EFOとは?7つの施策例と成功事例、ツールの選び方を紹介

この記事でわかること

  • CVR改善を行いたいマーケターは、EFOをマストで取り組んだ方が良い理由
  • 具体的なEFOのやり方
  • EFOツールの必要性やできること

EFOとは、入力フォームを最適化することで、入力完了率を高める施策のことです。

EFOを行うことで、低コスト・低工数で、Webサイト全体のコンバージョン数を最大化できる可能性があります。そのためコンバージョン改善を行いたいマーケティング担当者は、マストで注力すべき施策だと考えています。

しかし「具体的にどのようなことをすれば良いのか分からない」「取り組む際はEFOツールを導入すべきなのだろうか」といった疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。

EFOは無料でも行えますが、基本的には有料のEFOツールを活用しながら考えられる施策を全て行い、効果検証を繰り返すことが効果的です

本記事では、なぜEFOが重要なのかを説明した後に、EFOの施策例を7つ紹介します。EFOツールを使うと具体的に何ができるのかも解説するので、ぜひ参考にしてください。

※以降、コンバージョン率のことを「CVR」と記載します。

自力でのCVR改善に限界を感じたら?

もし今後、以下のような壁にぶつかったら、その道のプロに相談するという選択肢を検討してみませんか?

  • 自社でも仮説・効果検証は行っているものの、改善が見られない
  • 流入経路ごとのアクセス解析やCVR改善を行いたいが、必要なデータを過不足なく取れているか不安
  • クッキー規制の観点で、データ計測基盤の構築に悩んでいる

アクセス解析やCVR改善を強みとする、歴15年以上のプロフェッショナルが相談に乗ります。

困った時にいつでも相談できるよう、まずは実績や提供内容が分かる資料をご覧ください。

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EFOとは「入力フォームを最適化し、ユーザーの離脱を防ぐための施策」のこと

EFOとは「Entry Form Optimization」の略称で、その名の通り「入力フォームを最適化する施策」のことを指します。ユーザーがフォーム上で離脱するのを防ぎ、Webサイト全体のCVRを改善する目的で行います。

例えば、Web広告などを通してユーザーから問い合わせを獲得したいにもかかわらず、問い合わせフォームに不備があったり、入力しづらい内容になっていたりしたらどうでしょうか。

問い合わせの直前まで訪れていたユーザーに離脱されてしまうため、このままでは大きな機会損失に繋がります

そこで以下のような施策を行い、ユーザーにとってストレスにならない(かつ自社にとって欲しい情報を入力してもらえる)フォームに最適化していく必要があります。

施策例
  • 余計な導線を削除する
  • 離脱の原因になっている設問項目を削除する
  • 郵便番号から住所が自動入力されるようにする

このような施策のことを、EFO(入力フォーム最適化)と呼びます。

EFOを行うと、低コストでコンバージョン率を大きく改善できる可能性がある

冒頭でもお伝えしましたが、EFOを行うと比較的容易にコンバージョン率を改善できる可能性があります。フォームは基本的にどのユーザーも必ず通過するポイントなので、改善を加えることでCVRやコンバージョン数に大きな影響を与えられるのです。

例えば以下のようなケースで、「コンバージョン数を2倍にしたい」と考えたとします。

記事やLPのセッション数が合計10,000(↓1%が遷移)
フォームのセッション数が100(↓10%が入力完了)
コンバージョンが10件発生

コンバージョン数を2倍にするためには、

  • 「コンテンツSEOやWeb広告などの施策を行い、ページのセッション数自体を2倍にする」
  • 「フォーム入力ページの離脱率を下げて、入力完了率を2倍にする」

といった施策が考えられます。

もし前者のようにセッション数自体を2倍にしようとすると、コンテンツ制作には時間や費用がかかりますし、Web広告の場合は広告費を増やさなければいけないケースもあるでしょう。

それに対して後者のEFO施策であれば、フォーム1ページのみを最適化することで、同様の成果を目指せます。このように比較的低コストで、コンバージョン数やCVRを大きく改善できる可能性がある点が、EFOのメリットです。

