ダイレクトマーケティングとは|基礎知識から実践テクニック、成功事例を紹介
この記事でわかること
- ダイレクトマーケティングの基礎知識
- ダイレクトマーケティングの手法
- ダイレクトマーケティングを実践するコツ
「ダイレクトマーケティングとはどのようなマーケティングなのか」「ダイレクトマーケティングにはどのような効果があるのか」本記事をお読みの方の中には、このようにお悩みの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ダイレクトマーケティングを一言で説明すると、「顧客ニーズに合わせた販促を行うマーケティング」です。新規獲得から購入後まで、一気通貫したコミュニケーション設計を行い、顧客との関係を構築しながら販促を実施していきます。
例えば、「Web広告によって商品を購入してもらう」「届いた商品の梱包・パッケージ・同梱物などに感動してもらう」「その後会員サイトへ誘導してファンになってもらう」など、それぞれのコミュニケーションを一貫して設計します。
ダイレクトマーケティングには、主に以下のような手法があります。
- ダイレクトメール
- テレマーケティング
- メールマーケティング
- SNSマーケティング
- レコメンデーション
- 商品への封入物・同梱
このように、ダイレクトマーケティングの手法は多岐に渡るため、顧客の段階ごとのニーズを把握し、適した手法を選ぶことが重要です。
本記事では、ダイレクトマーケティングの基礎知識や手法の紹介と、ダイレクトマーケティングを実施する際のコツについて詳しく解説しています。また、具体的なイメージができるように成功事例も紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。
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ダイレクトマーケティングとは「顧客ニーズに合わせた販促を行うマーケティング」
ダイレクトマーケティングとは、顧客ニーズを把握した上で、電話・DM・メール・SNSなどを活用し、顧客の段階ごとのニーズに合わせた販促を行うマーケティング手法です。
新規獲得だけではなく、初回購入後の顧客との関係構築も含めて、一貫したコミュニケーション設計を行い、コンバージョン率やLTVを向上させることを目的とします。
- 購入に対するお礼状や会員サイトへの案内などを、商品と共に封入する
- リピーターへの特別なキャンペーンをダイレクトメールで送る
- 電話で現状の悩みや商品の使用感などをヒアリングし、リピートを促す
顧客と上記のようなコミュニケーションを取ることも、ダイレクトマーケティングに含まれます。
また、ダイレクトマーケティングでは顧客ごとに適したアプローチを行うため、テレビCMや新聞広告のような「マスマーケティング」よりも高いコンバージョン率が期待できます。
初回購入後の顧客との関係構築については、下記記事でも詳しく解説しているので参考にしてください。
ダイレクトレスポンスマーケティングとの違い
ダイレクトマーケティングと似た用語に「ダイレクトレスポンスマーケティング」があり、これらは同じなのではないのかと気になっている方もいるかもしれません。
ダイレクトレスポンスマーケティングとは、自社の広告・メール・オウンドメディアなどを通じて、問い合わせなどのアクションを起こした見込み顧客に対し、商品を販売する手法です。
ダイレクトレスポンスマーケティングは「ダイレクトマーケティング」の一部であり、「新規顧客の獲得」を担う部分です。
例えば、ある企業のサプリメントをお試し注文すると、クロスセルのチラシやブランドブックなどが同梱されたお試し商品が届きます。以降、定期的に商品の情報提供と定期割引などの案内メールが届きます。それらの同梱物やメールによって、顧客により強く興味や関心を持ってもらい、さらに期間限定で定期割引を提示することで、定期購入へと引き上げをしています。
ダイレクトレスポンスマーケティングは、自社の商品に興味を持つ顧客にだけ営業するため、成約率の高さも特徴です。
マスマーケティングとの違い
マスマーケティングとは、テレビCMや新聞広告など、マスメディアを通じて消費者に対し一方的にアプローチするマーケティング手法です。そのため、顧客情報を使いません。
ダイレクトマーケティングは顧客情報を活用し、顧客に合わせたコミュニケーションを図るマーケティングであるため、マスマーケティングとは反対の手法だと言えます。
ダイレクトマーケティングにはコミュニケーション設計が不可欠
ダイレクトマーケティングに限らず、マーケティングをおこなう場合はコミュニケーション設計が必須です。
