5分でわかる「オウンドメディア」とは?成功事例や作り方をプロが解説

MOLTS編集部

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5分でわかる「オウンドメディア」とは?成功事例や作り方をプロが解説

2022年現在、オウンドメディアを立ち上げたいという企業は、未だに増え続けています。オウンドメディアの成功事例やノウハウが広く知れ渡り、企業が以前よりも取り組みやすくなったのが要因と言えるでしょう。

その一方で、「オウンドメディアを立ち上げたけれども、なかなかうまく運用できず結果的に失敗に終わってしまった」といった声も多く聞かれます。

「何となく売上に貢献しそうだから」「多くのトラフィックを集めることができるから」といった理由で取り組む企業もありますが、オウンドメディアについての正しい理解がなければ、成果に繋がらないケースがほとんどです。

本記事では、そもそものオウンドメディアの定義や成功事例、また、多くの企業がオウンドメディア運用を失敗してしまう理由や運用開始までの適切な手順について解説します。

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オウンドメディアとは

「オウンドメディア(Owned Media)」という言葉は、企業や媒体社(メディア)によって様々な定義付けがされています。そのため、オウンドメディアの本質がなかなか分かりづらく、 時に誤った捉え方がされてしまう場合があります。

一般的にオウンドメディアとは、自社で運用するWebマガジンやブログのみを指す「狭義の定義」と、コーポレートサイトや採用サイト・SNSといった自社で運用するメディア全てをオウンドメディアとする「広義の定義」のいずれかで捉えられることが多くなっています。

しかしながら、このようなメディアの種類によって「オウンドメディアか否か」を判断するのは、オウンドメディアを本質的に捉えるものではありません。

弊社では、オウンドメディアを「企業の事業・採用課題を解決するための手段としてのメディア」であると定義しています。

例えば、自社で運用するWebマガジンであれば、商品やサービスの認知拡大、お問い合わせ数の増加に繋げることで、企業のマーケティングや営業領域における「事業課題」を解決することができます。

また採用サイトであれば、自社に興味をもつ求職者へのブランディングや実際の採用エントリー数の増加など「採用課題」の解決に繋がります。

このように本来、オウンドメディアとは、企業が抱えている事業・採用課題の解決のために、コンテンツを継続的に発信する手段です。

オウンドメディアを単に情報を発信をする場として捉えるのではなく、「いかに企業の収益を増やし、人を集め、事業に貢献するのか」といった視点で見ていく必要があるでしょう。

商業メディアとオウンドメディアの違い

オウンドメディアとよく混同されるものに「商業メディア」があります。しかし両者は、メディアの運用目的が大きく異なります。

商業メディアとは、メディア自体を一つの事業として、マネタイズを成立させることを目的としたメディアです。「SSP(Supply-Side Platform)」や「アフィリエイト(ASP)」「記事広告」などを利用し、1PVあたりいくらの収益を発生させることができるかという視点で運用されるため、PVやUUといったトラフィックが重要な指標になります。

一方のオウンドメディアは、メディア自体の収益化ではなく「企業の抱える事業や採用課題をいかに解決するか」を目的としています。

そのため、いくらトラフィックが集まったとしても、訴求したい商品やサービスのお問い合わせ数や獲得したい人材の採用エントリー数の向上といった成果に繋がらなければ、オウンドメディアを運用する意味はありません。

ただし、次章で解説していますが、オウンドメディアでもトラフィックがある程度集まった時点で、一部商業メディア化することによって、収益をあげてメディアを自走させるケースもあります。

数多くの企業がオウンドメディアを運用する2つ理由

多くの企業がオウンドメディア施策に奔走する理由として、「広告予算の最適化」と「直接的な収益化」が挙げられます。それぞれについて詳しく見ていきましょう。

1. 広告予算の最適化

Google広告やYahoo!広告といった媒体をはじめ、従来に比べて広告手法が一般化し、誰でも広告出稿が可能になった結果、1件あたりのCVを獲得するまでの費用(CPA)が高騰しているという現状があります。

