「あのときすごかった人、と言われるようでは終わっている」私がMOLTSにいる理由|松尾謙吾

「あのときすごかった人、と言われるようでは終わっている」私がMOLTSにいる理由|松尾謙吾

Webマーケティング大手の株式会社アイレップにて運用型広告のマネージャーなど5部署を兼務。その後、ベンチャー企業でのマーケティング責任者を2社経験。

アイレップ在籍時の大手総合通販会社の広告に係るコンサルティングなどの幅広い経験を活かし、事業会社の執行役員マーケティング統括を担うなど、デジタルマーケティング領域を駆け抜けてきたのは、株式会社MOLTS取締役 兼 同社グループ会社であるデジタルマーケティング領域のエージェンシー事業を行うSTAUT代表取締役 CSOの松尾 謙吾

松尾は現在、代表取締役として組織を束ねる立場でありながら、インハウスマーケティングチームへの顧問、運用型広告のディレクション、事業計画の設計支援、代理店への教育など自身でもクライアントワークに従事している。

松尾の経歴であれば、独立してビジネスを行うことも容易だ。実際にMOLTSへ入社する前は、独立を視野に入れていたという。それでもなぜ、彼はMOLTSで働くことを選んだのか——。その理由に迫る。

全員が同じ目線、同じ温度感を持っている組織はなかなかない「何をやるかよりも、誰とやるかが大事だった」

――MOLTSに入社するに至った経緯を教えてください。

MOLTSに入社する少し前から、これからの自身のキャリアをどのように作っていくのかについて、考えていました。その時の自分の中には、事業会社または、エージェンシーに行くか、もしくは独立という選択肢があって。さらにその3つの中であれば、事業会社というよりは色々な人や事業に携われる方が自分には合っているなといった漠然とした構想ぐらいしかなかったんですよね。

また、仮に自分が独立した時のことも想像してみたんですが、「やりたいことが何もない」ことに気付いたんですよね。その時にあらためて、自分は「何をやるか」よりも、「誰とやるか」が大事なんだと確信しました。

でも、転職でそれを実現しようと思っても、なかなか理想とする組織に巡り会える自信がなくて。僕自身、これまでにいくつかの会社を経験してみて「メンバーの意識が、個人の利益に向いている組織は合わない」ことが分かっていたんですよね。全員が同じ目線や温度感、同じ方向を向いている組織ってなかなかないじゃないですか。企業規模が大きければ大きいほど、そのような組織であり続けることは難しいという感覚があります。

前職を辞めることを決めたタイミングで、それまでずっと自分のことを誘っていただいていた方たちに連絡を取りました。「じゃあ一緒にやろうよ」というありがたい誘いの一つが寺倉でした。その後、寺倉と一度飲みに行き、翌日からは毎日「いつ来てくれるんですか?明日?」みたいなメッセージの連発で。

色々な方にお会いさせていただき、内定をいただけている中で、最後の意思決定をしようというタイミングに再度寺倉とカフェで話をしました。案の定、「MOLTSに入っちゃいましょうよ」と打診され、僕も「入っちゃうか」と二つ返事をして入社を決めてしまいました(笑)

まあ実際は、入社を決めた理由はいくつかあって、ひとつは寺倉が「1社10人まで」という考えを持っていて、それに共感したから。入社当初、僕が6人目のメンバーだったので、そろそろMOLTSとしては次の組織を考えないといけないタイミングだったんです。そこでいま僕が代表を務めるSTAUTの話も挙がり、ある意味 “独立” する感覚で関われるのはいいなと思いました。

もうひとつの理由は、誘ってくれたのが寺倉だったから、というのが大きいです。寺倉は自分とは別の領域、すなわちオウンドメディアやコンテンツマーケティングのスペシャリスト。それまで僕自身はオウンドメディアやコンテンツマーケティングはデジタルマーケティングの手段のひとつ、という考えで、どこかに外注するというやり方でした。

ただ、外注すると余計なコミュニケーションコストも発生しますし、期待値通りに進まなかったりもする。でも寺倉と一緒にやればデジタルマーケティングを一気通貫でできるなと思ったんです。

自分自身がこれまでやってきたデジタルマーケティング領域において、寺倉とであればより強固なタッグを組めるわけで、それ自体が面白そうだなと思い、入社を決意しました。

――STAUT立ち上げ時にこだわったことは何かありますか?

