SNSマーケティング完全ガイド|媒体の5つの特徴や実施手順を解説

この記事でわかること

  • SNSマーケティングの手法や具体例
  • SNSマーケティングに取り組むべきかどうか
  • SNSマーケティングの始め方

「SNSマーケティングに取り組む企業が増えているけれど、自社でもやるべきだろうか」「SNSマーケティングを始めたいけれど、何をすればいいのか分からない」本記事をお読みの方の中には、このようにお悩みの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

近年、個人のスマートフォン所持率が高まり、SNSでの情報収集も盛んに行われるようになったため、SNSマーケティングが活発に行われるようになりました。

しかし、すべての企業がSNSマーケティングを取り入れるべきか、というとそうではありません。自社のマーケティング戦略において必要と判断した場合に取り入れるべき手法であり、「やるか」「やらないか」の判断がまず重要です。

また、SNSマーケティングには以下の手法があります。

  • アカウント運用
  • SNS広告
  • SNSキャンペーン
  • インフルエンサーマーケティング

プラットフォームもInstagramやTwitterなど種類があるため、どのプラットフォームでどのような手法を用いるかを判断する必要があります。戦略を立てずにアカウントを作成し、投稿しているだけでは望むような成果は得られないため、事前にKPIツリーを作るなどの準備をしなければなりません。

本記事では、SNSマーケティングの手法から始め方まで詳しく解説しています。成功させるためのポイントも紹介していますので、これからSNSマーケティングを始めたいという方は、ぜひ最後までご覧ください。

デジタルマーケティングにお困りではないですか?

  • デジタルマーケティングを推進したいが社内に詳しい人がいない
  • 事業成長戦略が行き詰まっている。デジタル化を推進してマーケティングを加速させたい
  • 様々な代理店に依頼していて、全体の戦略を描くことができず個別最適になっている

現在、上記のようなお困りごとがありましたら、ぜひとも私たちTHE MOLTSへご相談ください。デジタルマーケティングに精通したプロフェッショナルが、御社に最適なプランをご提案させていただきます。

まずは我々の会社概要や提供サービス、これまでの支援実績をまとめた会社案内をご覧ください。

目次 非表示

SNSマーケティングとは「SNSを活用したマーケティング活動」

SNSマーケティングとは、SNSでユーザーとのコミュニケーションや情報発信などを行い、潜在層へのブランディング・顧客の獲得や、自社顧客のファン化を目指すマーケティング活動です。

以下のようなSNSを活用します。

  • Facebook
  • Instagram
  • Twitter
  • TikTok
  • LINE

SNSは、「情報の拡散性が高い」「クリエイティブが重視される」など、プラットフォームごとの特徴があります。そのため、SNSごとの特徴に最適化された施策を展開する(ハックする)ことで、コストを抑えて認知拡大や売上向上に繋げられる可能性があります。

SNSマーケティングの事例として有名なのは「SHARP」のTwitterアカウントでしょう。同社は2011年から公式アカウントを運用しており、「シャープさん」として多くのユーザーに親しまれてきました。

おすすめのゲーム用モニターを聞かれ「(シャープよりも)他のメーカーの方がいいと思います」とユーザーのためになるような回答をするなど、企業アカウントとは思えない自由な投稿で注目を集めました。

シャープさんとしてSNSを担当する山本氏は、「自ら顧客との距離を縮めない限り、“お客さまの立場で”なんてできるわけない」「広告からいかに離れるか」という想いを持ち、日々アカウントを運用しているそうです。

結果としてWebニュースなどでも度々投稿が取り上げられ、多いときは1日に100人ほどから「今日SHARPの製品を買いました」と報告されるなど、ファンの獲得に成功しています。

SNSマーケティングが活発になっている理由

SNSマーケティングを多くの企業が取り入れる理由として、近年の「スマートフォン所有率の高さ」と「SNS利用率の上昇」が挙げられます。

総務省の「令和3年通信利用動向調査」によると、令和3年8月末時点の個人のスマートフォン保有率は74.3%であり、以下のようにSNSの利用者も78.7%と、個人の8割近くがSNSを利用していることになります。

SNSの利用目的として、「知りたいことについて情報を探すため」が63.7%で2位となっています。以前は調べたいことがある場合、検索エンジンなどで検索するケースが多かったものの、現在は若年層を中心にSNSを活用して検索する人が増えています