以下のように適切なコミュニケーション設計をおこなうことで、ターゲットのニーズを満たすコミュニケーションが取れるようになります。
- 自社がアプローチすべきターゲットの特徴や属性
- そのターゲットの現在の心理状態
- その心理状態にあるターゲットを動かすために、どのようなコンテンツや情報を提供すべきか
- そのコミュニケーションを実現するために、どのような手法や媒体を使用すべきか
コミュニケーション設計をおこなわなかった場合、ターゲットを無視した企業目線の施策を講じてしまったり、施策単体にしか目が向かなくなったりするため、成果が上がらなくなる可能性があります。
冒頭でもお伝えしたように、ダイレクトマーケティングは顧客ニーズに合わせた販促を行うマーケティングです。そのため、「多分顧客はこういうものを求めているはず」といった憶測ではなく、十分にニーズを調査・分析したうえで、段階ごとにどのような手法が適しているかを考えなくてはなりません。
コミュニケーション設計をおこなう際に活用されるフレームワークには、以下のようなものがあります。
- STP分析
- ペルソナ
- カスタマージャーニー
- 3C分析
- SWOT分析
コミュニケーション設計やこれらのフレームワークについては、以下の記事で詳しく解説していますので、併せてご覧ください。
ダイレクトマーケティングのメリット
ダイレクトマーケティングには、以下のようなメリットがあります。
- 費用対効果が高い
- LTVを上げられる
- 効果を測定できる
- ツールやアウトソーシングを活用すれば少人数でも実施できる
ダイレクトマーケティングを取り入れるかを決めるために、どのようなメリットがあるのかを把握しておきましょう。
費用対効果が高い
先ほども解説したように、ダイレクトマーケティングでは新規獲得の際に、自社の商品に興味を持つ顧客にターゲットを絞ってコミュニケーションを取ります。また、購入前とリピーターへのアプローチ方法を変えるなど、ターゲットごとに適切なアプローチを行います。
そのように、ターゲットを絞って効率よく新規顧客を獲得し、関係性を築きながら顧客に最適な商品を訴求するため、費用対効果が高いマーケティング手法であると言えるのです。
LTVを上げられる
ダイレクトマーケティングでは顧客に合わせた施策を行うため、関係構築が行いやすく、LTVの向上が期待できます。
例えば、既存顧客を「直近の購入」「購入回数」などでセグメントして、それぞれの顧客に対して適切なコミュニケーションを行います。
※縦軸の「Recency」は直近いつ購入したのか、横軸の「Frequency」は何回購入したのかを表します。この例では、「直近1週間以内に購入しており、今までに15回以上購入したことがあるユーザー」は常連に分類されます。
- 新規顧客(右上)には、常連になってもらうための施策を実施
- 常連から離反しつつある顧客(左中央)には、離反を防ぐための施策を実施
このようにダイレクトマーケティングでは、双方向のコミュニケーションを取りながら顧客の段階ごとのニーズに合わせた施策を行えるため、リピーターを創出してLTVを高めることが可能です。
効果を測定できる
ダイレクトマーケティングは効果を測定でき、それを施策の改善に生かせます。例えば、メール配信であれば、開封率やURLのクリック率などのデータを取得できます。
そのような顧客の反応を計測し、データを基にした改善を行えるため、効果検証・改善を繰り返すことで、効率的に成果を上げられるでしょう。
ツールやアウトソーシングを活用すれば少人数でも実施できる
ダイレクトマーケティングは、ツールやアウトソーシングを活用することで、少人数でも実施できます。
例えば、DM発送作業やテレマーケティングなどの人手が必要な部分をアウトソースする、ステップメールをツールで自動配信するなどです。
もちろん、同梱物やテレマーケティングでのアプローチ方法、ステップメールのシナリオなどは考える必要がありますが、人手や時間がかかる部分は外部やツールに任せやすいため、ダイレクトマーケティングに割ける人員が少なくても実行可能です。
ダイレクトマーケティングのデメリット
ダイレクトマーケティングのメリットを紹介しましたが、以下のようなデメリットもあります。
- コミュニケーション設計が難しい
- 先行投資が必要
- 専門知識やノウハウが必要
- 効果が出るまでに時間がかかる
これらのデメリットを理解していなければ、ダイレクトマーケティングを取り入れても成果を得られない可能性が高くなります。
自社でダイレクトマーケティングを取り入れられるのかを判断するためにも、デメリットについて見ていきましょう。
コミュニケーション設計が難しい
