• リスティング広告をインハウスで運用しているが、思ったように成果が出ない
  • リスティング広告の運用を依頼したいが、優良な代理店の選び方が分からない

このような悩みを抱える企業担当者の方も多いのではないでしょうか。

本記事では、リスティング広告を代理店に依頼するメリット・デメリットや、正しい代理店の選び方、依頼前に自社であらかじめ決めておくべきポイントについて解説します。

リスティング広告の代理店がやってくれること

リスティング広告を外注する場合、代理店が請け負ってくれる業務範囲は、それぞれの代理店との契約内容によって異なります。

リスティング広告の運用代行やコンサルティングサービスを提供している弊社では、「自社広告のパフォーマンスが伸びない」「新規サービス立ち上げのためSNS広告を新規出稿したい」など、日々さまざまなご相談をいただきます。

実際に今この記事をお読みいただいている方も、リスティング広告の代理店をお探しかもしれません。

もっともベーシックな契約の場合、広告アカウントの開設〜入札調整(入札単価・広告文・キーワード・リンク先の選定など)までを広告代理店が担当し、週次や月次のレポートにて成果が報告されるのが一般的です

クリエイティブ制作やウェブ解析、SEO対策なども含めて依頼する場合は、広告運用代行のマージンにプラスして、別途費用が発生することが多くなります。(※一部の代理店では、運用費が高額になる場合、クリエイティブ制作やウェブ解析の費用がマージンに含まれるケースもあります。)

リスティング広告の代理店は数多くありますが、前提として、リスティング広告運用の社外発注を検討している場合は、「いつ」「どのような」支援が必要かを明確にしておきましょう。

リスティング広告の運用を代理店に依頼する費用

リスティング広告の運用を代理店に依頼する場合、月に運用する「(媒体)広告費の約20%」がマージンの相場となっています。仮に月々120万円の広告費をかける場合、24万円が広告代理店に支払うマージン(※)となり、合計で144万円の予算が目安になります。

※厳密には媒体(Yahoo!・Google)ごとにそのうちの何%が代理店にキックバックされるかが変わるため、そのまま20%分が代理店の取り分になるかは変わるケースがあります。

120万円(広告費) × 20% = 24万円(広告代理店に支払うマージン)

→ 予算:144万円

また、一部の代理店では、グロス金額(広告配信をするにあたって使用した費用の総額)の約20%をマージンとしているケースもあります。仮に月々120万円の広告費をかける場合、20万円が広告代理店に支払うマージンとなります。

120万円(広告費) ÷ 1.2 × 20%

→ 広告代理店に支払うマージン:20万円

ただし、このマージン20%という数値は、予算の大小によって変動するのが一般的です。

例えば、月5,000万円という高額な広告費を運用する場合、代理店に支払うマージンが、約1,000万程度となってしまい、非常に高額です。

一方で、月20万円という少額の広告費の運用をする場合、代理店のマージンは約4万円となってしまい、代理店側としては人件費や工数を考慮すると、割に合わなくなってしまいます。

そのため、月々の予算が高額な場合は、マージンが10〜15%などに下げられるケースがあります。

また逆に、予算が少額の場合(※100万円以下など)、マージン20%とは別に、固定の手数料として5〜10万円が設定する「固定報酬制」を併用しているケースもあります。

少額からでの運用代行は可能?

大手の広告代理店の場合、月々の広告費が100万円以下といった少額からの運用代行は依頼できないケースが多くなっています。

少額からのリスティング広告の運用代行を依頼する場合は、中小企業支援向けの広告代理店に依頼するか、もしくはフリーランスの運用担当者を見つける必要があるでしょう。

リスティング広告の運用を代理店に依頼するメリット

ここからは、リスティング広告の運用を代理店に依頼するメリットについて解説をします。

1. 社内のリソースを必要としない

自社でリスティング広告を運用する場合、アカウントの開設からキーワードの選定、広告文の作成、入札調整など、非常に多くの自社リソースを必要とします。

これらの業務を滞りなく行うのは、簡単なことではありませんし、運用経験の少ない初心者が担当する場合、成果が出るまでに時間がかかることがほとんどです。

代理店の出身者など広告運用の経験が豊富な経験者を、新たに採用するのも一つの手ですが、中途採用市場において、高いスキルを持った人材を採用するのは至難の技を極めます。広告運用に関する求人量に対して、スキルを持った求職者の割合が非常に少ないからです。

仮に採用できたとしても、その後のキャリアプランをしっかりと用意できていないと、数年で辞めてしまうケースも考えられます。専任の担当者だった場合、辞めてしまうと広告運用ができる人材が社内にいなくなり、運用自体が止まってしまうといったことも起こりかねません

