リスティング広告代理店の選び方|費用やメリット・デメリットを解説
この記事でわかること
- リスティング広告代理店に依頼した場合の費用相場
- リスティング広告代理店の探し方
- リスティング広告代理店の見極め方
「リスティング広告の運用を代理店に依頼する費用は?」「リスティング広告の運用を依頼したいが、優良な代理店の選び方がわからない」
本記事をお読みの方の中には、このような悩みを抱える企業担当者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。
後ほど詳しく解説しますが、リスティング広告の運用を代理店に依頼した場合の報酬形態は以下の3種類があります。
報酬形態 | 特徴 |
---|---|
手数料型 | 広告費に応じて手数料の金額が決まる |
定額型 | 広告費や作業工数に応じて手数料が決まる |
成果報酬型 | 成果に応じて手数料の金額が決まる |
手数料型の場合、代理店の手数料相場は下記の図解のように、広告費の約20%とされています。
ただし、上記はあくまでも相場であり、かける広告費用によって手数料が変動するのが一般的です。そのため、広告予算を決めるには、手数料の構造について、事前に知識をつけておくことが大切です。
また広告代理店ごとに、その会社の得意不得意や専門性によって、サービスの範囲は異なります。
大手や知名度があるから、というだけの理由で代理店を選んでしまうと、新人や業界での広告運用経験がない担当者がつけられたり、運用に充分なリソースが割かれない可能性もあります。
そのため、代理店選びでは「担当者のスキルやチーム体制」を見極める必要があります。
本記事では、100社以上のリスティング広告運用経験を持ち、現在さまざまな企業のリスティング広告運用支援を行っている筆者が
- リスティング広告を代理店に依頼した場合の費用
- リスティング広告を代理店に依頼するメリット・デメリット
- 相性の良い広告代理店の選び方
- 依頼前に自社であらかじめ決めておくべきポイント
について解説します。
本記事をお読みいただくことで、リスティング広告を代理店に依頼する場合の予算の立て方や、どのように代理店を選ぶべきかがわかりますので、ぜひ最後までお読みください。
リスティング広告代理店の選定でお困りではないですか?
費用感や選び方、自社に適した代理店の活用方法などが分からず悩む方も多いのではないでしょうか。
- 代理店に依頼しつつも、将来的には内製化して費用を抑えて運用したい
- 既に代理店に任せているが、適切に運用できているのか診断してほしい
- 自社の課題や目的に対して最適な予算・体制・関わり方を提案してほしい
リスティング広告の代理店にまつわるお悩みは、デジタルマーケティングの支援実績が豊富なTHE MOLTSにお気軽にご相談ください。リスティング広告の運用に精通したプロフェッショナルが、現状を把握・分析して運用設計や施策支援、インハウス化の支援など、貴社に最適なプランをご提案させていただきます。
リスティング広告代理店に依頼できること
リスティング広告を外注する場合、代理店が請け負ってくれる業務範囲は、それぞれの代理店との契約内容によって異なります。
もっともベーシックな契約の場合、戦略立案から広告アカウントの開設〜入札調整(入札単価・広告文・キーワード・リンク先の選定など)までを広告代理店が担当し、週次や月次のレポートにて成果が報告されるのが一般的です。
クリエイティブ制作やウェブ解析、SEO対策なども含めて依頼する場合は、広告運用代行の手数料にプラスして別途費用が発生することがあります。
ただし、一部の代理店では、運用費が高額になる場合、クリエイティブ制作やウェブ解析の費用が手数料に含まれるケースもあるため、依頼前に確認が必要です。
前提として、広告代理店への依頼を検討している場合は、「いつ」「どのような」支援が必要かを明確にしておきましょう。
リスティング広告運用を代理店に依頼する費用と予算の決め方
代理店に広告運用を依頼した場合の報酬形態は、以下の3種類があります。
報酬形態 | 特徴 |
---|---|
手数料型 | 広告費に応じて手数料が決まる |
定額型 | 広告費や作業工数に応じて手数料が決まる |
