インサイドセールスとは何か?導入のメリットや役割・成功事例を解説

MOLTS編集部

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インサイドセールスとは何か?導入のメリットや役割・成功事例を解説

営業効率をあげるために、「インサイドセールス」を導入したいと考えている企業が増えています。

本記事では、そもそもインサイドセールスとは何か?といった基礎知識や、フィールドセールスとの役割の違い、そして実際の導入事例と効果について解説していきます。

インサイドセールスを導入してみたいけど、正直よく分かっていないという企業のご担当者は、ぜひ参考にしてください。

インサイドセールスとは

インサイドセールスとは、見込み顧客(リード)に対して、Eメールや電話・Web会議システムなどを用いて、遠隔で営業活動をする仕組みです。

受注にかかる人的なリソースを大幅に削減することができ、営業活動の効率化に繋げることができます。

従来の営業手法では、架電〜受注までフローを営業担当1人で行なっていました。

  1. リード獲得 or リスト作成
  2. 架電
  3. アポイントの獲得
  4. 見込み顧客に訪問
  5. 商談
  6. 受注

しかし、これらの方法では、一人の営業担当者に大きな負担がかかります。例えば、週100件のリストを作成し、10件の商談を行うには以下のような業務時間の内訳になります。

リスト作成週3時間
架電週10時間(1件6分、100件想定)
訪問週10時間(片道30分×2×10件)
商談週10時間(60分×10件)

この他にも、商談の準備やミーティング、その他の業務を加味すると、営業時間内に業務が終わらずに、残業ありきになるといったケースも少なくありません。営業職が「辛い仕事」と認識されているのも、こういった受注までに非常に多くの時間や労力を使うといった原因があるからでしょう。

これらの課題を解決する営業手法として、注目されているのが「インサイドセールス」です。

インサイドセールスは、見込み顧客に訪問をする前に、非対面でのコミュニケーションを通じて、商材に対してどのくらい興味や関心を抱いているかといった「温度感」を把握します。

商材の購入意欲が高く企業として注力すべき「今すぐ客」を抽出し、訪問担当者に繋げることで、受注に繋がらない顧客への「訪問時間」や「商談時間」を大幅に削減。効率的な営業活動へと繋げていくことができます。

フィールドセールスとの違い

インサイドセールスには、見込み顧客の「要望」や「ニーズ」をヒアリングする役割があります。見込み客がどのような課題を抱えていて、なぜ商材に興味を持ったのか、どれくらい商材に関心があるのか、といった情報を収集していきます。

また、興味や関心が高くない見込み客に対しては、商品やサービスの説明など情報提供を通して、受注確度を高めるリードナーチャリングを行います。

受注確度の高いリードを営業部隊に引き渡すこと(トスアップ)で、営業機会を創出する「デマンドジェネレーション」の役割を果たします。

一方のフィールドセールスは、インサイドセールスからトスアップされた情報を元に、見込み顧客に訪問します。そこで、見込み顧客の課題を改めて明確化し、ソリューション(解決策)を提案することが主な役割です。

自社の商材を導入するメリットや費用対効果、実際の導入事例を訴求することで、クロージングへと繋げます。

フィールドセールスは、インサイドセールスと対比されて捉えられがちですが、役割を見ると、インサイドセールスの延長線上にあるものです。どちらが優れているという訳ではなく、相互で連携していくことが、営業活動を効率化していくポイントです。

▶︎インサイドセールスの4つのパターン

テレアポとの違い

インサイドセールスの主なコミュニケーション手段は、電話です。そのため、「インサイドセールス=テレアポ」と捉えられることがありますが、両者には違いがあります。

テレアポは、電話で「アポイントメント(商談)」を獲得することが主な目的です。そのためアポイントメントの質ではなく、いかに多くの量の商談を生み出すかが重要になってきます。

インサイドセールスももちろん商談を生み出すことは重要ですが、主たる目的は見込み顧客へのヒアリングを通して情報収集を行い、長期的なコミュニケーションで温度感を高め、受注へと繋げることです。

またテレアポはコミュニケーションの手段が、電話やメールに限られるのに対して、インサイドセールスは電話とメールに加えてDM・チャット・オンライン営業ツールなど多岐に及びます。