オウンドメディアは、質の高いコンテンツを作り込み継続して運用することで、メディア自体を資産化することができます。長期的に費用対効果(ROI)を高めることができるので、広告だけでなくオウンドメディアに予算配分するという流れが加速しています。

2. 直接的な収益化

またオウンドメディアとしてある程度トラフィックが集まった時点で、「SSP」や「アフィリエイト」などを活用し、収益化を図ることによって、マーケティングツールとして自走することができます。

オウンドメディアはあくまでも自社の事業・採用課題を解決することが主な目的ですが、一部を商業メディア化することで、オウンドメディアの運用にかかる人件費やコンテンツ制作費を賄うことができます。

ただし、直接的な収益化ができるケースは、オウンドメディアの中でも限られています。

例えば、自動車やアパレルなど、「高級」「お洒落」といったブランドイメージをユーザーに植え付けたいと考えているのに、メディア内に収益化を目的とした広告が貼り付けられていると、かえってブランドイメージを損ねてしまう可能性があります。

また、ASPやインフィード広告を活用して収益化するためには、多くのトラフィックを必要とします。ニッチ商材を扱っているケースなどでは、収益化に十分なトラフィックを集めるのは、非常にハードルが高くなります。

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オウンドメディアを収益化させるポイントについて知りたい方は、別記事「オウンドメディアでマネタイズするには?3つの成功事例で収益化のポイントを解説」をあわせてご覧ください。

オウンドメディアの5つの成功事例

オウンドメディアと一言でいっても、いくつかパターンが存在します。オウンドメディアを分類する軸として「自社の採用課題を解決するのか」または「自社の事業課題を解決するのか」といった目的の違いがあります。

また、ユーザーの流入経路(タッチポイント)の主軸を「検索にするのか」「ソーシャルにするのか」という軸によっても分類することができます。

ここからはオウンドメディアの具体的な成功事例を用いて、それぞれにどのような違いがあるのかについて解説していきます。

ボーグル|事業課題解決型 × to B

官公庁や企業への福利厚生サービスの導入や代行をサポートする株式会社ベネフィット・ワンが運用するオウンドメディア「ボーグル」(旧:BOWGL)。“企業の働き方は「分かる」から「やってみる」へ”をコンセプトに、2017年6月より運用が開始されています。

ライフ支援・健康支援・教育支援の3つの視点から労働生産性向上をサポートする「ベネフィット・ステーション」をはじめとする福利厚生サービスのリード獲得を目的とした事業課題解決型のオウンドメディアで、検索をタッチポイントとしたコンテンツ制作が行われています。

福利厚生に悩みを抱える企業担当者が検索するであろう「働き方改革」「福利厚生」「健康経営」「人手不足」といったキーワードを設定。それらのキーワードに対して、質の高いコンテンツを発信することで検索での上位表示を獲得し、多数のお問い合わせへと繋げています。

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弊社がコンサルティングやコンテンツ制作や運用まで一貫してお手伝いさせていただいたボーグルの事例について詳しく知りたい方は、別記事「働き方改革や福利厚生などの主要キーワードで1位を獲得し続ける『ボーグル』成長の裏側」をあわせてご覧ください。

ビギナーズ|事業課題解決型 × to C

家電やカメラ・楽器など幅広いアイテムのレンタルサービス「ReReレンタル」を手掛ける株式会社マーケティングエンタープライズが、2017年6月から運用を開始したto Cの事業課題解決型オウンドメディア「ビギナーズ」。

趣味を探しているユーザーはレンタルサービスを利用しやすいことに着目し、「趣味をこれから始めたい人」や「趣味を見つけたい人」をターゲットにしたコンテンツを発信。検索で上位獲得することで「ReReレンタル」の利用者増加へと繋げています