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あります、絶対にこだわったのは初期のメンバー選びです。STAUTを設立する前に寺倉には「自分を含めた、最初の3人が組織のコアメンバーでなければ採用拡大しない」と伝えていました。ただ、そういったコアメンバーになるような人財を見つけるなんて、なかなか大変じゃないですか。

そうしたら、偶然にも代理店時代に一緒だった菊池長澤が入ってくれることになって。彼らとは、ひょんなことから飲むことになり、近況を聞いたら転職を考えていると。

「えっ?!」と思いましたよね。彼らであればコアメンバーとして十分活躍できると知っていたので、もうすぐに「一緒にやろうよ」とその場で誘い、トントン拍子に進んでいって。本当に運と縁に恵まれて、STAUTをスタートさせることができました

経営層と対等な立ち位置で、共に一緒に事業を考えられるメンバーの集合体、それがSTAUTの強みである

――立ち上げ当時から、STAUTとして大事にしたい価値観や考え方は何かありましたか?

“クライアントファースト” というのはありがちなので、あまり使いたくないのですが、クライアントファーストの視点を持つことはもちろん大切。しかし、クライアントに「こうしてほしい」と言われて、「はい、わかりました」と、クライアントに迎合するようなことはしないし、そういったことをするメンバーは必要ないと考えています。

というのも、STAUTはクライアントと共に事業を成長させていくために、クライアントと同じ目線を持ち、経営ポジションで会話ができる組織であることを大事にしたいと思っているんですね。

そのためには、クライアントから認めてもらえるスキル、バックグラウンドを持っていて、信頼を築くことができるメンバーを集めることが必須です。

また、僕自身が「最善を尽くすためにやるべきことがあれば、嘘をつかない」というスタンスを持っています。誰に対しても率直な意見を伝えてしまうタイプ。よく言えば「素直さ」を大切にしたい。以前は上司に「お前もっと空気読めよ」とよく言われて、「空気を読んでいたら仕事が進まないんで」と言い返していたくらい(笑)。

というのも、経営に近ければ近い人ほど、「作業者がほしい」と思っている人は少なくて。むしろ何かしら答えが見えないことを決断する立場の方々なので、自分が選択することが正しいことなのかどうかを後押しして欲しかったり、自分たちでは気づき得ない新しい視点というのが求められるわけです。

だからこそ、僕たちSTAUTは、経営層と対等な立ち位置で会話ができる組織であるべきですし、それが弊社の強みとして大事にしたいポイントだなと考えています。

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――松尾さんはSTAUT代表でありながら、現場に出てクライアントワークも行いますよね。大変だと思うことはありますか。

もちろんクライアントワークだけでなく、組織を今後どうしていくかといったことも考えなければいけないので、時間の使い方は難しいと感じることはありますが、大変だとは思いません。

というのも、僕自身が常に現場に出て行くというタイプですし、それが成果を出すには当たり前だとも思っています。また、代理店に務めていたときも、アシスタントの仕事をひと通り自分でできるようになってから仕事を振るというスタイルでした。

自分ができないのに、仕事を振られた人の効率改善とか考えられないじゃないですか。1から10までを自分でできる状態でコミュニケーションを取るほうが、自分には合っているので、今後も現場から離れる気はありません。

いまも、メンバー全員の案件を把握するためにクロールしていて、「あっ、クロールきた」と言われています(笑)。すべての案件状況を把握するのは容易なことではもちろんないですけど、クライアントのためにはそれが必要だと思っています。

――2018年3月にSTAUTを立ち上げてから1年以上が経ちますが、良かったなと思うことはなにかありますか?