また逆に考えると、フォームでの離脱率が95%など高い場合は、いくらコンテンツを増やしたり広告出稿を強化したりしても、結局フォームでほとんどのユーザーが離脱してしまいます。この場合は成果を最大化させるためにも、まずはフォームの離脱率改善を優先すべきだと言えます。

以上のような理由から、「コンバージョン数を増やしたい」「CVRを高めたい」という企業は、数ある施策の中でも、まずはEFOを検討してみることがおすすめです

EFOの施策例を7つ紹介

それでは具体的に、EFOではどのような施策を行うのかを解説していきます。

まず前提として、冒頭でもお伝えした通りEFOは、後述する「EFOツール」を導入して、ユーザーの離脱ポイントなどの細かい分析を行ったうえで実施するのが効果的です

しかし「すぐにツールを導入するのは不安」「とりあえず施策の具体例を知りたい」という方も多いでしょう。

そこでまずは、以下7つの施策を紹介します。

EFOの7つの施策
  1. フォームの項目数をなるべく減らす(必要最低限の項目のみ残す)
  2. ヘッダーやフッターなどの余計な導線を削除する
  3. 設問項目を、プルダウンではなくラジオボタンにする
  4. 流入元のCTA文言とフォームのページタイトルを合わせる
  5. 「この資料で分かること」など、フォーム内容に応じたコミュニケーションを取る
  6. 確認ページに注意書きを記載する(もしくは確認ページを削除する)
  7. 実際に問い合わせまでの流れを体験して、使いづらいと感じる部分を改善する

記事後半で、EFOツールを使うとどのように改善に役立てられるのかを解説します。

施策1.フォームの項目数をなるべく減らす(必要最低限の項目のみ残す)

まず、最も簡単で効果的なのが、フォームの設問数自体を減らしてしまうことです。通常は設問数を減らせば減らすほど、フォームの入力完了率は上がっていく傾向があります。

例えばBtoB商材を提供している企業の問い合わせフォームが、次のような構成になっていた場合を考えてみましょう。

  • 名前(必須)
  • ふりがな(必須)
  • 郵便番号
  • 住所
  • 会社名(必須)
  • メールアドレス(必須)

BtoBサービスの場合は「ふりがな」「郵便番号」「住所」などは取得しなくてもよい場合がほとんどでしょう。そういった、あってもなくてもどちらでも大丈夫な項目は、積極的に削除していきます。

その他にも、名前の入力欄が「氏」「名」と分けられているものは一つに統合するなど、可能な限りユーザーのストレスを減らす工夫を行いましょう。

ただし、項目を無闇に少なくすればよいというわけでもありません。例えばBtoB企業の場合は、フォームの項目を減らしたことで、営業が商談のために必要な情報を取得できなくなってしまい、「リードの数は増えたものの、商談見込みの高いリードがどれか分からなくなってしまった」といった問題が生じる可能性もあります。

問い合わせやリード獲得の目的・受注に至るフローなどによって必要な項目は異なるので、営業と相談しながら「この情報を何に活用しているのか」を確認してみてください。そこから逆算し、削除する設問と残す設問を考えるのがおすすめです。

もし、資料請求をしたリードに対してインサイドセールスが架電をする、といったフローの場合は「業種」「会社名」「予算」などの項目は全て電話でヒアリングできるので、フォームからは削除してよいケースが多いです。

なお、EFOツールを使うと「実際に離脱が起こっている項目」「その項目の入力にかかった時間」なども可視化されるので、より効果的な対策を考えられます

施策2.ヘッダーやフッターなどの余計な導線を削除する

フォームに限らず、余計な導線があるページはそうでないページに比べて、離脱率が高くなる傾向があります。

そのためフォームでは「申し込み完了」以外のページに遷移できないようにすると、CVRを改善できる可能性があります。例えば以下のようなコンテンツが目立っている場合は、削除できないかを検討してみましょう。

