売れる仕組み構築で、目標商談件数を前倒し達成

急成長スタートアップのマーケ部門立ち上げ秘話

外部からのサイバー攻撃や情報漏えいなどを未然に防ぐために昨今注目を集めるWebアプリケーション脆弱性検査ツール。一般的にオンプレミス型ツールを導入し、ベンダー企業が検査を実施するケースが主流の中、社内で脆弱性検査を内製できるクラウド型ツール「AeyeScan(エーアイスキャン)」を開発、提供しているスタートアップ企業が、株式会社エーアイセキュリティラボです。

プロダクトリリースから3周年を迎えた2023年には、クラウド型webアプリケーション脆弱性検査ツールで国内市場No.1※のシェアを達成しており、現在急成長中のスタートアップ企業としてセキュリティ業界から注目を集めています。

同社では2021年に資金調達を実施したことが契機となり、非連続的な成長を実現するための体制強化の一環としてマーケティングの体制と仕組み作りに着手することになりました。その際にBtoBマーケティング全般を支援する目的で、THE MOLTSにお声がけいただきました。

今回はエーアイセキュリティラボ社の代表である青木さまと、取締役としてビジネスサイド全般を管掌する角田さまに加え、本プロジェクトを担当したTHE MOLTSの永田 さおりを交えて取り組みを振り返りました。

富士キメラ総研調べ「2023 ネットワークセキュリティビジネス調査総覧 市場編」
(Webアプリケーション脆弱性検査ツール〈クラウド〉2022年度実績)

プロダクトドリブンの企業がBtoBマーケティングに本腰を入れ始めたワケ

エーアイセキュリティラボ 青木さま

永田:エーアイセキュリティラボさんでは、クラウド型Webアプリケーション脆弱性診断ツール「AeyeScan(エーアイスキャン)」を開発、提供されています。「セキュリティ」と聞くとなんとなく難しくて面倒なものだというイメージが先行すると思います。

そもそもどういったきっかけから、セキュリティ領域で起業されたのでしょうか。

青木:弊社は2019年4月に、私とエンジニア3名の計4名で立ち上げられました。起業の背景には「世の中にあるセキュリティツールよりも、俺たちの方がもっといいものを作れるはずだ」という自信とセキュリティ領域に対する課題感からです。

創業メンバー全員はセキュリティ領域の実績、経験が長く、過去にはオンプレミス型の脆弱性診断ツールを開発したメンバーもいます。そのため、「オンプレのプロダクトで市場1位を獲得したこともある自分たちなら、もっと新しい技術を取り入れたいいものが作れる、世の中に新しい風を吹かせられる」「自分たちのプロダクトは導入しないほうがもったいない!」と、自信に満ちあふれていたのです。そうした環境で生まれたプロダクトが、AI+RPAを活用することで高精度な診断を自社で内製化できる脆弱性診断ツール「AeyeScan」です。

永田:エーアイセキュリティラボさんは当初、プロダクトドリブンで事業を進めていたのですね。どのようなきっかけから、BtoBマーケティングに本腰を入れて取り組むようになったのですか?

青木:2021年11月にベンチャーファイナンスを実施したことが転機になりました。それまではリファラル経由で顧客を獲得し、その延長でまた新規顧客を開拓していたため、緩やかに成長していました。

大きな問題こそ起きていないものの、このままだと財務状況が良好な優良中小企業になるだけだと危機感を抱き始めたのです。短期間で急成長を遂げるスタートアップ企業らしい成長曲線、いわゆる「Jカーブ」を描くような事業展開をするために独立したのではなかったかと思い返しました。

そこから会社の組織を確固たるものにし、プロダクトを売っていく仕組み作りに着手することになりまして、そのタイミングで入社したのが現在取締役の角田さんです。

角田:私はもともと大手システムインテグレーターで一部門の責任者を務めてはいましたが、マーケティングを専門としていた訳ではありません。組織を拡大させるための仕組みを作り、軌道に乗せていくために必要な仕事のすべてが私の担当範囲です。THE MOLTSとの取り組みはBtoBマーケティングの立ち上げが目的でしたが、それ以外にもカスタマーサクセスやプリセールスの組織と仕組み作りも同時並行しています。

マーケティングのミッションは、他のSaaS企業が構築しているような売れる仕組みを整えること

エーアイセキュリティラボ 角田さま

永田:未経験からマーケティング組織の立ち上げは簡単なことではないですよね。属人的なリファラルから、組織的なマーケティングによる新規リードの獲得に舵を切るにあたって、どのような目標を掲げ、どのようなアクションを取っていたのでしょうか。

角田:普通のSaaSっぽく売ること、つまり他のSaaS企業が構築しているような売れる仕組みを整えることが大きなミッションでした。しかしこのミッションを達成するためにどのような要素が必要なのか、どのようなアクションを取るべきか分かっておらず……。そこでまずはBtoBマーケティングに長年携わっている専門家の方にご相談することから始めました。

専門家の方からのアドバイスを受けて取り組むべき施策を洗い出し、その中にコンテンツマーケティングが挙げられていました。もちろんオウンドメディア運営も未経験だったので、ご支援いただけるパートナー企業もあわせてご紹介いただきました。それがTHE MOLTSとの出会いです。

永田:当時はどのような課題に対して危機感を抱いていましたか?

