フィールドセールスとは?インサイドセールスとの連携ポイントを解説

武田 大

Marketing Director / Consultant

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フィールドセールスとは?インサイドセールスとの連携ポイントを解説

顧客の購買行動の変化や新型コロナウイルスの影響で、営業における企業と顧客の関係性は大きく変わりつつあります。

特に、フィールドセールスの対にあたる営業手法である「インサイドセールス」は、Web会議などのオンラインツールを用いることで遠隔での営業を可能にするため、営業活動の効率化やリモートワーク下の新しい営業手法として注目を浴びています。

そんな中、昔ながらの営業手法であるフィールドセールスは、今後も営業施策として優先的に考えなくても良いのでしょうか。

本記事では、改めてフィールドセールスとは何かを理解するために、インサイドセールスとの違いや、コロナ禍でのフィールドセールスの役割、そしてこれからのフィールドセールスに求められることについて解説します。

フィールドセールスとは

フィールドセールスとは、「訪問型営業」と呼ばれ、実際に顧客や見込み顧客と顔を合わせて、製品やサービスの商談を進め、最終的な受注・成約につなげる営業手法です。

フィールドセールスの対になる営業手法に、インサイドセールスがあります。インサイドセールスは、「内勤型営業」と呼ばれ、電話やメール・DMなどを活用し、遠隔で見込み顧客とコミュニケーションを図る手法です。

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インサイドセールスの役割の違いや、導入事例について詳しく知りたい方は、別記事「インサイドセールスとは?基礎知識から導入のメリット・成功事例を解説」で解説していますので、そちらも合わせて参考にしてください。

コロナ禍においてフィールドセールスは必要ないのか?

フィールドセールスを取り巻く環境は、新型コロナウイルスの感染流行で一変しました。展示会やセミナーといったリアルなイベントは2021年5月現在で、積極的に開催できない状況ですし、訪問営業は感染のリスクが高いことから、対面を断られてしまうケースも増えています。

そんな中、重要度を増しているのがインサイドセールスです。

インサイドセールスの6割が商談まで行っている

株式会社インターパークが全国の営業職を対象に2020年5月に実施した「インサイドセールスの認知度および実施状況、コロナウィルス感染拡大による外出自粛に伴うインサイドセールス活用状況の変化」に関する調査では、インサイドセールスを導入している企業のうち、インサイドセールスが商談まで行っていると回答した人は、全体の約6割にも及びます。

画像出典:SalesZine(セールスジン)

従来、インサイドセールスは、見込み顧客のアポイントの獲得までを担うことを主な目的として導入されることが多くありました。しかし、新型コロナウイルスの影響で、フィールドセールスの活動が制限されたため、「商談」や「受注」といった、かつてフィールドセールスが担っていた役割も、インサイドセールスが担当するケースが増えています。

これだけを聞くと、もうフィールドセールスは企業にとって必要がないものと感じてしまうかもしれませんね。しかし、必ずしもそうとは言い切れないというのが弊社の見解です。

フィールドセールスにパスする方が成約率が向上

株式会社インターパークの同調査では、インサイドセールスでオンライン商談まで実施し、その後フィールドセールスにパスする営業スタイルを導入している営業職の80%において、フィールドセールスの成約率が向上したという調査結果が明らかになっています。

この結果は、買い手側が営業担当者の顔を直接見ることによって、「安心感を得る」「話しやすさを感じる」「コミュニケーションが取りやすくなる」といったことが要因だと考えられます。実際に、Web会議などを活用したオンライン商談では、営業担当者とのコミュニケーションがスムーズにいかず、聞きたいことが聞けなかったという経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

つまり、新型コロナ禍においても、インサイドセールスとフィールドセールスでうまく役割を分担し連携を図ることで、成約率の向上や営業活動の効率化に繋げられるという結果が出ています。

「コロナだからインサイドセールスのみに注力しよう」と考えてしまいがちですが、フィールドセールスだからこそ顧客に提供できる価値があります。

インサイドセールスへすべてを移行するのではなく、顧客とのコミュニケーションにおいて、どこまでがインサイドセールスが担当し、どこからがフィールドセールスが担当するのか、両者の適切な連携を設計していくことが求められます。

フィールドセールスとインサイドセールスどちらに注力すべき?

