ディスプレイ広告8つの改善点|運用予算や改善策の考え方、成功事例を解説
この記事でわかること
- ディスプレイ広告とはどのような広告か
- ディスプレイ広告の改善方法
- ディスプレイ広告における予算の考え方
「ディスプレイ広告で思うように成果を得られていない」「どのようにディスプレイ広告を改善すべきかわからない」このようにお悩みの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ディスプレイ広告は運用型広告の中の1つであり、運用型広告は効果検証を基に改善を行えるというメリットがあります。
どのような点に問題があるのかを把握し、適切に改善することで、成果を得やすくなるでしょう。
本記事では、ディスプレイ広告を開始したけれど、効果が上がらないと感じている方に向けて、ディスプレイ広告の改善方法について説明します。また、運用していくうえで重要な予算の考え方についても解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。
ディスプレイ広告の戦略設計・運用でお困りのご担当者へ
ディスプレイ広告の運用を通じてマーケティング成果をあげるには、専門性を持った人材が不可欠です。このような悩みを抱える企業は少なくないでしょう。
- 潜在層にアプローチしたいが、ディスプレイ広告をどう活用すれば成果に結び付くかわからない
- 運用ノウハウがなく、何から着手すればよいのかわからない
- 将来的には社内で運用を行い、費用を抑えて成果を伸ばしたい
ディスプレイ広告にまつわるお悩みは、デジタルマーケティングの支援実績が豊富なTHE MOLTSにお気軽にご相談ください。ディスプレイ広告の運用に精通したプロフェッショナルが戦略立案から施策代行、インハウス運用チームの育成など、貴社に最適なプランをご提案いたします。
ディスプレイ広告とはWebサイトやアプリの広告枠に表示されるバナー広告のこと
まず、ディスプレイ広告とはどのようなWeb広告なのかについて解説していきますが、「基礎知識は十分にあるので、すぐに改善方法を知りたい」という方もいらっしゃるでしょう。そのような場合は、「ディスプレイ広告の成果改善における2つの大前提」からご覧ください。
ディスプレイ広告とは、Webサイトやアプリの広告枠に表示される広告のことを指します。「画像+テキスト」もしくは「動画+テキスト」を組み合わせたバナーで表示されることが多く、バナー広告とも呼ばれています。

Webサイトの右側やアプリのニュースフィードなど、ユーザーの目につく場所に広告が表示されます。テキストを含めたビジュアルで訴求し、ユーザーの興味を惹いてクリックしてもらうことで、サイト誘導やコンバージョン獲得へと繋げていきます。
ディスプレイ広告は、入札額(いくらで広告を出すか)や広告枠(どこに出すか)、ターゲットなどを細かく調節しながら、目的に応じて成果を最大化させていく「運用型広告」の一つです。特定のサイトやアプリの枠を買う「純広告」とは異なる広告手法になります。
広告手法 | 運用型広告 | 純広告 |
---|---|---|
主な種類 | ・ディスプレイ広告(YDA(旧YDN)・GDN) | ・Yahoo!ブランドパネル |
特徴 | 入札額や広告枠・ターゲットを細かく調整 | 特定の媒体や場所に掲載 |
ディスプレイ広告とリスティング広告の違い
ディスプレイ広告とよく比較されるのが、同じく運用型広告の一種である「リスティング広告」です。リスティング広告は、GoogleやYahoo!でユーザーが検索するときに、検索結果に表示される広告のことを指します。
Web広告を活用して効果を出したいと考えた時に、「ディスプレイ広告」「リスティング広告」のどちらを利用するべきなのか迷うことがあります。ここからは、リスティング広告と比較した上で、ディスプレイ広告の特徴やメリットについて解説していきます。
①広告の表示場所

リスティング広告は、「検索連動型広告」とも呼ばれ、ユーザーの検索したキーワードに沿って、検索画面の上部や下部に表示されます。