  • ヘッダー
  • フッター
  • サイドバー
  • パンくずリスト など
ヘッダーやフッターなどの余計な動線を削除する

なお、弊社(MOLTS)がクライアント支援に入る中で、コンタクトフォームの導線削除のABテストを実施した結果、余計な導線を削除した場合は、削除しなかった場合に比べてCVRが約2倍も高くなった事例があります

施策3.設問項目を、プルダウンではなくラジオボタンにする

設問項目を選択式にする場合は、プルダウンではなくラジオボタンを設定するのがおすすめです。

プルダウンとは以下の画像のように、一度ボックスをクリックしてから選択肢を選ぶ形式です。それに対し、ラジオボタンでは最初から選択肢が表示されています。

プルダウンとラジオボタンの違い
※引用:Googleフォーム

後者のラジオボタンの方が、ワンクリックで選択できるため、離脱率が低くなる傾向があります。

「ユーザーにとってどちらの方がストレスなく入力ができるか」といった視点でフォームの形やデザインを考えていきましょう。

施策4.流入元のCTA文言とフォームのページタイトルを合わせる

フォームへ遷移する前のページに記載されていたCTA文言と、フォームのタイトルが異なることが原因で、ユーザーが離脱してしまうことがあります。

例えば、LPでは「無料トライアルはこちら」というCTAを設置しているのに、フォームのタイトルが「お問い合わせ」となっているようなケースです。

CTA文言とフォームのページタイトルを合わせる

基本的には、CTA文言とフォームのタイトルは合わせておきましょう。

もしコンバージョンポイントが複数ある場合は、以下のようにそれぞれに紐づくフォームを作るのがおすすめです。

  • 問い合わせは「問い合わせ専用フォーム」へ
  • 無料トライアルは「無料トライアル専用フォーム」へ
  • 資料請求は「資料請求専用フォーム」へ

コンバージョン計測を別々に行いたい場合は、完了ページも専用のものを作って分けておくのが良いでしょう。

施策5.「この資料で分かること」など、フォーム内容に応じたコミュニケーションを取る

入力フォームのページに、ただ設問だけを記載している企業も多いのではないでしょうか。

入力完了率を高めるためには、ユーザーがモチベーションを失わないよう、フォームの内容に合わせたコミュニケーションを設置することもおすすめです。

例えば「詳細が決まっていない場合でも、まずは一度ご相談ください」「この資料ではこのようなことが分かります」など、より問い合わせや申し込みをしてみようと思えるようなコミュニケーションをフォームに添えてみてください。

フォームの内容コミュニケーション例
問い合わせフォーム

「お気軽にご相談ください」
「まずはお見積もりします」 など

資料請求

「この資料で分かること」
「締め切りは○日まで」 など

無料トライアル

「○日間無料」
「60秒で利用開始」 など

「無料」「簡単」「期限がある」といったことは、積極的に記載するとよいでしょう

その他、例えば資料やトライアルの内容がイメージできる画像を設置するのもおすすめです。

入力フォームに資料やトライアルの内容がイメージできる画像を設置する

施策6.確認ページに注意書きを記載する(もしくは確認ページを削除する)

「フォーム」→「入力確認ページ」→「完了ページ」という流れでユーザーが遷移するケースでは、その「入力確認ページ」で離脱が起こっているケースもあります。

例えば「確認ページを、問い合わせ完了だと勘違いしている」などはよくある離脱の原因です。その場合は、ページ上部で「※問い合わせはまだ完了していません」といった表示をするなどの施策が有効です。

確認ページの削除を検討するのも良いですが、入力ミスをした場合の影響が大きいフォーム(決済情報や個人情報の入力項目があるフォームなど)の場合は、確認ページは消さずに残しておきましょう。

施策7.実際に問い合わせまでの流れを体験して、使いづらいと感じる部分を改善する

ここまでは、フォームの離脱率が高くなってしまう原因とともに、具体的なEFO施策を紹介してきました。しかしこれらの施策はあくまで一例であり、他にもさまざまなことが原因でユーザーの離脱は起こります。CVRを高める有効な打ち手は、企業によって異なります。