アフィリエイトなどによるメディアの収益化(商業メディア化)も行なっており、マーケティングツールとして自走しているオウンドメディアの成功例の1つと言えるでしょう。

メルカン|採用課題解決型

株式会社メルカリの採用向けのオウンドメディア「メルカン(mercan)」。“メルカリの人を伝える”をコンセプトに、活躍する社員へのインタビュー記事やサービスをリリースするまでに至った経緯などをコンテンツ化し、社内外へと発信しています。

メルカンを通して会社のカルチャーや人となりを積極的に伝え、転職先や就職先を探している人にメルカリについて興味を持ってもらうことを目的とした採用課題解決型のオウンドメディアです。

メルカリは、約6割近くがリファラルによる採用を行なっています。社員がソーシャル上で、オウンドメディアのコンテンツをシェアすることで、友人や知人がメルカリに興味を持ち、リファラル採用に繋がるといった背景が伺えます。

サイボウズ式|事業・採用課題解決型

中小企業向けのグループウェアや労務管理システムを提供する株式会社サイボウズは、“新しい価値を生み出すチームのメディア”をコンセプトに、会社や組織のあり方、多様な働き方に関する情報を、自社のオウンドメディア「サイボウズ式」で発信しています。社内だけにスポットを当てるのではなく、社外の有識者のインタビューや対談記事が多いのが特徴です。

サイボウズの認知向上や広報を目的としており、ソーシャルを流入経路のメインとしたコンテンツ制作が行われています。マネジメント層だけでなく多くの社会人をターゲットとしており、自社サービスや製品のお問い合わせといった事業課題解決のみならず、採用エンゲージメントの向上にも寄与しています。

LIGブログ|事業課題解決型 × 収益化

株式会社LIGが、Webサイト制作事業のお問い合わせ獲得を目的に2008年に運用を開始した事業課題解決型のオウンドメディアです。最近ではサイト制作に留まらず、コワーキングスペースや教育事業に関するコンテンツ発信など、幅広い領域で展開しています。

検索をタッチポイントの主軸としながらもソーシャル向けのコンテンツも配信し、バランス良く集客を行なっています。また集客力を活かして、バナー広告を掲載するなど一部商業メディア化も行なっており、メディア単体で自走できる体制を構築しています。

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詳しくオウンドメディアの活用事例や背景について知りたい方は、別記事「目的別オウンドメディア成功事例9選|成果に繋がる3つの法則とは」をあわせてご覧ください。

多くの企業がオウンドメディア運用を失敗してしまう6つの理由

ここまでオウンドメディアの成功事例について見てきましたが、一方で運用に失敗してしまいオウンドメディアを閉鎖するケースも多くあります。

弊社では数多くの企業からオウンドメディアから「運用がなかなかうまくいっていない」といったご相談を受けますが、それらの企業にはある共通項があります。本省では、オウンドメディアの運用を失敗してしまう理由について6つ解説します。

1. 目的・成果が曖昧で継続する意味を見失う

オウンドメディアは、戦略にしたがって適切な行動を継続的に行えば、必ずと言ってても良いほど成果が表れます。

しかしながら、「とりあえずオウンドメディアを始めてみた」といったように目的や成果が曖昧なまま運用を始めてしまうと、途中で継続する意味を見失い、運用を止めてしまうケースがほとんどです。

「そもそも何の為にオウンドメディアを運用するのか」「何がオウンドメディアの成果なのか」といった目的と成果を社内できちんと定めることが、オウンドメディアを成功に導く最初のポイントと言えるでしょう。

運用の目的は企業によって様々ですが、例えば、オウンドメディアを運用することで「月のリード獲得数を300%に成長させる」「業界で一番の認知を獲得する」「採用への応募者を増やす」「今のテレアポ営業からインバウンド文化へと転換させる」といったことが挙げられます。