一方のディスプレイ広告は、様々なサイトやアプリの広告枠に表示されます。そのため、配信方法によっては、短期間で大量のユーザーに広告を表示させることが可能です。
②配信ターゲット
配信するターゲットにも違いがあります。
お伝えした通り、リスティング広告は検索画面に表示される広告です。そのため、悩みやニーズが顕在化したユーザーに配信されます。
例えば、「化粧品 おすすめ」と検索するユーザーは、現状の化粧品に何らかの不満を抱え、新しい化粧品を探していることが推測できます。今まさに化粧品を探しているユーザーに、広告を配信することで、高いコンバージョン率を期待することができます。
一方のディスプレイ広告には、悩みやニーズはあるけれどまだ気づいていないユーザーや、興味や関心が高いものの自社の商品を知らないユーザー、つまり「潜在層」にアプローチできます。
魅力的なテキストや画像・動画バナーを用いて、衝動的に「これを買ってみたい!」と思わせることで、新たな需要を喚起することが可能です。
③広告形式
リスティング広告とディスプレイ広告では、広告形式にも違いが見られます。
リスティング広告は、タイトルと広告文でユーザーに訴求するのに対して、ディスプレイ広告では画像・動画・テキストをうまく組み合わせて、ビジュアルで訴求することができます。
ユーザーが思わずクリックしてしまうような魅力的なクリエイティブを使うことで、広告の効果を高めることができるでしょう。
④クリック単価
ディスプレイ広告は、リスティング広告と比較すると、平均クリック単価(CPC)が低い傾向にあります。(※ターゲティングの仕方や商材のジャンル・入札方法などによって異なります)
リスティング広告は、潜在層に広告を配信するため、コンバージョンに繋がりやすいと言う特性があります。そのためキーワードによっては、出稿したいライバル企業が多く、CPCが高騰してしまうのです。
仮に同じ予算を使うのであれば、ディスプレイ広告の方がより多くのユーザーをサイトに誘導できる可能性が高いと言えるでしょう。
⑤リターゲティング
ディスプレイ広告の肝となるのが、リターゲティング(リマーケティング)と呼ばれるターゲティング方法です。リターゲティングとは、自社サイトやLPに訪れた人をターゲットとして、広告配信を行う手法です。
すでに自社の商品やサービスを認知している、購買の可能性が高いユーザーを追跡して広告を配信できるので、高いコンバージョン率を期待することができます。
リスティング広告はユーザーが検索したときだけしか接点が持てないのに対して、ディスプレイ広告は、ユーザーがWebサイトやアプリを閲覧している限り、長期的にそして複数に渡り接点を持てるのが違いと言えるでしょう。
- ディスプレイ広告を実施していきたいものの、何から始めたら良いかが分からない
- ディスプレイ広告を運用しているものの、成果に伸び悩んでいる
- インハウス体制の強化を行いたい、社内でノウハウを蓄積したい
ディスプレイ広告のサービス
ディスプレイ広告を配信する際には、主に「Google」と「Yahoo!」の2大アドネットワークが活用されます。アドネットワークとは、様々なWebサイトやアプリを集めてパートナーとすることで、それらの媒体にまとめて広告が配信できる仕組みのことです。
また最近では、YouTubeの動画再生中や再生前後に広告を配信するインストリーム広告を中心とした「YouTube広告」も注目を集めています。
では、以下のディスプレイ広告のサービスについて見ていきましょう。
- Googleディスプレイネットワーク(GDN)
- Yahoo!広告 ディスプレイ広告 運用型(YDA(旧YDN))
- YouTube広告
Googleディスプレイネットワーク(GDN)
GDNは、Googleが束ねる200万以上のウェブサイトで構成されており、インターネットユーザーの約90%近くにリーチができるとされています。