これらの理由から、SNSマーケティングを行う必要性を感じ、取り組む企業が増えました。

また348名を対象にした「企業のSNSマーケティングに関する意識調査」によると、SNSアカウントを運用する企業の51.2%が、2021~2022年でSNSマーケティング予算が増えたと回答する結果となりました。理由として、「集客や売上への貢献が見込まれるため」が最多で45.8%、続いて「新規顧客の獲得に繋がるため」が41.7%、「費用対効果が高いため」が37.5%となっています。

ただし、SNSマーケティングが流行っているからといってむやみに取り入れるのはおすすめできません。自社のマーケティング戦略において必要かどうかを検討し、取り組むかを判断しましょう。

SNSマーケティングで成果を得やすい企業・そうでない企業の共通項をご紹介します。必ずしもすべてのケースに当てはまるとは言えませんが、自社にマッチした施策かどうかの参考にしてください。

SNSマーケティングで成果を得やすい企業

SNSマーケティングで成果を得やすい企業は以下の通りです。

SNSマーケティングで成果を得やすい企業
  • ターゲットユーザーが日ごろからSNSで情報収集や活動をすることが多い企業
  • SNS利用率が高い年代がターゲット層の企業
  • オンラインで商品やサービスを提供している企業
  • 口コミが効果的な商品やサービスを扱う企業

年代別のSNS利用率はどのSNSプラットフォームを選ぶかによって異なります。SNS全体で見ると10~40代が多くなりますが、LINEは幅広い年齢層に利用されています。、そのため、ターゲットの性別や年代に合わせたプラットフォームを選ぶことが大切です。

また、オンラインで商品やサービスを提供している場合、自社のアカウントからランディングページに送客したり、「Instagramショッピング」のようにSNSで商品を販売することも可能です。

口コミで利用者が広がる見込みがあったり、ユーザーによる感想が購入するきっかけにつながりやすい商品の投稿が効果的な商品を扱う場合にも、SNSマーケティングは適しています。例えば、化粧品などユーザーが購入前に使用感を気にするものや、写真映えする見た目の商品などです。

これらはSNSマーケティングを実施することで効果を得られる可能性が高いと言えますが、ただSNSアカウントを作って商品情報を漫然と投稿しているだけでは効果は望めません。

後ほど詳しく解説しますが、SNSマーケティングといってもプラットフォームも手法もさまざまです。自社の商品やサービスに合わせて戦略を立て、それに沿って実施しなければ、紹介したような商品やサービスを扱う企業であっても成果を得るのは難しいでしょう。

SNSマーケティングで成果を得にくい企業

一般的に、SNSマーケティングで成果を得にくい企業・ビジネスを挙げるとすれば、「ターゲットユーザーがSNSで情報収集をしない」「パイが小さいニッチな業界・商材」である場合などです。

例えばBtoB企業で、自社の顧客になりうる企業が国内に100社しかいなければ、そもそもパイが小さいためSNSマーケティングを行っても効果は見込めません。それよりも、テレアポや飛び込み営業、ダイレクトメールなどの新規開拓施策が効果的でしょう。

一方で、パイが小さいニッチ商材であっても、成果として求める上限によっては、SNSマーケティングに取り組む価値があります。

例えば、1993年に発売され「世界でもっとも遊ばれているトレーディングカードゲーム」にも認定されているマジック・ザ・ギャザリング(MTG)を扱うカードショップなどは、規模感でいえばパイは限られています。しかし熱心なファンが多く、リピーター購入が期待できるため、SNSマーケティングに予算をかけても費用回収できる可能性が高いでしょう。

自社でSNSマーケティングを実施することでリーチが広がるのか、求める成果の規模はどの程度なのか考え、SNSマーケティングが自社に適しているのかを検討することをおすすめします。

SNSマーケティングの成功事例

実際にSNSマーケティングをどのように取り入れればいいか、イメージがわかないという人もいるでしょう。そこで、いくつかの成功事例を紹介します。

ジョンソンヴィル・ジャパン合同会社

企業名

ジョンソンヴィル・ジャパン合同会社

課題

日本国内での認知が足りず、気軽に購入してもらえていない

ミッション

・アカウント基盤を構築し、アテンション​を強化
・UGC(SNS投稿など、ユーザーによって生成されるコンテンツ)の創出と増加

利用SNS

Twitter

ジョンソンヴィルのソーセージは、高価格帯でパッケージも海外色が強く、「日本国内での認知が不足しており、気軽に購入してもらえていない」という課題がありました。質の高い認知獲得と、そこから購入に繋げるために「自分ごと化」を促進するために、株式会社hottolinkに依頼し、SNSマーケティングの取り組みを本格的にスタートさせました。

