「金融商材のCPAを1週間で20万→2万」AI社内事例を聞いて私はため息をついた

社内でよく言われてきた言葉がある。

「定型業務はどんどん自動化すればいい。でもマーケティングのような非定型業務はAIをゴリゴリ使いながらも、自力を鍛えなさい」

正直に言う。この意味を、私はずっと半分しか理解していなかった。

この半年、私はAIをゴリゴリ使ってきた

Claude Code、Codex。最新ツールのキャッチアップ。ルーティン業務の自動化、レポート生成、コンテンツ制作の仕組み化。

以前は数時間かかっていた作業が30分で終わるようになった。

クリエイティブの本数も、アウトプットの質も、明らかに上がった。「AIを使いこなせている」という自信が、じわじわと積み重なっていた。

社内のプロフェッショナルが、金融サービスのCPAを1週間で10分の1にした

社内の先輩から、あるクライアント支援の話を聞いた。

金融系のマッチングサービス。CPA(顧客獲得単価)が20万円を超えていた。競合を見渡すと、全社が似たような訴求をしている。同じコンバージョンポイント、同じ言葉で、同じターゲットに語りかけている。

先輩は「このまま戦っても勝ち目がない」と判断した。

次にやったのは、ターゲットの観察だ。インタビューはしない。デジタル上のデータと、過去の失注データを見た。「なぜ問い合わせをしなかったのか」ではなく、「一度気になったのに、なぜやめたのか」を掘った。

そして、ターゲットである高所得者たちが人生の中で必ず経験してきた、ある共通の感覚を見つけた。

全員が知っている。全員が体感してきた。でもマーケティングでそこに触れている会社は、一社もなかった。

その感覚を言語化し、訴求軸にした。

AIで類似事例が他業界にないかを検証し、確度を確認してから動いた。LPもクリエイティブも、コンバージョン内容もAIでスピーディーにテストした。

結果、CPAは1週間で一気に落ちた。

さらに訴求を進化させて、CVRはもっと上がり、CPAが20万円から2万円まで落ちた。最終的に、受注が取れすぎて営業チームが対応しきれなくなった。

私には、これを再現できない

話を聞いて、ため息をついた。

「AIを使えばこれができる」ではなかった。「これは私には無理だ」だった。

市場を読む。競合の構造を分解する。ターゲットが人生で積み上げてきた感覚を掘り起こす。コンバージョンに至るまでの心理的な障壁を特定する。それを一本の訴求軸や要素、コンバージョン内容に束ねる。

AIが活躍し始めるのは、その後だった。仮説の角度を上げるために使い、システムを速く作るために使い、クリエイティブを作成するために使う。

先輩が使ったAIは私も使える。私は一人でLPも、システムも、訴求も作れる。

でも先輩と同じ速度で、同じパフォーマンスをゼロから出すことはできない。

定型業務はAIが代わる。でもパフォーマンスを上げるのは、自分だ

上司が言っていた意味が、ようやく腑に落ちた。

「定型業務はAIで自動化すればいい」

これは正しい。AIは確実に、反復作業を人間より速く正確にこなす。私が半年でやってきたことも、この領域では間違いなく効いた。

「でもマーケティングは、自力を鍛えなさい」

AIはその人のパフォーマンスを拡張する道具だ。でも拡張されるのは「自身のパフォーマンス」だ。

ベースが低ければ、その低さが何倍にもなる。

先輩が1週間で出した成果を、私がAIを使っても再現できない理由はそこにある。思考の精度がそこまで届いていない。

AI時代に本当に必要なのは、AIを使いこなす技術だけじゃない。AIに渡せるだけの「自分の思考」を、先に作ることだ。

それを腹の底から思い知らされた。私にはそれがまだ足りていない。だから鍛えなければならないと痛感した。

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