なぜ目的思考のつもりが、「目の前のタスク」に囚われてしまうのか

普段から「目的に対して何をするべきか」を考えて行動しているつもりだった。でも実際に仕事を進めていると、上司や先輩から「それは手段であって目的ではないよ」と指摘されることが度々あった。

自分では目的を意識しているつもりなのに、なぜこのようなことが起こるのだろうか。

その理由がはっきりと見えてきたのは、PMアシスタントとして参加したあるプロジェクトでの出来事がきっかけだった。私は、情報を「点」として捉えてしまっていたのだった。

目的思考をしているつもりでも、実際には目の前のタスクにばかり意識が向いてしまい、全体のミッションとの繋がりが見えていなかった。

「スケジュールを立てる」ことが目的になってしまった失敗

そのプロジェクトで、私はPMアシスタントとして全体的なスケジュール調整や進捗管理を担当していた。プロジェクトが進行する中で、全体のスケジュールを引き直す必要が生じた。

しかし、不明確な部分が多く、具体的な作業量や工数が見えない状況だった。そこで私は上司に「いつまでにこのぐらいのコンテンツが出来上がっている必要があるから、そこから逆算して考えるってことですね?」と確認を取った。

すると上司から「それは手段の話だね。ミッションは2ヶ月後に事業としての成果を残すこと。そこから考えて」と指摘された。

その瞬間、自分が置いていたゴールがあくまでも「スケジュールを立てる」ことであって、そのプロジェクトのミッション達成という視点で考えられていなかったことに気づいた。

なぜこのようなことが起こったのか。振り返ってみると、正直、プロジェクトの全体像を把握しきれていなかった。どんな施策を行いたいのかは理解していたものの、実際にどのようなタスクが発生し、どのように動かしていくのかがしっかりとイメージできていなかったのだ。

その結果、自分がどう動けば良いのかが見えず、目の前の「スケジュール調整」というタスクに意識が集中してしまった。これが「点」思考に陥る原因だったのだと思う。

この失敗を振り返って気づいたのは、全体像の理解が浅いと、どうしても目の前の作業に意識が向いてしまうということだった。

プロジェクトの一部分だけ見えている状態では、自分のタスクが全体の中でどのような意味を持つのかが分からない。だからこそ、そのタスク自体を完遂することが目的になってしまうのだ。

「点」から「線」で考えるための3つのポイント

この指摘を受けて、まず自分の理解度を上げるところから始めた。そして、情報を「線」で繋げて考えるために、以下のポイントを意識した。

1. 全体像の解像度を上げる

それぞれの施策の優先度と、実際に発生するタスクなどを上司に確認しながら、より自分の中で解像度を上げていくように努めた。

ミーティングで得た情報を単体で理解するのではなく、他の情報とどう繋がるのかを常に考えるようにした。例えば、ある施策のタスクを聞いた時に、それが全体のどの部分に影響し、他の施策とどのようなタイミングで連携する必要があるのかを意識した。

2. スケジュール設定の視点を変える

また、スケジュール設定に対する意識も大きく変えた。

以前は「そのタスクが完遂できるようなスケジュール設定」で考えがちだったが、それを完遂した上で「ちゃんと期日までに結果につながるようなスケジュール設定」という視点を強く持つようになった。当たり前のことではあるが、プロジェクト全体の解像度を上げることで、ここの意識を強く持てるようになった。

3. ミッションを意識したタスク整理

現在、私は自分でタスクを整理する際に、必ずミッションを書き出すようにしている。そして、このタスクはミッション達成のためにどう繋がっているのか、他に何が足りないのかを常に考えるようにしている。

その上で、上司や先輩に壁打ちをして、足りていない部分についてフィードバックをもらい、埋めていくプロセスを繰り返している。この方法により、自分の理解が浅い部分や見落としている観点を早期に発見できるようになった。

この変化により、ミーティングで得た情報を線で繋げて考えられるようになり、自分の中での解像度が格段に上がった。現段階でスケジュールを考えるためにどんな素材が足りていないのかなども、以前よりもずっとイメージしやすくなった。

目的思考で大切なこと

この一連の体験を通して学んだのは、そのプロジェクトのほんの一部分だけ参加したり、メイン担当ではなかったとしても、ちゃんとミッションを把握して解像度を上げた上で、自分の業務やタスクに取り組むことの重要性だった。

ちゃんと自分ごととして考える。そうすることで、見える部分が変わってくるし、情報を点ではなく線として捉えて考えることができるようになる。

目的思考とは、結局のところ全体のミッションを自分ごととして捉え、その達成のために自分の役割をどう果たすかを考え続けることなのだと、今は理解している。

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