿し、幅広い検索ニーズに応えられるように準備します。一般的に、検索しているキーワードが広告文に含まれているとユーザーは広告の親和性が高いと判断し、クリックする確率が高まります。

「キーワードの挿入機能」というユーザーが検索に使用し、広告表示に繋がったキーワードを広告文に自動挿入する機能や、「広告カスタマイザ」という検索している場所、時間、曜日、デバイスといった情報に応じ、広告文を調整する機能があるため、活用することで改善可能性があります。

2. キーワード選定が適切ではない

自社サービスと関連性の低いキーワードに入札している可能性が高いです。意図的に新しいキーワードへの出稿をチャレンジしているようであれば該当キーワードは別の広告グループで管理し、キーワードと親和性の高い広告文・リンク先ページで配信する環境を整えます。

意図せずに品質スコアが低いキーワードが発生している場合には停止もしくは削除を検討するか、リンク先ページの情報拡充を行い改善を目指します。

3. リンク先ページの情報が不足している

今一度、「自社サービスのこと」「どんなユーザーに来てほしいのか」をマーケティング活動の出発点に立ち返り、リンク先ページの見直しを行います。

また、リンク先ページの情報が充実していても、モバイルに最適化していないページや、読み込み速度が極端に遅いページも品質スコアが低下する可能性があるため注意が必要です。

競合企業がどのようなページでプロモーションを行っているか分析し、自社の今後の戦略を立てていくことも重要です。

自社で登録しているキーワードで検索した際に、仮に「絶対にどこかのサービスを利用する」と条件付けした場合、どのサービスを選ぶでしょうか。その際に決め手とした要素は何でしょうか。顧客が決め手にできる要素を自社サイトで示せているでしょうか。

顧客と市場を理解し、自社独自の強みを適切に訴求できるよう、改善を進めます。

同じ掲載順位でもデバイスにより意味合いが異なる

PCとモバイル端末では画面のサイズが異なるため、同じ掲載順位でも広告の見え方が変わってきます。

PCでの検索検索結果のファーストビューには、最大4件(Yahoo!の場合は5件)の広告が表示されます。

Googleの検索結果のファーストビュー(PC)

一方でモバイルは、PCとほぼ等しく最大4件の広告を表示させることはできるものの、ファーストビューに完全に表示されるのは1件のみです。

2位以下の広告を見るには、画面をスクロールしなければなりません。

Googleの検索結果のファーストビュー(モバイル)

モバイルでは、スクロールしなくても視認される最上位掲載は、特に重要な掲載枠です。

「インプレッションシェア」で競合との差分を確認

リスティング広告の提供初期から存在していた指標「平均掲載順位」が2019年9月に廃止され、「インプレッションシェア」が掲載位置とパフォーマンスを表す指標になりました。

「平均掲載順位」に変わる新たな指標としてGoogle, Yahooともに「ページ上部インプレッションの割合」と「ページ最上部インプレッションの割合」が使用されるようになりました。

ページ上部インプレッションの割合:
検索結果ページ上部のいずれかの位置に広告が表示された割合。ページ最上部インプレッションの割合:
検索結果ページ上部の最上部に広告が表示された割合。

