成果を出すために重要なのは、「人がプロジェクトに合わせる」ことだった
恥ずかしながら私は、つい最近まで「ミッションから逆算して考える」ということがしっかりとできていなかった。「ちゃんと目標を見据えて進めている」つもりだったのに、実際は施策ドリブンになっていたのだ。
自分のスキルの範囲内で考えたり、「この領域は苦手だから……」と少し妥協してしまっていたり。何より、先が見えないまま「とりあえずやる」で進めてしまっていた。最終ゴールはあるのに、そこに至る道筋が曖昧で、今やっていることがどう繋がるのか分からない状態だった。
そんな私を変えてくれたのが、先輩からの一言だった。
「施策ドリブンになっている」という指摘
転機は、先があやふやなままプロジェクトを進めていたときのことだった。先輩から「このままではまずい。一度考え直そう」と声をかけられた。そして、こんな話をしてくれた。
「今は施策ドリブンになっているよね。もう一度ミッションから振り返って、何が一番大切か、それを達成するためには他にどんな手段があるかを考えてみよう。大事なのは、プロジェクトを自分に合わせることじゃなくて、自分をプロジェクトに合わせることだよ」
この言葉にはっとした。
私は無意識のうちに、自分のスキルや都合、得意不得意に合わせてプロジェクトの進め方を決めていた。本来なら、プロジェクトの成功に必要なことを明確にして、それに自分を合わせるべきだったのに。
「ミッション達成を目指している」つもりでも、結局は自分にとって都合の良い範囲で物事を考えていただけだった。これでは、本当に必要な成果を出すのは難しいと気づいた。
2つの実践で変わった「プロジェクトの進め方」
先輩のアドバイスを受けて、私は具体的に2つのことを変えてみた。
1. 定期的にミッションを振り返る
まず始めたのが、定期的にミッションを振り返ることだった。
プロジェクトを進めていると、「今週はこのタスクを終わらせて、来週はあれをやって……」という具合に、どうしても目の前の作業に意識が向いてしまう。でも、これだと「そもそも何のためにやっているんだっけ?」が見えなくなってしまう。
そこで週に一度、「今やっていることは、本当にミッション達成の最善策なのか?」を自問するようにした。
この振り返りを行うことで、「これをやるとミッション達成にこう繋がる」と筋道立てて説明できるようになってきた。
また、「このまま進めて大丈夫か?」という不安が減った。定期的にミッションとの整合性をチェックしているので、方向性に確信を持って進められるようになったのだ。実際にこの振り返りで、元々進めていたものとは違う戦略で試してみることになり、追うべき指標も明確になった。
2. 中長期目標を「小さなゴール」に分けて考える
二つ目に変えたのは、長期プロジェクトでの目標設定の仕方だった。
半年後や1年後の目標だけを見ていると、正直どう進めばいいのかよく分からなくなってくる。「なんとなくこの方向で……」という曖昧な感じで進めてしまいがちになる。
そこで、1〜2ヶ月後に達成したい具体的な状態を設定し、それをクリアすることを繰り返して最終ゴールに近づく方法に変えた。
この方法の良いところは、考えやすくなったことだ。「2ヶ月後にこの状態になるには、今月何をすべきか」は想像しやすい。モチベーション的にも、手の届きそうな目標の方が集中して取り組める。また、状況に応じて進め方を柔軟に変更しやすくなるので、方向性がブレにくくなった。
もちろん、短期的な部分だけに目が行ってしまっては本末転倒だ。最終ゴールを見据えながら、短期ゴールを設定することが大切だと感じている。
この2つの実践を通じて、大切なことに気づいた。
「これをやったら何が起きるか?」という見立てをしっかり持つことの重要性だ。これがないと、結局やっていることが点々とした施策になってしまう。先輩や上司との対話を重ねながら、自分の中での理解を深めていくことが欠かせないと実感している。
プロジェクトを自分ごととして考える
この2つのポイントを意識し始めてから、プロジェクトをもっと自分ごととして考えるようになった。なぜこのプロジェクトが生まれたのか、今どんな状況なのか、ミッション達成にはどんな道筋があるのか。そういった視点を、以前より強く持てるようになった。
今思えば、「人にプロジェクトが合わせる」状態になっていたのは、プロジェクトへの関心や熱量が足りなかったからかもしれない。
「会社から言われたから……」「リソースが限られているから……」「自分には難しいから……」
無意識のうちに、こんな気持ちで取り組んでいたことが多かった。でも大切なのは、その制約の中でも「どうすれば達成できるか?」を考え抜くことだと分かった。
正直、この考え方を完全にマスターしたとは言えない。でも、先輩からの学びを思い出すたびに、少しずつ軌道修正できるようになってきた。
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