主な配信先は、食べログやライブドアブログ、教えてgooなどです。またGoogleアドセンスを利用している個人ブログなどにも配信されます。この他、GoogleのサービスであるYouTubeやGmailにも広告を配信できます。
また、GDNのターゲティングの特徴として、年齢や性別・地域といった基本的なデモグラフィック情報を用いたターゲティングに加えて、「子供の有無」や「世帯収入」を設定して広告の配信が可能です。
塾や英会話などの子育て世代に向けた商材や、高単価商材を訴求したい場合は、YDA(旧YDN)よりも適していると言えるでしょう。
Yahoo!広告 ディスプレイ広告 運用型(YDA(旧YDN))
一方のYDA(旧YDN)は、Yahoo! JAPANやYahoo! ニュース、Yahoo!メールといったYahoo!が運営するサイトを中心に配信できます。特に、Yahoo! JAPANは、月間で約840億PV(2022年3月媒体資料より)を誇る日本最大級のポータルサイトなので、非常に多くのインプレッションを集めることが可能です。
この他に主なパートナーサイトとして、食べログ・クックパッド・ライブドアニュース・朝日新聞デジタルなどが挙げられます。(2023年7月の情報)

YDA(旧YDN)には、特定のキーワードを検索したユーザーに対してピンポイントで広告を配信する「サーチターゲティング」というターゲティング方法があります。
例えば、過去30日以内に「都内 マンション 新築」と検索しているユーザーに対して、サーチターゲティングを実施することで、そのユーザーがその後に閲覧するサイトの広告枠に広告を配信するといった方法です。
検索広告(ディスプレイ広告)と同様に、特定のニーズを抱えているモチベーションの高いユーザーに広告を訴求できるのがメリットです。
YouTube広告
YouTubeは、インターネット環境の普及などから年々ユーザー数が増加し、今や全インターネット人口の約3分の1にあたる20億人以上のユーザーが毎月YouTubeを利用しています。日本でも、毎月7,000万人ものユーザーが、YouTubeを視聴しています。
そんなYouTubeに広告を配信できるのが、Googleが提供するサービス「YouTube広告」です。
2023年7月現在、下記の7パターンがあります。
- スキップ可能なインストリーム広告
- スキップ不可のインストリーム広告
- インフィード広告
- バンパー広告
- アウトストリーム広告
- マストヘッド広告
- 動画アクションキャンペーン
広告はYouTube 動画再生ページ、関連動画の横や検索結果部分、ホームフィード部分、 Google 動画パートナー上のウェブサイトやアプリに表示されます。
配信の中心となるのが、YouTubeの動画を再生する前や、再生中に挟みこまれる「インストリーム広告」です。ユーザーが5秒以上広告を閲覧するとスキップできる広告と、15秒以上閲覧するまでスキップ不可の広告の2種類が存在します。
どちらもYouTube動画再生時に必ず視聴してもらえるため、リーチが広がりやすいことや、動画再生画面全体を使って動画と音声で訴求することで、通常のディスプレイ広告よりもユーザーの印象に残りやすいというメリットがあります。
ディスプレイ広告の成果改善における2つの大前提
ここから、ディスプレイ広告の改善方法についてお伝えしていきますが、前提として、ディスプレイ広告はあくまでマーケティングの手法の1つであることを覚えておきましょう。
最適なコンテンツに最適な運用が組み合わさって効果が出るという点を軸に置きながら、運用し続けることが重要です。
また、効果検証をしてから、次のアクションに繋げることも大切です。
ついつい、あれもこれも気になって一気に変更しようとしがちですが、大事なのはアクションに対して効果検証をし、次のアクション(検証内容の追加や修正、もしくは別の方法で検証)に繋げていくとことです。
そのためには、全体成果への影響の大きいものから、一つずつ効果検証を進めましょう。
ディスプレイ広告を改善する指標
まずは代表的な改善軸に沿って、改善策を紹介します。
▼CVを増やしたい場合 | |
---|---|