まずTwitter上でユーザー目線に立った宣伝色のない画像を投稿。設定した内容を自動で投稿に挿入できるカンバセーショナルカードなどを活用し、ユーザー参加型コンテンツも企画しました。

Twitterでは「自分ごと化」を促進できそうな生活感のあるUGCをピックアップしてリツイートし、より多くのユーザーの目に触れるようにしました。その投稿を見た別のユーザーから新たなUGCが発生し、さらにリツイートすることで、活発な投稿・拡散が行われました。

UGCのバリエーションを増やすために、バーベキューなどの特定のシーンをイメージさせる訴求を実施し、UGCのバリエーションが豊かになり、質も向上しました。

インフルエンサーであるリロ氏の「ホットサンドメーカーで大きめのソーセージを焼くだけの動画」という動画UGCを引用リツイートしたところ、それを真似たUGCが増加したため、リロ氏とのコラボレーション企画も実施。

結果として、約1年で以下の成果が出ました。

  • UGC数が9倍に増加し、売上にも成果が表れた
  • 平日に口コミが増えると、週末のPOSも上がるようになった

参考:hottolink

ベルジャポン株式会社

企業名

ベルジャポン株式会社

課題

コロナ禍でリアルイベントが開催困難となったため、代替施策が必要となっていた

ミッション

ターゲットとのエンゲージメント強化

利用SNS

Twitter・Instagram

ベルジャポンは、クリームチーズの「キリ」を使用したアレンジレシピをカフェで提供するリアルイベントを行っていましたが、コロナ禍の影響で別の施策を行うことになりました。そこで、株式会社トライバルメディアハウスに依頼し、TwitterとInstagramを活用したターゲットとのエンゲージメント強化を狙いました。

Twitterキャンペーンでは料理への汎用性を訴求するために、アレンジレシピの口コミ創出を狙い、食べたいレシピをハッシュタグを付けてツイートするよう促進しました。

Instagramでは、インフルエンサーによるライブ配信と、それに伴った告知投稿や広告の出稿を行いました。ライブ配信では「オススメご自愛レシピ」を紹介し、そのレシピを投稿しました。

また、公式アカウントでもライブ配信を実施し、専属シェフによるレシピを紹介。インフルエンサーのライブ配信と差別化するために、レシピをしっかりと確認できるように2画面での配信を行いました。

このような施策を実施した結果、以下のような成果が出ました。

  • 36,723件のハッシュタグ投稿を創出し、年間口コミ数の2.5倍以上を1か月で獲得
  • ユーザーからのレシピ提案を口コミとして創出
  • インフルエンサーのライブ配信は最大視聴者1,040名を記録し、IGTV格納後も56,300回視聴され、視聴者の意識変容や行動変容も見られた
  • 公式アカウントのライブ配信でも態度変容や行動変容が見られた

参考:株式会社トライバルメディアハウス

SNSマーケティングの具体的な4つの手法

SNSマーケティングを行う際は、自社の商品やサービスにはどのようなアプローチが適しているかを判断して戦略設計を行う必要があります。そのためには、どのような手法があるのかを理解しておかなければなりません。

SNSマーケティングの手法には、以下の4つがあります。

SNSマーケティングの手法
  • アカウント運用
  • SNS広告
  • SNSキャンペーン
  • インフルエンサーマーケティング

これらの手法を詳しく解説していきます。

アカウントの運用

アカウント運用では、SNSの自社アカウントで自社サービスの紹介やユーザーに興味を持ってもらうための情報などを発信するのが一般的です。情報発信だけでなく、口コミのリツイートやコメントへの返信など、ユーザーと直接コミュニケーションを取ることができます

あくまで一例ですが、このようにただ宣伝するだけでなく、ユーザーがついクリックしたくなるようなエンタメ性のある投稿は、LPへの流入数の増加に繋がりそうです。また、拡散したくなるような情報を提供したり、画像や動画を工夫したりすることで、費用をかけずに認知拡大を狙えます。

ただし、SNSプラットフォームごとにアルゴリズム(投稿の評価基準)やユーザーの属性・反応を得やすいコミュニケーション方法などが異なるため、それぞれの特徴を十分に理解してアカウントを運用することが重要です。

SNS広告

SNS広告とは、タイムライン・ストーリーズ・おすすめアカウント欄などに表示される広告です。テキスト+バナーのものだけでなく、動画やカルーセル(複数の画像や動画を横並びに表示する形式)などがあります。

