【完全版】Web広告代理店の選び方|事業目標に最適なパートナーの見極め方
この記事でわかること
Web広告の運用代行を検討している企業担当者の中には、「おすすめランキング」や「売上ランキング」などを参考にしたいと考えている方も多いと思います。
確かにWeb広告代理店にはさまざまな会社があるので、どのように選べばよいか分からず、一定の基準でピックアップされたおすすめの代理店を知りたい、と考える気持ちはよく理解できます。
しかしWeb広告代理店を売上や知名度“だけ”で判断すると、失敗してしまう可能性があるので注意が必要です。
なぜならWeb広告で成果を上げるために大切なのは「運用」であり、その運用の成否を分けるのは、代理店そのものではなく「担当者のスキルやチーム体制」だからです。仮におすすめ一覧に掲載されていたWeb広告代理店を選んでも、運用担当者の経験が浅ければ期待していた成果が得られないこともあります。
では、本当に成果を出してくれるWeb広告代理店とその担当者を選ぶには、どのように候補を見つけ、どんな点に注目して相性の良し悪しを判断すればよいのでしょうか。
本記事では、過去に広告代理店で100社以上のリスティング広告運用を経験し、現在では運用型広告の領域で様々なクライアント支援を行っている私が、失敗しにくい広告代理店の選び方を解説していきます。
売上ランキングだけで依頼先を決めるとどのような失敗に繋がるのか、初心者でも相性の良い代理店を選ぶにはどうすればよいのかをお話ししていくので、ぜひ参考にしてください。
売り上げ上位の大手Web広告代理店=安心とは言い切れない理由

冒頭でも述べた通り、「知名度のある大手代理店だから」「売上ランキングの上位に掲載されているから」などの理由で、安易に代理店を決めるべきではないと考えています。
その理由は、仮に実績のある代理店を選んだとしても、実際にアサインする運用担当者が本当に実力があるとは限らないからです。
例えば広告予算の規模が小さい企業がWeb広告代理店に依頼した場合、優秀なベテラン運用者ではなく、経験の浅い新人が運用担当につくことがよくあります。すると期待通りの成果を上げられずに終わってしまうこともあるでしょう。

また運用担当者がある程度経験を積んだ社員であったとしても「依頼主の業界に関する経験や事業への理解が浅い」「案件をたくさん抱えておりリソースがほとんど割けない」といったことがあると、思うように成果を出せない可能性があります。他にもその運用担当者がどのようなPDCAを回してくれるのか、そしてそれは依頼主が求めている内容にマッチしているのかなど、相性の良し悪しがあることを覚えておかなければいけません。
このように、委託先がいかに実績のある大手Web広告代理店だったとしても「その時アサインされた担当者が、その案件で成果を出してくれるかどうか」はまた別のお話です。そのため大手代理店だから安心して任せられるとは、一概には言い切れないのです。
Web広告代理店を選ぶ際は、「代理店自体」と「運用担当者」の2つをチェックする
ここまでお話ししてきた通り、Web広告代理店を選ぶ際は、運用担当者のスキルセットや自社との相性を確認することが最も重要です。
ただし1点だけ誤解しないでいただきたいことがあります。本章でお伝えしたいのは「大手のWeb広告代理店を利用すべきではない」ということではありません。
むしろ大手の代理店であれば、通常の代理店に比べて教育体制などが整っていたり、カスタマーサポートの品質が高かったりするので、基準値は高いと考えてよいでしょう。
しかしそのような代理店の品質“だけ”で良し悪しを判断すると、前述したように期待通りの結果にならないことがあります。そうではなく「代理店自体」と「運用担当者」両方の質や相性を確認しなければいけない、という主張であることをご理解いただければと思います。
それではここからは「代理店自体」と「運用担当者」に分けて、どのように相性を見極めればよいのかを解説するので、代理店選びの参考にしてみてください。
Web広告代理店を選ぶ際は、何を参考にすればよいのか

まずは「代理店自体」についてです。世の中に数多く存在するWeb広告代理店の中から、候補をピックアップし絞り込むにはどうすればよいのでしょうか。
私は普段、以下のいずれかの方法がおすすめだとご説明しています。
実際にWeb広告代理店を利用したことがある知人に紹介してもらう
SNSを活用して、Web広告業界に精通している人や代理店の社員に相談してみる
Yahoo!マーケティングソリューションの「セールスパートナー 一覧」を参考にする
選び方①:実際にWeb広告代理店を利用したことがある知人に紹介してもらう
まず、Web広告代理店の候補を決める段階で最もおすすめしたい方法が、知人からの紹介です。例えば普段から仲良くしている他社のマーケターや、知人の経営者などに、相性の良い代理店と運用担当者を探していることを相談してみてください。
この時に、利用して良かった代理店を教えてもらえたのであれば、同じ運用担当者を指名して問い合わせをしてみるのがおすすめです。
なぜこの方法を最も推奨しているのかというと、自社と相性の良い代理店や運用担当者を見極めることは、Web広告業界に詳しくない方にとっては非常に難しいと考えているからです。
そもそも良いWeb広告代理店かどうかを判断するには、外から見ただけでは分からない要素がたくさんあります。
事業側のチームの一員として、成果を出すための幅広い施策を提案してもらえるか?
