「アクセス数を半年で激増させよ」このお題に解析とコンテンツのプロはどう取り組んだのか

田島 光太郎

Media Planner / Consultant

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「アクセス数を半年で激増させよ」このお題に解析とコンテンツのプロはどう取り組んだのか

“Result Driven.” という言葉を掲げ、「事業成長に起因する成果を軸としたデジタルマーケティングの提供」を大切にしているMOLTSでは、様々な領域のプロフェッショナルメンバーが社内外からアサインされプロジェクトを進めています。

オウンドメディア、コンテンツマーケティング領域でメディアプランナー/コンサルタントを務めるMOLTSの田島 光太郎、データ分析マーケティングストラテジスト/データアナリストを務める西 正広

MOLTS内でも専門領域が異なる両者ですが、ときにパートナーとして、クライアントの成果のために同じプロジェクトに参画しています。そこで今回は田島、西のふたりが、これまでクライアントの課題に対してどのようにアプローチをしてきたのか語りました。

闇雲にアクセス数を増やすのではなく、「ユーザー起点」を忘れてはならない

―― あらためて、それぞれどういったことを得意領域としているのか教えて下さい。

田島:僕は普段からオウンドメディア、コンテンツマーケティング領域における戦略設計やインハウス化支援、コンテンツの運用代行まで幅広く担当しています。特にプロジェクト・マネージャー(PM)のような形でお取り組みの全体感を描きつつ、クライアント企業含めて最適なチームメンバーをアサインし、いかに成果最大化のためのプロジェクト進行ができるかといったところを見ています。

西:私の場合はデータ分析領域を担当しており、具体的にはデータに基づくサービス改善であったり、データドリブンな組織づくり、ビッグデータを活用したコンサルティングを行っています。

また「KPIの設定がそもそもで正しいかわからない」といったクライアント課題に対しては、適切なKPI設計や、設定したKPIを把握するためのデータ収集環境の構築なども支援しています。

―― おふたりとも別々の領域を得意とされているんですね。そんな中、どういった経緯でプロジェクトを一緒になって進めていくことが多いのですか?

西:MOLTSでは「社内売買」と言って、メンバー内で仕事を依頼できる仕組みがあるんです。「猫の手を借りる」じゃないですけど、誰に何を依頼するかは完全に各メンバーの裁量に任されていて、クライアント企業の成果最大化のために「プロの手を借りる」ことができます。

そうした仕組みの中で、私はオウンドメディアのコンテンツのデータ計測や分析課題が生じているときに相談を受けることが多いです。メディア上のCVをうまく計測できていなかったり、追うべきKPIに対してデータ収集ができていなかったりなどケースは様々です。

田島:そもそもオウンドメディアが立上げフェーズなのか運用フェーズなのかによって異なりますが、前者であればまず運用をしっかりと回せるよう、見るべきデータをあえて絞ることもあります。一方、運用フェーズに入るとクライアントもPVやセッション数はすでに把握できていて。コンテンツを公開したきりとなっていたり、PVだけで判断されて本質的な事業貢献までは追えていなかったりと、運用目的次第ですが正しく評価されていないケースの方が多い印象です。

ただ、オウンドメディアで本質的な成果に貢献するには、成果に関わるデータを様々な観点から分析して適切な戦略設計を描くことが重要で、ただ「見られていれば良い」わけではない。そこでデータ分析・評価の最適化を行う西にも参画してもらい、一緒にプロジェクトを推進しました。

―― コンテンツの正しい評価やKPI設計というと、具体的にどのようなことでしょうか?

西:最近だと、とある特定領域のポータルサイトのグロースプロジェクトを田島と一緒に担当しました。そのメディアは個人ユーザーと企業をマッチングさせるリボンモデルをとっていたので、まずは業界での認知度をあげるためにアクセス数を伸ばす必要があったんです。

当初は「SEO流入を増やしたい」というご相談をいただいたのですが、短期間でSEO施策の成果を上げることは容易ではありません。そして何より「アクセス数をあげよう」と言っても、その流入は何なのか、どこから集めるのか、がすごく重要です。単純にアクセス数だけ欲しいなら、コンテンツを制作し続けて幅を持たせることはできますが、それは何一つユーザーのためになってないですし本質ではありません。だから訪問したユーザーが使いやすい良質なサイトになっていることが必要な条件だと思いました。

そこでアクセス数獲得と同時にサイト自体の改修もご提案し、SEO流入を増やしつつ、サイト内の回遊性を高めてデータを収集・分析。ただコンテンツで流入を刈り取るのではなく、ユーザーとのコミュニケーションを加味した上での様々な角度から追っていきました。

短期間で成果をあげるために、やるべきことの「取捨選択」と「達成度可視化」を行った

―― そのプロジェクトは、具体的にどのようなアプローチで進んでいったのでしょうか?

