BtoBマーケ人材不足解決と昨対2倍成果を同時実現

KIYOラーニング社とBtoBマーケ支援会社による協働改革

「世界一『学びやすく、分かりやすく、続けやすい』学習手段を提供する」をビジョンに掲げ、オンライン資格取得講座「STUDYing(スタディング)」を展開するKIYOラーニング株式会社。2020年には東証マザーズに上場し、学習におけるシステムとコンテンツ開発を武器に拡大を続ける同社では、事業の第二の柱として法人向けeラーニングシステム(LMS)の「AirCourse(エアコース)」の開発、展開に力を入れています。

同社の法人事業部ではTHE MODEL型の営業組織を構築していたものの、マーケティング部では慢性的に人員が不足し、有効リード数のKPIも未達が続いている状態でした。そこでマーケティング組織を立て直して体制強化を図る一方で、早急にマーケティング成果を創出するため、THE MOLTSにお声がけいただきました。

今回は執行役員として法人事業部長を務める渋谷さま、マーケティング部部長の樋口さま、同じくマーケティング部のマネージャーである土屋さまに加え、本プロジェクトを担当したTHE MOLTSの菊池 真也 と取り組みを振り返りました。

マーケ目標に対して未達状態が続いていたこと、BtoBマーケの人材不足に課題感

KIYOラーニング 渋谷さま

菊池:2023年11月には法人事業部専用の拠点として、赤坂に新しくオフィスを開設されたことからも法人事業に力を入れていることが伝わってきます。改めて、今回お取り組みさせていただいた法人事業部のマーケティング部では、どのようなミッションを掲げているのでしょうか?

土屋:BtoBマーケティングのセオリー通り、有効リード数をKPIとして追っています。法人事業部はいわゆるTHE MODEL型で、マーケティングとインサイドセールス、フィールドセールスに部署が分かれているものの、まだまだ人数が少ないことから他部署とは緊密に連携しています。たとえば、有効リードを獲得した先の商談率や受注率などもマーケティング部では一緒に追いかけています。

菊池:今回のデジタルマーケティングの総合支援は、渋谷さまが入社されたおよそ2ヶ月後の2023年3月頃からスタートしています。渋谷さまが入社された当時、マーケティング部はどのような課題を抱えていたのでしょうか?

渋谷:マーケティング部については専門知識や実績を持った社員が不在という状況でした。その一方、当時からすでにTHE MODEL型の組織体制となっていたため、セールス部門へ供給する有効リードが不足し、法人事業全体のボトルネックになっていたのです。

当初はこのボトルネック解消のため、BtoBマーケティングの実績を持つ人材採用を進めることで組織の立て直しを図りたいと考えていました。ただ、即戦力となるBtoBマーケティングの実務経験者は転職市場では希少であり、その採用難易度は高いこと、マーケティング施策の成果はマーケターの実力によって大きく左右するために採用で妥協はしたくなかったことから、組織の立て直しにはある程度の期間がかかりそうだと覚悟していたのです。

もうひとつの課題が、目の前のマーケティング成果が不調であり、月間目標の未達状態がしばらく続いていたことです。目標値に対して40〜60%ほどしか有効リードを獲得できておらず、そもそも正しい目標値を設定できていない可能性もありました。

会社全体の方針として、法人事業部を「第二の柱」として期待していること、そのためにPMFを達成したばかりの「AirCourse」の展開にアクセルを踏んでいきたいと考えていたことからも、マーケティング部の採用強化と成果創出は喫緊の課題だったのです。そこで私のリソースは採用強化に投じ、その一方でマーケティングの成果創出をご支援いただけるパートナー企業が必要だと考えました。

部分最適の取り組みばかりで、マーケティング全体を俯瞰した戦略が描けていなかった

THE MOLTS 菊池

菊池:弊社とお取り組みいただく以前にも、マーケティング部では施策単位でパートナー企業や広告代理店とお付き合いされていたと聞きました。他社とのお取り組みでは、どのような課題を感じられていましたか?