ダイレクトマーケティングは、新規顧客の獲得からロイヤル顧客の創出まで一貫して行うマーケティングです。一気通貫したコミュニケーションを実現するには、様々な施策に対して統合されたコミュニケーションを用いる必要があります。
以下は、顧客関係管理(CRM)のシナリオ構築に必要な5つの軸を解説したものですが、ダイレクトマーケティングでも同様に、
- どの顧客に
- どのような手法で
- いつコミュニケーションを行うか
などを設計しなければなりません。
▼コミュニケーション設計の5つの要素
要素 | 意味 | 例 |
---|---|---|
セグメント | どんなお客様か? | 30代女性 |
チャネル | どんな手法で? | DM |
コンテンツ | どんな内容を? | 商品の詳しい使い方/愛用者の声/ブランドブック |
オファー | どんな特典をつける? | 2週間以内に定期を申し込むと20%割引 |
タイミング | いつ行う? | お試しセットに同梱 |
ダイレクトマーケティングの手法は多岐に渡るため、施策ベースのバラバラなコミュニケーション設計をしてしまうと、効果を得にくくなってしまうため、注意が必要です。
先行投資が必要
ダイレクトマーケティングを実施するには、先行投資が必要です。
例えば、顧客データの管理やメールの自動配信にはCRMツールが必要であり、発送作業などをアウトソースするならそれらの費用がかかります。
そのため、ダイレクトマーケティングの戦略を立てる際には、先行投資にどの程度の費用が必要になるか、事前に把握しておかなくてはなりません。
専門知識やノウハウが必要
メール・電話・DMなど、ダイレクトマーケティングの手法は多岐に渡ります。それぞれに必要な知識やノウハウは異なるため、自社が取り入れる手法に知見のある人員がいるかどうかは非常に重要です。
また、先ほども解説したように、適切にコミュニケーション設計をおこなう必要もあります。
もし、自社に知見がない場合は、外部パートナーに依頼してコンサルティングに入ってもらうことも検討しましょう。
効果が出るまでに時間がかかる
ダイレクトマーケティングは、施策を実行しても効果が出るまでに時間がかかるケースが多くあります。なぜなら、施策を実行してから顧客の反応に対するデータを取得し、蓄積されたデータを基に改善を繰り返すからです。
そのため、ダイレクトマーケティングの成果は中長期的に見ていく必要があり、改善は継続的に行っていかなければなりません。
ダイレクトマーケティングに適したビジネス・商材
ダイレクトマーケティングは顧客とコミュニケーションを図ることで関係を構築するため、LTVを伸ばしたい、アップセルをしたい企業に適しています。
主にBtoCのサービスを展開している企業で行われることが多く、EC・単品通販・定期通販・サブスクリプションサービスなどで用いられます。
ただし「LTVを伸ばす」「アップセルを行う」といった目的を考えると、BtoBサービスやBtoCの高額商材などとも相性が良いと考えられますし、実際にそのような企業がダイレクトマーケティングを行っているケースもあります。
それぞれの施策が最終的にLTV、さらに売上の向上に繋がることが重要です。すべての施策が最終的な目標に一本線で繋がるかを考え、効果的であると判断できる場合にダイレクトマーケティングを取り入れましょう。
- デジタルマーケティングを推進したいが社内に詳しい人がいない
- 事業成長戦略が行き詰まっている。デジタル化を推進してマーケティングを加速させたい
- 様々な代理店に依頼していて、全体の戦略を描くことができず個別最適になっている
ダイレクトマーケティングの主な6つの手法
ダイレクトマーケティングは、前述したように顧客ごとのニーズに合わた販促を行うマーケティング手法です。前述したように手法は多岐に渡りますが、代表的なものは以下の6つです。
- ダイレクトメール
- テレマーケティング
- メールマーケティング
- SNSマーケティング
- レコメンデーション
- 商品への封入物・同梱
ダイレクトマーケティングについてより理解を深めるためには、どのような手法があるかを把握しておくことが大切です。
では、手法について1つずつ解説していきます。
ダイレクトメール
ダイレクトメール(以下DM)とは、リスト化された顧客・見込み顧客に対してチラシやハガキなどを送付し、購買に繋げる手法です。
- イベントへの招待
- 周年キャンペーンの案内
- クーポンコードの配布
- 新商品の無料トライアルの案内 など
ただ送付するだけでは、顧客がDMを見てどのようなアクションを起こしたかを知ることができません。そのため、DMによってどのようなアクションに繋げたいかを定義しておき、その効果を測れるようにしておく必要があります。