(中には言われたことしか行ってくれない代理店・運用担当者がいる)ノウハウや実績が豊富か?
運用担当者の教育体制は整っているか?
高品質なクリエイティブ作成を行ってもらえるか?
(本格的なクリエイティブ制作に対応していないことがある)最低費用やマージン等の料金体系が条件に合うか?
各種広告費や運用費用などを一本化して請求書払いできるか?
(一本化できない場合、支払いが煩雑になる可能性がある)広告アカウントの開示は可能か?
(広告アカウントを開示してもらえず、運用がブラックボックス化してしまうことがある)
例えば、Web広告以外にも様々なソリューションを提案してくれる代理店だったとしても、「高額な広告費を後払いできず、全て先払いになってしまう」という場合は、依頼しづらいと感じる企業も多いでしょう。
そのため上記のような複数の要素を総合的に見て、自社との相性が良い代理店かどうかを判断しなければいけません。
しかしこれらを、Web広告運用の初心者が確実に見極められるでしょうか。
少なくともインターネットの情報や売上ランキングから判断することは難しいと考えられます。特に広告代理店を初めて利用する方であれば、そもそも「普通の代理店の基準」が分からず判断できない、と悩んでしまうケースも多いでしょう。
このような理由を踏まえて私は、実際にWeb広告代理店の利用経験がある人に相談することを推奨しています。運用や様々な提案をしてもらい(もしくはしてもらえず)、大きな広告費や手数料を支払ったことがある方であれば、実体験に基づいたアドバイスができるからです。
やはり実際に利用した人の口コミに勝るものはない、と考えています。
ただしこのときに注意していただきたいことがあります。それは先ほどから繰り返しお伝えしている通り、代理店を選ぶ際は必ず運用担当者にも注目しなければいけないということです。知人に代理店を紹介してもらったとしても、アサインされる担当者が違えば、結果が大きく異なる場合があります。
そのため知人に相談する際には、「どの代理店の、どの担当者がおすすめなのか」という部分まで聞いてみるのがおすすめです。
選び方②:SNSを活用して、Web広告業界に精通している人や代理店の社員に相談してみる
「Web広告代理店を利用したことがある知人がいない」「身近に相談できる人がいない」という場合は、SNSを活用して、Web広告業界に詳しい人に相談してみるのも良いでしょう。
また最近ではTwitterやFacebookなどで、広告代理店の社員が情報発信をしていることがあるので、その方に以下のようなことを相談してみるのもおすすめです。
- 自社の広告運用の目的や、依頼を考えている背景
- その代理店(もしくは運用担当者)の専門性やリソース
- どのような方が担当についてくれるのか
- どのような運用を行ってもらえるのか
もし相性が良さそうであれば一度お願いしてみるのも良いですし、合わないようであれば、別の代理店でおすすめのところ(相性が良さそうなところ)がないかを聞いてみるのも良いでしょう。
選び方③:Yahoo!マーケティングソリューションの「セールスパートナー 一覧」を参考にする
①の口コミ、②のSNS、どちらも利用できない場合は、Yahoo!マーケティングソリューションが提供する「セールスパートナー 一覧」のページを参考にして、代理店候補をピックアップするのがおすすめです。
▼セールスパートナーとは
Yahoo! JAPANの厳正な審査を経て契約を締結し、公式に認定された広告会社です。豊富な販売実績にもとづきコンサルティングや各種サポートを提供します。
引用:セールスパートナー – Yahoo!マーケティングソリューション
セールスパートナー一覧のページでは、「一定の売上基準を満たしたパートナー(代理店)」と「その代理店が得意とする広告媒体や領域」が分かるので、自社の課題と相性が良い代理店を探す際に、役に立つことがあります。
ただしこのページは、各代理店を売上で評価したものです。再三お伝えしている通り、代理店選びに最も重要なのは「誰がどのような運用を行ってくれるのか」です。そのためこのページはあくまで目安として、数多くの代理店の中から候補を選ぶ際の、一つの物差しとして活用してみてください。
候補のWeb広告代理店を選んだ後、良い担当者がついてくれるかどうかを見極めるポイント

ここまでは、Web広告代理店自体の選び方を解説してきました。候補をピックアップできたら、次はその代理店の「運用担当者」に目を向けていきましょう。
運用担当者との相性を確かめるには、以下の3点を意識してみてください。
できれば営業担当者ではなく、運用担当者本人に話を聞くようにする