成果報酬型 | 成果に応じて手数料が決まる |
このように、代理店によってどのような報酬形態を採用しているかは異なります。本章では、目安を把握するためにも、一般的な報酬形態である手数料型の相場を解説します。
代理店の手数料相場
「手数料型」でリスティング広告の運用を依頼する場合、月に運用する「(媒体)広告費の約20%」が手数料の相場となっています。例えば、月々120万円の広告費をかける場合、24万円が広告代理店に支払う手数料(※)となり、合計で144万円の予算が目安になります。
※厳密には媒体(Yahoo!・Google)ごとにそのうちの何%が代理店にキックバックされるかが変わるため、そのまま20%分が代理店の取り分になるかが変わる場合もあります。
→ 予算:144万円
また、一部の代理店では、グロス金額(広告配信をするにあたって使用した費用の総額)を基準として、約20%を手数料としているケースもあります。仮に月々120万円でオーダーをする場合、広告費が100万円、手数料が20万円になります。
ただし、この手数料20%という数値は、予算の大小によって変動するのが一般的です。
例えば、月2,000万円の広告費を運用する場合、代理店に支払う手数料が約400万円と高額になってしまいます。そのため、月々の予算が高額な場合は、手数料が広告費の10〜15%などに下げられるケースがあります。
一方で、月20万円という少額の広告費の運用をする場合、代理店の手数料は約4万円となってしまい、代理店側は人件費や工数を考慮すると、割に合わなくなってしまいます。100万円以下など予算が少額の場合、手数料20%とは別に固定の手数料として5〜10万円が設定する「固定報酬制」を併用している代理店もあります。
少額からの運用代行は可能?
大手の広告代理店の場合、上記のように代理店としては報酬が割に合わないという理由によって、月々の広告費が100万円以下のような少額からの運用代行は依頼できないケースが多くなっています。
少額からのリスティング広告の運用代行を依頼する場合は、中小企業支援向けの広告代理店に依頼するか、もしくはフリーランスの運用担当者を見つける必要があるでしょう。
リスティング広告自体の予算の決め方
はじめてのリスティング広告を広告代理店に依頼する場合、リスティング広告の予算をどのように決めて良いのかが分からない…という方もいらっしゃるでしょう。
リスティング広告の予算は目標が決まっていれば以下の公式から算出できます。
目標CPA × 目標CV数 = 必要予算
例えば、目標CPAが10,000円で目標CV数が100件だった場合、必要予算は1,000,000円と算出できます。リスティング広告を実施する目的を明確にし、目標を決めてから予算を決定しましょう。
ただし、リスティング広告は配信データを分析して改善を繰り返しながら、成果を拡大していくものです。成果がすぐに大きく表れるケースもありますが、基本的には2~3か月程度の中期的な計画を立て、予算を決定しましょう。
最初は予算を抑えめにしておき、成果が得られたら徐々に予算を増額していくといいでしょう。
リスティング広告代理店の費用や予算配分にお困りではないですか?
費用感や選び方、自社に適した代理店の活用方法などが分からず悩む方も多いのではないでしょうか。- 自社の課題や目的に対して最適な予算・体制・関わり方を提案してほしい
- 代理店に依頼しつつも、将来的には内製化して費用を抑えて運用したい
- 既に代理店に任せているが、適切に運用できているのか診断してほしい
リスティング広告代理店・運用代行選びでは「担当者とチーム体制」を重視する
リスティング広告代理店に依頼するのであれば、「人気」や「大手だから」といった基準で選ぶべきではありません。なぜなら、大手やランキングなどに掲載されている代理店だとしても、担当者のスキルやしっかりとしたチーム体制が保証されているわけではないからです。
例えば、予算規模が小さい案件では、経験の浅い新人が運用担当者になったり、リソースが充分に割かれないケースは多くあります。多くの場合、思うような成果が出ずに終わってしまうでしょう。