2. 成果までのストーリー通りに運用できていない

オウンドメディアの成果が社内で定められていても、それを達成するためのストーリー(戦略)が正しく描けずに失敗することがあります。実際に様々な企業様からご相談を受ける中で、この理由が原因でオウンドメディアがうまくいっていないケースが多々見られます。

例えば、製品への「お問い合わせ数」を成果に定めた場合、ユーザーの流入経路を検索にするのか、もしくはソーシャルにするのかといったタッチポイントを決める必要があります。

検索をタッチポイントする場合、製品やサービスの比較検討フェーズにいるユーザーをどう集客するかが「お問い合わせ数」を向上させるポイントになります。逆に多くのトラフィックを集めても、比較検討フェーズのユーザーが少なければ、大きな成果には繋がりません。

どの検索ワードでコンテンツを制作し、上位表示を狙うのかといった「キーワードの設計」に重きを置いて、戦略を立てて行く必要があります。

一方で、ソーシャルをタッチポイントとする場合、キーワードの設計よりもコンテンツの内容自体や作り手の力量が成果に大きく関わってきます。コンテンツ制作において社内だけでなく外部パートナーを活用するなど、運用体制を含めた戦略設計が必要になってくるでしょう。

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「SEOで集客をしたいけど、コンテンツを書いたことが無い」とお悩みの方は、別記事「SEOライティングとは?成果を出すために考えたい6つのこと」でSEOライティングについて解説していますので、合わせて参考にしてください。

3. 外的環境による成果の激減

外的環境も、オウンドメディアの運用を止めてしまう大きな要因です。特に検索をタッチポイントとしたコンテンツ作りでは、Googleの検索アルゴリズムのアップデートによってトラフィックが激減するリスクがあります。

またソーシャルをタッチポイントとした場合でも、制作したコンテンツが意図せずSNSで炎上することで市場からの印象がネガティブになってしまい、成果を上げづらくなるといったことがあります。

この他にも、市場のそのものの変化によって業界自体や縮小することや、反対に競合他社がたくさん生まれることによって、十分な成果を上げられなくなるといったことが原因でオウンドメディアの撤退が余儀なくされる場合があります。

4. 運用前に大変さを理解していない

オウンドメディアの運用には、想像以上にリソースがかかるものです。コンテンツを1本制作するだけでも、ユーザーニーズをしっかりと汲み取り、質の高いコンテンツに仕上げる為には、相当な時間を要します

検索をタッチポイントとする場合、コンテンツは作って終わりではなく、メンテナンスを繰り返すことによって、ようやく上位表示に至るケースがほとんどです。

専任のオウンドメディア担当者を設けずに、片手間でオウンドメディアの運用を行うと、どうしても成果を得るまでには、時間がかかってしまいます。結果的に継続することがないがしろになり、運用を止めてしまうことが多く見受けられます。

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検索をタッチポイントとしたコンテンツを制作しているものの、「アクセス数が思うように伸びない」「いくらコンテンツ(記事)を書いてもCVが獲れない」といった悩みを抱える企業も多いのではないでしょうか。別記事「コンテンツSEOとは?50社以上の企業との取り組みでわかったこと」にて、コンテンツSEOの基本的な考え方について解説していますので、あわせてご覧ください。

5. 事業・採用からの撤退

最後に、事業や採用そのものの撤退が決まったことによりオウンドメディアが不要になるケースです。例えば、希望の人数の採用が決まったのでオウンドメディア自体をやめる、また事業のクローズに伴いオウンドメディアも閉鎖するといったことがあります。

6. 戦略を立てることが難しい

オウンドメディアの運用に失敗してしまう6つ目の理由として、正しい戦略を立てるのが非常に難しいことが挙げられます。

冒頭でも解説したように、オウンドメディアとは「企業の事業・採用課題を解決するための手段としてのメディア」です。

そのため、企業によって運用の目的はさまざまです。

  • 自社の商品やサービスへの問い合わせ数を増やしたい
  • 自社にマッチする求職者を増やしたい
  • ユーザーが抱く自社のイメージを変えたいなど

このように解決できる事業・採用課題の幅が広いのがオウンドメディアの魅力ですが、一方で絶対的な成功パターンを定義するのが難しいという側面もあります。

例えば、ユーザーとのタッチポイントを検索にするのか、ソーシャル(Twitter・Facebookなど)にするのか、サイト内でどのようにコンテンツを回遊してもらうのかなど、自社が解決したい課題に応じて、最適な戦略設計が必要となります。