このような事業リスクを考慮して、自社のリソースを割いて広告運用を行うよりは、広告運用のプロである代理店に依頼するという選択肢をとる企業が多くなっています。

2. 広告運用に関する最新の情報が集まる

インハウスの運用担当者が最新の情報を集めるためには、定期的なセミナー参加や媒体担当者との打ち合わせなどインプットの機会を意識的に増やす必要があります。

そのため、広告運用以外の情報収集のリソースもかかってしまい、結果的に担当者の大きな負担となってしまいます。

対して広告代理店は、媒体担当者との情報交換を行なっているため、最新のトレンドや媒体のアップデートの情報を素早くキャッチアップすることができます

また、代理店や大手広告主限定でβ版の新機能を使えるケースや、特定の代理店だけが資格を持つYahoo!での審査エクスプレスパス(事後審査での即時掲載)もあるため、代理店でアカウントを開いておくことが強みになることもあります。

リスティング広告の運用を代理店に依頼するデメリット

リスティング広告の運用を代理店に依頼するデメリットとして考えられていることについて解説をします。

1. 手数料を代理店に支払う必要がある

広告運用を代理店に依頼することによって、広告費に代理店への手数料が上乗せされます。運用する広告費の20%が相場となっており、基本的には運用する広告費が多くなればなるほど、手数料も高額になっていきます。

ただし先述の通り、中途市場で広告運用のスキルを持った人材は限られており、採用コストも未経験者と比較して高くなってきます。社内にプロフェッショナル人材を採用する工数やコストを考えると、結果的に代理店の手数料の方が割安なケースもあるでしょう。

2. スピード感のある運用が難しい場合がある

代理店は多くの企業の運用案件を抱えています。そのため、至急クリエイティブを差し替えたい、入札単価を調整したい場合でも、担当者にすぐに対応してもらえない可能性があります。

また、代理店側の自社事業や業界への理解が浅い場合は、コミュニケーションの工数が多く発生し、結果的にスピード感が遅くなるケースがあります。

例えば、自社で新製品を発売した場合、代理店の担当者に製品の仕様や想定しているターゲットを一から伝える必要があります。

広告代理店は広告のプロであって、事業のプロではありません。そのため、代理店側にしっかりとした共通認識を持ってもらうためにミーティングなどを設定し、その後に運用を開始する流れになるため、どうしてもスピード感が落ちてしまうということがよく課題として挙げられます。

3. 社内にノウハウが蓄積されにくい

また、社内にノウハウが蓄積されにくいというデメリットがあります。これは代理店との関係性にもよりますが、広告運用を丸投げしてしまっている場合、自社の担当者が確認するのは週次・月次のレポートのみとなってしまう場合もあります。

代理店に依頼する際には、定期的に成果の共有を求めたり、施策の仮説検証を任せきりにしないといった工夫が必要です。

代理店に依頼する前に自社で決めておくべきこと

代理店に依頼する前に、広告運用の目的や成果に関して、自社で共通の認識を持っておくことが大切です。広告運用の経験がない場合は、決めきれないことや分からないことが発生します。これらを、うやむやにせずに、代理店との打ち合わせの際に必ず質問するようにしましょう。

1. 広告運用の目的を定義する

そもそも、「何のために広告を運用するのか」といった目的を定義する必要があります

広告は企業にとっての「投資」です。ただ予算を投下して運用するだけではなく、その結果として、自社がどんなリターンを得られるのかを強く意識しましょう。

広告運用の目的は、販売促進・ブランドの認知拡大など、企業によってさまざまですが、広告運用を通じて達成したい目的が明確でなければ、広告の正しい設計をすることができません。

2. KPIを正しく設計する

続いて、広告運用の目的を達成するための成果指標である「KPI」を正しく設計する必要があります。誤ったKPIを設計してしまうと、獲得はできるが、事業貢献していないといったケースも発生します。

例えば、ECサイトの売上アップを目的として広告を配信するとします。ECサイトにおいては、新規顧客の獲得とともに、一人の顧客が生涯でどれだけ利益をもたらすかという「LTV」の観点が非常に重要です。

そのため、新規顧客の獲得数のみをKPIとして定めてしまい、広告運用をすると、LTVの低い顧客だけが集まり、結果的に本来の目的である売上アップに貢献しない可能性もあります。

KPIは、広告運用やマーケティングの経験がないと正しく設計できないことも多々あります。運用代行だけでなく戦略設計をサポートしてくれる代理店と連携しつつ、決めていくことが求められるでしょう。

リスティング広告運用の代理店を選ぶ5つのポイント

リスティング広告運用の優良な代理店を見分けるために、チェックすべきポイントについて解説します。

1.担当者が、事業側と同じ目線で事業成長を見据えてくれるか

代理店選びの際に最も重要視したいのが、「事業側と同じ目線で事業成長を見据えてくれる代理店か」という点です。

代理店の中には、広告主の要望をそのまま鵜呑みにして、言われた通りに運用を行う代理店もあります。しかし、代理店は広告のプロです。本来であれば、広告主が要望する運用プランに対して、「果たして本当に運用の目的が達成できるのか」「事業課題が解決できるのか」といった視点から、より良い提案を行わなければいけません

ただ言われた通りに運用を行う代理店に依頼することは、不足している社内のリソースの補填に過ぎません。外部のリソースとしてではなく、事業側のチームの一員として、事業を加速させるための広告運用の戦略立案をし、それに沿った運用を行ってくれる代理店を選ぶのがおすすめです。