ターゲットユーザーの改善 | よりCVへの確度の高いカスタムオーディエンス、リターゲティングを実施 |
配信先・フォーマット改善 | Yahoo!TOP面への配信を拡大・強化 |
▼CPAを下げたい場合 | |
---|---|
ターゲットユーザーの改善 | 年齢や性別の不明ユーザー層を除外 |
配信先・フォーマット改善 | アプリ面を除外 |
ファネル別のターゲティングは、下の画像をご参考ください。

その他、運用のレバーは複数ありますので、次で具体的なポイントを紹介します。
ディスプレイ広告のプランニングで意識すべき5W3H
本章では、すでにご紹介した2点以外にもディスプレイ広告で改善できる具体的なポイントを、プランニングの際に意識すべき5W3Hに分けて解説します。
ターゲットの改善 |
クリエイティブの改善 |
予算・入札の改善 |
媒体の機械学習の活用による改善 |
When(配信するタイミング)
曜日・時間帯ごとの強弱
目的と実績に応じて曜日・時間帯ごとに入札の強弱を付けたり、配信を一定の時間帯に限定することが可能です。ターゲットの属性から考えて、夜間の時間帯に配信したいけれど、その前に日予算に達して配信されていない場合や、休日に重点的に配信したい場合などに見直しましょう。
曜日・時間帯ごとの成果は管理画面で確認できるほか、レポートの取得も可能です。
GDNでは、曜日・時間帯ごとの入札調整比率の変更は「キャンペーン > 広告のスケジュール > 該当の曜日・時間帯の入札単価調整比」をクリックして変更できます。
除外する場合は、引き下げ率を100%にすることで可能です。

YDA(旧YDN)では、「キャンペーン > 広告グループ > 曜日・時間帯タブ > 該当の入札価格調整比率」をクリックして変更できます。
除外する場合は、引き下げ率を100%にすることで可能です。

リターゲティングにおけるリーセンシー期間の設定
自分の商材における、ユーザーが広告に接触してからCVするまでの検討期間に合わせて、リーセンシー期間の見直しを行いましょう。
Where(配信先)
配信先デバイス・ネットワーク・プレースメントごとの入札調整と除外設定
デバイスごとの成果から入札調整を行うだけでなく、配信されているけれど、効率が合わない特定のプレースメント(ページ、サイト、アプリ、動画)を配信先から除外設定を行ったり、アプリ面の効果が悪く全体の効率に影響している場合に除外したりすることで、効率の改善につながります。
デバイス・ネットワーク・プレースメントごとの成果の確認と設定
ここでは、GDNでの確認と設定の方法を紹介します。
GDNでは管理画面とレポート画面で確認することができます。成果に応じて抑制・除外設定を行いましょう。
設定方法を以下で説明します。
デバイス調整比率は「キャンペーン > デバイス > デバイスごとの入札単価調整比」をクリックして変更できます。除外する場合は引き下げ率を100%にすることで可能です。

アプリやプレースメントの除外は、「プレースメント > 除外設定 > ペンマークをクリック > プレースメントを除外」をクリックすれば設定できます。

また、複数のキャンペーンに、同じアプリやプレースメントを除外設定したい場合は、ツール > 共有ライブラリ > プレースメント除外リスト、プラスマークをクリックし新しいリストを作成することで効率良く設定・管理が可能です。


Whom(誰に配信したいのか)
年齢/性別/世帯年収/家族構成
ターゲットとしたい年齢・性別などの設計が正しいかを再確認をするとともに、配信結果により比率の強弱を付けたり、除外したりすることで効率の改善を図りましょう。
GDNのみの機能として、子供の有無や世帯収入での設定・入札調整も可能です。
興味関心、類似ユーザー、拡張の範囲
興味関心・トピック(配信面のカテゴリ)・特定のキーワードに関連するサイト面への配信など、様々なターゲティングの中から、最適な組み合わせを見つけましょう。