渋谷:私が入社する以前より、広告の運用やLP制作などの施策ごとに、それぞれパートナー企業や広告代理店と取り組みがあったのですが、部分最適で選定された企業のためにマーケティング全体を俯瞰するとうまく連携が取れていないように感じました。本来は依頼主であるマーケティング部が、マーケティング効果を最大化するために施策ごとの連携を担うべきなのですが、当時はリソースが不足しており手が回っていない状態だったのです。

そのため、新たに支援いただくパートナー企業には、BtoBマーケティング全体を俯瞰し、戦略を描けること、そして既存のパートナー企業や広告代理店さんとのコミュニケーションまでお任せできることを求めていました。

菊池:今回の取り組みは、渋谷さんにお声がけいただいたことからスタートしています。どういった要素を評価いただき、ご相談いただいたのでしょうか。

渋谷:数字、つまりマーケティングの成果にコミットいただける姿勢を評価し、お声がけしました。当時は一刻も早く人材採用と体制の立て直しに注力したかったため、稟議や決裁はスピーディに進めさせていただきました。ただ、マーケティング部で運用する広告費などの予算は決して小さくないため、弊社の代表とは2度の面談を実施させていただき、「THE MOLTSさんであれば、コミットしていただけそうか」という最終的な判断は代表自身にお願いしています。

菊池:面談にあたってはIR資料などはもちろん目を通し、NDA締結後にはこれまでのマーケティング施策の状況や課題、それに対する打ち手を面談当日にお話しさせていただきました。面談後、代表からはどのような評価をいただいていましたか?

渋谷:面談で印象的だったのが、マーケティングのノウハウや施策の引き出しの多さといった一般的な提案ではなく、これまでの施策の状況やデータをもとにディスカッションをしたことです。具体的な指標を一緒に確認しながら、落ち込んでいる数字をいつまでにどうすれば改善できそうかをお話しいただいたと記憶しています。

代表からは、Web広告の運用を始め、BtoBマーケティング領域の経験値が非常に高く、かつ他社での支援実績もあり、それらのマーケティング実務の経験は、弊社のマーケティングにも再現性があるとし、正式にお取り組みを決定しました。

「もし自分が中途入社の事業責任者だったら」。法人事業部全体を巻き込んだ施策を展開

KIYOラーニング 土屋さま

渋谷:広告代理店さんとの取り組みとは違い、THE MOLTSさんにはBtoBマーケティング全体のコンサルティング、支援をお願いしました。そのため、取り組みのファーストステップは、弊社の社員のように組織に入っていただき、具体的にどのような課題があるのか、どうすれば解決できるのかを探っていただくことでしたね。

菊池:今回の取り組みでは終始「もし自分が、マーケティングの事業責任者として中途入社した社員だったら、どう動くべきか」という視点から考えるように意識しました。マーケティング部に直接関わるインサイドセールスやフィールドセールスとの定例会はもちろん、法人事業部全体の会議や、実際のお客さまとの打ち合わせにも参加させていただきました。

おかげで法人事業部全体からのマーケティング部に対するプレッシャーが理解でき、責任を感じながら短期間で成果を上げるための行動ができたと思います。

渋谷:法人事業部のメンバーには「THE MOLTSの菊池さんは業務委託とは考えず、新しいマーケティング部長が来たと思ってもらいたい」と事前に伝えていました。また、社内メンバーと菊池さんのコミュニケーションに私が介在すると施策のスピードが落ちるため、菊池さんが法人事業部以外の社員にも直接連絡できるコミュニケーションルートを整備したこともポイントでしたね。このおかげで、マーケティング部に関して事業部全体に安心感を与えられたと考えています。

辻本:取り組みがスタートしてからおよそ3ヶ月後に、私も本件に参加しました。主に広告効果の測定環境の整備を担当しながら、GA4の設定やアフィリエイト施策、SFAの導入など、リソース不足でなかなか手が回っていない業務を一つひとつクリアにしていくことをミッションとしています。

私も菊池と同じく中途社員のようなマインドで参加させていただきましたが、普通の広告代理店やパートナー企業では入り込みにくい部分まで携わらせていただき、新鮮な経験でやりがいを感じました。