企業が成長を続けるためには、当然のことですが、売上を上げなければいけません。これはインサイドセールスであれ、フィールドセールスであれ、変わりません。

インサイドセールスとフィールドセールスどちらが優れているのかという視点ではなく、限られらた自社の営業リソースでどちらが効率よく売上を上げることができるのかをしっかりと考え、適切な手法を選ぶことが大切であることはお伝えした通りです。

そこで次に疑問となるのが、フィールドセールスとインサイドセールスどちらに重きをおくかでしょう。

結論、すべての業界でインサイドセールスへの移行が成果に繋がるわけではありません。

自社で取り扱う商材やターゲットのニーズを踏まえた上で、インサイドセールスとフィールドセールスの役割を適切なバランスで配置するとともに、両者の連携を強化することで営業効率の最大化を目指しましょう。

例えば、自動車や不動産といった高単価商材を取り扱う場合には、どうしても対面での営業活動の重要性は増します。マンションを購入する際にメールや電話の営業だけで、購入の意思決定をする顧客は多くなく、実際に物件を自分の目でみたい・営業担当者の意見を聞きたいといった顧客のニーズが強いためです。

フィールドセールスとインサイドセールスの効果的な連携方法

ここからは、フィールドセールスとインサイドセールスがどのような形で連携すべきなのかについて、メリットも踏まえてみていきましょう。

基本の形は、営業活動の前半(リードジェネレーションやナーチャリング)をインサイドセールスが担当し、フィールドセールスが提案・成約までを巻き取るプロセス分業型になります。

意外にもリードの獲得から受注〜リピート化の一連のパイプラインが、しっかりと理解されていないケースがあります。

インサイドセールスとフィールドセールスの効果的な連携を実現するためには、「そもそも自社で何件のリードが月間で発生しているのか」「その上でマーケティング・インサイドセールス・フィールドセールスがどのような役割を担うのか」「事業課題を解決するためにはパイプラインのどこの段階にテコ入れをすべきなのか」といったことを強く意識しましょう。

インサイドセールスからフィールドセールスへ

これらのパイプラインを理解すると、多くの企業の場合、全てのリードに対して対面で営業をかけることは、リソースが限られているため現実的ではないことが分かります。

そのため、購入確度の高いであろうリードのみに対面営業をかけることになりますが、そうすると将来的に購入する可能性のある見込み客に適切なフォローアップができず、他社に取られてしまうといったことが起きかねません。

そこで、インサイドセールスをうまく活用し、メールや電話といった遠隔での営業を実施することで、見込み客をナーチャリングし、購入確度が高まったところで直接営業をかけるといったフローを構築することで成果に繋げていくことができます。

インサイドセールスとの連携ポイント

ここからが具体的なポイントについてですが、両者の連携で重要なのが、「効率的な営業を行うこと」と「リードの取りこぼしを防ぐこと」です。

【例】

仮に潜在顧客の獲得のためにフィールドセールス10名が飛び込み営業で新規顧客を開拓し、合計で見込み客100人をCPA(一人当たりの獲得単価)30,000円で獲得したとしましょう。

ところがこの「獲得」はあくまでも「見込み客になった」ことを意味し、売上としての事業貢献には至っていません。

見込み客100名のうち、最終的な受注率が10%の場合は、90件/100件は失注、つまり270万円の損失とも考えられるのです。それだけでなく、当然1人あたりの営業コストもかかってくるわけですから、組織としての損失インパクトが小さくないことは言うまでもないでしょう。

参考:1から分かるBtoBマーケティング|具体的な手法や成功事例を解説

インサイドセールスとフィールドセールスの連携は、こうした機会損失を回避するためにあります。具体的な数字で見ていくとわかりやすいかもしれません。仮に、自社がSaaS型ツールを扱っていてクライアントの平均年間売上が1,000万円だったとしましょう。

  • 見込み客100名 ×フィールドセールス10名の受注率10% = 成約10社 = 1億円
  • 見込み客100名 ×インサイドセールス2名+フィールドセールス10名の受注率30% = 成約30社 = 3億円
リードジェネレーションから受注まで

インサイドセールスとの連携で、フィールドセールスは購入確度の高い、いわゆる「いますぐ客」に注力できます。また、インサイドセールスがリードとのコミュニケーションを通じて得た情報を共有することで、事前に顧客が何を求めているのかを頭に入れた上で商談に向かうことができ成約率の向上、ひいては売上UPを期待できるというわけです。

ただし、勘違いして欲しくないのは、全ての企業においてインサイドセールスの導入やフィールドセールスとの連携がすぐに必要な訳ではありません。

そもそも、月間のリードが数件といったように、リードが限られている場合には、インサイドセールスが大きく機能することはありません。

また、月間のリードに対して「今すぐ客」がどれくらいいるのか、どれくらいの受注があるのか、インサイドセールスとフィールドセールスとの連携の結果、どれくらいの売上UPに繋がるのかを加味しなければ、営業の効率化には繋がらないことを頭に入れておきましょう。