例えば、DMにLPや商品詳細ページなどへのQRコードや割引クーポンコードを記載しておけば、顧客からのレスポンス数を計測することが可能です。
テレマーケティング
テレマーケティングとは、電話を用いて顧客とコミュニケーションを図る手法です。顧客からの購入希望や商材に関する問い合わせに対応する「インバウンド」と、企業から顧客に電話をかける「アウトバウンド」の2種類があります。
顧客の反応に合わせた対応が可能であるため、生の声をヒアリングでき、顧客ロイヤリティを高める効果も期待できます。ただし、対応次第ではクレームに発展する可能性もあるため、トークスクリプトを作成し、オペレーターの質を平準化することが大切です。
もしくは、外部の専門企業に委託して行うケースもあります。
メールマーケティング
メールマーケティングとは、顧客にメールを配信し、情報を届けたり購買を促したりする手法です。メールマガジンだけでなく、顧客セグメントに合わせて配信するステップメールなどがあります。
以下は、定期商品のお試しセット注文者に配信するメールの例です。
お試しセット注文後日数 | コンテンツ |
---|---|
3日後 | 定期引き上げ(初回無料や割引など) |
5日後 | ・定期引き上げ |
8日後 | ・定期引き上げ |
10日後 | 定期引き上げ |
15日後 | ・定期引き上げ |
20日後 | 定期引き上げ |
25日後 | ・定期引き上げ |
30日後 | ・定期引き上げ |
上記は定期購入に引き上げるためのメール配信ですが、定期契約後は継続や離脱防止のため、以下のようにメールの内容を変更します。
定期注文後日数 | コンテンツ |
---|---|
2日後 | ・定期契約へのお礼 |
4日後 | 商品の研究に関する情報 |
11日後 | アップセル(まとめ割など) |
18日後 | ・商品に関する情報提供 |
21日後 | アップセル(まとめ割など) |
このように、アップセルでLTVを高めるとともに、商品の情報や愛用者の声を届けることで、より愛着を持ってもらえるような配信を行います。
定期契約前と後の顧客に対し、メールを一斉送信していては顧客が欲しい情報を得られません。例えば、お試しセットが届いた際には、「商品の誕生秘話」などよりも「商品の使い方」の方が顧客にとって役立つ可能性が高いでしょう。
このように、メールマーケティングを行う場合は、顧客の状況に合わせて必要な情報を提供することが重要です。
なお、メールマーケティングは比較的低コストで導入・運用ができますが、配信回数が多いと悪印象を持たれてしまうケースもあるので注意が必要です。
SNSマーケティング
SNSマーケティングとは、SNS上でユーザーとの双方向のコミュニケーションや情報発信などを行い、潜在層へのブランディング・顧客の獲得・自社顧客のファン化を目指す手法です。
上記2つの手法と異なり、顧客の住所やメールアドレスなどの個人情報を取得していなくても、コミュニケーションを取れます。
SNSマーケティングの種類は、主に以下の4つです。
- アカウントの運用
- SNS広告
- SNSキャンペーン
- インフルエンサーマーケティング
SNSプラットフォームごとに、ユーザーや機能の特徴が異なるため、それらを理解した上で、アカウント運用やキャンペーンの実施を行うことが重要です。
SNSマーケティングについて詳しく知りたい場合は、以下の記事を併せてご覧ください。
レコメンデーション
レコメンデーションとは、顧客の閲覧履歴や購買履歴などを基に好みを分析し、関心がありそうな情報を表示させる手法です。特に多くの商品を扱うECサイトの場合、レコメンデーションすることでクロスセルに繋がる可能性があるため、収益性の向上が期待できます。
顧客の利用回数が増えるほどデータが集まるため、レコメンデーションの精度も高まります。
商品への封入物・同梱
同梱とは、通販の商品や定期商品のお試しなどが届いた際に、一緒に封入されている挨拶状やパンフレットなどです。特に定期商品の場合は、初回同梱物の質・量によって、定期引き上げ率を向上させる効果が期待できます。
以下は、定期商品お試し購入の際の基本的な同梱物です。
- 挨拶状(お礼状)
- ブランドBOOK/商品カタログ
- 使い方ガイド
- キャンペーンチラシ
- お客様の声
ECサイトならクーポンコードを記載したチラシとお礼状を同梱するなど、商品によってどのようなものが必要かを判断しましょう。
ダイレクトマーケティングの成功事例
ダイレクトマーケティングの手法を解説しましたが、イメージしにくいという人もいるでしょう。そこで、より具体的にダイレクトマーケティングを知るために、成功事例を紹介します。
