リード1.5倍、遷移率30%超を実現
Web広告未経験のバイオテクノロジー企業の急成長変革
バイオベンチャーとして2003年に設立し、研究支援事業、およびメディカル事業を展開する株式会社リプロセル。2013年JASDAQグロースに上場(現在は東証グロース市場)、そして米国・英国・インドとグローバルに展開する同社では、ホルモンなどのカラダ数値を簡単に検査できるサービス『ウェルミル』や個人向けiPS細胞作製サービス『パーソナルiPS』など、一般消費者向けサービスも展開しています。
そうした中、もともとWeb集客を行っておらず、学会等でのブース出展等をメインに営業活動を展開してきた同社。しかし、よりサービス認知を拡大していくためにもWeb広告の必要性を感じ、ノウハウや知識がゼロの状態からいかにインハウス化を実現するかが課題としてあり、このたびTHE MOLTSにご相談いただきました。
そこで当社では、カリキュラムをベースとした広告運用のインハウス化を支援。今回は、同社 にて新規事業開発グループのマネージャーを務める小川さま、営業・マーケティング部 大西さま、メディカル部 佐藤さま、そして本案件を担当したTHE MOLTSの菊池 真也が、これまでの取り組みを振り返りました。
小手先のテクニックではなく、成果を出すためにどうPDCAを回していくかまでを支援いただける企業を探していた
菊池:このたび、THE MOLTSでは御社の広告運用のインハウス化を支援させていただきましたが、ご相談いただいた背景として、あらためてどういった課題感を抱えていたのかを教えていただけますか?
小川:これまで、学会等でブースを出展したり、営業部が地道に営業活動を行ってきたことで、バイオ界隈ではある程度認知いただけるようになりました。しかし、一般の方向けのサービスを展開する上ではより認知を拡大していく必要があり、そのためにはWebでの展開が必至であると考えていました。
そこでまずはWeb広告をはじめることになったのですが、これまでWeb広告を展開してきたことがなかったため、まったくのゼロからのスタート。
そのため、Web広告に関するノウハウや知見が社内にないということが課題としてあり、どう進めていくべきかリサーチしていく中で、Web広告のインハウス化支援を行ってくれる会社があるのだと知ったことが今回ご相談させていただいたキッカケでした。
菊池:インハウス化支援を行う企業が多くある中で、どのような点を重視して比較検討されていましたか?
小川:実はTHE MOLTSにご相談する以前に、別の企業にコンサルティングに入ってもらっていたことがありました。ゼロからのスタートであったため、まずは広告運用ができる土台を整えるところを支援いただいたのですが、入稿できるようになったものの、成果に繋がらない状態が続いていました。
そこで新たにご相談できる企業はないかと探す中で、広告入稿の実務に関してだけでなく、Web広告でどう成果を出していくかまでをしっかりとコンサルティングしてくれるかどうかが、比較検討のポイントのひとつでした。
また、当社のニッチな商材に対しても再現性のあるノウハウや知見があるかどうかもポイントでした。そこで広告運用の実績が豊富で、さらに企業理解、事業理解を踏まえてコンサルティングいただける企業を探していました。
菊池:最終的にTHE MOLTSに依頼することを決めた理由を教えてください。
小川:まず、WebマーケティングやWeb広告のコンサルティングを行う会社が、わかりづらいサイトをつくっていたら信頼できないなと思っていた中で、THE MOLTSのサイトは情報が充実しており、非常にわかりやすく、信頼できるなと思いました。
そして実際に菊池さんにお会いしてお話を伺う中で、当社のような規模の会社に対しての実績もお持ちであり、また小手先の広告入稿の話ではなく、成果を出すためにどの指標を見て、どう改善していくか、といったことを論理立てて展開いただけることが最終的な決め手でした。
基礎知識はオンラインで無料で学べる時代だからこそ、成果を出すための考え方をインストールしていった
菊池:どうやって広告を入稿するかであったり、広告運用の基礎に関して、いまはYouTube動画やブログなどで無料で学べる環境がありますから、そうしたことをTHE MOLTSで教えるのではなく、自習いただければいいと考えていました。
一方で、「知っている」と「できる」は違います。広告運用の方法を知っていても、できなければ意味がありません。また、「できる」けれども、「成果が出る」かどうかもまた違うため、広告運用を知り、できるようになるだけでなく、成果を出すための考え方をインストールすることを大切にして進めさせていただきました。