また、担当者が広告運用の経験が豊富だったとしても、自社の業界での広告運用経験やノウハウを持っているかはわかりません。また、PDCAの回し方など自社が求める条件に合っているかといった相性もあります。
つまり、いくら大手広告代理店だったとしても、自社につく担当者やチーム体制によって成果が左右されるということです。
もちろん「大手は避けるべき」ということではなく、名前だけで安心せずに「人」、つまり運用担当者とチーム体制を考慮し判断するのが重要と言えます。
これから解説する広告運用代理店の選び方もこの考え方を念頭に置いています。
リスティング広告運用代理店の探し方
上記のような考え方を元に代理店を選ぶとしても、代理店選びで見るべき点は非常に多岐に渡ります。
例えば、詳細は後述しますが、信頼して任せられる代理店かどうかの判断基準は以下のようなものです。
- 事業側のチームの一員として、成果を出すための幅広い施策を提案してもらえるか
- ノウハウや実績が豊富か
- 運用担当者の教育体制は整っているか
- 高品質なクリエイティブ作成を行ってもらえるか
- 最低費用や手数料等の料金体系が条件に合うか
- 各種広告費や運用費用などを一本化して請求書払いできるか
- 広告アカウントの開示は可能か
初めて広告運用に取り組む場合、これらすべてを正確にチェックすることは難しいでしょう。そこで代理店選びの参考として、以下の方法で候補を探すのがおすすめです。
- 知人の口コミや紹介
- SNSなどで情報発信している代理店の担当者に連絡する
- Yahoo!マーケティングソリューションの「セールスパートナー 一覧」から選ぶ
では、代理店の探し方について、詳しく解説していきます。
知人の口コミや紹介
もっともおすすめな方法は、知人の口コミや紹介です。普段から交流している他社のマーケターや経営者などに代理店を探していることを相談し、もしその人が運用を任せて良かったと感じる代理店と担当者がいれば教えてもらいましょう。
そして、おすすめを教えてもらえたら、その担当者を指名して問い合わせをしてみましょう。
なぜ、口コミを参考にすべきなのかというと、広告運用の初心者が自社との相性をイチから見極めるのは難易度が高く、運用を任せてみないと判断できない要素も多くあります。そこで、実際に利用した経験がある人なら、実体験に基づくアドバイスがもらえるからです。
ただし、繰り返しお伝えしているように、同じ広告代理店であっても担当者が違えば結果は大きく異なります。そのため、代理店だけでなく「どの担当者がよかったか」まで教えてもらい、必ず担当者を指名して問い合わせましょう。
SNSなどで情報発信している代理店の担当者に連絡する
代理店に関する相談ができる知人がいない場合や、そもそも代理店を利用した知人がいない場合は、SNSで情報を発信している広告代理店の担当者に相談してみましょう。
コンタクトを取る際には、以下のことを伝えましょう。
- 自社の広告運用の目的・なぜ依頼を検討しているのか
- その代理店に依頼した場合、どのような運用を行ってくれるのか
- どのような人が担当についてくれるのか
話を聞いて、相性が良さそうであれば一度見積もりを依頼してみるのもいいでしょう。もし自社にはマッチしない場合は、自社と相性が良さそうなおすすめの代理店がないかを聞いてみると、人によっては教えてくれることもあります。
ただし、早々に「他に良い代理店がないか教えてください」と切り出して、気軽に他社を紹介してくれることまでは期待しない方がよいでしょう。
Yahoo!マーケティングソリューションの「セールスパートナー 一覧」から選ぶ
上記2つの方法で選べない場合は、Yahoo!マーケティングソリューションが提供する「セールスパートナー 一覧」のページを閲覧し、代理店候補をピックアップしてみましょう。
セールスパートナー一覧のページでは、以下のようなことが分かります。
- 一定の売上基準を満たしたパートナー(代理店)
- その代理店が得意とする広告媒体や領域
そのため、自社の課題と相性が良い代理店を探す際に役立つでしょう。
ただし、これらはあくまでも代理店を売上で評価したものです。そのため、数多くの代理店から候補を絞るためのひとつの目安であり、最終的に重要なのは運用担当者であることは覚えておきましょう。
リスティング広告代理店の選定でお困りではないですか?