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オウンドメディアの戦略設計のポイントに関しては、別記事「オウンドメディアの戦略・設計の立て方|事例から読み解く成功パターン」をあわせてご覧ください。

オウンドメディアの運用を開始するにあたり必要な8つのステップ

オウンドメディアの運用で失敗しないためには、最初の設計で正しいステップを踏むことが重要です。本章では、オウンドメディア運用を新たに開始するにあたり、必要な手順を解説していきます。

STEP 1:目的の定義

まずは「自社が抱える事業・採用課題は何か?」「オウンドメディアを用いて、それらの課題をどのように解決したいのか?」といったオウンドメディア運用の目的を明確にしましょう。

オウンドメディアの目的は、「製品の売上拡大」「認知向上」「ブランディング」「人材の採用」など企業によって様々です。

STEP 2:成果の定義

STEP1で定めた目的を達成したかどうかを測るために「成果指標」を定義する必要があります。

例えば、商品の売上拡大が目的であれば「お問い合わせ数」などが成果指標に置かれます。また、商品やサービスの認知拡大が目的であれば「ソーシャルでの(製品やサービスへの)ポジティブな内容の投稿数」などを指標に置くことができます。

目的に応じて定めるべき成果指標は様々ですが、達成すればSTEP 1で掲げた当初の目的が叶ったと言うことができる状態を作る必要があるでしょう。

また成果指標を定義することは、オウンドメディアの重要性を経営層に理解してもらうためにも重要です。経営層がオウンドメディアに対して深い理解がない場合、オウンドメディアの効果に関して懐疑的な意見を持つことも少なくありません。

そういった時には、オウンドメディアを用いて具体的にどのような成果をもたらすかといった視点で説得すると良いでしょう。

STEP 3:成果までのストーリー設計

STEP2で定めた成果指標を達成する為に、正しいストーリー(戦略)を描く必要があります。

例えば、お問い合わせ数を成果指標に置いた場合、「記事コンテンツへの流入数」や「記事コンテンツからランディングページへの遷移率」、「ランディングページから実際のお問い合わせへのコンバージョン率」などの指標を細かく設定しましょう。

また、検索をタッチポイントとした記事コンテンツで集客を行う場合、必ずキーワードのボリューム数(月間どのくらい検索されているか)をチェックする必要があります。いくら質の高いコンテンツでも、ボリュームが限られていれば、多くの流入は見込めず、お問い合わせの獲得には繋がりません。

事前にしっかりと市場をリサーチした上で、様々なパターンを想定して「お問い合わせ数の最大化」に繋がる最適なストーリーを描きましょう。

STEP 4:タッチポイントの設計

ストーリーの設計ができたら、「どのようなメンバーがいるのか」「どのくらい予算が取れるのか」「成果をいつまでに出したいのか」によって、流入経路(タッチポイント)の設計を行いましょう。

例えば検索を主軸とした流入設計を行う場合、コンテンツが検索の上位に表示されトラフィックを集めるまでには、少なくとも半年〜1年程度の期間が必要です。時間をかけて右肩上がりのトラフィックを作ることができますが、短期間で成果をあげたい場合には不向きです。

一方のソーシャルを流入の主軸としたコンテンツ設計を行う場合、比較的早い段階からトラフィックを集めることが期待できます。ただしトラフィックを継続的に集める為には、コンテンツをバズらせる能力といった高度なスキルを必要とします。優秀な編集者がいる場合や、マーケティング予算に余裕があり外部の編集プロダクションに依頼できる場合に限られるでしょう。

