「自身の成長を実感できる時そこには必ず“人”の存在があった」私がMOLTSにいる理由|菊池真也

「自身の成長を実感できる時そこには必ず“人”の存在があった」私がMOLTSにいる理由|菊池真也

長年、広告・デジタルマーケティング業界に従事した後、2018年3月にMOLTSのグループ会社でデジタルマーケティング領域のエージェンシー事業を行うSTAUTに入社し、2019年3月より取締役兼COOに就任した、菊池真也

STAUTを会社として成長させることにコミットしてきた彼は、入社前、独立も検討していたという。独立する実力があるにも関わらず、MOLTSにいる理由とは——。

「何をやりたいかではなく、誰とやりたいか」。独立ではなく、STAUTへの入社を決めた理由

——菊池さんは長年、広告業界に従事されています。そのきっかけは、何だったのでしょうか?

これまでさまざまな企業で広告運用やデジタルマーケティングに携わってきましたが、キャリアのスタートは飲食業なんです。店舗経営を5年ほどやっていたのですが、当時、僕が面白さを感じていたのが販促の部分でした。メールを配信したりDMを送ったりといった販促施策もクリエイティブ1つで反応率が変わることが、面白いなと思っていて。

そこから、クリエイティブというものに憧れを抱くようになりました。また、漠然とした広告業界への憧れもあって広告代理店に転職をしたというのが、最初のきっかけです。

当時はリスティング広告が急成長していたので、その広告代理店では、100社以上のリスティング広告運用を担当することになりました。その後、株式会社アイレップで運用型広告のコンサルティングを担当し、その次の転職先のGMOペイメントゲートウェイ株式会社ではEC企業のデジタルマーケティング支援を担当していたので、現在に至るまでデジタルマーケティング領域で仕事を続けていることになります。

——そんなキャリアを持つ菊池さんがMOLTSグループであるSTAUTへの入社を決意した理由を教えてください。

「この業界で一通り経験を積んできたし、一段落したタイミングなのかな」と思い、GMOペイメントゲートウェイ株式会社を退職してフリーランスになる、もしくは独立することを考えていました。

そんなとき、STAUTの代表を務める松尾と久々に飲む機会があったんです。実は、松尾は以前勤めていたアイレップ時代の直属の上司なのですが、そのときに酒を交わしながら「松尾と仕事をしていたときが自分自身の“成長”を最も感じられたときだったな」というのを思い出して。

周りでも独立して活躍している人がいたこともあり、僕自身「独立しても、きっと食いっぱぐれることはなさそうだな」とは思っていました。けれども、“成長”という観点で見たとき、独立という選択肢に疑問があったんです。

その後、MOLTSの代表の寺倉そめひこに会って話をする機会があり、そこで「何をやりたいかより、誰とやりたいか」を大切にしているという話を聞いて、“しっくり”きたんですよね。

「早く行きたいなら、一人で行け。遠くに行きたいなら、みんなで行け」(If you want to go fast, go alone. If you want to go far, go together.)という言葉がありますが、独立して得られるような自由な働き方には憧れがあったものの、寺倉と話をしたとき、それよりもチームでやっていく達成感や刺激し合える仲間がいることが自分の中では大事な要素なんだって気付いたんです。そういった環境で自分自身の成長を感じられることが一番だなと思ったんですね。

あと、「クリエイティブに憧れがある」と言っておきながら、僕自身はクリエイティブが苦手で……(笑)。ただ、MOLTSにはデジタルマーケティング領域を担うSTAUTという会社の他に、オウンドメディアマーケティングのエージェンシーでクリエイティブにも強いKRAFTという会社があり、「相互にシナジーを生み出せるMOLTSは魅力的だな」と思えたことも、入社の決め手になりました。

問題を「発明」できるかどうか。「広告を配信しました」は僕らの仕事ではない

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——実際に入社して1年が経ちましたが、この1年を振り返ってみて、どんな思いを抱いていますか?

「振り返る余裕すらなかった」というのが、正直な感想です。「2018年って、ワールドカップ(2018 FIFAワールドカップ ロシア)やオリンピック(2018年・平昌オリンピック)があったんだな……」とようやく思い出せるくらい、毎日が必死でした。

というのも、全員が独立採算で動くMOLTSでは自分の給与は自分でしっかり稼がないといけません。それはイコール、「自分はクライアントに対して価値提供ができているのか」を問い続ける毎日を送ることでもあります。だから、日々、「自分のパフォーマンスを最大に発揮して、成果でクライアントにお返ししなければ」というプレッシャーがありました。

STAUTは社長や事業責任者クラスの方とお仕事をする機会が多く、一つひとつの意思決定が非常に重い案件が多くあります。また、デジタルマーケティングのエージェンシー事業が主ではあるものの、昨今は「インハウスで広告運用を行いたい」という企業が増えており、教育研修やコンサルティングを提供する機会も増えてきました。

僕たちはこの業界でよく言葉にされがちな「予算を消化する」という考え方が嫌いです。なぜなら、広告を配信することだけが僕たちの仕事ではないからです。

お預かりしている予算を投資金額と捉え、いかにリターン(売上・利益)でお返しするか——。判断がつきにくい事柄が多いからこそ、当たり前のことを確実に遂行し、提示する施策が本当に成果へと結びつくかどうかを考え抜いた上で、自信を持って「この場合は、Aです。この場合は、Bです」といった明確なご提案をすることが重要だと考えます。

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——クライアントへの価値提供で、特に意識していることは何かありますか?