株式会社ソーシャルテック
株式会社ソーシャルテックは、育毛剤「チャップアップ」シリーズで、育毛業界シェアNo.1を獲得した企業です。
競合商品増加により新規獲得が伸び悩んだため、株式会社ダイレクトマーケティングゼロにコンサルティングを依頼し、ダイレクトマーケティングの取り組みを開始しました。
まず、既存顧客のLTV分析を行ったところ「初回定期購入か都度購入か」「どのような商品をクロスセルしたのか」によってLTVが大幅に異なることが判明しました。
以前は単品の定期購入・都度購入をおすすめしていましたが、分析結果を踏まえて最もLTVが高いサプリメント・育毛ローションのクロスセル商品の定期購入をプッシュするCTAに変更しました。
広告キャラクターにちなんで「ウルトラ定期便」に名前を変更し、バナーの遷移先を変更したところ、20~34歳女性(F1層)の定期継続率が58%から73%にアップするなどの成果が生まれ、年間5億円以上の売上改善効果を達成しています。
さらに、解約理由の分析や定量調査も実施。「効果がない」「余っている」という解約理由が多く、適切な使用方法を理解している顧客が少ないことがわかりました。
そこで、適切・間違った使用方法の両方をさまざまな方法で伝えるように改善した結果、2年以上の長期定期コースに加入する顧客が増加しています。
休眠復活にも力を入れ、「なぜ戻ってきて欲しいのか」「戻ってきた顧客に対して何を用意しているのか」といった文脈やオファーで納得感を演出し、休眠顧客のレスポンスが以前の3.3倍に向上し、休眠復活ROIは604%と事業に大きく貢献しました。
参考:クロス率500%!休眠復活ROI600%超!チャップアップの事業を変えた「脱・自前主義」とは?
freee株式会社
freee株式会社が提供するクラウド型会計ソフト「freee 会計」は、個人事業主や中小企業のみに特化した会計ソフトであると認知されている傾向がありました。そのため、多くの上場企業にも利用されていることの認知向上と信頼性獲得、導入推進を測るために、DMを活用しました。
DMでは、上場企業の本決算業務が終わり、経理部員の気が休まるタイミングに合わせ、ねぎらいの想いを込めた箱詰めのチロルチョコを送付。
箱型のDMで、チロルチョコのデザインはテンキーを模しており、箱の底面には「お仕事の合間にフリーなひとときを過ごせましたか」というねぎらいのメッセージを記載しました。
会計ソフトは頻繁にリプレイスされるものではないため、将来リプレイスする際に経理責任者になっている可能性がある、経理部スタッフ全体に対しての認知を高めることが重要と考えました。
そこで、時間が経っても「会計ソフトのfreeeからDMが来ていた」と印象に残るクリエイティブになるよう意識して作成。また、同梱物の冊子にはfreeeを利用している上場企業のロゴを記載。上場企業にも利用されていることが一目でわかるように工夫されています。
DM送付後のフォローコールでは、通常のコールに比べて受付突破率が5倍になり、チョコを送ったことを伝えることで会話が弾みやすくなりました。その結果、スムーズにヒアリングできるようになり、DMの認知率も50%を超えました。
参考:第37回 全日本DM大賞
ダイレクトマーケティングを実践する際のコツ
ダイレクトマーケティングは、ただ「メールを送る」「電話をかける」といったように戦略を立てずに施策を実施しても効果を得られません。そこで、どのようなポイントを重視すべきかがわかるように、実践のコツについて解説します。
具体的なコツは以下の通りです。
- ダイレクトマーケティングを実施する目的を定義する
- ターゲットに合わせたチャネルを選ぶ
- データを活用する
では、詳しく見ていきましょう。
ダイレクトマーケティングを実施する目的を定義する
まず、ダイレクトマーケティングを実施する目的を定義し、最終的なゴールとなるKGIを設定しましょう。KGIの設定ができていないと、新規獲得から顧客関係の構築まで一貫したコミュニケーション設計ができません。
KGIを基にして、施策ごとの成果(KPI)をどう定義するのか、コミュニケーション設計をどうするのかを決めていきましょう。KGIを設定したら、KPIツリーを作成しながらKPIや施策を検討していくと、一気通貫したコミュニケーション設計をしやすくなるでしょう。
KPIツリーの作成方法については以下の記事で詳しく解説しておりますので、併せてご覧ください。
ターゲットに合わせたチャネルを選ぶ
ダイレクトマーケティングにはさまざまな手法があり、以下のようにコミュニケーションチャネルも複数あります。
- メール
- LINE
- DM
- 電話
- SMS