インサイドセールスが注目を集める背景

ここまでインサイドセールスの概要や、フィールドセールス・テレアポとの違いについて解説してきました。

そもそもインサイドセールスは、広大な国土を誇るアメリカで生まれた営業の仕組みです。営業担当者が顧客の元に訪問するために、西海岸から東海岸まで移動するなど、多くの時間やコストをかけなければならず、非効率的でした。

アメリカと比べると国土が狭い日本では、当初インサイドセールスは流行らないと考えれていました。

しかし労働人口の減少といった社会的な背景もあり、2016年前後から徐々に注目を集め、2020年には新型コロナウイルスの影響で、対面での営業活動ができなくなったことから、非常に高い関心を集めています。

ここからは、なぜ今インサイドセールスが企業に求められているのかについて詳しく解説していきます。

慢性的な営業人材の不足

少子高齢化による労働人口という社会背景に加えて、フィールドセールスは外回りの営業で「きつい」というイメージがあり、若者から選ばれにくい職種になっています。

新しい人材の確保が難しい中、企業には限られた営業の人員で、いかに無駄な営業活動を減らして、効率よく契約を受注していくのかが求められています。

Hubspot社が、2019年に行なった「日本の営業に関する意識・実態調査」によると、日本の営業担当者は「働く時間の約25.5%は無駄」であると回答しています。これは、顧客情報が明確に管理されておらず、やみくもな営業活動を余儀なくされているという営業担当者の意識が現れているものと見られます。

インサイドセールスは、リードの質を高めてフィールドセールスにトスアップする機能があるので、お問い合わせに対してとりあえず訪問してみるといった「やみくも営業」をする必要がないので、少ない営業人員でも、効率よく契約を受注に繋げることができます。

顧客の購買行動の変化

インターネット環境が普及したことにより、顧客はWeb上で情報を収集し、他社製品などと比較・検討しながら、購買フェーズに移るようになりました。

このような購買行動の変容により、従来のように営業が顧客に直接アプローチをして、商材の説明を一から行う必要が無くなりました。

実際に、営業電話や飛び込みといったアウトバウンド営業を一切受け付けていないという顧客も増えています。

オンラインで多くのリードを獲得できるようになった

Web広告技術の発達やSEOのノウハウの普及によって、顧客に直接アプローチをしなくても、ホワイトペーパーをはじめとする資料のダウンロードやメルマガの登録などによって、Web上で多くのリードを獲得できるようになりました。

またマーケティングオートメーションが、企業に普及したことにより大量のリードを管理し、適切にナーチャリングしていくことも可能になっています。

このような大量のリード全てに訪問営業をすることは困難なので、受注確度の高いホットリードを抽出し、そこにフィールドセールスを投入する営業手法が広まりつつあります。

オンライン営業ツールによって複雑な説明も可能に

メールや電話に限らず、映像や音声を用いて対面と同じレベルで営業活動ができる「オンライン営業ツール」が普及し始めたことも、インサイドセールスの導入が進む一つの要因です。

インサイドセールスには、「相手の顔が見えない」「説明が複雑な商談ができない」という問題点がありました。

しかしオンライン営業ツールは、双方にインターネット環境があれば、場所を問わずにいつでも商談を行うことができます。

多くのツールが「画面共有機能」を備えているので、資料を見せながら商材の説明を行うことが可能です。高機能ながら無料で使えるツールも増えているので、インサイドセールスの導入を後押ししています。

新型コロナウイルスの営業で対面営業が困難に

2020年1月から世界的に蔓延した新型コロナウイルスの影響で、政府からは緊急事態宣言が発令、企業にも「テレワークの実施」など、人と人との接触を抑える努力が求めれています。

株式会社アイ・ティ・アールが、2020年4月に行った「コロナ禍の企業IT動向に関する影響調査」によると、新型コロナウイルスの影響で、直近で営業活動(商談)のオンライン化を実施した企業は、全体の20%に及びます。