費用感や自社に適した代理店の選び方などが分からず悩む方も多いのではないでしょうか。- 自社の課題や目的に対して最適な予算・体制・関わり方を提案してほしい
- 代理店に依頼しつつも、将来的には内製化して費用を抑えて運用したい
- 既に代理店に任せているが、適切に運用できているのか診断してほしい
リスティング広告代理店を選ぶ際に注目すべき6つのこと
前述した通り、広告代理店選びでは注目すべきポイントが他にもあります。
- 広告アカウントの開示は可能か
- 広告アカウントの移行は可能か
- 別の媒体での広告配信にも対応してもらえるか
- ノウハウが組織に蓄積されているか
- 広告費を後払いできるか
- 支払いを一本化して請求書払いできるか
では、これらのポイントについて、1つずつ解説していきます。
1.広告アカウントの開示は可能か
代理店は広告主が持っている予算の範囲内でアカウントを運用します。そのため、広告主がアカウントを見れるのは当然と言えるでしょう。
しかし、中にはGoogleやYahoo!など媒体の管理画面を広告主に開示しない代理店もあります。これは代理店の運用ノウハウを外部に流出させないために行っているものです。
広告主が広告アカウントを確認できないと、代理店がどのような運用をしているのかチェックすることができません。すると、運用がブラックボックス化してしまう可能性があります。
そのため、代理店選びの際には必ず広告アカウントが開示されるかを確認しましょう。
2.広告アカウントの移行は可能か
依頼した代理店で成果が上がらなかった場合、新たな代理店へのアカウント移行(乗り換え)を検討するケースも多いでしょう。Googleだけではなく、現在はYahoo!もアカウント移行の機能が公開されています。
しかし、乗り換え前の代理店が応じなければ、代理店を切り替えるにしてもインハウスに切り替えるにしても、イチから広告アカウントを作り直さなくてはなりません。すると、アカウントに蓄積されていたデータを活用できないので、成果が出るまでに時間がかかってしまうリスクがあります。
そのため、万が一成果が出なかったことも考えて、あらかじめ広告アカウントの移行が可能な代理店なのかを事前に確認しておくことをおすすめします。
3.別の媒体での広告配信にも対応してもらえるか
マーケティング戦略を見直した結果、リスティング広告以外の媒体で配信する必要性が出てくる可能性があります。そのような場合に、すぐに対応してもらえるのかも確認しておきましょう。
もしも対応してもらえなければ、またイチから代理店探しをしなければなりません。依頼後の変化も考えて、はじめに確認しておくことが大切です。
4.ノウハウが組織に蓄積されているか
運用担当者を見極めるポイントにも関連しますが、ノウハウが組織に蓄積されているかを確認しましょう。
具体的には、以下のようなことを聞いてください。
- 再現性を持ったノウハウが組織に蓄積されているか
- どのような形で共有されているか(ドキュメントの中身や成果が出た事例などが共有されているか)
ノウハウが蓄積されており、さらにそれが適切に共有されている場合、運用担当者が一定の水準で成果を出せるような教育や工夫がされていると言えるでしょう。
5.広告費を後払いできるか
代理店すべてが広告費の後払いに対応しているわけではありません。そのため、後払いが希望であれば事前に確認をしておきましょう。
先払いでは資金繰りが安定しない可能性があります。しかし、自社のキャッシュフローに問題がなければ先払いのみの代理店でも問題はありません。
6.支払いを一本化して請求書払いできるか
リスティング広告を代理店に代行してもらう場合、各種広告費や運用費用を支払う必要があります。これらの支払いが一本化できるかも確認しましょう。
代行を依頼する代理店が広告費を立て替えられる企業であれば、運用費用と合算して請求してもらえることもあります。支払いが一本化できない場合、各種広告費と運用費用が個別に請求されるので、支払いが煩雑になってしまう可能性があります。
ただし、代理店選びで重視すべきなのはあくまでも「担当者」であるため、このポイントは先述の後払いと同様に、そこまで重要度は高くありません。
ここまで広告代理店を選ぶポイントを解説しましたが、必ずしも上記をすべて満たしていなければならないというわけではありません。これらすべてに当てはまらなくても、担当者とチーム体制が自社にマッチしているのであれば問題ないと判断してもよいでしょう。