チャネルを選ぶ際に、それぞれの特徴を理解しておくことが重要です。
▼チャネル比較表
メールやLINEは配信コストが安く、取り入れやすいという特徴があります。しかし、スマホを使用していない顧客に対するコミュニケーションには向かないため、高齢者がターゲットである場合は、オフラインのチャネルであるDMや電話の方が効果的と言えます。
自社のターゲットの興味を引くためには、どのチャネルが効果的かを検討しましょう。
データを活用する
ダイレクトマーケティングでは、どのようなデータを取得するかを明確にし、実施していく中でデータを蓄積していきます。データが一定以上蓄積されたら、それを基に改善を行いましょう。
例えば、DMのレスポンス率が悪い場合、同梱しているチラシやクーポンの内容を見直すなどの改善ができます。
また、前述の既存顧客分析(RFM分析)などを行うのも良いでしょう。
分析の詳細は、以下の記事で詳しく解説していますので、併せてご覧ください。
最短でダイレクトマーケティングの成果を上げたいなら外部パートナーへの依頼がおすすめ
ここまでダイレクトマーケティングのメリット・デメリットや、手法について解説してきましたが、「自社でどのように実施すべきかわからない」と感じた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
デメリットでも解説したように、ダイレクトマーケティングはコミュニケーション設計が難しく、手法ごとの専門知識やノウハウが必要になります。そのため、社内に知見がない場合は、実施してもなかなか成果を上げられない可能性が高くなるでしょう。
ダイレクトマーケティングに適切な人材が社内にいない場合でも、外部パートナーに依頼すれば適切なコミュニケーション設計をおこない、成果を上げられる可能性が高くなります。
内製化したい場合でも、インハウス化支援のコンサルティングを依頼すれば、プロに業務をサポートしてもらいながら、ノウハウや知識を社内に蓄積できます。
社内にダイレクトマーケティングの知見がない・取り組んでみたものの成果が出ていないといった課題がある場合は、外部パートナーに依頼してみましょう。
まとめ|ダイレクトマーケティングは一気通貫したコミュニケーション設計がカギ
本記事では、ダイレクトマーケティングの基礎知識や手法、取り組む際のコツを解説しました。
ダイレクトマーケティングとは、コンバージョン率やLTVを向上させることを目的とし、顧客ニーズに合わせて電話・DM・メール・SNSなどを活用し、販促を行うマーケティング手法です。
ダイレクトマーケティングは、「LTVを伸ばしたい」「アップセルを行いたい」といった企業に適した手法です。
そのため、EC・単品通販・定期通販・サブスクリプションサービスなどを扱う企業が行っていることが多く、BtoBサービスやBtoCの高額商材を展開している企業にも取り入れられています。
代表的な手法は以下の6つです。
- ダイレクトメール
- テレマーケティング
- メールマーケティング
- SNSマーケティング
- レコメンデーション
- 商品への封入物・同梱
手法ごとに適したターゲット層や特徴が異なるため、顧客のニーズを十分に理解した上で何を取り入れるかを決めましょう。
ダイレクトマーケティングを実施する場合はまず、目的を定義してからKPIを設定し、手法やチャネルを選びます。実施していく中で蓄積されたデータを基に改善を行い、成果を高めていくことが重要です。
ダイレクトマーケティングに関するよくある質問
ダイレクトマーケティングとはどのようなマーケティング手法ですか?
ダイレクトマーケティングとは、顧客ニーズを把握し、電話・DM・メール・SNSなどを活用して顧客ニーズに合わせた販促を行うマーケティング手法です。
新規獲得から一貫したコミュニケーション設計を行い、顧客一人ひとりに合わせたコミュニケーションを行うため、マスマーケティングよりも高いコンバージョン率が期待できます。
詳しくは、「ダイレクトマーケティングとは「顧客ニーズに合わせた販促を行うマーケティング」」をご覧ください。
ダイレクトマーケティングにはどのような手法がありますか?
ダイレクトマーケティングの手法は多岐に渡りますが、代表的なものは以下の6つです。
- ダイレクトメール
- テレマーケティング
- メールマーケティング
- SNSマーケティング
- レコメンデーション
- 商品への封入物・同梱
それぞれの特徴を理解し、目的に合わせた手法を用いることが大切です。
詳しくは、「ダイレクトマーケティングの主な6つの手法」をご覧ください。
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