「愚痴を言う人がいない組織」って本当に成り立つんだなと、あらためてSTAUTって良いなと感じています。メンバー一人ひとりが高い視座を持って仕事に取り組んでいて、成長に貪欲です。

もちろん、クライアントからお叱りを受けることもありますが、そういったときにメンバー全員のグループメッセで状況を共有するんです。別に担当メンバーを晒し上げて謝罪をさせようというわけではなく、トラブルのきっかけを作ってしまうことは誰にでも起こりうることなので、同じ失敗を繰り返さないように、他のメンバーにも知見を共有したいという意図があります。もちろんこれは悪いことに限った話だけではなく、良かったことも同様です。

そのように、メンバー全員で成長をしていこうというのが機能していて、場数を踏めば踏むほど皆の引き出しも増えていく、という良い循環が生まれているなと感じています。

「お金を稼ぐなら個人のほうがいいが、保証はない」信頼できる仲間と共に未来への投資ができる組織がMOLTSである

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――MOLTSの理念である「美味い、酒を飲む。」を実感した経験はありますか?

ちょくちょくあるとは思うのですが、いつも「まだもっと美味い酒はあるな」という感覚を持っています。担当させていただいたクライアントがしっかり事業成長しているのを見るとやっぱり嬉しいですし、良かったなと思うんです。

また、STAUTが一期目を終えたときにみんなでお酒を酌み交わして、無事二期目を迎えることができて良かったなとも思いました。

だけど、MOLTSが掲げる “美味い酒” って、そんなに小さいレベルじゃないと思っていて。なんなら、「死ぬまでに一回飲めればいい」くらいのものなのかなと思っています。

だからこそ、「もっと美味い酒があるだろう」と信じ、ただ貪欲に、妥協せずにやり続けるしかないなと。そうしたら、死ぬときに人生を振り返ってみてようやく、「これだったのかな」と思えるのかなと思っています。

――あらためて、松尾さんがMOLTSにい続ける理由を教えてください。

同じ目線で語れる仲間だけで組織を作り、それをクライアントに価値提供するチャレンジができるから、ですね。

ひとりでできることと、複数人でできることは全く違うということを、これまで痛いほど実感してきました。しかも、人数がいればいいわけではなく、信頼できるメンバーが集っていることが重要。そうすれば、圧倒的に高いパフォーマンスを出せるわけです。

そういった背中を預けられるメンバーが集っている組織、それがMOLTSです。だから僕はここにいます。

もちろん、短期的にお金を稼ぐだけなら、独立して個人でやったほうがいいかもしれません。でも、それを将来ずっと続けられる保証なんて、どこにもないわけじゃないですか。

それであれば自分の実入りを取るよりも、その分を信頼できる仲間と持ち寄って、投資として次のものをつくっていく、という関係値がいいなと思いますし、それがMOLTSという組織

これからも、人の信頼で成り立つMOLTSグループ間の連携を、どんどん加速させていきたいですね。

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クライアントと共有したい「美味い、酒を飲む。」という想い

――最後に、松尾さんが考えるMOLTS、そしてSTAUTの展望を教えてください。

僕たちは、クライアントから「ありがとう」の対価としてお金を受け取りたいと考えていますし、そうでなければ受け取りたくない、というスタンスをとっています。だからこそ、会社の理念でもある「美味い、酒を飲む。」というのを、これからも大事にしながら仕事をしていきたいですし、グループごとに文化は違えど「美味い、酒を飲む。」という根底の想いが同じであるのが、MOLTSの面白さだなと感じています。

そして「美味い、酒を飲む。」というのはメンバーだけでなく、クライアントとも共有したい想い。本気で事業成長に取り組んでいるクライアントと本気で仕事をした結果、「本当に嬉しかった」「ありがとう」と言われるのは最高ですし、その一つひとつの経験を大切にできる組織でいたいなと思います。

またWeb業界は、いま最先端であることが、1,2年後には古くなってしまう業界です。よく言われることではありますが、現状維持は衰退でしかありません。

「あのときすごかった人」と言われるようでは終わりなわけです。変化の激しい業界にいるからこそ、MOLTSはずっと走り続ける組織であるべきですし、貪欲に新しいことにチャレンジしていき、日々成長していくべき、そう考えています。

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著者情報

KENGO MATSUO

松尾 謙吾

Marketing Strategist / Consultant

業界歴14年。マーケティング戦略、広告運用、クリエイティブの作成とデジタルマーケティングをトータルで担当。顧問、代理店への教育などにも従事。

担当領域の
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