先輩から学んだ「クライアントに適切なNoを言う」意味

「クライアントの要望に応えることが良いサービス」——入社当初の私は、この考えを疑うことがなかった。

アクセス解析ツールの導入・活用コンサルティングを行う私は、長い間「クライアントの言うことを聞き、その要望をかなえる」ことが仕事だと思っていた。「これを設定してほしい」「あのデータも取得したい」と言われれば、疑問を持たずに応じていた。自分では「意味がない」と思っても、クライアントの要望だからと作業を続けた。

そんな私の価値観を根底から覆したのは、ある先輩の一言だった。

無駄な設定で気づいた本質的な問題

ある案件でのことだ。クライアントから「ユーザー行動として取得できそうなところは取得しましょう」という要望があった。当時の私は「わかりました」と二つ返事で応じ、リンククリックやボタンクリックなど、KPIに直接関係ないような箇所まで細かく設定していった。

設定項目が多くなれば、当然ながら費用もかかる。それでも私は「クライアントが望んでいることだから」と疑問を持たずに作業を続けた。クライアントは確かにデータを取得することはできた。

しかし、そのデータを見ても具体的な改善アクションにつながる示唆は得られなかった。費用をかけて設定したにもかかわらず、事業成長に寄与しない結果となってしまったのだ。

この経験を通して、私は重要なことに気づいた。本当にクライアントのことを思うなら、データをどう活用し、何を実現したいのかをしっかりと協議し、本当に必要なものは何かを見極めなければならないということだった。クライアントの要望をそのまま受け入れることが、必ずしもクライアントのためになるわけではなかった。

先輩が教えてくれた「NO」と言う勇気

そんな時、私の悩みを見抜いた先輩が声をかけてくれた。

「葉井さん、クライアントの言うことを全部聞くのが良いコンサルタントだと思ってない?それって本当にクライアントのためになってる?」

先輩は続けた。「僕らの仕事は、クライアントの要望を聞く『作業者』じゃない。一緒に成功を目指す『パートナー』なんだよ。時には『NO』と言う勇気も必要だ」

この言葉は、私にとって大きな転機となった。先輩や周囲の優秀なコンサルタントたちを改めて観察してみると、彼らは皆、クライアントの要望があっても、それが真の事業成長につながらない場合は、より効果的な代替案を積極的に提案していた。

最初は驚いた。クライアントの要望に「NO」を言うなんて、これまでの私の常識では考えられなかったからだ。しかし、先輩の教えを受けて、この姿勢こそが本当の意味でのパートナーシップなのだと理解するようになった。

先輩の教えを実践してみた結果

先輩の教えを受けてから、私自身のクライアントとの向き合い方も大きく変わった。ある案件で、クライアントから特定のデータ設定について提案を受けたことがあった。

以前の私なら「わかりました」と答えていただろう。しかし、先輩の言葉を思い出し、勇気を出して率直に伝えた。

「そのデータでは期待される分析結果は得られにくいと思います。それよりも、こちらの手法を使って分析したほうが、より具体的な改善につながる示唆が得られるかと思います」

クライアントの反応は予想以上に良かった。「率直なアドバイスをいただきありがとうございます。そういう提案を待っていました」と言ってもらえた。先輩が教えてくれた通り、本当にクライアントのことを思って発言すれば、自然に言葉が出てくるのだと実感した。

先輩から学んだパートナーシップとは

先輩から学んだことを整理すると、事業成長のパートナーとして求められることは、クライアントの要望に盲目的に従うことではないということだ。クライアントと同じ目線に立ち、同じゴールを目指し、そのために本当に必要なことは何かを一緒に考えることが重要なのだ。

そのためには、時として「NO」と言う勇気が必要になる。しかし、その「NO」は決して否定ではない。より良い代替案とセットで提案し、クライアントの事業成長により貢献できる方法を一緒に模索することだ。

私たちコンサルタントは、クライアントの要望を聞く「作業者」ではない。クライアントと共に成功を目指す「パートナー」なのだ。最終的にプロジェクトが成功し、クライアントと心から成果を喜び合える。そんな関係性こそが、真のパートナーシップだと私は確信している。

先輩が教えてくれた「『NO』と言える関係こそが、最も価値のあるパートナーシップである」という言葉を、私はこれからも大切にしていきたい。

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