また代理店は、広告費の20%が収益になるモデルのため、事業の成長よりも、広告費を増やすことを目的とした施策の提案が中心になってしまうケースも存在します。

依頼先を選定する際には、代理店の収益モデルをしっかりと理解した上で、本当に広告主と同じ目線で事業成長を見据えてくれる代理店なのかを見極める必要があるでしょう。

2.事業やビジネスの理解がきちんとなされているか

担当者が事業への理解が浅いと、余計なコミュニケーションコストや認識のずれが生じてしまい、成果に繋がらないケースがあります。

例えば、リスティング広告の予算を決めるためには、事業の収益構造を把握し、事業フェーズや市場シェア・競合性などを考慮する必要があります。

事業やビジネスに対する理解がないと、適切でない予算の投下や、誤った施策の提案を招いてしまう可能性があります。代理店を選ぶ際には、自社の事業や業界に対して、どれくらい理解があるのかを見極める必要があるでしょう。

3.代理店の運用体制はどのようになっているか

当たり前のことですが、リスティング広告を運用する際には、担当者が非常に重要です。広告代理店と言えども、経験豊富な10年プレイヤーから、入社したての1年目のプレイヤーまで様々な運用者がいます。

広告代理店との契約前のヒアリングでは、実際の運用担当ではなく、代理店の営業担当と話すケースもあります。契約時には、何人体制で、誰がどういった役割でどれだけの工数を当てることができるのかを必ず確認するようにしましょう。

また、代理店の担当者は、同時に複数のクライアントを抱えています。多くのアカウントを抱えすぎてしまうと、自社のアカウントに注力してもらえないという可能性もありますので、担当者が抱えている案件数も尋ねると良いでしょう。ケースによるので一概には言えませんが、担当者一人で10社以上抱えている場合は、注意が必要です。

前述したように、代理店のマージンを考えて、人件費換算をした時に現実的な体制になっているかを考えるのがわかりやすい判断基準になります。代理店マージンが20万円のケースで、一人専任で担当をつけるという提案だった場合、その担当者は月収10〜15万円の人でなければ代理店側は赤字取引になるというあり得ない提案であるということがわかります。

4.広告アカウントの開示は可能か

GoogleやYahoo!など媒体の管理画面を、広告主に開示しない代理店があります。これは代理店の運用ノウハウを外部に流出させないために行っているものです。

しかし、広告主が広告アカウントを確認できないと、代理店がどのような運用をしているのかチェックすることができません。

そもそも、代理店は広告主の予算でアカウントを運用します。そのため、広告主がアカウントを見れるのは当然と言えますし、代理店選びの際には必ず広告アカウントが開示されるかを確認しましょう。

5.広告アカウントの移管は可能か

依頼した代理店で成果が上がらなかった場合、新たな代理店へのアカウント移行(乗り換え)を検討するケースも多いかと思います。Googleだけではなく、直近でYahoo!についてもアカウント移行の機能が公開されています。しかし、乗り換え前の代理店が応じなければ、代理店を切り替えるにしても、インハウスに切り替えるにしても、一から広告アカウントを作り直す必要が出てきます。アカウントに蓄積されていたデータを活用できないので、成果が出るまでに時間がかかってしまいうリスクがあります。

そのため、万が一成果が出なかったことも考えて、あらかじめ広告アカウントの移行が可能な代理店なのかを事前に確認しておくことをおすすめします。

【Q&A】代理店に依頼する際によくあるの疑問点

最後に、代理店に依頼する際によくある疑問点について解説をします。

最短でいつから配信が可能か?

最短での配信可能日は、広告代理店のリソース状況や、新規アカウントor既存アカウントの運用かで異なってきます。弊社の場合、新規アカウントであれば2週間〜1ヶ月、既存アカウントであれば最短で即日から運用が可能です

代理店への支払い方法は?

Yahoo!・Googleなどの各広告媒体への入金が必要になるので、広告配信前に広告費とマージンを代理店の指定口座に支払い、支払いが確認された後に実際に配信を開始します。

ただし、一部の代理店では後払いに対応しているケースもあります。この場合、広告を配信した翌月に代理店側から請求書が発行され、翌月末に支払いをするのが一般的です。

クリエイティブ(バナー・LPなど)の制作は可能か?

多くの代理店では、クリエイティブの制作にも対応しています。マージンに含まれるケースと、別途料金が発生するケースがありますので、代理店側への確認が必要です。

まとめ|リスティング広告の運用代理店は、目的を達成するための最高なチームを作るという観点から選ぼう

本記事では、リスティング広告の運用代理店を選ぶポイントについて解説をしてきました。

リスティング広告をはじめとする運用型の広告は、自社のビジネスを加速するための「投資」です。そのため、ただ社内のリソースの補填のために、代理店を使うのではなく、本来の広告運用の目的を達成するためのチームの一員として代理店を選ぶのが得策です。

言われたことをやってくれるだけでなく、より成果をあげるために施策の提案や、そもそもの広告の目的や戦略まで、一緒になって考えてくれるパートナーとしての代理店を見つけることをおすすめします。