担当者が知っておきたいインサイドセールスとの連携ポイント

最後に、マーケティング・インサイドセールスなど企業売上に関係している担当者が知っておくべき、フィールドセールスに取り組む際のポイントを解説します。

リード情報の蓄積・共有

インサイドセールスからリードをトスアップされる際には、顧客とどのようなやり取りをしてきたのか・顧客が何を期待しているのかといった情報をしっかりと把握するようにしましょう。この情報共有がなければ、フィールドセールスが顧客が求めていることと異なるコミュニケーションを取ってしまい、失注へと繋がってしまいます。

ここで重要なのが、BANT(予算・決済権・ニーズ・導入時期)に関する情報を、誰がヒアリングし、どのように共有するのかです。

商材単価が50〜100万円と比較的安いケースでは、インサイドセールスが電話などでヒアリングすることも可能です。しかしながら、300万円以上の高単価の商材ではインサイドセールスがヒアリングするのは難しく、BANT情報の取得はフィールドセールスが担うことになります。

インサイドセールスへのフィードバック

フィールドセールスは、インサイドセールスからトスアップされたリードが、結果的に成約につながったのか、あるいは失注してしまったのかをインサイドセールスに共有、またその原因のフィードバックをするようにしましょう。

またフィールドセールスの担当者は、受注に繋がりやすいカスタマー課題や、営業時によくある断り文句といった顧客と対面しているからこそ把握している情報があります。このような情報をインサイドセールスに共有することで、インサイドセールスの顧客理解の促進や断り文句への切り返しに役立てることができます。

正しいツールの選定

インサイドセールスとの連携には、SFA(営業支援ツール)やMA(マーケティングオートメーション)の導入が有効です。

どちらを導入すべきかは、組織内のインサイドセールス の位置付けによって異なります。インサイドセールスがフィールドセールスにマージされるケースではSFAを導入し、インサイドセールスがマーケティングにマージされるケースではMAが導入されます。

SFAは、顧客情報や日々の営業の進捗を入力することで、商談管理やスケジュール設定・売上予測などの情報共有が容易にできるツールです。

一方のMAは、マーケターが手動で行なっている膨大な業務を自動化して、効率を高めるツールです。従来は、獲得したリードをマーケターが手動で営業担当者へと引き渡していましたが、MAの登場により、定量的・定性的にリードの温度感を測り、適切なタイミングで営業をかけることができるようになりました。

SFA・MAともに大量のリードの効率的な管理に非常に役立つツールですが、導入には多額の費用がかかります。MAツールは安くても年間10万円程度、高ければ200〜300万円程度の投資が必要ですし、しっかりと使いこなすためには、それなりの人件費もかかってきます。

そのため闇雲に導入するのではなく、目的や予算に応じて適切なツールを選定する必要があります。

▶︎MAツールの比較・おすすめのサービス一覧

▶︎SFA(営業支援ツール)の比較・おすすめのサービス一覧

まとめ|インサイドセールスとの連携が、フィールドセールスの価値を高める

本記事では、フィールドセールスとは何かという基礎知識から、インサイドセールスとの連携ポイントについて解説しました。

新型コロナウイルスの影響で、企業の営業活動を取り巻く環境は大きく変化しています。オフラインでの営業が困難になっている中、インサイドセールスの果たす役割はより重要なものになっています。しかしながら、フィールドセールスが決して企業にとって必要のないものになった訳ではなく、インサイドセールスとしっかりとした連携を取ることで、その価値を高めることができます。

記事内でもご紹介した「リード情報の蓄積・共有」「ホットリードの定義」「インサイドセールスへのフィードバック」「ツールの正しい選定」といった点を意識して、営業の効率化・売上の向上を目指していきましょう。

この記事を書いたメンバー

DAI TAKEDA

武田 大

Marketing Director / Consultant

1986年生まれ。リクルートでの法人営業、中小企業向けのマーケティング会社で勤務した後、2019年4月にMOLTSに参画し、2020年3月より子会社KASCADEに所属。延べ30社以上のBtoBマーケティングを支援。リードジェネレーション、インサイドセールス立ち上げ/改善、MA活用、CSなどのインバウンドマーケティングの戦略立案、改善/実行支援やABM戦略の立案/改善/実行、インハウスでの戦略設計、施策実行のオンボード支援など、一気通貫してBtoBマーケティングを支援する。2020年9月より同社執行役員に就任。

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