3ヶ月でリード総数を4000件へ倍増させたボクシルマガジンのコンテンツグロースの軌跡

法人向けITサービスの比較・資料請求ができる「ボクシル」を母体とする、クラウド時代のオウンドメディア「ボクシルマガジン」。記事を通じて、読者には多種多様なクラウドサービスのトレンドや事業者を紹介し、サービスの掲載を希望する企業には見込み顧客のリード獲得を促しています。

MOLTSは、3ヶ月間という期間限定でコンサルティングを担当。戦略的にメディアをグロースさせる体制構築、コンテンツの思考法、制作スキームを伝えました。当初の月間40万UUから3ヶ月間で70万UUへ伸長し、リード獲得も倍増の4000件弱と成果を出しました。そして、現在も成長中で、10月には月間100万UUを達成。MOLTSは、その後も、月1回のペースで相談役として関わりを続けています。

今回、「ボクシルマガジン」を運営するスマートキャンプ株式会社 森重湧太氏と、同社の畑智香子氏、MOTLS代表取締役の寺倉そめひこを交えた3名で、短期間で媒体を成長させた裏側を振り返りました。

コンテンツの基礎、リライト、キーワード選定を学ぶ「攻めの3ヶ月」

畑智香子氏(左) 森重湧太氏(右)

寺倉そめひこ(以下・そめひこ):「ボクシルマガジン」には、「3ヶ月」という割とタイトな期間限定のコンサルティングで関わらせていただきました。一気に走り抜けた3ヶ月でしたね。

森重湧太氏(以下、森重):あっという間の3ヶ月でしたね。ご依頼した当時は、制作ができる土台は一通り整えられたものの、PV数、UU数ともに伸び悩んでいた時期でした。

そめひこ:当時は抱えていた課題はどういったものだったのでしょうか?

森重:SEOに関する知識は社内にありましたが、体系化されていない状態でした。担当になった僕が「とりあえずこんな感じかな」と考えながら、とにかくSEOに特化した記事を出していました。ただ、それだけやっても数字が伸びなくなったので、新しい知見がほしいタイミングだったんです。

そめひこ:その状況を伺って、僕から提示した期間が3ヶ月でした。戦略フェーズから関わる場合は、長く関わるケースもありますが、一通りコンテンツづくりの土台を整えるために必要な期間は3ヶ月ほど。現場のチームにコンテンツづくりの考え方をお伝えし、制作に集中できるようになっているのであれば、あとは経験を伸ばしていくことが重要です。なので、3ヶ月集中して関わるほうがいいと考えて提案しました。

畑智香子氏(以下、畑):3ヶ月でちょうど良かったですね。経験の濃い3ヶ月でした。

テクニックに頼らないコンテンツSEOの思考法

そめひこ:当時は、ソーシャルのコンテンツも作られていましたね。

森重:そうです。数字が伸び悩んでいたので、ソーシャルでバズを狙おうという気持ちで検討を始めて、結構うまくいきました。ただ、確率的な要素が含まれるので、長期的にみたらSEOで着実に伸ばしたほうがいいなと。

そめひこ:SEOを軸に変更して、まずはコンテンツSEOとしてのやり方を徹底してお伝えしました。まずは基礎知識をつけて、新規コンテンツを作れるようにしようと、最初の1ヶ月はキーワード設定とコンテンツの骨子作りに取り組みました。

畑:そめひこさんにお願いする前は、作業フローも決まっていない状態でした。そめひこさんから「アウトラインから作成して、記事を書き、提出された原稿を微調整する」とフローを教えていただいたことで、うまく制作が回るようになりました。

そめひこ:最初は、コンテンツSEOのためのやり方や考え方をお伝えしていきましたね。

畑:そうですね。「コンテンツは、SEOで取りたいキーワードだけを決めるのではなく、ユーザーに読み取ってほしいところまで決めた上で作りましょう」と指導されました。今でもその軸で制作は回っています。

そめひこ:「テクニックに頼るな」という話ですよね。ユーザー目線ですべての物事を捉えて、キーワードからニーズを読み取って、ユーザーが欲しい情報をピックアップしていきましょうと。例えば、タイトルで「主要キーワードは先頭につけたほうがいいのか?」といったテクニック論についてご質問いただいた際にも、「そもそもユーザー目線で、知りたいキーワードが先頭にあったほうがいいのかを考えることが大事です」と答えたりしました。

寺倉そめひこ

畑:ユーザー目線から、記事の内容の順番についても話し合いましたね。どの順番だとユーザーが読みやすいのか、という視点は既存コンテンツのリライトでも役立ちました。最近は、ヒートマップからユーザーがどこで離脱をしているか、どこをクリックしているかといった分析を行っています。

そめひこ:特にコンテンツSEOでは、ユーザーに対して適切な情報の順番を考えないと、すぐ離脱してしまいますからね。2ヶ月目からは結果を見たかったので新規コンテンツも作りつつ、畑さんが言うように既存のコンテンツもメンテナンスをゴリゴリにやって。3ヶ月目からは……あれ、何をしていたかあまり覚えていないです……。