STEP 5:コンセプト設計

オウンドメディア全体でどういうコンセプトを立てるかを決めていきましょう。

例えば、本記事のオウンドメディアの成功事例にもあげた「ビギナーズ」では、自社で運営する楽器やカメラなどのレンタルサービスの集客にあたり、「レンタル」という切り口ではなく「趣味を探す」「趣味と出会う」といったコンセプト設計がなされています。

そのため顕在的にレンタルのニーズがないユーザーでも、新しい趣味を始めるにあたって、長続きするか分からない趣味にいきなり高額な投資はできないから、まずはレンタルサービスを利用してみようといったコミュニケーションを図ることができます。

コンセプトの設計には、ターゲットとなるユーザーを深くリサーチして、カスタマージャーニーマップを描く必要があります。「認知」「興味・関心」「比較・検討」といった様々なフェーズにいるユーザーをどのように態度変容(行動)させていくかといった視点でコンセプトを決めていきましょう。

STEP 6:運用体制の構築

オウンドメディアの運用に対する予算やリソースに応じて、最適な体制を作っていきます。社内にリソースがない場合は、外部のライターを用いたり、制作するコンテンツの領域を狭めることでリソースを集中させるといった体制構築も必要です。

また成果をなるべく早く出したいといった場合には、予算を前半に多く配分するといった戦略も考えられます。運用体制は、かなり蔑ろにされるケースが多いのですが、無駄なく効率的に成果を出していく為には、しっかりと考慮の上で構築する必要があります。

STEP 7:サイト構築

予算が十分に確保できないのであれば、初期の段階でのサイト構築はシンプルなもので問題ありません。ただし重要なのは、運用を加味した上でサイト構築を進めていくことです。

ありがちな失敗例として、リソースが限られているのにも関わらず、初期の段階からカテゴリーだけを大量に設けてしまい、中身のないサイトになってしまうといったことが挙げられます。STEP6で構築した運用体制と照らし合わせながら、サイト構築担当者とコンテンツ運用担当者で連携を取りつつ、決めていくことが大切です。

STEP 8:計測すべき指標のデータ計測準備

成果の達成までに定めたストーリーがしっかりと機能しているかをデータを計測することでチェックする必要があります。例えばLPのCV率やコンテンツへの流入経路が当初に設計したストーリーに沿っているかを確認しましょう。

ただし、Googleアナリティクスをはじめとする計測ツールは非常に多くのデータを取得することができます。そのため、全てのデータをチェックしてしまうとかなり時間を要してしまいます。見るべきポイントをしっかりと定義し、それ以外は見ないとしっかりと割り切ることが重要です。

オウンドメディアに関するQ&A

最後に弊社が多くの企業様のオウンドメディア支援に携わる中で、よくご質問いただく点について解説します。

BtoBのオウンドメディアを立ち上げる際の注意点ってなんですか?

オウンドメディアは、数あるマーケティング施策の一つに過ぎないことを意識する必要があります。

立ち上げ時はどのようにメディアを成長させていくかという視点に捉われがちですが、それ以前に自社の抱えている課題を解決するために、本当にオウンドメディアをやるべきなのか?その時点で取れる最善の施策なのか?を考えることが大切です。

オウンドメディアの初期フェーズは、企業にとって「投資」の段階です。オウンドメディアはその特質上、始めてすぐに多くの成果を得られるものではありません。中長期的な戦いを見据えて、最後に勝ち切るまで粘り強く戦っていく組織やヒトが、自社に本当にいるのかといった視点も大切です。

▼関連記事
BtoBのオウンドメディアの立ち上げについて知りたい方は、別記事「BtoBのオウンドメディアを立ち上げる際の注意点ってなんですか?」をあわせてご覧ください。

YMYL領域をオウンドメディアで攻める際の注意点って何ですか?