類似ユーザー機能によるターゲティングを使用して、既存のリマーケティングリストのユーザーと同じ特徴を持つユーザーをターゲットに設定することも可能です。
こちらはGDNのみの機能となりますが、ターゲティングのリーチを自動的に拡張することが可能で、逆に無効とすることで、意図しない拡張を防ぐこともできます。
What(何を見せ、どこに誘導するのか)
クリエイティブ・広告フォーマットごとの検証
広告フォーマット(テキストや画像、レスポンシブ)ごとの成果、バナーサイズやレスポンシブディスプレイ広告のアセットごとの成果に応じて、停止や差し替えを行いましょう。
誘導先・LPの検証
ユーザーにとって最適なリンク先を設定しているか、またページがユーザーにとって利便性の高いものであるかを見直し、LPトライアルやページの改修を行いましょう。
Why(何のために配信するのか)
配信の目的
大前提として、「どのようなユーザーに配信したいか」がずれていると、細かい設定の修正を行っても、根本の解決になりません。
特に代理店に運用を委託している場合など、目先の数字にばかり目が行き、事業の目的や広告配信におけるミッションなどの共通認識が持てているか、またはずれてきていないか、今一度見直しましょう。
KPI・KGI
KGIを達成するために、現在の予算やKPIの設定が適正なものであるか見直しましょう。
リスティング広告と同じ目標設定で、効果が悪いと判断して停止してしまうケースが見られますが、リスティング広告とディスプレイ広告で同じ効率を目指すのではなく、リスティング広告とディスプレイ広告を組み合わせることで効果を最大化させるために双方を運用していくことが大切です。
また、ディスプレイ広告の中でも、最低限リターゲティングとそれ以外のターゲティングの2つに分けて評価していくことが必要です。
How much(いくらで配信するのか)
予算
キャンペーンに、予算による配信制限がかかっていると、1日の推奨予算より低いことから、1日かけて予算を消化できるよう、広告の掲載頻度が抑制されます。
予算の増額の検討を行い、増額できない場合は入札単価の引き下げや、曜日・時間帯やプレースメント、年齢性別などの入札単価調整比を下げることで、制限された予算内で最大限の効果を出せるよう調整しましょう。
その他の予算に関しての考え方は、次章で詳しく解説します。
How Many(1人のユーザーに、何回配信するのか)
フリークエンシーの設定
コンバージョン達成までの広告表示回数を確認し、適切なフリークエンシーを設定することにより、ユーザーに必要以上の広告が表示され嫌悪感を持たれることを防げます。
また、購買見込みの低いユーザーへの掲出を減らし、費用を押さえることができます。
CV除外
リピートしない商材の場合、全体にCVユーザーの除外を行いましょう。
How(最適化と検証)
目的に応じた最適化の設定
キャンペーンで重点的に獲得したい要素に応じて最適な入札戦略を設定しましょう。
▼コンバージョンを重視する場合
目標コンバージョン単価(CPA)/目標広告費用対効果(ROAS)/コンバージョン数の最大化/コンバージョン値の最大化/拡張クリック単価(eCPC)
▼クリックを重視する場合
クリック数の最大化/個別クリック単価制
▼露出度を重視する場合
インプレッション単価制(CPM)/視認範囲のインプレッション単価制(vCPM)
また、GDNにおいてディスプレイ キャンペーンを使用している場合は、クリックではなくコンバージョンに対する支払い(成果報酬)が可能です。
下書きとテスト機能で検証するメリット
入札戦略を切り替える際、Google 広告の下書きとテスト機能が役に立ちます。
下書きを使って、キャンペーンに複数の変更を準備し、変更を元のキャンペーンに適用したり、新しいテストを作成したりすることができます。テストを実施することで、キャンペーンに変更を適用する前に掲載結果を測定し、変更することでどのような影響が生じるかを把握することが可能です。
ディスプレイ広告における予算の考え方
ディスプレイ広告を成功させるには、予算に関して以下のポイントを理解しておくことが重要です。
