オウンドメディアで成果を上げるには、正しい戦略設計が必要不可欠です。

しかし、戦略を描こうにも、世の中には正しいオウンドメディアの情報が、あまり出回っていません。マーケターや編集者といった視点から、オウンドメディアが語られることもありますが、そもそも、「オウンドメディアとは何か」といった根本的な定義さえ明確になっておらず、情報だけが錯綜しているのも事実です。

また、オウンドメディアには設計すべきポイントが数多くあることや、理想論ではなく実際に継続的に運用することを見越した戦略を立てていく必要があることも、オウンドメディアの成功を難しくさせている要因でしょう。

そこで本記事では、今まで50社を超えるオウンドメディアの戦略設計やグロース支援を行なってきた弊社の目線から、オウンドメディアの担当者が戦略を立てていく上で重要な考え方について紹介します。

以下のような課題をお持ちではないでしょうか?

  • 新規のオウンドメディアを立ち上げたいが、戦略・戦術がうまく立てられていない
  • オウンドメディアの運用経験がなく、成果が出せていない
  • 自社でメディア運営や制作ができるリソースがない

弊社では、これまで累計50社以上のオウンドメディアの立ち上げ、運用をサポートしてきました。以下では、戦略設計や運用体制の構築、教育など、コンサルティングや運用代行支援を通して成長させた、オウンドメディアの成功事例をご紹介しています。自社運用のヒントとして、ぜひご活用ください。

オウンドメディアのコンサル支援・運用代行の内容と事例

なぜ、オウンドメディアの戦略を立てることは難しいのか

オウンドメディアは正しい戦い方、つまり戦略をいかに設計するかが、成功と失敗の明暗を大きく分けます

その方法や成果は多岐に渡りますが、まずは、オウンドメディアが一筋縄ではいかない理由を説明します。

1. 絶対的な成功パターンを定義しにくい

オウンドメディアは、運用の目的に応じて、企業の抱える様々な事業・採用課題を解決することができます

  • 自社の商品やサービスへの問い合わせ数を増やしたい
  • 自社にマッチする求職者を増やしたい
  • ユーザーが抱く自社のイメージを変えたい

このように、解決できる企業課題の幅が広いことが、オウンドメディアの魅力の一つと言えるでしょう。

例えば、サイトへのユーザー流入経路を、自然検索にすべきなのかソーシャルにすべきなのかといった「タッチポイント設計」一つとっても、オウンドメディアの成果は大きく変わっています。サイト内でどうユーザーに回遊してもらうかといった「サイト設計」や、どのような切り口でオウンドメディアを展開するかといった「コンセプト設計」も重要です。

できることが幅広いがゆえに、また全てのオウンドメディアに共通する絶対的な成功パターンを定義できないのが、興味深いポイントであり、また担当者を悩ませる要因の一つでもあります。

2. 理想論ではなく、自社の事業課題に応じた戦略設計が必要

目的に対して、最短ルートの戦略を定義できたとしても、きちんと運用ができないと戦略は水の泡となってしまいます。

例えば、検索向けのSEOコンテンツを作るのとソーシャル向けのインタビューコンテンツを作るのでは、ライターや編集者に求められるスキルセットが大きく異なります。ソーシャルを流入経路の主軸とすると決めても、ソーシャル上で反響を呼ぶようなコンテンツを作れる人材がいなければ意味がありません。

コンテンツ制作ではなく、広告運用が最適な施策だとなった場合や、そもそもオウンドメディアのデータ解析が正しくできていないといったときも、その領域において十分な知見を備えた人材にプロジェクトに入ってもらうことはマストです。

社内にどのような人材がいるか、また外部パートナーをいかに活用していくかといった点も加味して、現実的な戦略を立てる必要があるでしょう。

▼関連記事

自社のオウンドメディアのコンサル・運用代行をそもそも外部に依頼すべきなのかお悩みの方は、ぜひ別記事「オウンドメディアのコンサルに依頼する前に押さえるべき3つのこと」をご参照ください。弊社がプロジェクトを支援させていただく際に大切にしているスタンスについても、お話ししています。また、

  • 自社のリソースが足りない
  • 追い求めたい成果を今の組織体制で実現できるのか悩んでいる

という方は、【お問い合わせページ】よりお気軽にご相談ください。

オウンドメディアの事例から学ぶ、成果獲得までの戦略設計

ここからは、弊社がどのような手順でオウンドメディアの戦略を考えているかを、実際の事例と共に紹介します。

先ほどお伝えした2つのポイントの通り、多くのポイントで現実を見据えた戦略設計をしていることに、ぜひご着目ください。

「働き方改革」で大手や省庁サイトの検索結果を超えたボーグルの事例

プロジェクトの概要

ボーグル」(旧:BOWGL)は、官公庁や大企業〜中小企業など業種・業界を問わず多くの企業で導入されている福利厚生サービス「ベネフィット・ステーション」を展開する株式会社ベネフィット・ワンのオウンドメディアです。