青木:会社全体として非連続な成長をしなければならず、そのためには非連続な売り方とそのための組織が必要だと感じていました。カスタマーサクセスやプリセールスなど、どれもプライオリティが等しく高いのですが、売り上げまでの流れで上流の部分、つまりマーケティングから立ち上げることになりました。

角田:私自身の課題としては、そもそも売れる仕組みを作るノウハウがなかったこと、すべて自分の手で動かしていたので実施できる範囲が限定的かつスピードが遅かったことです。

取り組みの決め手は、数字へのコミットメントとスピード感、そして優先順位の感覚

THE MOLTS 永田

永田:初めて弊社とお打ち合わせしたとき、どのような第一印象を持ちましたか?

青木:永田さんとお話してすぐ、数字に対する強いコミットメントとアクションのスピード感を感じました。特に弊社のようなスタートアップ企業では、朝言ったことがお昼には変わっているような朝令暮改は日常茶飯事です。そうした慌ただしい状況に合わせて泥臭く、柔軟にアクションをしてくれる存在はとても貴重だと思います。

角田:弊社と仕事の優先順位の付け方の感覚が近いように感じました。スタートアップ企業ではやることが多く、一つひとつ対応していたら時間がいくらあっても足りません。「この仕事はいますぐ着手しなきゃ」「この仕事は一旦ステイでよい」という判断にズレが少なく、スピード感をもって進められるという期待を抱きました。

結果、他社のBtoBマーケティング支援サービスとの比較検討は行わず、初回のお打ち合わせ後にそのまま取り組みがスタートすることになりました。

BtoBマーケ全体を俯瞰した取り組み。ターゲットの言語化と見直しが大きな転換点に

永田:THE MOLTSとの取り組みは、2022年11月からスタートさせていただきました。青木さんがおっしゃったようにプロジェクトのスピード感と変化が激しかったのですが、お二人とは波長が合うようで、楽しくお仕事させていただきました。

具体的には、お声がけのきっかけでもあったオウンドメディアの立ち上げから始まり、新規リードの獲得という観点でプロダクトページのCVR改善やホワイトペーパーの作成など、幅広く取り組ませていただきました。商談数向上では、プロダクトが売れるための見せ方作りとしてイベントや展示会などの細かい調整やキャッチコピーの企画、そして後の工程ではメールマーケティングによるリードからの商談への引き上げなど、さまざまな施策でご一緒させていただきましたよね。

角田:BtoBマーケティングの専門家の方にはコンテンツマーケティングのプロとしてご紹介いただきましたが、弊社事業全体の優先度に応じてBtoBマーケティング全体をサポートいただきました。さまざまな施策をご支援いただきましたが、特に印象に残っているのが、2023年6月に実施した大型展示会への出展に伴う、ターゲットの言語化と見直しです。

そもそもリファラルで商談を獲得してきた経緯があるため、正直なところマーケティングにおけるターゲットを言語化できていませんでした。ターゲットを言語化できていないと困るのは、展示会のポップや配布する資料などに記載するキャッチコピーや訴求したいメッセージが定まらないことです。

そこで社内で既存のお客さまと最も接しているカスタマーサクセスの担当者や、一番最初にお客さまへ提案をするインサイドセールスの担当者にヒアリングしていただき、すでに作成していたペルソナをさらにブラッシュアップするかたちでターゲットの言語化に取り組んでいただきました。

青木:永田さんにターゲットを言語化いただいたことで、マーケティングの戦略に変化が起きました。既存のお客さまからも「やっと打ち出すメッセージが決まったんだね」「ようやく会社として次のステージに進んだね」との声をいただいています。

目標商談件数の前倒し達成だけでなく、当初の目的である「売れる仕組み」の構築にも成功

永田:「協力会社の人」としてでなく、「社内の人」のように取り組むことを常に意識して施策の企画やパートナー選定をさせていただきました。展示会用の動画制作やプロダクト資料のブラッシュアップでも、イメージ通りのものができるまで妥協せず、角田さんと一緒に悩んだことは忘れられません。

現在も取り組みの最中ではありますが、2022年11月からの取り組みでどのような成果が得られましたか?

青木:年間目標に据えていた商談件数を前倒しで達成することができたこと、有償契約も100件を超えています。お客さまの中には誰もが社名を知っているようなエンタープライズ企業も含まれており、こうした明確な成果をマーケティング活動によって創出できたことは、今回の取り組みの成果だと思います。

角田:マーケティング領域における私のミッションであった「他のSaaS企業が構築しているような売れる仕組みを整えること」は、永田さんとの取り組みによって2023年12月頃に達成することができました。

マーケティングの立ち上げは当初私1人の状況でしたが、他の業務と兼ねている3人に増えました。兼務しつつも、日々のメールマーケティングやコンテンツマーケティングなどの施策を仕組みとして運用することができている状態です。もちろん、私と永田さんが介在しなくても現場は自走しています。

THEMOLTSには最先端のマーケティングのキャッチアップ、さらにグローバル展開の支援も期待

永田:以前の打ち合わせでは「グローバル展開」というキーワードが出ていました。さらに「Jカーブ」を描く事業展開のために、どのような展望を見据えているのでしょうか?