そのため一度、実際にユーザーになったつもりで、「Webサイト(LPや記事)」→「フォーム」→「完了ページ」までの流れを体験してみてください。その際に使いづらいと感じた部分は、多くのユーザーも同様にストレスを感じていると考えられるため、改善することで離脱率を下げられるかもしれません。

例えば「フォームの表示速度が遅かった」「スマートフォンで見た時に、入力フォームが小さく文字を記入しづらかった」といった、予想外の問題を発見できることもあるでしょう。

大切なのは、ユーザーが入力しやすい(もしくは入力したいと思える)フォームになっているかどうかです。実際のユーザーになりきって、フォームの課題点を洗い出してみてください。

自力でのCVR改善に限界を感じたら?

もし今後、以下のような壁にぶつかったら、その道のプロに相談するという選択肢を検討してみませんか?
  • 自社でも仮説・効果検証は行っているものの、改善が見られない
  • 流入経路ごとのアクセス解析やCVR改善を行いたいが、必要なデータを過不足なく取れているか不安
  • クッキー規制の観点で、データ計測基盤の構築に悩んでいる
アクセス解析やCVR改善を強みとする、歴15年以上のプロフェッショナルが相談に乗ります。
困った時にいつでも相談できるよう、まずは実績や提供内容が分かる資料をご覧ください。

CVRを最大化させるためには、EFOツールの導入がおすすめ

ここまで紹介した施策はツールを使わなくても行えますが、基本的にはどの企業も、EFOツールを利用するのがおすすめです。

EFOツールを利用すると、以下のようなユーザーの動きを数値化し、改善すべきポイントをすぐに可視化することができるからです

  • フォーム入力ページの流入数
  • フォーム入力ページに入ったが、フォーム項目に何も入力せず離脱した数(直帰率)
  • フォーム入力ページに入り項目入力を進めていたが、途中で入力をやめて離脱した数(入力途中離脱率)
  • 入力完了数
  • 項目別のエラーの発生数
  • 項目別の離脱直前に入力されていた数
  • 項目別のフォーム入力数
  • 項目別の平均入力時間
EFOツールを使って離脱原因を分析する

例えば上記のイラストのように「設問③」の離脱率を分析し、離脱率が高いことが判明したとします。その場合に以下のような施策を行い、どのように改善を加えたら離脱率が最も低くなるかをテストすることができます。

  • 設問自体を削除する
  • 文言を変える
  • 回答例を記載する

ユーザーがフォームで離脱する原因は、企業によって大きく異なります。そのためツールを使って課題となっている部分を可視化し、それに対してピンポイントで改善を加えることが有効なのです

またEFOツールを使うと、「郵便番号から住所を自動で取得する」「フォームにガイドメッセージを表示する」など、実装に手間がかかることも簡単に設定できます。

EFOツールの基本的な機能一覧
  • ガイドメッセージの入力機能
  • 住所入力サポート機能
  • リアルタイムアラート機能
  • フリガナ自動入力機能
  • 必須項目のカラーリング機能
  • 半角・全角の自動変換機能
  • 残り入力項目数の表示機能
  • 確認ボタンの最適化機能

▼ガイドメッセージのイメージ

ガイドメッセージのイメージ

▼住所入力サポート(郵便番号からの自動入力)のイメージ

住所入力サポート(郵便番号からの自動入力)のイメージ

EFOツールを使うことでこのような設定を行い、よりユーザビリティの高いフォームに最適化することができます。

EFOツールがおすすめな企業・不要な企業

「オウンドメディアやWeb広告・ECサイトなどの運用を行っており、CVRを上げたいと考える企業」は、基本的にEFOツールを導入するのがおすすめです

ここまで解説してきたように、EFOはコンバージョン数の向上に大きく影響するからです。またEFOツールの費用は月額10,000~50,000円程度から始められる製品が多く、比較的安価に設定されています。ツールを利用して0.5%でもCVRを改善できれば、費用対効果は高くなるでしょう。