畑:3ヶ月目は遊んでいましたもん(笑)

森重:いや、遊んではないですよ(笑)3ヶ月間、そめひこさんから毎回出る宿題を、ひたすらこなすような感じでしたね。宿題が出来上がっていく中で生まれた質問を、またそめひこさんに聞くサイクルで。僕たち、聞きまくったからなぁ。

畑:攻めの姿勢で3ヶ月でしたからね。

そめひこ:コンサルに入った3ヶ月で、数字は40万UUから70万UUになりましたが、来月くらいには100万UUには届くんじゃないでしょうか。そこまでは見たいなと思いますね。

畑:来月以降は?笑 心の癒やしとして月に1回は雑談しに来てほしいです!

洗練した「キーワード」で効果的に検索1位を取りに行くスタンスを

そめひこ:今回の取り組みで印象に残っているのが、最初に行ったキーワード選定なんです。「キーワードはメディアの目的に沿って選ばないと意味がない」と話して、キーワードをたくさん出して、絞って、出して、絞って……と行ったことで、洗練したキーワードが並ぶスプレッドシートのタブが5つくらい出来上がりました。

森重:「そこまでキーワードって選ぶんだ」というか、あれほど研ぎすませたことはなかったですね。それまではもっと漠然とした、オンライン・ストレージ、ウイルス対策ソフト、グループウェアといったボクシルのカテゴリー名と、価格や機能を掛け合わせただけのリストでしたから。検索サジェスチョンから絞り込んだり、キーワードツリーをつくったり……それらの手法も新しくて勉強になりました。

畑:今もキーワードを出す時には、自然と教わったことを活かしてそうしています。

そめひこ:嬉しい限りです。考え方としては、キーワードツリーとコンテンツツリーをまず作成する。絶対に取りたいキーワードがあったら、関連性のあるキーワードツリーを作る。そこから、それぞれで取りたいキーワードをまたツリー状にして、コンテンツツリーをつくり、プライオリティーを決めて制作を進めていくという考えです。そうすると、コンテンツのメンテナンスや、コンテンツ制作が行いやすくなります。

森重:そういった考え方が身についたから、今では「とりあえずやろう」とはならなくなりましたね。

そめひこ:コンテンツSEOでキーワードを漠然と並べるオウンドメディアもあります。オウンドメディアは基本的に、企業の事業・採用課題を解決するための手段としてのメディアだとMOLTSでは定義しています。ですから、ボクシルマガジンやボクシルの目的である「リード獲得」に対してそぐわないキーワードを選んでも、あまり意味はないですから。

畑:以前はそうでしたね。森重の言っていたように、ボクシルのカテゴリーで信用性のありそうなものを選定して、スピード重視でただ量を出していました。とりあえず書こう、そして終わらん!って感じでしたね(笑)

そめひこ:量と質の兼ね合いから、時間が限られた中でコンテンツ制作やメンテナンスをしていく必要があったので、いかに無駄を省いて効果的なものをピックアップできるかが大事だろうと。検索順位が1位の記事と2位の記事では、平均的にみてクリック率が10%ほど違います。なので、無駄にキーワードを出し上位で喜ぶよりも、絶対に取りたいキーワードだけに絞る。そして、コンテンツを作ったからには1位をとるためにコンテンツを育てていくことが大事だと思っています。

畑:記事ベースでは7月に150記事を掲載していますが、30記事ほどは1位になりました。今でも、掲載すると1位になる記事が増えていっています。

森重:何回も1位になる経験を得ると、他のメディアを見ても「ボクシルマガジンだったら勝てる」という自信がついてきていますね。

短期間グロースの鍵は「似た者同士」と「編集部員の素直さ」にあり?

そめひこ:この3ヶ月で正直言って「しんどかったこと」ってありますか?

畑:ありましたっけ?

森重:しんどかったかもしれないんですけど、覚えてないですね。素直なメンバーなので、粛々とアドバイスを参考にしてました(笑)

そめひこ:たしかに、みなさん驚くほどに素直な印象はありました。いろんな企業とお仕事をご一緒していますが、中でもボクシルマガジン編集部は素直な人ばかり。土台を作るために必要なインプットをして、考え方を学んでいっても、できるようになるまでが難しいこともあります。でも、みなさんは僕への疑いの目もなく、真面目に取り組んでくださった。「大丈夫?」と心配になるほどに。笑

畑:そうですね、みんな「ついていきます!」ってなってました(笑)考え方についても納得いくまで何度も聞かせていただけていたので、先生のような感じでした。そめひこさんは明確に「どうすればいいのか」を教えてくださるので安心しますよね。パシッて言ってくれたほうが「よし!やりましょう!」とモチベーションも高まります。

そめひこ:編集部を見ていて、人柄の明るさと、良い意味で「みんな似ていた」のは僕としてはやりやすかったです。それこそ、ため息をつくポイントまで一緒だから(笑)