代理店の担当者や体制を見極める4つのポイント
繰り返し「担当者が重要」であるとお伝えしましたが、実際にどのように担当者やチーム体制を見極めるべきなのかがわからなければ、選びようがありませんよね。
一般的に、運用の相談をする際にまず話をするのは運用担当者ではなく営業担当者ですが、運用担当者を見極めるには、本人に直接相談しなければわかりません。
そこで、営業担当者から一通り説明を受け終えたら、「経験やどのようにPDCAを回してくれるのかを知りたいから、運用担当者と直接話したい」と伝えましょう。
ただし、すべての代理店が依頼前に運用担当者と直接話をできるわけではありません。そのため、いくつか代理店の候補がある場合は、運用担当者に直接相談して納得できた代理店を選ぶのがおすすめです。
運用担当者と話をする際には、以下のような質問をしてみましょう。
- 担当者のスキル・経験・リソースは充分か
- 担当者が事業側と同じ目線で事業成長を見据えてくれるか
- 事業やビジネスの理解がきちんとなされているか
- 広告以外のマーケティングやオフライン施策なども詳しいか
1.担当者のスキル・経験・リソースは充分か
運用担当者と話せる場合、まずその人のスキル・経験・チームとして割いてくれるリソースについて確認します。
以下のチェックリストの内容を聞いておくといいでしょう。
これらを聞いて、自社にマッチしているかを検討しましょう。
運用担当者が自社の広告運用にどれくらいのリソースを割けるかも重要です。その担当者が抱える案件が10社以上であればリソース不足である危険性があります。
たとえ優秀な経験者でもリソースが10分の1しか割けなければ、高品質な運用・提案ができない可能性があります。もし、経験の浅い新人であっても、リソースがあり熱意を持ってフルコミットしてくれる場合は自社と相性がいいケースもあるため、リソースの確認は大切なのです。
また、優秀な担当者に依頼する場合、運用代行費が一般的な価格よりも高額になることがあります。先述したように一般的な手数料は20%です。
費用が高額であれば予算に合わない可能性もあるため、相場から大きく乖離していないかも確認しましょう。
2.担当者が事業側と同じ目線で事業成長を見据えてくれるか
基本情報を確認したら、次に重要視したいのが「事業側と同じ目線で事業成長を見据えてくれる代理店か」という点です。
中には、広告主の要望をそのまま鵜呑みにし、言われた通りの運用しか行わない担当者もいます。
しかし、広告のプロであれば広告主が要望する運用プランに対し、以下のような視点から、より良い提案を行わなければいけません。
- 果たして本当に運用の目的が達成できるのか?
- 事業課題が解決できるのか?
ただ言われた通りに運用を行う担当者に依頼することは、不足している社内のリソースの補填に過ぎません。そのため、外部のリソースとしてではなく、事業側のチームの一員として事業を加速させるための広告運用の戦略立案をし、それに沿った運用を行ってくれる担当者を選ぶことが重要です。
依頼先を選定する際には、本当に広告主と同じ目線で事業成長を見据えてくれる代理店なのかを見極める必要があるでしょう。
3.事業やビジネスの理解がきちんとなされているか
担当者が自社の事業への理解が浅いと、余計なコミュニケーションコストがかかったり、認識のずれが生じたりしてしまい、成果に繋がらないケースがあります。
例えば、リスティング広告の予算を決めるためには、事業の収益構造を把握し、事業フェーズや市場シェア・競合性などを考慮する必要があります。しかし、事業やビジネスに対する理解がないと、適切でない予算の投下や誤った施策の提案を招いてしまう可能性があるのです。
代理店を選ぶ際には、自社の事業や業界に対して、どれくらい理解があるのかを見極める必要があるでしょう。
4.広告以外のマーケティングやオフライン施策なども詳しいか
運用担当者に、広告以外のマーケティングやオフライン施策の知識や経験はあるのかも確認しましょう。広告運用を依頼するのに、なぜそれらを聞く必要があるのかというと、広告運用を含む全体のマーケティング戦略において施策間の連携も重要だからです。
うまく連携が取れないと施策の効果を高め合うことができず、マーケティング戦略全体の成果を充分に挙げられなくなる可能性があります。
リスティング広告のプロフェッショナルをお探しではないですか?