ただし以下のような企業は、今すぐツールを導入する必要はないと考えています。

  • フォームへの到達数が少なすぎる(母数が少なすぎる)
  • フォームの設問数が少ない

例えば「年間セッション数が500しかない」「フォームの入力数が年間3件しかない」など、フォームへの到達数があまりに少ないと、母数が少ないため正しく効果検証が行えません。またCVR改善のインパクトも小さいため、まずはフォームへの到達数を増やす(母数を増やす)ことを優先するのがおすすめです。

セッション数を増やすための施策(例えばコンテンツSEO)や、フォームへの到達率を上げるための施策(例えばLPO)を行い、ある程度の母数が確保できるようになってから、ツールの導入を検討してみましょう。

また、そもそも入力フォームの設問数が少ない場合も、EFOツールの恩恵を受けにくいです。例えば名前とメールアドレスだけのフォームなどは、ツール無しでできる施策で十分でしょう。

EFOツールを導入しない場合は、GA4の「データ探索」を利用するのがおすすめ

もし「EFOツールを利用しない」「今すぐ簡単な分析を行いたい」という場合は、GA4の「データ探索」という機能を使って、フォームの入力完了率や離脱率を測ってみましょう。

※フォームから完了ページへ遷移したユーザーの割合が12.9%、離脱(放棄)した割合が87.1%であることを表しています。

ただしGA4では、細かいユーザーの動きや、設問ごとの数値などを分析できない点に注意が必要です。それぞれのツールで分析できることを比較したので、参考にしてみてください。

GA4で分かることEFOツールで分かること

フォーム入力ページの流入数


フォーム入力ページの流入数


フォーム入力ページから離脱した総数


フォーム入力ページから離脱した総数



フォーム入力ページに入ったが、フォーム項目に何も入力せず離脱した数(直帰数)



フォーム入力ページに入り項目入力を進めていたが、途中で入力をやめて離脱した数(入力途中離脱数)


入力完了数


入力完了数



項目別のエラーの発生数



項目別の離脱直前に入力されていた数



項目別のフォーム入力数



項目別の平均入力時間

EFOツールでは「そもそも入力を開始したのか/それとも何もせずに離脱(直帰)したのか」「フォームのどのポイントで離脱したのか」といった細かい内容を分析することができます。

2023年7月1日にユニバーサルアナリティクス(以下UA)の計測が終了しました。データの閲覧は2024年7月1日までは保証されているものの、それ以降は閲覧することさえできなくなります。そのため、必要に応じて過去のデータをバックアップする必要があります。

本記事をご覧の方の中には、「全てのデータを残しておくべきなのか、部分的に残すべきかが分からない」とお困りの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

これからご紹介する「UAの計測終了!今のうちにバックアップすべき過去データの選び方」では、アクセス解析領域で様々な成果を出してきたアナリストが、UAからGA4に引き継ぐ上でバックアップすべきデータについて解説しています。ぜひご一読ください。

ツールを使ったEFO施策でCVRの改善に成功した事例

EFOによってCVRを改善したある企業の事例を紹介します。

事例1.フォームのユーザビリティを改善し、入力完了率UP

とある企業が、フォームでの離脱率が高い原因を突き止め、入力完了率を改善した事例です。

EFO実施の目的(課題)

Webサイト全体のコンバージョン数を増やしたい(現状はCVRが低い)

具体的に何をやったか

・フォームの項目を減らした
・EFOツールを使って、離脱率が高い項目を洗い出し、設問形式の変更や表現の工夫をした

その成果

フォームの入力完了率が上がり、CVRが改善した

ポイント

フォームでの離脱を防ぎつつも、企業側が欲しい情報を得られる設問に最適化した

Webサイトのコンバージョン数を増やすことを目的に、まずは入力フォームでのユーザーの動きや数値を分析するところからスタートしました。その結果、フォームでの離脱率が高く、それが原因でWebサイト全体のCVRが低いことが判明したため、EFOを優先的に行っていくことになりました。