ファーストビューの1位掲載を正確に捕捉できる

インプレッションシェアは、広告がユーザーに表示可能な合計回数に対して実際に表示された回数の占める割合を表しています。

インプレッションシェアが低いということは、検索回数に対してまだまだ表示を伸ばせる(シェアを高める)可能性があります。

リスティング広告のクリック単価が決まる仕組み

上限クリック単価=実際のクリック単価ではありません。掲載順位の決まり方と同様に一定の仕組みに基づき決まります。

クリック単価は自社広告直下の広告ランクに影響される

実際のクリック単価は以下の公式で算出します。

やや難しい算出式ですが、広告の品質を高めていくことでクリック単価は下がりやすいと理解しておきましょう。

実際のクリック単価が決まる仕組みを図解すると、以下のようになります。

このように上限クリック単価をベースとして、実際のクリック単価は自社広告直下の広告ランクに影響を受けて決定します。

自社広告直下の広告ランク(競合の広告ランク)は運用上で調整不可能な項目のため、自社広告の質を高めていく努力を重ね、クリック単価の節約を図りましょう。

しかし、競合も掲載結果を元に広告の質の改善や上限クリック単価の調整を行うため、定期的なメンテナンスを行わないと掲載順位が下がっていく可能性があります。

リンク先ページの改修を行う場合は一定の時間を要するため、定期的なメンテナンスは上限クリック単価の入札調整やキーワード選定が主となってきます。

「拡張クリック単価」導入で上限クリック単価が自動で調整される

拡張クリック単価とは、掲載広告を決めるオークションの際に、コンバージョンに繋がる可能性に応じて、手動で設定している上限クリック単価を自動で調整する入札戦略です。

コンバージョンに繋がると考えられる時は入札単価を引き上げ、上位掲載されるよう調整がかかり、逆にコンバージョンに繋がりづらいと考えられる時は入札単価を引き下げます。

ベースとなる上限クリック単価は手動で設定し、オークションの際に必要に応じて自動で調整がかかる、手動入札と自動入札が合わさった入札と言えます。

これまで「上限クリック単価を実際のクリック単価が超えることはない」と説明してきましたが、拡張クリック単価を導入すると超えるケースが出てくるので理解しておきましょう。

※最終的な平均クリック単価は手動で設定した上限クリック単価以下に収束します。

導入によるデメリットは特に無く、強いて挙げるとすれば、コンバージョン数が溜まっていない広告開始時に導入すると、入札調整を行うための情報が不足していることで拡張クリック単価の調整が効きづらくなる程度です。

入札調整の際には、ユーザー属性やブラウザ・地域・時間帯などのシグナルをもとに入札単価の上げ下げを決定します。拡張クリック単価を導入することで、日々変わりゆく競合の上限クリック単価の変動にもある程度対応できるため、積極的に導入を検討しましょう。

リスティング広告の「自動入札」が一般化しつつある

リスティング広告の自動入札機能を導入するケースが日増しに増えてきています。先述の「拡張クリック単価」による手動入札と自動入札が合わさった入札ではなく、機械が完全に自動入札を行うことを指します。自動入札は扱い方次第で、非常に優秀な役割を果たしてくれるため、仕組みの理解を深めましょう。

入札の「頻度」と「精度」を理由に自動入札の導入が増えている

自動入札は「頻度」と「精度」に大きなメリットがあります。人間には肉体的にも精神的にも活動限界があるため、入札調整の「頻度」は多くても1日に数回程度が限度です。仮に「今日は本気出す!!」と徹夜で作業しても1週間継続することは困難を極めます。機械の場合は故障しない限り24時間・365日、広告掲載のオークションが発生する度に入札調整が行われるため、「頻度」の差は歴然です。

「精度」に関しても機械が得意な領域となっており、膨大なデータを瞬時に集計し、入札調整への反映が可能です。人間の場合、データ量が多くなってくると処理をするのに骨が折れてしまいますね。自動入札の際に参考とする主なシグナルは以下となっており、手動入札では調整できない固有なものも含んでいます。

これらのシグナルを考慮しつつ、1日に複数回の手動による入札調整を継続して行っていくのはあまり現実的ではないでしょう。

もちろん手動入札で圧倒的な成果を出す運用担当者も存在しないわけではないが、人間と機械では得意領域が異なり、競合が自動入札を導入すればするほど手動入札による運用が難しくなることは想像がつくでしょう。

自動化と「どう向き合うか」が成功のカギ

一時期、”人工知能に仕事を奪われる職業〇選”のような記事をよく目にしました。リスティング広告における自動化は、仕事を奪われるというよりは、自動化により「効率的に精度の高い配信を適切な入札単価で実現できる」と捉えるのが良いかと思います。