土屋:私が正社員として入社し、マーケティング部にジョインしたのは辻本さんに参加いただいた、さらに3, 4ヶ月ほど後のことです。もともと私は広告代理店での勤務経験があったことから、事業サイドにはあまり入ってこずに担当しているWeb広告領域のみを注視する広告代理店を多く見てきました。そしてTHE MOLTSさんも同じだと思っていたのです。

しかし実際にお取り組みしてみると、成果から逆算した率直な意見をいただいたり、場合によってはそれまでの議論がひっくり返るようなご提案をいただいたりと、本当に社員のマーケティング責任者のような立ち振舞で信頼できるパートナーだなと感じました

有効リード数は前年比200%を達成。定量的な成果の裏側で、BtoBマーケターの採用にも成功

THE MOLTS 辻本

菊池:取り組み開始から1年2ヶ月が過ぎ、検索広告やディスプレイ広告、ホワイトペーパーなど、さまざまな施策に取り組ませていただきました。現時点でどのような成果が得られていますか?

土屋:弊社がKPIとして追っている有効リード数を、取り組み以前の2022年と取り組み後の2023年で比較すると、年平均でおよそ200%に拡大しました。この200%成長に対して最もインパクトが大きかった施策は、インターネット広告の効果改善でした。また、辻本さんにご担当いただいた成果報酬型広告による有効リードの獲得も効果的だったようです。

渋谷:THE MOLTSさんに安心してマーケティング部をお任せできたので、私は採用強化に時間とリソースを投下することができました。面接といった選考プロセスに時間を使えたおかげで、マーケティング部だけでなく法人事業部全体の人員確保と体制強化を実現しています。

菊池:有効リード数を伸ばす施策の一方、CVにつながっていなかったツールや予算を削減する“マーケティングの断捨離”も実施させていただきました。マーケティング全体を俯瞰すると、CVRの改善に取り組まなければマーケティング成果は改善しにくいことは明らかでした。そこでマーケティング施策のボトルネックを特定し、成果につながっていなかった接客ツールを解約したり、SEOの予算を削ったり、LP配信の最適化に投じていた予算をクリエイティブ改善に回したりと、嫌われ役を買って出ることもありました。

土屋:THE MOLTSさん視点ではなく、私たち社員と同じ視点で意思決定し、行動されていたからこそマーケティング以外の部門の担当者が安心してお任せできていたのだと思います。私が入社して以降も、他部署から「こんなマーケティングはできるのか?」「あの施策の成果がどうだった?」と関心を持たれることが多くなっており、日に日にマーケティングに対する期待が高まっているのを感じます。

私が入社する前だと思いますが、菊池さんが法人事業部全体を巻き込んだアプローチを行い、インサイドセールスやカスタマーサクセスとの連携を強化したことも大きく影響していると思います。

マーケティングの基礎が固まり、今後はオウンドメディア、ウェビナー、展示会にも注力

KIYOラーニング 樋口さま

菊池:これまで私が取り組んできた案件の多くは、リスティング広告の運用支援やコンサルティングが中心でした。事業責任者の方々と協力しながら、事業計画の視点からマーケティングの目標を設定や、商談化した先まで見据えたコミュニケーションの変革など、BtoBマーケティングの難しさを感じながらも、とても挑戦的な取り組みだったと思います。

THE MOLTSとの取り組みを受けて、今後どのようにマーケティングを展開していく予定でしょうか?