弊社では、2017年の立ち上げ段階から支援させていただいています。

自社のワークライフバランスを高めたい、従業員の満足度を高めたいといったニーズを抱えている企業の人事担当者や経営層をターゲットとし、そのソリューションの一つとしてベネフィット・ワンのサービスを訴求することで、リードの獲得へと繋げる戦略を立てました。

実際の戦略ポイント

本プロジェクトでは、オウンドメディアの成果を「資料請求」や「お問い合わせ」といったリード総数に定め、ニーズがある程度顕在化しているためタッチポイントを自然検索に設定。その上で、いくつかのフェーズに分けて戦略を描きました。

▼第1フェーズ

株式会社ベネフィット・ワンの広告施策からコンテンツSEOへ移行するための基盤作り。競合調査や業界分析とともに、検索で上位を獲得すれば多くのリードが発生するであろう「福利厚生」「働き方改革」に関するビッグキーワード(かつ比較・検討ワード)を中心に設計を行なった。

関連記事:SEOはキーワード選定が全て|成功事例から学ぶ9つの手順

▼第2フェーズ

対象キーワードを上げるための準備期間として、それぞれのキーワードで新規コンテンツを制作。実際に「働き方改革」「ワークライフバランス」などのマストキーワードで、省庁や大手企業サイトを超えて続々と1位を獲得し、リードが数多く発生。

▼第3フェーズ

企業としてマーケティング施策の幅を広げるために、“企業の働き方は「分かる」から「やってみる」へ”をコンセプトに、サイトのフルリニューアルを決行。

サイトのフルリニューアルによりトラフィックは30%増、資料ダウンロード数は2倍に増加。

 

このようにフェーズ毎に区切り、それぞれでやるべきことを明確にしたことで、運用開始から約3年間でリード獲得とマーケ施策拡大の2つの目的を大幅に達成しました。

コンテンツの企画やマーケティング部分をベネフィット・ワン社、コンテンツ制作やサイト全体を通してのCV獲得周りを弊社(プロジェクトオーナーコンテンツディレクター、ライター)で支援させていただいた例です。

▼ボーグルの成長秘話については、こちらもご覧ください
働き方改革や福利厚生などの主要キーワードで1位を獲得し続ける『ボーグル』成長の裏側

半年間でリード獲得数10倍を達成したテレワークナビの事例

プロジェクトの概要

テレワークナビ」(旧:インサイトシェア)は、「テレワークで日本を変える」というスローガンの下、Web会議システム・テレビ会議システムなどの遠隔ソリューションを提供している株式会社ブイキューブが運営するオウンドメディアです。

弊社がプロジェクトに参画させていただく以前より400〜500件ほどあったリード総数を、1年間で3倍の1,500件にするという目標を掲げ、取り組みが始まりました。

結果、新型コロナウイルスの影響や同社のテレビCMが打たれる前にオウンドメディアとしての受け皿を構築することができ、半年ほどで獲得リード数は10倍以上に増加。当初の目標であった1年間よりも早く、1,500件のリードを獲得できた例です。

実際の戦略ポイント

▼第1フェーズ

オウンドメディア上のGA・データ分析環境の整備を実施。従来10程度しか把握できていなかったCVポイントを、300以上でもしっかりと計測できる分析体系を整えた。

▼第2フェーズ

テレワークの文脈で多くのユーザーに正しく認知をしてもらうため、下記を実施。

・「テレワークで日本を変える」というグランドスローガンを体現するため、サイトリニューアル。

・最初の2ヶ月間は行動量を指標に、120〜130ものSEOコンテンツのリライト、かつ新規コンテンツを制作し、主要キーワードで検索上位を獲得。

成果として、目標であった1,500件のリード獲得を達成した。

▼第3フェーズ

さらなるCV獲得のため、広告運用を開始、また既にリードが発生しているコンテンツの導線を見直すためのバナーの位置やクリエイティブの変更、新規コンテンツの作成、既存コンテンツの改修等を行なっている。

 

フェーズの区切り方はあくまでも例ですが、このように、最終的なゴールを見据えた上で、そこまでの道を最短で走ることができる段階に応じたミッションを設けています

当初の目的は達成されたものの、その後はさらなる高みを目指す戦略を立て直すことで、下図のように成果の最大化に貢献することができた例です。

創出した新規の見込客数

▼関連記事

別記事「半年間でリード数10倍以上、受注率3倍増」と、爆速でBtoBベンダーのマーケ施策が成長したワケ」では、本事例の裏側をインタビュー形式で詳しく紹介しています。ぜひ、合わせてご覧下さい。

事例から読み取れるオウンドメディアの戦略のポイント

前章で紹介したオウンドメディアの事例は、事業分野、従業員数、オウンドメディアの担当メンバー体制から運用予算まで、何一つとして同じ条件ではありませんでした。

したがって、成果に結びついた要因として検索をタッチポイントとしたコンテンツの改修はあったものの、同じ戦略で進められた訳ではありません。オウンドメディアの戦略設計は、オウンドメディアの数だけ多様といっても過言ではないでしょう。