最初に着目したのは、フォームの設問数が多かったことです。余計な項目が多かったので、まずは必要最低限の項目のみを残し、それ以外は削除することを検討しました。「削除してよい項目」「必ず入力してもらいたい項目」を精査し、設問数の最適化を行いました。

次に、EFOツールを使って「どの設問でどれだけ離脱されているか」を洗い出していったところ、とある設問で特に離脱率が高くなっていることが判明します。その設問は、企業側としては入力してもらいたい情報でしたが、専門的な言葉が多く、ユーザーからすると正確な内容を記入するのが困難な項目だったのです(専門的な知識が必要で、調べるのに時間がかかってしまう)。

そこで入力欄を「この中で一番近いものはどれですか?」といった選択式に変更し、いくつかのイラストからユーザーが直感的に選べるようにしました。つまり、フォームでの離脱を防ぎつつも、企業側が欲しい情報を得られる設問に最適化したのです

その他にも、「削除することはできないが離脱率が高かった項目」では、質問の仕方や表現を工夫し、ユーザーが詰まることなく入力できるフォームになるよう、改善を繰り返していきました。

その結果、フォームの入力完了率が向上し、当初課題だったCVRを改善することができました。

事例2.ステップ方式フォームの活用で入力完了率が向上

求人者向けマッチングサービスを提供する企業が、通常のフォームと異なる「ステップ方式フォーム」を活用し、入力完了率を大幅に改善した事例です。

EFO実施の課題

フォームに入力する情報が多く、ユーザーが途中で離脱してしまうケースが多かった

具体的に何をやったか

・フォームを一問一答のステップ方式に変更
・入力の進捗状況を表示するようUIを改善

その成果

フォームの入力開始率、完了率が改善

ポイント

フォームでの離脱を防ぎつつも、企業側が欲しい情報を得られる設問に最適化した

サービスの根幹である、サイト経由のサービス登録率の低さが課題でした。この企業の登録フォームは、1ページに7項目の入力事項があり、画面をスクロールしなければすべての項目を入力できない状態だったのです。

そこでEFOツールによって分析したところ、入力項目が多すぎることがユーザー離脱の原因だと考えられました。そこで、以下2つの施策を実施しました。

  • 入力フォームを一問一答のステップ方式に変更
  • 画面上部に進捗状況を表示するなどのUI改善

一問一答形式に各項目を切り分けることにより、ユーザーは1つずつ質問に答えていくだけで登録を完了できるようになりました。さらに、進捗状況を表示することで、ユーザーのモチベーションを維持しやすくしたのです。

その結果、フォームの入力開始率が40%改善し、入力完了率も55%と大幅に改善されました。

※参考:EFOとは?意味や効果的な施策例・ツールの機能・成功事例を徹底解説|Kaizen Platform

EFOツールの選び方とおすすめツールを紹介

最後に、おすすめのEFOツールを紹介します。

EFOツールには様々なものがありますが、どの製品も機能に大きな差はありません。そのため、費用や使いやすさなどの観点から、各社で好きなものを選んでみてください。

費用は月額10,000~50,000円程度から始められる製品が多いです。ただし利用できるフォーム数が決められており、フォーム数を増やす場合は追加料金が発生するケースが一般的です。それも加味した料金を考えて、比較検討すると良いでしょう。

おすすめのEFOツール初期費用月額料金
(利用フォーム数)
フォームの追加料金
f-tra EFO33,000円(税込)~ / フォーム
※設定代行オプション
55,000円~
(要問い合わせ)
要問い合わせ
EFO CUBE0円50,000円/月 
(5フォームまで)
10,000円/1フォーム
Gyro-n EFO0円〜15,000円~/月
(2フォームまで)
10,000円/1フォーム

なお、弊社(MOLTS)では普段から「f-tra EFO」を利用することが多いです。導入しやすく様々な機能があるからです。ツールを決められない方は、一つの参考にしてみてください。