プラットフォームによって違いはありますが、アカウント登録時の個人情報やSNS上の行動データを基に詳細なターゲティングが可能です。そのため、自社のターゲットとなりうるユーザーに対し、的確に広告を配信できます。

また、SNS広告は幅広いユーザーに対して積極的に広告を配信できる「プッシュ型」の広告です。そのため、自社の商品やサービスを認知していない潜在層にもリーチできます

もしも現在、広告施策に対する打ち手についてお困りごとがありましたら「新たなデジタル広告の導入」を検討してみませんか。施策を実施するメリットは、以下の通りです。

  • 競合他社が少ないため、1広告あたりの単価を抑えられる
  • 新しいメニューは広告効果が高い可能性がある
  • ユーザーにとっても新鮮であるため、視認性向上が期待できる
詳細に関しては「新しいデジタル広告が出たら、私がすぐにトライする3つの理由」をお読みください。デジタル広告領域で様々な実績を出してきたコンサルタントが事業成長のきっかけとなる新しいデジタル広告について解説しています。

SNSキャンペーン

SNSキャンペーンとは、以下のようなユーザー参加型のイベントです。

SNSキャンペーンの例
  • ハッシュタグを付けた投稿を促す
  • フォロー&リツイートや写真投稿をすると抽選に参加できる
  • コンテスト形式で投稿し、優秀なものは公式に取り上げてもらえる

ユーザーに参加してもらうことで、認知度の向上や集客が見込めます。また、SNSキャンペーンを実施するとUGCを増やせるため、その投稿を目にしたユーザーにも認知を広げられる効果があります。

定期的にSNSキャンペーンを実施することで、新規顧客の獲得だけでなく、既存顧客のロイヤルティを高める効果も期待できるでしょう。

インフルエンサーマーケティング

インフルエンサーマーケティングとは、SNSやブログなどのコミュニティで影響力を持つインフルエンサーを起用し、認知拡大や購買に繋げる手法です。

インフルエンサーが抱えている数万〜数百万人のフォロワーに対して情報を発信でき、訴求力の高いPRが可能です。

また、インフルエンサーという第三者がPRを行うことで広告感を減らし、口コミによって拡散される効果も期待できます

ただし、インフルエンサーの選定は慎重に行わなくてはなりません。フォロワー数だけを見てインフルエンサーを選定しても、フォロワーが自社のターゲット層と大きく異なれば意味がないからです。また、インフルエンサー自身が炎上する危険がない人物かも十分に注意する必要があります。

SNSマーケティングで期待できる4つの効果

SNSマーケティングの手法について解説しましたが、効果についても確認していきましょう。SNSマーケティングを行うことで得られる効果は以下の通りです。

SNSマーケティングで期待できる4つの効果
  1. 認知拡大・潜在層ユーザーへのアプローチができる
  2. ブランディングが行える
  3. 顧客ロイヤリティの向上が見込める
  4. 広告費を削減できる

では、詳しく解説していきます。

認知拡大・潜在層ユーザーへのアプローチができる

SNSは多くの場合、シェアやハッシュタグといった機能があります。それらをうまく活用することで、効果的に認知拡大ができます。

例えば、自社の投稿をシェアしてもらったり、特定のハッシュタグを付けた投稿をしてもらったりすることで、それらを投稿したユーザーのフォロワーにも自社商品やサービスを認知させられます。認知拡大には、ハッシュタグやシェアを活用したSNSキャンペーンが効果的です。

また、SNSの検索を活用して知りたい情報を検索する人も増えています。検索結果から自社の投稿を目にし、知ってもらえる可能性もあるのです。

Instagramで「#新宿グルメ」と検索したとします。すると、64.1万件(2023年現在)の検索結果が表示されます。食べ物の写真がずらりと表示されるため、ユーザーは「おいしそう」と感じた投稿をクリックするでしょう。

Instagram検索
※引用:Instagram検索より

その中でも人気の投稿は上部に表示されるため、非常に目を引きやすいという特徴があります。エンゲージメントを増やし、さらに人気投稿に掲載されればより効果的に認知拡大を狙えます。

SNSには自社や自社の商品・サービスを知らない、いわゆる「潜在層」のユーザーが多くいます。そのようなユーザーにも、リツイートなどの二次拡散によってアプローチが可能です。