ただし、そんな中でも共通して学び取れるポイントがありますので、ここでは3つに絞って整理したいと思います。

1. 戦略を考える前に「目的から成果を定義」する

そもそも弊社では、オウンドメディアは、企業が抱えている事業・採用課題を解決するための手段としてのメディアであると捉えています。

そのため、まずはしっかりと「何のためにオウンドメディアを運用するのか」といった目的を決める必要があります。目的は企業によって様々で、事業拡大のために商品やサービスの売上拡大といった目的もありますし、求職者に自社の魅力を伝えて採用エンゲージメントを高めることが目的になる場合もあるでしょう。

目的が定まったら、オウンドメディアを運用する目的を達成したと言うためには、「どのような状態になれば成果と言えるのか」を考える必要があります。

仮に、商品やサービスの売上拡大が目的であれば「お問い合わせ数」や「資料請求数」といったリードの総数が成果になりますし、採用エンゲージメントの向上であれば、採用のエントリー数といったものが成果になります。

2. オウンドメディアの戦略はフェーズを分けて考える

企業によっては、「資料請求やお問い合わせといったリードを獲得したい」「ブランディングをして商材の知名度を上げていきたい」「オウンドメディアを直接的に収益化したい」といったように、オウンドメディアを運用する目的が一つではない場合があります。自社で所有しているサイトですから、あれもこれもと多くを願ってしまうのはごく自然でしょう。

このように目的が複数ある場合は、同時並行で進めていくのではなく、目的ごとにフェーズを区切り、戦略を立てていく必要があります。

例えば、オウンドメディアを直接的に収益化するためには、その前提として、一定のトラフィック数が必要です。そのためマネタイズに関しては、オウンドメディアの運用初期ではなく、ある程度メディアが成長した時点で取るべき戦略と言えるでしょう。

また、リードの獲得とブランディングのどちらを先のフェーズで行うべきかは、自社の優先度合いによります。まずリードの獲得が最優先なのであれば、リードをいかに取るのかといった戦略から先に組み立て、一定の成果が得られた時点でブランディングの施策へと移行していきましょう。

 

▼関連記事

各フェーズで成果を出していくために必要となるKPIの考え方については、別記事「オウンドメディアの成功は指標で変わる!成功事例から学ぶ設計方法」で詳しく解説しています。ぜひご覧ください。

3. 最短ルートを歩むために、リソースの選択と集中が必要

オウンドメディア運用は、目的の達成までに最短のルートを歩むことを意識しなければいけません。

多くの企業では、オウンドメディアにかけることのできるリソースは限られています。そんな中で、「検索向けコンテンツ」も「ソーシャル向けコンテンツ」も両方作る、動画もSNS配信もやってみる、など闇雲に施策を取っても、成果に直結せず、目的を達成するためにかえって時間がかかってしまうでしょう。

オウンドメディアは企業が運営している以上、成功すれば投資に、失敗すれば、ただ資金が流れ出ていくだけの媒体になってしまいます。

「いかに無駄なく成果を出せるか」という視点で、正しい戦略設計を元に、リソースの選択と集中を行う(「やるべきこと」「やらないこと」を明確に切り分ける)ことが大切です。

失敗するオウンドメディアは、正しい戦略・運用・継続のどれかが欠けている

オウンドメディアにおける失敗とは、目的に対して定義した「成果」を達成できないことを指します。成果は、正しい戦略に基づいて、運用と継続を繰り返せば、必ず出てきます

成果に至らないケースは、戦略の立て方や運用方法が間違っているもしくは、継続ができていない場合がほとんどです。

よくあるのが、オウンドメディアの目的が「リード獲得」であるにもかかわらず、PV数・UU数といったトラフィックばかりを追いかけてしまうケースです。

何が問題なのかというと、トラフィックを追い求めるばかりに、リード候補にならないユーザーを集めてしまい、結果的に「PV数は上がるがリード自体はあまり獲得できない」といった事態に陥ってしまいかねないからです。

こういった場合、「リードを獲得するためには、流入経路をどう設定するか」「どのキーワードで検索してきたユーザーを刈り取るべきか」といった戦略の設計や、狙ったキーワードを質の高いコンテンツを制作するための運用体制の構築、また、キーワードで1位を獲得するために継続してコンテンツを改善するといったことが大切です。

これら「戦略・運用・継続」のどれかが欠けてしまうと、成果の達成が遠のいてしまいます

オウンドメディアを立ち上げ運営していく上で、ぜひこの3つのキーワードを意識して、取り組んでいただければ幸いです。

以下のような課題をお持ちではないでしょうか?

  • 新規のオウンドメディアを立ち上げたいが、戦略・戦術がうまく立てられていない
  • オウンドメディアの運用経験がなく、成果が出せていない
  • 自社でメディア運営や制作ができるリソースがない

弊社では、これまで累計50社以上のオウンドメディアの立ち上げ、運用をサポートしてきました。以下では、戦略設計や運用体制の構築、教育など、コンサルティングや運用代行支援を通して成長させた、オウンドメディアの成功事例をご紹介しています。自社運用のヒントとして、ぜひご活用ください。

オウンドメディアのコンサル支援・運用代行の内容と事例