先述の通り、効果的にリスティング広告を配信するには、広告の質を上げることの比重が大きいです。入札調整は機械に任せることで、人間は得意分野の「感受性や想像力」を最大限に生かして広告の質を上げるための時間を確保することができるようになります。

人間と機械それぞれの得意領域を明確化し、分業・協業することでリスティング広告運用は良い方向へと前進していくことになるでしょう。

自動化に関連したGoogle 広告の用語解説

スマート自動入札

スマート自動入札とは、機械学習を使って入札単価を最適化し、コンバージョン数やコンバージョン値を最大化する自動入札戦略のことです。スマート自動入札戦略の種類には、目標コンバージョン単価、目標広告費用対効果、コンバージョン数を最大化、拡張 CPC などがあります。

手動入札は、キーワードやターゲティングが同じキャンペーンの場合、入札単価はユーザーごとに全て同じになります。一方、スマート自動入札はユーザごとに入札単価を自動で最適化してくれます。

ポートフォリオ入札

ポートフォリオ入札とは、複数のキャンペーンにまたがって入札単価を変更することができる入札戦略です。通常、自動入札機能ではCPAやROASなどが設定できますが、CPCは設定できないため、手動入札よりも高くなってしまうことがあります。

この課題に対して、ポートフォリオ入札戦略を使用すると、クリック単価の上限設定ができ、コスト最適化につなげることができます。

スマートアシストキャンペーン

Google 広告を開始する際に、エキスパートモードとスマートアシストキャンペーンの2種類を選択することができます。これまでリスティング広告の出稿経験がある企業は、運用設定が細かくできるエキスパートモードを選ぶかと思います。

一方で、はじめて広告出稿される企業には、より簡単にキャンペーン設定ができるスマートアシストキャンペーンが推奨されています。広告グループの作成やキーワード設定に知見が無い場合は、自動最適化を使って配信をし、実際の効果を確認するとよいでしょう。

優秀とはいえ全能ではない機械、人間のサポートが必要

想像してみてください。どんなに優秀なロボット料理人でも、冷蔵庫に食材が2つしか準備されていない状況で能力を発揮し、美味しく調理できるでしょうか。

食材の数は増やしたが、鮮度の悪い食材が多く含まれていたら。食材は最高品質だが、ガス台の故障により過熱ができなかったら。

人間よりも美味しく調理できる可能性は高いですが、能力を発揮できる環境が整っていないことには、最大限の成果は期待できないでしょう。

やや話が逸れてしまいましたが、リスティング広告も同様で、自動入札が効きやすいアカウント構築をしないことには、自動入札機能が持つ能力を最大限発揮できません。

能力が十分発揮できない環境や達成が明らかに難しい条件を与えた場合、達成は不可能と判断され、掲載枠のオークションに参加すること自体が止まってしまう可能性さえあります。機械に仕事を奪われるのではなく、機械の特性をきちんと理解し、適切に仕事を与えていける、管理できる人間のサポートが必要です。

入札調整は極力機械に任せ、人間は広告やキーワードの改善を

機械が得意とする領域は、配信実績をベースとしたシグナルによる膨大な組み合わせから最適な入札調整を行うことです。人間のように意思や意図、感情を持って新たなものを創出するのは苦手です。これまで入札調整に使っていた時間を、人間にしかできない領域の質を高める時間に充てましょう。

例えば、以下のようなものが挙げられます。

  • 新しいキーワード軸の選定
  • これまでとは異なる訴求ポイントを生み出す
  • 中長期的なマーケティング戦略の策定

自動入札の導入も視野に入れて目標達成確度の高い手段を選ぶ

これまで、リスティング広告の仕組みや、導入が増えている自動入札による機械との協業についてお話してきましたが、これらはあくまですべて自社サービスをユーザーに認知/利用してもらうための手段の一つです。

ユーザーニーズを満たすことができる魅力あふれるサービスがあり、サービスの魅力を的確に訴求しているランディングページがあり、それらをリスティング広告という手段を適切に用いて配信できて初めて成果が発生します。

目標達成をするために、「最も確度の高い手段は何か」を常に考え、選択していきましょう。