田島:個人ユーザーと企業双方の満足を追求することが必須のメディアであるため、コンテンツやキーワードはすでに比較検討にあるユーザーをターゲットに設計しました。ただ扱っていたサービスの種類は数百を超えるほど大規模だったので、もちろんすべてのコンテンツに手をつけることは現実的ではありません。短期間で検索順位をあげていく必要があったからこそ、まずは注力すべきコンテンツカテゴリに優先順位をつけることから始めました。

そして検索ユーザーが求めているのは、「自分にとってのベストを選べる」ということですから、最終的には関連サービスを幅広く紹介しているTOPページの検索順位を上げる施策へシフトし、その配下にサービスの基礎知識やニーズの高い情報を増やしていきました。

西:人間は目標を定めても、目標に対する進捗状況をリアルタイムで確認できないと、「なんでこの施策を行う必要があるのか」と感じてしまい、なかなかモチベーションを保つことができません。それはプロジェクトでも一緒だと思っています。このプロジェクトでは「アクセス数の最大化」を目標にし、田島がPMとしてフィードバックをしつつ、実際の企画出しやコンテンツ執筆はクライアント編集部の皆さんが進めていく形でした。そこで私のほうではまず、リアルタイムに進捗が把握できて、ゲーミフィケーション的に現在の達成率を見える化するダッシュボードを作成しました。

またサイト改修の領域では、ユーザーが様々な情報を一度に閲覧できるように新規タブで開く設計にするなど、UXの観点からもアドバイスをしました。

―― 「アクセス数を上げる」と言っても課題に応じた色々なアプローチがあるのですね。そのプロジェクトでは、どういった成果が生まれたのでしょうか?

田島:コンテンツ領域では、お取り組み開始5ヶ月でアクセス数が激増し、クライアントと目指していた数値目標も無事達成。大手ベンダーさんや大型キュレーションサイトなどの競合も多い中で、ビジネスを回すためのPRをしっかりと打てる土台を築くことができました

西:コンテンツのデータ解析では、どういったキーワードが伸びているかも見える化していたのですが、需要の変化に伴い特定のカテゴリキーワードが伸びていることにいち早く気づくことができ、即座に対応できたことが大きな要因でした。

田島:そうですね。やはりサイトの状態をチーム全員で正しく分析・評価できる仕組みがあったからこそ、金脈を見つけることができたなと。追うべきKPIを明確に設計できていたのはもちろんですが、全員がKPIの達成度合いをリアルタイムで把握できていたからこそ、課題の発見や施策実行がかなりスピーディでした。そしてクライアント側は開発に強い会社であったため、こちら側の提案に対し、即座に実装いただける体制があったのも成功要因の1つだったなと思っています。

目標を達成し、クライアント担当者は昇格。今後もデータから組織を変えていきたい

―― MOLTSは理念として「美味い、酒を飲む」と掲げていますが、美味い酒に繋がるような、達成感を感じた瞬間はありましたか?

田島:実は目標達成までの間、クライアント担当者さまが半ば諦めかけていた部分もあって。しかし「高い目標だからこそ、達成したときに気持ちいいじゃないですか!」みたいなことを言い続けて、最終的に目標を達成できた瞬間は格別でしたね。僕らだけが目標を追いかけているのではなく、クライアントの皆さんもデイリーで目標達成率を見て、一緒になって成果を追い求め続けていく空気感が醸成されていったのも嬉しかったです。

西:田島の言う通り、クライアントとひとつのチームとして動けたのは良かったなと感じています。特にプロジェクトには開発をはじめとした様々な部門もかかわりっていて、必要な施策をすぐに実行できる動きが取れました。

担当者の方とは「無事目標を達成させて、役職が上がったらいいですね」とも話していて。すると、実際にその方は部門リーダーからマネージャーに、別の方もメンバーからリーダーへと昇格。プロジェクトが成功しさらに関わる方々が昇進していくという、まさに美味い酒が飲めた瞬間だったなと思います。

目標は定められた期日までに達成できるかできないかという微妙なラインで推移していたので、ミッション未達もあり得るきわどいラインだっただけに、無事に達成できたときは本当に嬉しかったです

―― そうしたプロジェクトを一緒に進めていく間柄として、おふたりはお互いのことをどのように思っていますか?