YMYLとは、”Your Money or Your Life”の頭文字を取った略称で、お金や健康といった人々の生活に大きな影響を与えるジャンルのことです。情報の正確性がユーザーの命や生活に大きく関わるため、Googleは他ジャンルよりも厳しい品質評価基準を設けています。

GoogleはYMYL領域に関して、正しい検索結果を求め続けているため、検索順位が非常に変化しやすいという特徴があります。医師や弁護士をはじめとする専門家の監修をいれる、情報を素早く更新するなどの対策で、上位を獲得することは可能ですが、常に上位を獲得し続けるのは非常にハードルが高いと言えるでしょう。

また、監修や情報の正確性を高めるためには多くのコストを要することも頭に入れておかなければなりません。

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YMYL領域でのオウンドメディアに関して知りたい方は、別記事「YMYL領域をオウンドメディアで攻める際の注意点って何ですか?」をあわせてご覧ください。

SEOコンテンツって結局、どのくらいの文字数があればいいの?

これもよく頂く質問ですが、結論から言うと、ターゲットの状況や市場など、検索背景によって適切な文字数は異なるため、何文字以上といった正解は存在しません。

そもそも大前提として、「何文字必要」といった視点は、テクニック論に過ぎず、本来大事にすべきユーザーのことを無視しているとも言えます。

ユーザーは求めている情報に、素早くそして正確にたどり着きたいと考えています。文字数を気にするあまり、余計な情報が多ければ、そのコンテンツはユーザーにとって決して良いものとは言えないでしょう。

検索するユーザーには必ず「悩みを解決したい」や「何かを知りたい」といった背景があります。その背景を最も汲み取って、応えられているコンテンツが上位に表示されます。

コンテンツを作るときはユーザーの検索背景から、コンテンツを読んだ時のユーザー体験を設計してあげることが最も重要といえます。

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SEOコンテンツの文字数や考え方について知りたい方は、別記事「SEOコンテンツって結局、どのくらいの文字数があればいいの?」をあわせてご覧ください。

オウンドメディアでマネタイズはできる?

オウンドメディアを運用することで、マネタイズに繋げているケースは多くあります。しかし、勘違いしてはいけないのは、オウンドメディアは直接的なマネタイズを目的に運用するものではありません。

本記事の「オウンドメディアとは」の章でも述べましたが、マネタイズを目的として運用されるメディアは商業メディアと呼ばれるもので、オウンドメディアは自社の事業・採用課題を解決するために運用されるものです。

そのため、オウンドメディアのマネタイズは目的に沿って運用した結果として、伴ってくるものなのです。

オウンドメディアのマネタイズ方法には、大きく分けて「①事業に貢献して収益化する方法」「②直接収益化する方法」の2種類があります。

直接収益化する方法では、SSPやアフィリエイトといった広告収入が基本となります。メディアのジャンルや扱っている商材にもよりますが、SSP広告の場合は、平均して1PVあたり約0.2〜0.3円が目安です。

月間100万PVのトラフィックがあれば、約20万〜30万円の収益を見込むことができるでしょう。

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オウンドメディアのマネタイズも視野に入れているという方は、別記事「オウンドメディアでマネタイズするには?3つの成功事例で収益化のポイントを解説」をあわせてご覧ください。

どの企業にも言えること、それは「正しく」運用することからはじめる

本記事では、オウンドメディアとはそもそも何か、多くの企業がオウンドメディア運用に失敗する理由、そして成功に導くための正しい運用方法をご紹介しました。

オウンドメディアは、ただ闇雲にコンテンツを発信すれば、成果があがるものではありません。まずは運用する目的を明確にし、成果指標を定めること、そして正しいストーリー設計に沿って運用をすることで成果に繋がります。

冒頭でもお伝えしましたが、オウンドメディアを立ち上げたいという企業は未だに増え続けています。まずは、正しく運用することを念頭に、オウンドメディアを立ち上げて頂ければと思います。

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