運用担当者のスキル・経験・運用方法などを確認する
運用担当者のリソースと、運用代行費用を確認する
担当者の確認①:できれば営業担当者ではなく、運用担当者本人に話を聞くようにする
まず前提として、Web広告代理店に運用の相談をすると、一般的には営業担当者と話をしていくことになります。しかしできれば、運用担当者本人に直接相談するのが望ましいです。
営業担当者のお話は代理店そのものについて理解する際には参考になりますが、運用担当者がどのような経験を持ち、どのような運用を行ってくれるのかという点までは、詳細に聞き出せないケースがほとんどです。
営業担当者から一通り説明を受けたら、「スキルセットやどのようなPDCAを回してくれるのかを知りたいから、運用担当者と直接話しをさせてほしい」と伝えてみてください。
ただしもちろん、全ての代理店が依頼前に運用担当者と直接話しをさせてくれるわけではありません。そのためいくつか候補を選んでいるなら、運用担当者と話しができた代理店(かつ内容に納得した代理店)から優先的に選んでいくと良いでしょう。
担当者の確認②:運用担当者のスキル・経験・運用方法などを確認する
運用担当者と話す機会をもらえたら、まずは運用担当者の基本情報や運用方法について、以下のようなことを詳しく聞いていきます。
- 広告運用の経験年数
- 過去の運用実績
- 依頼したい業界に関する運用経験
- 幅広くメディアプランニング(広告を出稿するメディアの選定や出稿計画など)ができるか
- クリエイティブの制作をサポートしてくれるのか
- 日次/ 週次/ 月次でどのような運用調整をし、どのようなレポートを出してくれるのか
- どれくらいの頻度でどのような内容のミーティングが開かれ、その場にいる担当者は誰なのか
- その他どのような分析を行い、どうPDCAを回していくのか
これらを踏まえて、本当に自社の事業や求める内容にマッチしているのかを考えてみてください。
なお担当者選びでよくある失敗に、例えば以下のようなことがあります。
- 運用実績が豊富だったとしても、広告主の業界経験がなく最適な運用が行えない
- 運用担当者が言われたことしかやってくれず、「作業屋」のようになってしまう
- レポートが月に1回しか送られて来ないなど、PDCAを正しく行ってもらえない
上記のようなポイントを一つずつ確認するのが難しいと感じる場合は、やはり前述の通り、利用者の口コミを参考にするのが最も確実だと言えます。
成果を生み出す担当者に養われている「広告をコミュニケーションとして捉える視点」
優れた運用担当者を見極める上で重要だと考えているのが、「広告をただの宣伝ツールではなく、ユーザーとのコミュニケーション手段として捉えられているか」という視点です。成果を出している担当者は、アルゴリズムやデータ分析の知識はもちろん、その先にいる「人」を常に意識しています。
具体的には、こんな質問をしてみると良いでしょう。
- 「ユーザー心理をどのように広告運用に反映させていますか?」
- 「競合分析をする際に、どんな点に注目していますか?」
- 「カート離脱などの課題にどのようにアプローチしますか?」
こうした問いかけに対して、「ユーザーの立場になって考える」「競合との比較で自社の強みを見出す」「カート前後のコミュニケーションを見直す」といった回答ができる担当者は、単なる「広告の設定調整」を超えた価値を提供してくれる可能性が高いでしょう。
<成果を出す広告担当者の3つの特徴>
- データだけでなく、その先にいるユーザーの気持ちを常に考え、行動を予測できる
- 広告からLPへの導線、そしてコンバージョンまでの全体のユーザー体験を設計する視点を持つ
- 「技術的にできること」より「ユーザーに届くコミュニケーション」を優先できる
これらの視点を持った運用担当者は、思わぬ媒体でも驚異的な成果を上げたり、カート周りの改善で離脱率を大幅に下げたりするなど、従来の常識を超えた成果を生み出せます。
担当者の確認③:運用担当者のリソースと、運用代行費用を確認する
運用担当者がどれくらいのリソースを、自社の広告運用に割いてくれるのかを確認しておきましょう。
例えば優秀な担当者でもリソースが10分の1しか割けないのであれば、本来の高品質な運用や提案などができない可能性があります。一方でそこまで経験が豊富でなかったとしても、リソースを十分に確保でき熱意をもってフルコミットしてくれる担当者であれば、相性が良いケースもあります。
一つの目安として、担当者一人で10社以上の案件を抱えている場合はリソース不足の可能性があるので、注意が必要です。