森重:とりあえず素直にやって、わからないものはとことん聞いて。「一緒に戦う」という環境を作っていただけたのは良かったです。そめひこさんが入り口になって新しい知識を得られていったはテンション上がりましたね。

畑:新しい知識といえば、他社事例を具体的に話してくださったのもよかったです。

そめひこ:そうですね。他社の事例で得た知見も、色々とお話しました。「実際にやりましょう」というときに、成功するイメージがなければ半信半疑で進むことになります。でも、他社での事例を交えて説明すると、成功するイメージがわき、モチベーション高く進むことができます。僕らも常に事例、または知識をアップデートしており、惜しみなく情報を提供しています。御社で得た知見も社名を隠したうえで他社で活用することもあります。そうすることで全体として良い循環ができていくと思うんです。

森重:たしかに「どうして検索順位が上がっているのか」を読み取りづらい時がありますから、他社事例を知ることができるのは大事ですよね。

そめひこ:これから、ボクシルマガジンはどう運営していくんですか?

森重:この先、サービスがテーマを横展開をしていくので、新しいキーワードでコンテンツを出していきたいですね。また、PVを目標におくメディアを立ち上げたいです。こちらは、ニュースもカバーし、メディア単体での収益化も目指したいと思います。

そめひこ:幅を広げていくんですね。

僕個人としては、「ボクシルマガジン」をもっともっと、グロースさせたいとおもっていました。。たとえば、ブランディング。オウンドメディアはトップページへの流入が少ないという課題を抱えがちなんですが、それは本質的ではないと思っているんです。

森重:そうすると、どうしたらいいんでしょうか?

そめひこ:「ボクシルマガジンに読者が来る意味」を作ることができれば、「指名検索」を増やしてトップページへの流入を増やし、サイト全体の検索流入を増加させることにつながります。ボクシルマガジンの場合、機能的ベネフィットを全面に押し出す設計、そしてアシストするコンテンツ作りができればもっともっと、面白くなりそうだなと思ったりしていました。あとはSNS。メディアの土台ができた後に、アクセスが集中するようなSNSのコンテンツを出していくとスケールアップできるので。

森重、畑:そうします!(笑)

そめひこ:どこまでも素直すぎる。

そめひこさんは仕事以外で一切連絡しないですよね

そめひこ:逆に「こうして欲しかった!」と思うことってありましたか? ぶっちゃけトークがしたいです!

森重:記事を書いてほしかったです。

畑:あぁ〜……そうですよね。それはしてくれなかったなぁ。

そめひこ:僕、絶対しないっていう仕事が2つあるんです。ひとつは記事の編集で、もうひとつはライティングです。しないっていうよりも、できないですね(笑)コンテンツ制作にも再現性のある手法はあり、そこに対して考え方や構造のフィードバックはできますし、クオリティが最低限担保できていないものは、直したりもできます。ただ、一流のライティング、編集はスキルとして持ち合わせていないというのが正直なところですね。

コンテンツ制作に関して「僕じゃ力不足」というときは、外部パートナーや、MOLTSのメンバーと交代します。

森重:あと、そめひこさんに何かやってほしいこと……あ、会社に来ていないとき以外は一切連絡なかったですよね。ドライな感じで。

そめひこ:なんか、すみません……(笑)僕はやり方をお伝えして、宿題を出して、その確認をするんですけど、途中で連絡をする必要がないんじゃないかなってほどに十分に準備をしてからいくのもあって。

畑:打ち合わせの時間以外でも、最新の事例や動向をリアルタイムでシェアしてもらいたかったです!

そめひこ:それは素晴らしい専門家の方々のTwitterを教えるのでそこでチェックしてもらっていいですか?笑

森重:打ち合わせの時間でこちらもグイグイ聞いて、やるべき宿題もたくさんあって、次の打ち合わせまでの時間はあっという間でした。とても満足しています。

そめひこ:今回はすごく楽しかったですし、僕を使い倒していただいてありがたいです(笑)結果も最終的に70万UUまで上がったんですよね。正直、このスピード感はすごかった。次の打ち合わせは夕方からにして、打ち上げっぽくしましょうか!移転のお祝いで御社に「モルツ」ビールを50缶以上送るので。

畑:いいですね!女性陣は飲めるんですけど、男性陣は飲めなくて、ひよっていますけれど……でも、そこも優しくてみんなのいいところです(笑)

そめひこ:なんで最後フォロー入れたんですか。僕らの企業理念は「美味い、酒を飲む。」ですし、祝杯のビールが一番ですからね。一緒に、ぜひ美味い酒を飲みましょう。

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寺倉そめひこ

この記事の著者

寺倉そめひこ

1987年生まれ。立命館大学を卒業後、経営コンサル、藍染師等を経て株式会社LIGに参画。入社1ヶ月半でマネージャーに就任、その後新規事業の立ち上げ、企画、事業構築、採用など幅広く行う。2015年3月に人事部長、同年9月に執行役員就任。2016年3月にMOLTSを立ち上げ、現在はスタートアップから東証一部上場企業まで幅広く常時10社以上のコンサルタント、プランナーとして活躍している。