新型コロナウイルスの影響が長期化する懸念から、営業活動もオフラインからオンラインへ移行する流れが強くなっています。顧客と直接、接触しないインサイドセールスは、これからの営業スタイルのスタンダードになっていく可能性があるでしょう。

インサイドセールスの4つのパターン

インサイドセールスと一言でいっても、実は企業によって役割が異なってきます。ここでは、インサイドセールスが担っている役割の違いについて4つのパターンに分けて、解説していきます。

1.営業にトスアップするパターン

トスアップ型のインサイドセールスは、電話やメールなどで、見込み顧客とコミュニケーションを取っていきます。見込み顧客の情報を収集するとともに、商品やサービスの説明を通して、興味や関心度を高めた上で、営業部隊へとリードを引き渡します。

2.受注まで完結するパターン

Webサービスや保険といった「無形商材」を扱う企業の中には、クロージングまでをインサイドセールスが担当する場合があります。

SEOや広告から、商品の概要やメリットを訴求するLPなどに流入をさせて、お問い合わせを発生させます。獲得したメールアドレスや電話番号といったリード情報を元に、インサイドセールスが遠隔で営業を行います。

フィールドセールスの部門が必要なく、営業にかかるコストを大幅に削減できるパターンと言えるでしょう。

地方にターゲットがいながらも、営業人員や予算の関係でアプローチできていないという企業や営業人員を多く獲得できない中小・ベンチャーなどでこのようなケースが多く見られます。

3.お問い合わせ内容のヒアリングのみを行うパターン

このパターンは、見込み顧客が資料請求などを行なった際に、その内容や目的をヒアリングするだけの役割を担っています。ナーチャリングの機能は持たず、情報収集のみを行いフィールドセールスに引き継ぎます。

4.ターゲット判別パターン

ターゲット判別型のインサイドセールスは、ターゲットとしない見込み顧客を除外する目的を担っています。
例えば、BtoB向けの商材やサービスに、一般の消費者からのお問い合わせがあることがあります。このような想定知っているターゲット以外で、受注へと繋がらないリードを排除し、営業活動の効率化に貢献します。

インサイドセールスとの相性が悪い商材

インサイドセールスは、「今すぐ客」を素早くコンバージョンさせることを目的としているため、「有形商材」かつ「高単価商材」の営業活動には不向きなことが多いです。

車や不動産といった有形かつ高価な商材は、「現物をしっかりと確認したい」「顔の見えない相手から購入するのは不安」といった顧客ニーズが強い傾向にあるからです。

図面やカタログなどでイメージを与えることはできますが、最終的にはフィールドセールスの力が必要となるでしょう。
この場合は、インサイドセールスをうまく活用して見込み顧客のニーズをヒアリングし、フィールドセールスにトスアップする戦略が考えられます。

インサイドセールスの2つの導入事例

ここからは弊社メンバーのサポートによって、インサイドセールスを実際に導入、実際に事業貢献した事例を2つご紹介していきます。

未経験のメンバー1名で、受注獲得に大きく貢献

オンライン学習サービスを展開するB社では、5〜8名のフィールドセールスが月3件前後の受注を獲得している状況でしたが、売上拡大のために新たにインサイドセールス部門を立ち上げました。

広告で獲得したリードに対してマーケティングオートメーションツールでメールを配信。メールからLPに流入し、フォームに何らかのアクションを起こした見込み顧客に対して、インサイドセールスが架電を行い、クロージングまでを実施しました。

担当したのは、インサイドセールス未経験のメンバー1名でしたが、月で平均して3件の受注をコンスタントに獲得。わずか1名で、フィールドセールスと同等の実績を残し、CAC(顧客獲得単価)の減少に寄与しました。

インサイドセールスを立ち上げ、粗利益75%アップを実現

SaaS商材を扱うA社では、地方にもターゲットがいるのにも関わらず、移動交通費などの営業コストがかかることから、営業活動が首都圏に限られてしまう課題を抱えていました。

そこで新規顧客開拓のために、メンバー2名のインサイドセールス部門を立ち上げ。月500件発生するリードに対して、マーケティングオートメーションツールでターゲットの選別を実施。興味や関心の度合いが高いターゲットに架電を行い、訪問のアポイントもしくは地方で定期的に開催するセミナーへの参加を促し、フィールドセールスへのトスアップを行いました。