樋口:今後はコンバージョンレートの改善やコンテンツ施策に注力していきたいと考えています。これまではインターネット広告に注力するため、いったんオウンドメディアの施策をストップさせていたのですが、データが揃い、組織も強化された今、オウンドメディアの再開をはじめ、さまざまな施策を加速させていきたいですね。

渋谷:THE MOLTSさんにWebマーケティングで成果を生み出す仕組みを整えていただいたおかげで、土屋に続き樋口も入社してマーケティング部を立て直すことができました。今後は、マーケティング施策を内製化するためにもTHE MOLTSさんが築いたノウハウや仕組みを少しずつ引き継いでいきたいですね。マーケティングを内製化するためにご協力してくださるパートナー企業は、なかなか珍しいのではないでしょうか。

法人事業部全体でも、とにかく活動量を増やしていくことを目標に掲げています。マーケティング部においても、展示会やウェビナー開催など施策の量をやり切った上で、質に転化していきたいと考えています。現在のマーケティング部は、さまざまな施策を自分たちで企画し、やりきるだけの体力がある強い組織になったと自負しています。今後の成果がますます楽しみですね。

菊池:今回の取り組みを受けて最後に、THE MOLTSはどのような企業におすすめできそうでしょうか?

渋谷:BtoBマーケターは、採用市場では貴重な存在で慢性的に不足していると思います。弊社のようなスタートアップの企業はもちろん、大手企業でもマーケターの不足は起こりうると思いますので、採用がなかなか進まないけど施策はいち早く展開したいという企業にとって、THE MOLTSさんはベストパートナーなのではないでしょうか。

著者情報

著者の写真

SHINYA KIKUCHI

菊池 真也

Marketing Strategist / Consultant

業界歴16年以上。運用型広告のコンサルティング、インハウス化支援、代理店の組織構築などを行う。 成果を最大化するためのチームビルディングが得意。

記事をシェア

関連する実績

「データ課題の突破口を見出し続けてくれる」 あえて手の内明かすスタイルで持続的なパートナーにTHE MOLTSが選ばれ続けるワケ メイン画像
「データ課題の突破口を見出し続けてくれる」 あえて手の内明かすスタイルで持続的なパートナーにTHE MOLTSが選ばれ続けるワケ
自社開発CMSを軸にWeb制作・マーケティング支援を行う株式会社シフトが、THE MOLTSと協働し、データ基盤構築と検索順位チェックツール代替の開発を実施。レポーティング効率化と可視化精度の向上を実現した取り組み事例です。 詳細を見る
CPA半減、新規獲得コスト1/4削減 バイセル社が実現した催事マーケティング組織変革 メイン画像
CPA半減、新規獲得コスト1/4削減 バイセル社が実現した催事マーケティング組織変革
株式会社BuySell Technologiesが不定期催事という特殊な「リユースきもの」マーケで既存手法が通用せず、THE MOLTSと一般的なフレームワークではなく催事特性に特化したPDCA体制構築を実施。若手育成含む包括支援でCPA3,000〜4,000円から安定2,000円以下を実現しました。 詳細を見る
アップデートでCV数激減から1年で売上1.5倍回復 商材開発と視点シフトで業績V字回復をもたらした変革 メイン画像
アップデートでCV数激減から1年で売上1.5倍回復 商材開発と視点シフトで業績V字回復をもたらした変革
株式会社ライフテックスがGoogleコアアップデートで毎月15%のCV数減少に直面し、THE MOLTSとリライト施策や新築応援キャンペーンを実施。下落幅の50%回復、CV単価向上、Google Mapの口コミ4.7高評価獲得で、事業売上1.5倍成長を実現しました。 詳細を見る
広告代理店頼みからの脱却、3倍の投資対効果 KEY STATIONが挑んだ自社主導マーケティング改革 メイン画像
広告代理店頼みからの脱却、3倍の投資対効果 KEY STATIONが挑んだ自社主導マーケティング改革
Keeyle株式会社がTHE MOLTSとの広告運用インハウス支援で劇的改善を達成。月50万円の広告費でCVRを1%から平均3%へ向上、投資対効果3倍を実現。リスティング広告のキーワード選定最適化と営業体制見直しで受注件数も増加し、経営陣からも高評価を獲得しました。 詳細を見る

ご相談・お問い合わせ

デジタルマーケティングに関するご相談はこちらから

会社案内ダウンロード

THE MOLTSの会社案内ダウンロードをご希望の方はこちらから

採用情報

私たちと一緒に働くプロフェッショナルを募集しています

お問い合わせ・ご相談 会社案内ダウンロード