西:田島から案件の相談を受ける際、いつも事前に与件が整理されているため、求められていることが明確で私としては非常に動きやすいなと感じています。自分はSEOのことは細かくまでわからないですが、ミッションや目的が明確になっていれば、例えパートナーと自分の専門領域が違っても、クライアント成果のために多角的な目線をもって提案・改善していくことができます。コンテンツ周りはPMとして全体を把握していた田島に任せた上で、私としては「ダッシュボード作ろう」「このデータを分析しましょう」ではなく、成果に対する正しいデータの取り方・見せ方みたいなところに集中できたのが良かったです。

また今回のプロジェクト以外でもそうですが、何かを改善していくというときには我々だけでなく、クライアント側ご自身がその気になって動いていかないとうまく物事が進まないことは多々あるんです。田島と一緒に進める案件はどれも、クライアントを巻き込んで進んでいくからこそ、成果を最大化させていく動きが取れるのだと感じています。

田島:西はデータアナリストという肩書きで、データに特化した印象があるかもしれませんが、データの前にすごくユーザーのことを見ているんですよね。

どんなプロジェクトでも、ユーザーに対してどういったコミュニケーション設計をとるべきかを考え、その上でどういった数値を見えるべきかと組み立てていくことは欠かせないと思っていて。その点、コンテンツ側としてもデータ分析から学べることは多く、より精度の高いコミュニケーション設計を構築できたと思っています。

―― 今後、どういったプロジェクトを一緒にやっていきたいですか?

西:いま田島と一緒に進めているプロジェクトがまさにそうなのですが、そのクライアントは直接モノを売るのではなく、「こんな暮らし方いいよね」と体験を売るということをやろうとしているんですね。

世の中では体験を売る、経験を売るといったことが叫ばれていますが、具体的にどう進めていくべきかということってどこにも書かれていないことが多い。そこでMOLTSがそういったコト売りの領域でも実績をつくっていけたら面白いなと思いますし、クライアントと一緒になってチャレンジできるからこそ、ワクワクでき、やりがいを感じられるプロジェクトだと思っています。

田島:僕自身は、オウンドメディアやコンテンツマーケティングといった枠にとらわれず、データによって現場の考えや行動が変わり、データが組織文化を変えていくようなプロジェクトを一緒に進めていきたいですね。

過去に西と行ったマスメディアの案件でも、指標設計とその可視化(ダッシュボード構築)をご相談いただいたことがありました。しかし、メディアの特性上、「PV」や「セッション数」といった指標では施策の貢献度を直接的に測りづらい。そうした課題を掘り下げていくと、その先には「自社チームがデータ分析から改善策の提案、他部署との連携を担う」といった目的があり、設計だけでなく改善に活かせる仕組みづくりを求められていたことがわかったんです。

オウンドメディアマーケティングの支援を行ううえで、僕らはコミュニケーション設計に基づいて考えることが多く、そこにデータを活かす西の強みが加われば、アプローチの幅はぐっと広がります。互いの強みを活かすことで、本質的な成果を上げていく。そんな、より美味い酒を飲める瞬間をつくっていきたいですね。

この記事を書いたメンバー

KOTARO TAJIMA

田島 光太郎

Media Planner / Consultant

1990年、大阪生まれ。新卒入社した企業にて新規事業となるオウンドメディアの運用に立ち上げ期から参画。コンテンツディレクターとして企画〜制作〜分析などに携わり、開設約2年半で月間400万ユニークユーザー規模へと成長。コンテンツSEOを軸としたメディアのグロース、マネタイズ運用を経て、2018年5月より株式会社MOLTSへ参画。子会社の株式会社KRAFTに所属し、現在はオウンドメディア・コンテンツマーケティングを用いたプロジェクトの立ち上げ・戦略設計、インハウス運用支援、運用代行を行う。2020年9月より同社執行役員に就任。

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