そして、KPI設計や入札設定、キーワード選定などの基礎に関してはカリキュラムとして進めつつ、広告を実際に運用して、PDCAを回しながら成果を出していくというところをOJT形式で進行。今回複数商材あったため、商材ごとに一緒にアカウントを見ながら、フィードバックを重ねていきましたね。
大西:広告運用はこれまで経験がありませんでしたから、それまでは広告と聞くと派手な印象を持っていたんですね。しかし実際は細かく数字を見て、改善を繰り返していったりと、ここまで愚直にやっていくんだというのが正直な感想で、とても驚きでした。
佐藤:当社は規模の大きい会社ではないため、どうしても兼務でやらなければならないことが多くあります。そのため、Web広告に関しても、実務ばかりにリソースを割いてしまい、顧客分析など本質的に重要なことに手が回っていない状況でした。
しかし、今回菊池さんに支援いただく中で、そもそも私たちがどういった事業を展開しているのかといった事業理解やペルソナ策定、カスタマージャーニーマップの設計などを進めていき、そうしたことが広告だけでなく、サービスを売るという根本的な部分であらためて重要なのだということを実感。
その結果、経営層とも顧客視点を取り入れたコミュニケーションができるようになったり、Web広告以外にもそうした視点を持って取り組めるようになったことは、とても良かったと感じています。
菊池:やはり、御社の事業はニッチな領域であるため、私自身はじめは正しく事業を理解することに苦労しました。しかし、広告を通じて御社の事業をユーザーに届けるためには、関わる全員が事業や顧客をしっかりと理解する必要があります。
コンサルティングに入らせていただく企業によってはすでにペルソナやカスタマージャーニーマップなどがすでに設計されているケースもありますが、今回は各商材に対してあらためて誰に届けたいのか、どうすれば申し込みに繋がるのかなど、ペルソナやカスタマージャーニーマップの設計から一緒に進めていき、みんなで理解を深めていけたのはとても印象的でした。
広告運用だけでなく、LPやホワイトペーパーなどもご支援いただけたことは期待以上だった
菊池:プロジェクトが進んでいく中で、驚きであったことや期待以上だったことは何かありましたか?
大西:Slackでやり取りをさせていただいてましたが、当初は何か質問しても、返事をいただくまでに時間がかかるかなと思っていました。しかし、実際はすぐにレスを返していただき、丁寧にフォローアップいただけていることは期待以上でしたし、とても嬉しかったです。
また、一度菊池さんに説明いただいたことに対して、ふたたびわからなくなってしまい、同じ説明をしていただくこともありましたが、そうしたときも嫌な顔をせずに説明いただけたりと、真摯に向き合ってくださったことも嬉しかったです。
小川:いろいろとレクチャーいただく中で感じたのは、常に新しい情報を取り入れていらっしゃるということでした。
当然ながら広告運用に関して基本的なストラテジーはありつつも、やはりトレンドであったり、新しくできることが増えたりと、対応していかなければならない要素があります。そうした情報を常にキャッチアップされていて、私たちにも逐一ご教授いただけたことはさすがプロだなと感じました。
佐藤:もともと自分なりに広告運用について学んでいたものの、人に説明できるほど理解ができていませんでした。
しかし今回、レクチャーや実際の広告運用に対してのフィードバックをもらってPDCAを回していったことで、成果を出すための広告運用の考え方が身についてきたなと実感しており、その結果人に説明できるようになっていったことは驚きでした。
また、広告運用だけでなく、広告から遷移するLPの改善などもフォローアップいただけたことは期待以上でした。
菊池:広告運用だけで成果最大化を図ることには限界があります。特に今回のようにニッチな商材でかつ予算が限られている場合、広告パフォーマンスを上げていくためにはクリエイティブも大事な要素になってきます。
そこでLP改善やCVRを上げるためにどういったホワイトペーパーが必要であるかなど、広告運用以外の部分も進めていきました。
広告予算は同じまま、リード件数は1.5倍にまで成長。クリエイティブ改善により遷移率も大幅改善を実現
菊池:今回の取り組みを通じて、現時点でどのような成果が数字に現れていますか?