自社に適した代理店や担当者選びに悩む方も多いのではないでしょうか。- 自社の課題や目的に対して最適な予算・体制・関わり方を提案してほしい
- 既に代理店に任せているが、適切に運用できているのか診断してほしい
- プロフェショナルに伴走してもらいつつ、将来的には内製化して費用を抑えて運用したい
代理店に依頼する前に自社で決めておくべきこと
代理店に依頼する前に、広告運用の目的や成果に関して、自社で共通の認識を持っておくことが大切です。広告運用の経験がない場合は、決めきれないことや分からないことが発生します。
これらをうやむやにしないよう、代理店との打ち合わせ前に必ず以下のことを決めておきましょう。
- 広告運用の目的
- KPI
では、なぜこれらを決めておくべきなのかについて解説します。
1. 広告運用の目的を定義する
そもそも、「何のために広告を運用するのか」といった目的を定義する必要があります。
広告は企業にとっての「投資」です。ただ予算を投下して運用するだけではなく、その結果として、自社がどんなリターンを得られるのかを強く意識しましょう。
広告運用の目的は、販売促進・ブランドの認知拡大など、企業によってさまざまですが、広告運用を通じて達成したい目的が明確でなければ、広告の正しい設計をすることができません。
2. KPIを正しく設計する
続いて、広告運用の目的を達成するための成果指標である「KPI」を正しく設計する必要があります。誤ったKPIを設計してしまうと、獲得はできるが、事業に貢献していないといったケースも発生します。
例えば、ECサイトの売上アップを目的として広告を配信するとします。ECサイトにおいては、新規顧客の獲得とともに、一人の顧客が生涯でどれだけ利益をもたらすかという「LTV」の観点が非常に重要です。
なぜなら、新規顧客にはCPO(新規顧客獲得コスト)がかかるからです。新規の顧客を多く集めても1度の利用のみであれば、リピートに比べてCPOがかかる分利益が減ってしまいます。
そのため、獲得数のみをKPIとして定めて広告を運用すると、LTVの低い顧客だけが集まり、結果的に本来の目的である売上アップに貢献しない可能性もあります。
KPIは、広告運用やマーケティングの経験がないと正しく設計できないことも多々あります。運用代行だけでなく戦略設計をサポートしてくれる代理店と連携しつつ、決めていくことが求められるでしょう。
リスティング広告は代理店に依頼すべきか、インハウス化を目指すべきか
ここまでリスティング広告の広告代理店の選び方を解説してきましたが、この記事をお読みの方の中には、「本当に代理店へ依頼すべきか」を決めきれていないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで、それぞれのメリットとデメリットを知り、どのように判断すべきかについて解説します。
広告代理店とインハウスのメリット・デメリット
まず、広告代理店とインハウスのメリットとデメリットについて見てみましょう。
▼広告代理店とインハウスのメリットとデメリット
メリット | デメリット | |
---|---|---|
インハウス | ・コストが抑えられる |
・社内体制の構築が必要 |
広告代理店 | ・社内のリソースを必要としない |
・手数料を代理店に支払う必要がある |
インハウスの場合、代理店の手数料が不要な分コストを抑えることができ、スピーディーな運用ができます。しかし、知識のある人材は不可欠であり、社内リソースを広告運用に割かなければなりません。
対して代理店に依頼する場合は、社内に知見がなくてもリスティング広告を運用できますが、手数料がかかりノウハウも蓄積されにくいというデメリットがあります。
代理店に依頼すべきかを決めるための判断基準
代理店に依頼すべきかを悩んでいる場合、まずはリスティング広告の運用を一通り自社で行ってみるのがおすすめです。各広告媒体のヘルプやオンライン学習ツールなどを活用すれば、初心者でも短期間で運用を開始することはできます。
広告を運用してみることで広告文やLPの作成、日々の入札調整といった大変さが理解でき、運用していく上での課題を把握できます。その上で、改めて代理店に依頼した場合のメリットと照らし合わせることで、そのままインハウスで進めるべきか、代理店に依頼すべきかが判断できるでしょう。
広告代理店ではなく伴走型コンサルティングを依頼するという手もある
「インハウス化したいものの、社内に知見がない」という場合、代理店に依頼してもノウハウは蓄積しにくく、いつまでたってもインハウス化できない可能性があります。
インハウス化したいと考えているのであれば、広告代理店ではなく「伴走型コンサルティング」を依頼しましょう。
伴走型コンサルティングなら、プロが必要な手順をサポートしつつ、作業の確認をしてくれるため、知見がなくてもリスティング広告の運用を開始することができ、最終的にインハウス化することができます。