- 上限CPAを設定する
- 「増額基準」を明確にしておく
- 初月から予算を確保しすぎないように注意する
これらを理解しておくことで、不調なときは適切に配信を停止し、好調なときはタイミングよく増額できます。
では、1つずつ確認していきましょう。
「上限CPA」を設定しておく
広告効果が不調な場合の「上限CPA」を必ず設定しておきましょう。ディスプレイ広告の目的は、組んだ予算を全て消化することではなく、最低限の費用できちんと成果を出すことです。
以下の例を参考にして、「このような状況で最終的な目標達成は現実的か」「この状況でまずすべきことは何か」について考えてみましょう。
予算 | 300,000円 |
---|---|
目標CPA | 10,000円 |
目標CV数 | 30件 |
状況:
- 配信開始から10日間経過し、100,000円分(予算の3分の1)の広告を配信
- CV2件、CPA50,000円と目標CPAから5倍悪化してしまっている
目標CPAから5倍悪化しているということは、このまま継続して当初の予算300,000円を配信しても、目標の20%しか成果をあげられない進捗状況です。
おそらくこの状況のまま配信を継続していても、CPAがいくらか改善することはあっても、目標CPAの10,000円を達成するのは非常に難しいでしょう。そのため、この状態でまずすべきことは、「広告の一時停止」を検討することです。
あらかじめ「上限CPA」を決めておき、それを超えてしまった場合、一度配信を停止して戦略を練り直しましょう。
「増額基準」を明確にしておく
次に、ディスプレイ広告が好調になった場合に備えて、「広告費の増額が可能なのか」「可能な場合いくらまで増額できるのか」を事前に確認しておくことも大切です。
せっかく成果を得られているのに、予算不足が原因で配信を伸ばしきれなければ、機会損失となります。獲得ができるタイミングで一気に配信を伸ばせるように、好調になった場合も想定し、対応を明確にしておきましょう。
初月から予算を確保しすぎないように注意する
予算を決める際に最も避けるべきなのは、初月から予算を確保し過ぎないことです。
無謀な目標を立てて配信を開始した結果、想定したような成果が得られず、社内的に「リスティング広告は効果が悪い」とマイナスイメージがついてしまい、初月で掲載終了となってしまうケースも稀にあります。
ディスプレイ広告は、配信データの分析と改善を繰り返すことで成果を拡大していくものです。短期的な成果だけを求めず、2か月、3か月と中長期的な計画を描き、初月の予算を決定していきましょう。
これらの予算の考え方は、ディスプレイ広告だけでなく他の運用型広告にも当てはまります。以下の記事ではリスティング広告の予算について解説してますが、ディスプレイ広告でも活用できる考え方などを解説していますので、併せてご覧ください。
ディスプレイ広告を改善しても成果が出ないなら、プロへの依頼も検討
ディスプレイ広告をいくら改善しても成果が得られない場合、一度外部パートナーに任せてみるのもひとつの手です。
外部パートナーに依頼する場合、運用代行と伴走型支援の2種類があります。
運用代行 | 広告運用を代行するサービス |
---|---|
伴走型支援 | 社内の担当者に対し、プロが必要な手順をレクチャー・サポートしつつ、作業の確認をしてくれるサービス |
自社の状況や、将来的にすべて内製化したいのかに合わせて、適切な外部パートナーを選ぶことが大切です。
では、運用代行と伴走型支援のメリット・デメリットを見比べてみましょう。
運用代行のメリット・デメリット
運用代行のメリットデメリットは以下の通りです。
メリット | デメリット |
---|---|
・最新の情報を共有してくれる | ・代理店手数料がかかる |
プロに運用そのものを任せるため、社内に広告運用の知見がなくても成果を出しやすいというメリットがあります。
しかし、社内にノウハウがたまりにくいため、将来的に外部パートナーに頼らず内製化したい場合は、次に紹介する伴走型支援がおすすめです。