佐藤:いくつか商材がある中で、ある商材ではリード件数は1.5倍にまで成長しています。広告予算は変えておらず、やったことはアカウント構造やキーワードのメンテナンスなど、ユーザー視点でいろいろと工夫してのアプローチでした。
その結果、広告効率も良くなり、右肩上がりの成長を実現できていることはとても嬉しく思っています。
小川:また別の案件では、これまで広告をクリックして、LPから購入ページへ遷移する率が非常に低く、数%しかありませんでした。要因としてはクリエイティブが悪いことにあったのですが、そうしたクリエイティブ改善の結果、現在では購入ページへの遷移率は30%超を実現できていることも、大きな成果のひとつです。
そして定性的な成果として、広告施策に関して経営層とも論理立ててコミュニケーションが取れるようになったことも大きいです。以前までは広告の配信状況がなんとなく良かった、悪かったといった話しかできなかったのが、いまでは結果が悪かった場合はここを改善していくとか、どういった時間軸で仮説検証を繰り返していくかなど、先を見通したコミュニケーションが取れるようになりました。
大西:取り組み当初は、ここまで目に見えた成果が生まれるとは思っていませんでした。しかし、LPのクリエイティブをどうしていくべきか、資料ダウンロードできるようにすべきだとか、いろいろと細かくアドバイスいただけたおかげで、Web広告がリード獲得の重要なチャネルのひとつになっています。
また、広告運用との因果関係はまだ調査できていませんが、今回の取り組み以降、お問い合わせ数が全体的に増えているのは、とても嬉しいです。
菊池:そうした成果を踏まえて、御社での体制やマインドセットに何か変化はありましたか?
小川:以前までは「良い商品であれば特別な販促をせずとも売れるだろう」といったマインドが少なからず社内にはありました。
しかし、いまでは商品設計と同じくらい、Web広告やWebマーケティングが重要であるという認識が広がり、商材をどうお客様に伝えていくかが大事であるというマインドセットが醸成されていると感じています。
広告運用のノウハウがいまでは組織の資産に。全社的な理解が深まったことで、事業全体のクオリティも向上している
菊池:先ほど佐藤さまから、人に教えられるようになったといったお話がありましたが、組織やチームとして再現性を持って取り組めるようになっているのは、いいですね。
インハウス化で悩まれる企業では、知識やノウハウが属人化してしまい、その担当者が退職してしまうとどうしようもなくなる、といったケースが往々にして起こり得ます。社内で教えていくことで、ノウハウが組織の資産になっていくことは非常に素晴らしいことだと思います。
佐藤:ご支援いただき、本当に良かったなと感じています。数値的な改善はもちろん、これまでは私ひとりでどうにか広告運用を頑張るしかないといった状況だったのが、いまでは組織で取り組めるようになりました。
おっしゃる通り、広告運用のナレッジやノウハウが自社の資産になっていると実感しています。
小川:本当に以前までは会社全体で「Web広告って何?」といったレベル感だったのが、Web広告から売上に繋がるようになっていき、社内でもWeb広告の重要度が高まっています。
社内の報告会でも、以前まではバイオテクノロジーに関する話題や営業の話題が多かったのに対して、いまでは広告やWebマーケティングの話題も増えています。そうした会社全体での理解が深まっていったことで、よりWebマーケティングを理解した上での事業開発を進めていけるため、事業全体のクオリティが上がっていると感じています。
菊池:あらためて今後の展望、そしてこれからのTHE MOLTSに期待していることがあれば教えてください。
佐藤:今回支援いただいたおかげで、再現性を持って成果を出すための広告運用が徐々にできるようになっていきました。今後は、より多くの商材に展開していきたいと考えています。
そうした中で、まだまだノウハウが足りない部分も多いため、今後ともぜひTHE MOLTSにはお付き合いいただき、ご支援いただければと思っています。
著者情報
SHINYA KIKUCHI
Marketing Strategist / Consultant
業界歴16年以上。運用型広告のコンサルティング、インハウス化支援、代理店の組織構築などを行う。 成果を最大化するためのチームビルディングが得意。
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