2つあって、1つは視座を下げないことです。クライアントの現場に入って、売上をどうつくっていくか、どうグロースさせていくかを立案していくのですが、コンサルタントとして入っている以上、クライアントの現場メンバーの視座に合わせてはいけません。

例えば、現場メンバーの方から「リソースが足りないので、その施策ができない」と言われたとしても、「リソースがなかったら確かに厳しいですね……」と後ろ向きに対応するのではなく、現場に嫌われてでも成果にコミットする、そしてその重要性を啓蒙するコミュニケーションを取らなければなりません。

クライアントの現場メンバーと仲良くなったけれども成果が出せなかった……では、僕らの価値はないわけです。

もう1つは、問題を発明するという意識を持つこと。僕らのビジネスは、分析して、課題を見つけて、解決策を見出して、アクションをするというPDCAの繰り返しですが、それはもう当たり前のことなんですよね。

しかも、分析の精度の向上や課題特定に関する部分はもうAIが台頭してきていて、人間だけの仕事ではなくなっています。そうなったときに僕たち人間がやるべきことは、奥深い場所にある本当の問題は何だろうか?と問い続け、クライアントの現場に入って、クライアントと対峙して、問題を発明していくことなんです。

そういった観点で最適なプロジェクトチームを組んで、ときにはフリーランスや広告代理店と連携して成果にコミットしていくのが僕たちSTAUTであり、STAUTが提供すべき価値だなと考えています。

「マーケティングの主語はユーザーであり続けたい」。売上は伸ばせたとしても、美味い酒が飲めるとは限らない

——この1年で、MOLTSの理念「美味い、酒を飲む。」を実感した経験はありましたか?

とある案件で、クライアントの売上が3倍になるという成果を出すことができました。そのクライアントとの飲み会で「本当に感謝している」と言っていただけたときの酒は、美味い酒だったなと思います。

でも、「美味い、酒を飲む。」のはとても難しいなと感じているんです。

この1年、クライアントワークを通じて案件を増やし、「STAUTとして事業を成長させることができた」と思っています。しかし、ビジネスの現場に目を移してみると、自分たちの売上に目がいきがちで、クライアントへの価値提供をおろそかにしてしまう状況下にかなり陥りやすかったなと。かなりの頻度で「これをやればシンプルに自分たちの売上は伸ばせるけど、それで美味い酒は飲めるのか?」という状況に直面したんです。

事実、僕自身、この1年は「STAUTとして、稼げるか」というマインドに寄りがちでした。

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けれども、寺倉や松尾は、常日頃、頻繁に「それで本当にクライアントと美味い酒を飲めるか?」と言います。「本当にクライアントに価値提供できるのか」「美味い酒が飲めるのか」という問いを軸としたカルチャーが、MOLTSには根付いているんです。さらに、理想で終わらせないための仕組み化ができているので、「美味い酒を飲めるのか?」って感じたとき、立ち返ることができるんですね。

「顧客満足度を高めましょう」「クライアントファーストだ」と掲げていても、実際は企業を持続させていくために「企業ファースト」になっている会社は多くあると思いますが、MOLTSは「美味い、酒を飲む。」という理念を愚直に追い求めているんです。

その理念に共感したメンバーが集まって互いを刺激し合う、ある意味拠り所のような場所——。それが、僕にとってのMOLTSです。もっと美味い酒を飲むためにも、クライアントへの価値提供をより実現できるよう、成長していきたいなと思っています。

——最後に、菊池さんの今後の展望を教えてください。

「マーケティングの主語はユーザーであり続けたい」という考えを持っていて、クライアントへの価値提供はもちろん、その先にいるユーザーの目線も大事にすべきだと考えています。

例えば、マーケティングの現場では、「自分たちはこう売りたいから、こうやって訴求したい」「競合がこうしているから、自分たちはこうしたい」など、ユーザー視点が欠落し、マーケティングの主語が“自分たち”になってしまっているケースが往々にしてあります。また、「マーケティングの主語はユーザーであるべきだ」とわかっていながらも、ブレてしまうこともある。でも、それでは美味い酒は飲めないじゃないですか。

だからこそ、今後はより一層自らの視座を高めていき、クライアント、エンドユーザーにしっかりと自分とSTAUTの価値を届けていきたいですね。

著者情報

SHINYA KIKUCHI

菊池 真也

Marketing Strategist / Consultant

業界歴15年。運用型広告のコンサルティング、インハウス化支援、代理店の組織構築などを行う。成果を最大化するためのチームビルディングが得意。

担当領域の
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  • ECマーケティング
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