ブランディングが行える

SNSマーケティングはブランディングにも役立ちます。ブランディングとは、他の企業にはない自社の価値や独自性を多くの人に伝え、製品や商品に対して真っ先に思い浮かぶ選択肢=第一想起を目指すことです。

自社ならではの投稿を行い、自社商品やサービスのイメージや世界観を伝えることで、「○○と言えばこの会社」「〇〇と言えばこの商品」といったように強く認知され、市場価値を高めることができます

顧客ロイヤリティの向上が見込める

SNSマーケティングでは、ユーザーと双方向のコミュニケーションができるため、信頼関係を築きやすいという特徴もあります。

投稿を行うだけではなく、自社の商品やサービスについてつぶやかれた投稿に対して、コメント・いいね・シェアすることで、ユーザーは「企業が反応してくれた」「公式アカウントが見てくれた」と感じます。そうすることで、よりユーザーとの距離を縮めて信頼関係を生み出すことができます。

広告費を削減できる

SNSマーケティングは、拡散されやすく認知拡大に効果的なだけでなく、新規顧客の獲得にも繋がります。アカウントの運用自体に費用はかからないため、コストを抑えて自社を宣伝できるのです。

また、SNS広告の場合は表示回数やクリック数などで課金される方式であるため、無駄な費用がかかりません。広告ならターゲティングもできるため、狙ったユーザーに対してのみアプローチすることもできます。

SNSマーケティングを実施する際の注意点

SNSマーケティングには、以下のような注意点があります。

SNSマーケティングを実施する際の注意点
  • 炎上リスクへの対策が必要
  • 効果検証・改善を継続的に行う必要がある

SNSマーケティングを実践する前に、これらを十分に理解しておきましょう。

炎上リスクへの対策が必要

SNSでは1つの投稿が炎上して誹謗中傷や風評被害が拡大し、SNS上のみならず企業活動そのものに悪影響を与えるリスクがあります。

例えば、2022年10月の「国際カミングアウトデー」では、本来性的マイノリティの人々がカミングアウトしたことを祝福する日です。しかし、そのことを理解していなかったのか、商品の情報やキャラクターの設定をカミングアウトとしてつぶやいた企業などが炎上しました。

炎上してしまうと、自社に対してそのイメージがついてしまうため、炎上を未然に防がなくてはなりません。また、従業員の個人アカウントでの発言などから飛び火して、自社アカウントが炎上するケースもあるので、炎上の予兆をいち早く発見して対策することが大切です。

以下のような対策をしておきましょう。

炎上リスクへの対策
  • アカウントの運用ルール策定
  • SNSモニタリング
  • 炎上発生時の対応フローの整備

効果検証・改善を継続的に行う必要がある

SNSマーケティングには、いくつものプラットフォームに加えてさまざまな手法があります。ただ自社を知ってもらおうと無策で投稿を続けているだけでは、多くの投稿に埋もれてしまい意味がありません。

成果を上げるには施策を検討して実行し、必ず効果検証を行う必要があります。また、その結果を基にして改善し、さらに効果検証を繰り返していきます。

常にSNSでのトレンドは変化し続けているため、継続的に改善を行わなくてはなりません

SNSマーケティングで活用される主な5つのプラットフォームと特徴

SNSといっても、いくつものプラットフォームがあり、それぞれ特徴は大きく異なります。また、手法もアカウント運用だけでなくSNS広告も含まれるため、「SNS」でひとくくりにしてはいけません

どのプラットフォームを選ぶかは、SNSマーケティングの成功を大きく左右するため、それぞれの特徴を十分に理解しましょう。

それでは、各プラットフォームの特徴と、それぞれの広告について解説します。

Facebook

利用が多い年代30~40代
利用が多い性別やや男性が多い

参考:令和3年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査 報告書

Facebookは基本的に実名で登録するため、リアルで交友関係があるユーザーとの交流がメインのSNSです。

30~40代の男性、中でもビジネスマンの利用割合が多く、ビジネスで名刺代わりに活用されるケースも見られます。そのため、BtoBやビジネスに関連する商品やセミナーなどのPRが適しています。

実名登録であるため、匿名性が低く公式性が高いという特徴もあり、自社の取り組みや姿勢などの公式的な情報を発信する場としても活用できます。

Facebook広告の特徴・費用

実名での登録が基本であるため、ユーザー自身が登録した情報を基に、精度の高いターゲティングを可能としています

配信先も豊富で、Facebookのニュースフィードの他に、Messenger・Instagram・提携のモバイルアプリ・Webサイトなどに出稿できます。また、広告フォーマットも目的に合わせて選ぶことが可能です。