まとめ|リスティング広告の代理店に依頼するなら「人」を重視して選ぶ
改めて、本記事の要点をまとめてみましょう。
リスティング広告の運用を代理店に依頼する場合、もっともベーシックな契約であれば、広告アカウントの開設〜入札調整までを広告代理店が担当し、週次や月次のレポートにて成果が報告されるのが一般的です。
報酬形態には以下の3種類があります。
報酬形態 | 特徴 |
---|---|
手数料型 | 広告費に応じて手数料の金額が決まる |
定額型 | 広告費や作業工数に応じて手数料が決まる |
成果報酬型 | 成果に応じて手数料の金額が決まる |
手数料の相場は、手数料型の場合、月に運用する(媒体)広告費の約20%です。
代理店選びでもっとも重要なのは大手かどうかではなく、「運用する担当者とチーム体制」です。選定にあたっては、以下のようなポイントを確認しましょう。
- 担当者のスキル・経験・リソースは充分か
- 担当者が事業側と同じ目線で事業成長を見据えてくれるか
- 事業やビジネスの理解がきちんとなされているか
- 広告以外のマーケティングやオフライン施策なども詳しいか
代理店自体を選ぶ際の参考情報としては、まず知人の口コミや紹介で代理店と担当者を教えてもらう方法がもっともおすすめです。それができない場合はSNSで情報を発信している運用担当者に直接相談してみましょう。
どちらも難しい場合は、Yahoo!マーケティングソリューションが提供する「セールスパートナー 一覧」のページを参考にしてコンタクトを取り、運用担当者と話をして決めるのがおすすめです。
「人」が広告運用のパフォーマンスを左右することを念頭に置き、担当者のスキルやチーム体制を確認するようにしましょう。
よくある質問とその回答
リスティング広告で成果を上げたいのですが、どのようにすれば良いですか?
リスティング広告で成果を上げるためには、ターゲットの明確化、目標・KPI設定、運用、改善を短いスパンで繰り返していく必要があります。
そのためには、リスティング広告で目指すべき成果を見据えながら、改善を繰り返し、長期に渡って継続できる運用体制が必要です。
リスティング広告を新たに取り組みたい、今実施している広告成果をより上げていきたいという担当者様に、MOLTSでは成果にこだわったリスティング広告支援を提案しております。
まずは一度「リスティング広告支援内容」をご覧ください。
リスティング広告の代理店には、どのような仕事の依頼ができますか?
もっともベーシックな契約の場合、広告アカウントの開設〜入札調整までを広告代理店が担当し、週次や月次のレポートにて成果が報告されるのが一般的です。
クリエイティブ制作やウェブ解析、SEO対策なども含めて依頼する場合は、広告運用代行の手数料にプラスして、別途費用が発生することが多くなります。
詳しくは「リスティング広告代理店に依頼できること」をご覧ください。
リスティング広告の代理店にかかる費用はいくらですか?
リスティング広告の運用を代理店に依頼する場合、月に運用する広告費の約20%が手数料の相場です。一部の代理店では、グロス金額の約20%を手数料としていることもあります。
また、予算が少額の場合は手数料20%とは別に、固定の手数料として5〜10万円が設定する「固定報酬制」を併用している場合もあるでしょう。
詳しくは「リスティング広告運用を代理店に依頼する費用と予算の決め方」をご覧ください。
リスティング広告の代理店はどのように選べばいいのでしょうか?
リスティング広告の代理店に代行を依頼するのであれば、「人気」や「大手」だからといった選び方はやめましょう。なぜなら、担当者によって実力や自社との相性が異なるからです。
担当者として経験の浅い新人がつけられたり、新人ではないとしても自社の業界に関する広告運用の経験がない人がつく可能性があります。また、PDCAの回し方など自社が求める条件に合っているかといった相性もあります。
詳しくは「リスティング広告代理店・運用代行選びでは「担当者とチーム体制」を重視する」をご覧ください。
リスティング広告代理店の選定は、広告運用のプロにご相談ください
キーワード選定や入札戦略、広告文の最適化…と、適切なリスティング広告の運用には検討すべき事柄はさまざまです。しかし、実際の運用において思うように成果があがらず、適切な施策が実行できているか自社だけで判断するのは難しいと悩む運用担当者の方も少なくないでしょう。
リスティング広告における運用や戦略の見直し、運用代行を検討されている方は、ぜひTHE MOLTSにご相談ください。デジタルマーケティングに精通したリスティング広告運用のプロフェッショナルが、成果を出すための戦略立案から施策実行、将来的に自走できるインハウス体制の構築を支援いたします。
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