また優秀な運用担当者に依頼するには、運用代行費用(マージン)が通常よりも高額になるケースがあります。費用がかかりすぎるようであれば、予算に合わない可能性もあるので注意が必要です。
運用代行費用は「広告費の20%程度」が一般的なので、この金額と大きく乖離していないかを確認するようにしましょう。
このようにスキルや業界・リソース・費用などを総合的に考えて、その運用担当者と本当に相性が良いのかを確認してみてください。
Web広告代理店の相見積もりには注意が必要

「Web広告代理店の相見積もりを行い、費用と内容に一番納得がいくところに依頼したい」と考えている方もいるかもしれません。
しかしWeb広告代理店の相見積もりをしようとすると、優秀な運用担当者にアサインしてもらえなくなる可能性があるので注意が必要です。
代理店側からすると、コンペに優秀な運用担当者を割り当てた場合、もし契約に至らなければ、費やしたコストやリソースが無駄になってしまいます。また優秀な運用担当者は既に多くの企業を抱えていることが想定されるので、それらの案件がおざなりになる恐れがあるというデメリットもあります。
こういった理由からそもそもコンペを断っている代理店も多く、仮に参加する場合でも、比較的リソースが空いている経験の浅いメンバーが担当につく可能性があります。するとここまで解説してきた通り、いくら代理店自体の提案が良くても、運用担当者との相性が合わず、思うような成果を得られないことがあるのです。
コンペによって複数の代理店を比較した方が安心して依頼できることは十分に理解できますが、それによって逆に運用担当者のレベルが下がってしまうことも考慮しなければいけません。もし相見積もりを行うのであれば、代理店の提案や費用だけではなく、しっかり運用担当者とコミュニケーションを取り、どのようなPDCAを回してもらえるのかを確認するようにしましょう。
まとめ|Web広告代理店を選ぶ際は、運用担当者との相性を忘れずに確認する
Web広告代理店を選ぶ際は「運用担当者」との相性を必ず確認しなければいけません。広告運用の成果は、代理店そのものよりも、実際に運用を行う担当者のスキルや経験・チーム体制などに大きく左右されるからです。
しかしWeb広告運用を初めて依頼する方が、運用担当者との相性を正確に見極めることは難しいと言えます。またWeb広告代理店の候補をピックアップする際も、基準が分からず判断に迷ってしまう方が多いでしょう。
そのためWeb広告代理店を選ぶ時は、知人から紹介してもらうことと、SNSを活用して広告業界に精通した人やWeb広告代理店の社員に相談することを特に推奨しています。
ぜひ本記事の内容を参考に、成果を出してくれる相性の良い代理店とその運用担当者を探してみてください。
よくある質問とその回答
「実際にアサインされる運用担当者との相性が良い代理店」に依頼するのがおすすめです。
Web広告で成果を出せるかどうかは、代理店の良し悪しではなく、運用担当者のスキルや経験・チーム体制が大きく影響するからです。仮にWeb広告代理店そのものの評判が良かったとしても、「実際にアサインされる運用担当者が本当に成果を出してくれるのか」は別のお話です。
以上の理由からWeb広告代理店を選ぶ際は、その会社の運用担当者がどのような経験・実績を持っているのかを確認し、実際に運用担当者に直接お話しを聞いてみるのが良いでしょう。
なお弊社MOLTSでもWeb広告の運用代行を行っており、運用担当者のプロフィールや実績などを公開しています。まずは一度「広告運用の支援内容」をご覧ください。
Web広告代理店を選ぶ際には、以下のような点を確認する必要があります。
- 事業側のチームの一員として、成果を出すための幅広い施策を提案してもらえるか?
- ノウハウが組織に蓄積されているか?
- 運用担当者の教育体制は整っているか?
- 高品質なクリエイティブ作成を行ってもらえるか?
- 広告費の後払いに対応しているか?
しかしこれらをWeb広告運用の初心者が見極めるのは難しいため、私は「Web広告を利用したことのある知人に紹介してもらうこと」を最も推奨しています。
詳細は「Web広告代理店を選ぶ際は、何を参考にすればよいのか」をご覧ください。
著者情報
SHINYA KIKUCHI
Marketing Strategist / Consultant
業界歴16年以上。運用型広告のコンサルティング、インハウス化支援、代理店の組織構築などを行う。 成果を最大化するためのチームビルディングが得意。
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