青木:次年度が始まる2024年4月からは、さらに大きなテーマである海外市場へチャレンジしていきます。今回の取り組みと同じように成果を出すためには、まず体制の構築が必要です。マーケティング施策も現地に拠点をおくか、日本から展開していくか、手探りの状態から始めないといけませんが、そもそもマーケティングの理論は海外から輸入されたものですので、言語的な課題をクリアできればうまく施策がハマるはずです。永田さんにもぜひ海外チャレンジをサポートしていただきたいですね。

永田:嬉しいお言葉、ありがとうございます!ぜひお力添えさせてください!角田さんはTHE MOLTSにどのような期待をしていますか?

角田:セキュリティにもマーケティングにも「流行り」があります。流行りをうまく掴み、時流に乗った施策を展開していくことは、事業推進のスピードを加速するためにも重要なポイントです。セキュリティのトレンドは社内で追っていきたいと思いますので、マーケティングの最先端を永田さんにはキャッチアップしていただき、弊社にご提案いただきたいですね。セキュリティとマーケティングを掛け算していくことで、よりスタートアップ企業らしい非連続的な成長を続けたいと思います。

永田:取材の最後に、THE MOLTSはどのような企業におすすめできそうでしょうか?

青木:やはり弊社のようなスタートアップ企業にとっては、THE MOLTSは強力なパートナーになりうる存在だと思います。スタートアップ企業は、事業アイデアやプロダクトはあるけども、売っていくための体制も仕組みもないことがほとんどです。そして、何もない状態から売っていくための体制も仕組みも構築していくには、正直何をしたらいいかわからないのです。

そうした悩みに対して、まるで社内の人のように泥臭く動いてくださるTHE MOLTSは、さらなる成長を目指すスタートアップ企業におすすめできるパートナーだと思います。

著者情報

著者の写真

SAORI NAGATA

永田 さおり

Strategy & Project Manager

業界歴10年以上。オウンド・コンテンツマーケティングを中心に100社以上を支援。現在はデジタルマーケティングの立ち上げから実行、組織開発・コミュニケーション設計までの総合支援を行う。

記事をシェア

関連する実績

一人体制から立ち上げ、半年でSAL300件超を創出。 事業起点でマーケを再設計し、商談を生み出す組織へ メイン画像
一人体制から立ち上げ、半年でSAL300件超を創出。 事業起点でマーケを再設計し、商談を生み出す組織へ
中国発のAGV/AMRメーカーを母体に、日本市場で事業を拡大するギークプラス。ひとりマーケター体制という制約の中で、BtoBマーケティングの立ち上げからリード獲得・ナーチャリング基盤の構築に挑み、その試行錯誤と具体的な取り組みの裏側を振り返ります。 詳細を見る
基本をやり切るかどうか。 130の施策実行で分かったSEOでV字回復を作れたワケ メイン画像
基本をやり切るかどうか。 130の施策実行で分かったSEOでV字回復を作れたワケ
世界各地の現地体験を予約できる「ベルトラ」を運営するベルトラ株式会社。旅行市場や検索環境の変化により、オーガニック流入の減少という成長課題に直面していました。そこで同社はSEO戦略の転換を決断し、全社横断のSEOプロジェクトをTHE MOLTSと共に始動しました。 詳細を見る
「データ課題の突破口を見出し続けてくれる」 あえて手の内明かすスタイルで持続的なパートナーにTHE MOLTSが選ばれ続けるワケ メイン画像
「データ課題の突破口を見出し続けてくれる」 あえて手の内明かすスタイルで持続的なパートナーにTHE MOLTSが選ばれ続けるワケ
自社開発CMSを軸にWeb制作・マーケティング支援を行う株式会社シフトが、THE MOLTSと協働し、データ基盤構築と検索順位チェックツール代替の開発を実施。レポーティング効率化と可視化精度の向上を実現した取り組み事例です。 詳細を見る
CPA半減、新規獲得コスト1/4削減 バイセル社が実現した催事マーケティング組織変革 メイン画像
CPA半減、新規獲得コスト1/4削減 バイセル社が実現した催事マーケティング組織変革
株式会社BuySell Technologiesが不定期催事という特殊な「リユースきもの」マーケで既存手法が通用せず、THE MOLTSと一般的なフレームワークではなく催事特性に特化したPDCA体制構築を実施。若手育成含む包括支援でCPA3,000〜4,000円から安定2,000円以下を実現しました。 詳細を見る

ご相談・お問い合わせ

デジタルマーケティングに関するご相談はこちらから

会社案内ダウンロード

THE MOLTSの会社案内ダウンロードをご希望の方はこちらから

採用情報

私たちと一緒に働くプロフェッショナルを募集しています

お問い合わせ・ご相談 会社案内ダウンロード