30〜40代の男性利用率が高く、BtoBの広告と相性がいいプラットフォームと言えるでしょう。

費用相場
クリック課金100〜200円程度/1クリック
インプレッション課金100~500円/1,000回表示

Instagram

利用が多い年代10~20代
利用が多い性別女性

参考:令和3年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査 報告書 

Instagramは、投稿に写真や動画といったビジュアル要素が含まれるため、ブランディングに活用しやすいSNSです。テキストではなく画像や動画で情報を発信するため、ファッション・化粧品・グルメなど、テキストでは伝わりにくい商材のPRに向いています。

ショッピング機能を活用すれば投稿で商品を販売できるため、ECサイトを運営する企業でも活用しやすいでしょう。

Instagramは視覚で楽しめることが重要になるため、クリエイティブにこだわる必要があります。また、投稿には遷移可能なURLを貼付けられないので、LPなどに誘導したい場合は自社のプロフィールページを経由してもらわなくてはなりません。

Instagram広告の特徴・費用

Instagramは若年層の女性利用率が高いため、化粧品・美容関連商品・ファッションなどの商材と相性がいいという特徴があります。Facebookと同一のプラットフォームで管理できるため、精度の高いターゲティングが可能です。

Facebookと同様に、広告フォーマットも豊富なため、目的に合わせて選べます。

配信はストーリーズとフィードの2箇所に配信され、モバイル画面全体にビジュアルを表示できます。そのため、ブランドのイメージを強く訴求できるでしょう。

費用相場
クリック課金40~100円/1クリック
インプレッション課金500~1,000円/1,000回表示
インストール課金100~150円/1インストール
動画再生課金4~7円/1再生

Twitter

利用が多い年代10~20代
利用が多い性別やや男性が多い

参考:令和3年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査 報告書 

Twitterは匿名性が高いため、リアルでの交友関係だけでなく、プライベートと趣味のアカウントを分けているユーザーも多くいます。また、共通の趣味などを持つユーザー同士がフォローし合うことも多く、拡散力の高さも特徴です。そのため、「フォロー&リツイートキャンペーン」が盛んに行われています。

文字数制限があるため、多くの情報を伝えるには不向きではありますが、匿名性が高いことからユーザーの生の声を収集しやすいでしょう。

Twitter広告の特徴・費用

Twitter広告は、FacebookやInstagramのような詳細なターゲティングはできません。しかし、ユーザーの趣味・関心などを軸としたターゲティングが可能です。

プロモツイートプロモアカウントプロモトレンドなど、さまざまな種類の広告があります。プロモツイートとプロモアカウントは、フィード・おすすめユーザー・検索結果などに表示され、プロモトレンドは、タイムライン・話題を検索・おすすめトレンドに表示されます。

費用相場
クリック課金24~200円/1クリック
インプレッション課金400~650円/1,000回表示
フォロー課金40~100円/1フォロー
エンゲージメント課金40~100円/1エンゲージメント
インストール課金100~250円/1インストール
動画再生課金5~20円程度/1再生

TikTok

利用が多い年代10~20代
利用が多い性別女性

参考:令和3年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査 報告書 

TikTokは、アプリ内で動画の撮影から編集まで完結できるSNSプラットフォームです。他のプラットフォームにはない独自のアルゴリズムを採用しており、拡散性が高いという特徴を持ちます。

他のSNSでは自身がフォローしたユーザーの投稿がタイムラインに表示されることが多いのに対し、TikTokはフォローしていないユーザーの投稿がおすすめとして表示される仕組みです。フォロワーがまったくいない場合でも、投稿直後はおすすめに表示されやすいため、閲覧してもらえやすくなります。

ただし、TikTokは投稿の資産性が低くアカウントにファンが留まりにくい傾向があります。そのため、マーケティング活動として活用する場合は、いかにInstagramやTwitterなどに誘導できるかが重要です。

TikTok広告の特徴・費用

TikTokは10~20代のユーザーが多く、若年層に向けた広告と相性がいいという特徴がありますが、年々30~40代にも広がりを見せています

動画広告であり、表示形式も全画面であるため、テキストでは伝え切れない多くの情報を伝えられ、ユーザーの目線を広告に集中させることが可能です。その結果、拡散などのアクションにも繋げられるでしょう。