EFOツールの詳細やおすすめ製品などは、こちらの記事でも詳しく解説しています。

まとめ|EFOに取り組んでコンバージョン数を最大化させる

EFOを行うことで、低コスト・低工数で、Webサイト全体のコンバージョン数を最大化できる可能性があります。

「記事や広告のCVRが低い」「コンバージョン数を増やしていきたい」と考えるマーケティング担当社の方は、ぜひ本記事を参考に、EFOに取り組んでみてください。

EFOの7つの施策
  1. フォームの項目数をなるべく減らす(必要最低限の項目のみ残す)
  2. ヘッダーやフッターなどの余計な導線を削除する
  3. 設問項目を、プルダウンではなくラジオボタンにする
  4. 流入元のCTA文言とフォームのページタイトルを合わせる
  5. 「この資料で分かること」など、フォーム内容に応じたコミュニケーションを取る
  6. 確認ページに注意書きを記載する(もしくは確認ページを削除する)
  7. 実際に問い合わせまでの流れを体験して、使いづらいと感じる部分を改善する

EFOは無料でも行えますが、基本的にどの企業もEFOツールを利用するのがおすすめです。ユーザーが離脱する原因は状況によって大きく異なるので、ツールを導入してフォーム上でのユーザーの動きを細かく分析し、そのうえで施策を考えることが大切です

ツールを利用して0.5%でもCVRを改善できれば、費用対効果は高くなるケースが多いので、ぜひ検討してみてください。

よくある質問とその回答

EFOをはじめ、Webサイトのコンバージョン改善施策がうまくいかずに悩んでいます。

WebサイトやWeb広告の分析を自社で行いたい、もしくは運用支援を依頼したいという方のために、弊社では事業課題に応じた支援内容を提案しております。

▼提供サービス例

  • 正しくCVRを計測するための、計測ツール設定の見直し
  • Webサイトの改善項目の洗い出し
  • 各種施策の実行・テスト・レポーティング
  • CVR改善を行うチームの構築支援
  • EFOツールの導入やチューニングの支援
  • A/Bテストの設定・分析・改善支援

提供サービスの詳細は「CRO・CVR改善の総合支援、コンサルティング内容」をご覧ください。

効果的なEFO施策を教えてください。

以下のような施策を行うのがおすすめです。

  1. フォームの項目数をなるべく減らす(必要最低限の項目のみ残す)
  2. ヘッダーやフッターなどの余計な導線を削除する
  3. 設問項目を、プルダウンではなくラジオボタンにする
  4. 流入元のCTA文言とフォームのページタイトルを合わせる
  5. 「この資料で分かること」など、フォーム内容に応じたコミュニケーションを取る
  6. 確認ページに注意書きを記載する(もしくは確認ページを削除する)
  7. 実際に問い合わせまでの流れを体験して、使いづらいと感じる部分を改善する

ただしユーザーが離脱する原因はさまざまあり、CVRを高める有効な打ち手は企業によって異なります。そのためEFOを行う際は、EFOツールを導入してユーザーが離脱している箇所を明確にし、そのうえで施策を考えることがおすすめです。

詳細は、「CVRを最大化させるためには、EFOツールの導入がおすすめ」をご覧ください。

自力でのCVR改善に限界を感じたら?

もし今後、以下のような壁にぶつかったら、その道のプロに相談するという選択肢を検討してみませんか?

  • 自社でも仮説・効果検証は行っているものの、改善が見られない
  • 流入経路ごとのアクセス解析やCVR改善を行いたいが、必要なデータを過不足なく取れているか不安
  • クッキー規制の観点で、データ計測基盤の構築に悩んでいる

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著者情報

MASAHIRO NISHI

西 正広

Marketing Strategist / Data Analyst

業界歴15年。データ戦略の立案、アクセス解析、CVR改善、データ活用基盤の構築などを担当。電通デジタルを経て2019年MOLTS参画。

担当領域の
サービス

  • マーケティングリサーチ
  • コミュニケーションプランニング
  • SEO
  • アクセス解析
  • CDP/DMP構築・運用

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