セミナーの開催がない地域を含む一部ターゲットに関しては、インサイドセールスがそのまま商談〜受注を獲得する役割も果たしました。

インサイドセールスの立ち上げ前は、5名の営業メンバーが月20件前後の受注を獲得している状況でしたが、インサイドセールス部隊によって新たに月15件の受注を生み出すことに成功。従来の粗利益と比較して75%アップを実現しました。

インサイドセールスを導入を成功させる5つのポイント

インサイドセールスを成功させるためのポイントや注意すべきことについて解説していきます。

1.社長や経営層などトップダウンで導入を進める

インサイドセールスの導入は、社長や経営層の意思決定に基づき、営業組織一体となって行なっていくべきです。

インサイドセールスの導入は、従来の営業文化を変えるため、時にフィールドセールスからの反発を招きます。また、成果が目に見える形で現れるのに時間を要するため、他組織からインサイドセールス の必要性について、厳しく言及される場合もあるでしょう。

社内からの不満の矛先がインサイドセールスに向かわないように、ボトムアップではなく、必ずトップダウンで進め、インサイドセールスの重要性を社内に周知する努力が必要です。

2.インサイドセールスの全体設計ができる人材が必要

インサイドセールスはただ闇雲に導入しても成功に至るケースは滅多にありません。自社のリード獲得〜受注までの営業フローをしっかりと理解した上で、インサイドセールスの設計を行う必要があります。

記事内でも言及しましたがインサイドセールスといっても、商材やサービスなどによって、企業で果たす機能は異なります。クロージングまで担う場合もあれば、ヒアリングだけの場合もあるでしょう。

インサイドセールスをどのような目的で導入し、どんな業務を担うのかを定義せずに立ち上げを行うと、かえって現場が混乱してしまいます。自社の営業フローを見据えた上で、インサイドセールスに持たせる機能を明確にしましょう。

この他にもインサイドセールスの立ち上げ時には、ペルソナやKPIの設計、商談化の確率を高めるための「トークスクリプト」の制作が必要になってきます。そのためインサイドセールスに精通し、全体の指揮が取れる人材をアサインするのが不可欠と言えるでしょう。

3.細かくトラッキングし、改善へと繋げる

インサイドセールスで成果をあげていくためには、細かく数値や内容ををトラッキングしていく必要があります。

例えば見込み顧客に架電数をする場合、以下のような項目をトラッキングします。

  • 1時間あたりの架電数
  • 架電の際のコミュニケーション内容
  • 次のアクションに繋がった件数(アポイント・セミナー参加など)
  • 受注に繋がった件数

仮に広告でのリード獲得単価が1万円の場合、架電の際のコミュニケーションがうまく行かずに受注に繋がらないと、単純計算で1万円の損出がでたことになります。
インサイドセールスの費用対効果を高めるためにも、細かいトラッキングの仕組みを作り、PDCAサイクルを回し、改善へと繋げていきましょう。

4.インサイドセールスの架電内容をチェックする

トークスクリプトを架電担当者に渡すだけでなく、実際にどんなコミュニケーションを取っているのかをチェックしましょう。
実際に見込み顧客との会話では、トークスクリプトに書かれていること以外の内容を話すことがほとんどです。顧客一人ひとりにあったコミュニケーションを取っていく必要があります。

5.見込み顧客にとってもらいたいアクションを定義する

電話やメールでコミュニケーションを取った後に、次に見込み顧客に取ってもらいたいアクションをしっかりと定義しましょう。

例えば、「訪問アポイント」と「セミナー参加」では、受注に至る確率が異なります。

リード数(100件)×セミナー参加(10%)×受注率(50%)=5人

リード数(100件)×訪問アポ(20%)×受注率(20%)=4人

ゴールデンルートを把握することで、トークスクリプトの設計やインサイドセールスの役割そのものが変わってきます。

どちらが優れているか商材やサービスによって異なりますが、インサイドセールスの担当者は、最終的に受注確率の高い「ゴールデンルート」をしっかりと把握しておく必要があるでしょう。

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