また、広告の種類も他のSNSとは異なります。

インフィード広告

・コンテンツ内に配信広告感が薄い
・5~15秒の動画広告を配信拡散できる

スプラッシュスクリーン広告

・1日1社限定
・起動画面に掲載静止画のみで音声はない
・多くのユーザーに注目される

ブランドエフェクト広告

・バーチャルブランド体験を提供できる
・新商品のプロモーションと相性がいい

ハッシュタグチャレンジ広告

・ユーザー参加型で多くの拡散が期待できる
・多くのユーザーに注目されやすい
・自社のブランドや商品に親しみをもってもらいやすい

ブランドオークション広告

・コンテンツ内に掲載柔軟に設定ができる
・広告入札額で掲載順位が決まる

広告メニューによっては、性別や年齢を細かく指定したターゲティングも可能です。

費用相場
インフィード広告42万円~625万円
スプラッシュスクリーン広告770円程度/1,000回表示
ハッシュタグチャレンジ広告1,000万円~2,000万円
ブランドエフェクト広告380万円~720万円
ブランドオークション広告入札

LINE

利用が多い年代10~60代まで幅広い
利用が多い性別やや女性が多い

参考:令和3年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査 報告書 

LINE最大の特徴は、利用者の多さと幅広い年齢層です。日常的な連絡手段として広く活用されているため、1対1のコミュニケーションが取りやすいという特徴があります。

自社アカウントを友だち追加してもらい、定期的な情報発信やクーポン配布を行うといった活用が可能です。友だち追加してもらうには、無料スタンプをインセンティブにしたり、LINE限定クーポンを配布するなど、さまざまな手法があります。

LINE広告の特徴・費用

LINEは幅広い年齢層に利用されているという特徴を持つため、他の広告プラットフォームではリーチが難しいユーザー層へもアプローチできます

シェアやリツイートといった拡散はされませんが、普段の連絡ツールとして用いられるため、アクティブ率が高くユーザーにリーチしやすい広告と言えるでしょう。

2023年4月現在、以下に広告を掲載することができます。

  • トークリスト
  • ホーム
  • ウォレット
  • LINE NEWS
  • LINEアプリのタイムライン
  • LINE VOOM
  • LINEマンガ
  • LINE BLOG
  • LINEポイント
  • LINEチラシ
  • LINEクーポン
  • LINEマイカード
  • LINEショッピング
  • LINE広告ネットワーク
  • LINE Monary

このように、LINEアプリ以外のLINE関連サービスで広告の配信が可能です。

費用相場
クリック課金40~150円程度/1クリック
インプレッション課金400~1,000円程度/1,000回表示
友だち追加課金150~250円/友達追加1人

SNSマーケティングを始める8つの手順

ここまで、手法やSNSの特徴を解説しましたが、SNSマーケティングを実践したいとお考えの方のために手順についても解説していきます。

戦略を立てずにアカウントを作成し、投稿しているだけでは望むような成果は得られません。適切な手順で進めていき、効果的な戦略を立てましょう。

SNSマーケティングを始める手順
  1. SNSマーケティングを行う目的・成果指標を明確にする
  2. 成果達成までのフローを明確にする
  3. ターゲットを明確にする
  4. SNSプラットフォームを選定する
  5. 施策を決定する
  6. KPIを設定する
  7. 運用体制を整える
  8. 施策を実施し、効果検証を行い改善する

では手順を1つずつ解説します。

1.SNSマーケティングを行う目的・成果指標を明確にする

まず、SNSマーケティングを行う目的を明確にしましょう。目的によって用いる手法や行うべき施策は異なるため、どこを目指すかをはっきりさせておかなければ、戦略自体を立てられません。

例えば、新しいアプリをリリースしたため、ダウンロード数を増やすことを目的とした場合、「1年でアプリダウンロード数1万件」といったように、具体的な期間と数字を用いてKGIを設定しましょう。

2.成果達成までのフローを明確にする

KGIが設定出来たら、次に成果達成までのフローを明確にするためにKPIツリーを作成します。以下は、アプリダウンロード数をKGIとした場合のKPIツリー例です。

「Instagramで集客し、アプリのダウンロードを増やす」という目標を立てた場合のKPIツリー

KPIツリーは以下のような流れで作成していきます。

  1. KGIを構成する要素をゴールから順番に洗い出す
  2. 定量化して計算できるようにする
  3. ロジックツリーで可視化する

要素はKGIから1つずつ掘り下げていくと、漏れなく洗い出せます。

KPIツリーの詳しい作成方法は、下記記事を併せてご覧ください。

3.ターゲットを明確にする

ターゲット層によってどのSNSを運用するかは異なるため、プラットフォームを選定する前に、ターゲットを明確にしておきましょう。

ペルソナを設定する

ターゲットを明確にするには、ペルソナを設定しましょう。ペルソナとは、「自社の商品・サービスのターゲットに当てはまる架空の人物像を具体的なイメージに落とし込んだもの」です。