伴走型支援のメリット・デメリット
伴走型支援のメリットデメリットは以下の通りです。
メリット | デメリット |
---|---|
・知見がなくても広告運用を開始できる | ・コンサルティング料がかかる |
伴走型支援は自社の担当者に対し、知識やノウハウをレクチャーしたり、運用を行いながらサポートをしていきます。そのため、社内の人員は必要になりますが、ノウハウが蓄積されることで内製化も可能です。
まとめ|ディスプレイ広告を成功させるために
本記事では、ディスプレイ広告における改善点と見るべきポイントを説明してきました。
プランニングの際に意識すべき5W3Hで考える、ディスプレイ広告で改善できる具体的なポイントは以下の通りです。
ターゲットの改善 |
クリエイティブの改善 |
予算・入札の改善 |
媒体の機械学習の活用による改善 |
また、予算を考える際には、以下の3つも併せて確認しておきましょう。
- 「上限CPA」を設定しておく
- 「増額基準」を明確にしておく
- 初月から予算を確保しすぎないように注意する
改善しても成果が得られない場合は、外部パートナーに依頼することも検討しましょう。
よくある質問とその回答
ディスプレイ広告で成果を上げたいのですが、どのようにすれば良いですか?
ディスプレイ広告で成果を上げるためには、ターゲットの明確化、目標・KPI設定、運用、改善を短いスパンで繰り返していく必要があります。
そのためには、ディスプレイ広告で目指すべき成果を見据えながら、改善を繰り返し、長期に渡って継続できる運用体制が必要です。
ディスプレイ広告を新たに取り組みたい、今実施している広告成果をより上げていきたいという担当者様に、MOLTSでは成果にこだわったディスプレイ広告支援を提案しております。
まずは一度「ディスプレイ広告の支援内容」をご覧ください。
ディスプレイ広告の改善策について教えてください。
ディスプレイ広告での代表的な改善軸に対しての解決策は以下のとおりです。
- CVを増やしたい場合
- ターゲットユーザーの改善:よりCVへの確度の高いカスタムオーディエンス、リターゲティングを実施
- 配信先・フォーマット改善:Yahoo!TOP面への配信を拡大・強化
- CPAを下げたい場合
- ターゲットユーザーの改善:年齢や性別の不明ユーザー層を除外
- 配信先・フォーマット改善:アプリ面を除外
本記事では、より具体的なディスプレイ広告で改善できる具体的なポイントをプロの視点から解説しています。詳しくは「ディスプレイ広告を改善する指標」をご覧ください。
ディスプレイ広告を成功させるために何を意識すべきでしょうか。
前提として、ディスプレイ広告は他広告同様、あくまでマーケティングの手法の1つです。まず、最適なコンテンツに最適な運用が組み合わさって効果が出るという点を軸に置きながら、運用し続けることが重要です。
また、効果検証をしてから、次のアクションに繋げることも大切です。そのためには、全体成果への影響の大きいものから、一つずつ効果検証を進めていくことが重要です。
本記事では、ディスプレイ広告の改善に取り組む際の8つの視点と、それぞれの具体的な改善方法について説明します。詳しくは「ディスプレイ広告の成果改善における2つの大前提」をご覧ください。
ディスプレイ広告の課題は、広告運用のプロにご相談ください
アトリビューションの分析や出稿先の選定、ターゲット設計…と、適切なディスプレイ広告の運用には検討すべき事柄はさまざまです。運用してみたものの成果があがらず、課題を抱える企業も少なくないでしょう。事業課題に即した戦略設計や運用が欠かせませんが、それらを自社だけで判断するのは難しいものです。
ディスプレイ広告における運用や戦略の見直しを検討されている方は、ぜひTHE MOLTSにご相談ください。デジタルマーケティングに精通した広告運用のプロフェッショナルが、成果を出すための戦略立案から施策実行まで支援いたします。
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