ターゲットとペルソナの解説

願望や先入観から人物像を作り上げるのではなく、顧客情報・営業担当へのヒアリング・ユーザーインタビューなどからユーザーデータを収集し、それを基にして忠実に作成・調整していきます。

ペルソナを作成するステップは以下の通りです。

  1. ペルソナ構築の使用するデータを収集する
  2. データを基にペルソナを作成する
  3. 運用しながら改善していく

すでにペルソナを作成しているケースもあるでしょう。しかしこれを機に、改めて適切な手順でペルソナを構築できているか確認しましょう。

ペルソナの作成方法は、下記記事で詳しく解説していますので、併せてご覧ください。

カスタマージャーニーマップを作成する

ペルソナを構築したら、次にユーザーの購買心理の段階に合わせた施策を検討するために、「カスタマージャーニーマップ」を作成します。

▼カスタマージャーニーマップの例

美容液の通販事業におけるカスタマージャーニーマップの例

カスタマージャーニーマップは、横軸をユーザーの購買心理の段階に設定します。縦軸は各段階におけるユーザーの「心理状態」「行動」「タッチポイント」「刺激(コミュニケーション内容)」などを設定します。

先ほど作成したペルソナを基に、カスタマージャーニーマップを埋めていきましょう。

4.SNSプラットフォームを選定する

カスタマージャーニーから、ターゲットユーザーがどんなSNSを好むのか、普段どこで情報収集をするのかが見えてくるため、それを基にプラットフォームを選定しましょう。

プラットフォームを選ぶ際には、以下のような点に注目して選びましょう。

SNSプラットフォームを選ぶポイント
  • メインとなる利用者の年齢層
  • 利用者の性別割合
  • 投稿の表示形式
  • プラットフォームごとの独自の機能(Instagramの「ショッピング機能」など)

上述したメインの利用者層だけではなく、投稿表示や独自機能など、特徴を十分に理解してから選びましょう。

5.施策を決定する

特徴を理解した上でプラットフォームを選定したら、カスタマージャーニーマップを基に購買心理ごとのニーズを把握して施策を検討します。

例えば、料理・献立共有アプリのDL数を目的に設定したとします。食やレシピに強い関心を持つユーザーを想定し、ペルソナを設定・調査すると「今日のお弁当や晩御飯の献立を何にしようか」「メニューを毎日考えるのがつらい」と感じた主婦層がInstagramでヒントを得ていることがわかりました。

そういったユーザーに対してInstagram上で「これを見れば簡単に晩御飯の献立アイデアと作り方が分かります」という有益な投稿を行い、プロフィールに誘導してアプリDLを促す施策アイデアが生まれます。

このように、カスタマージャーニーマップを活用しながら、施策を決定しましょう。

詳細はこちらの記事で解説しているので、ぜひ参考にしてください。

6.施策ごとのKPIツリーを設定する

施策を決定したら、それを数値化して効果測定するためには、何を計測すべきかを考えてKPIを設定します。先ほど、成果達成までのフローの全体像を把握するためにKPIツリーを作成しましたが、ここでは「施策ごと」のKPIツリーを設定し作りましょう。

上記に例として挙げた「Instagram投稿から集客してアプリダウンロードを促す」という施策を考えるのなら、投稿の閲覧数を増やすために、どのようなKPIに基づいて施策を展開していけばよいのかを考えます。

「最終目標のKPIツリー(親)」と「施策ごとのKPIツリー(子)」を分けて考える

KPIツリー作成の詳細は下記記事をご覧ください。

7.運用体制を整える

SNSの運用を開始する前に、以下のように運用体制を整えましょう。

  • 担当者の選任
  • アカウント運用マニュアルの整備
  • 炎上発生時の対応フローの整備

担当者はどのようにSNSを運用するかによって、人数や適切な人員配置は異なります。画像や動画などのクリエイティブ作成を行う人も必要ですし、日々投稿ネタも検討しなければなりません。

最初にどのような方向性でアカウントを運用するか決めておき、それに合わせた人員を確保しましょう。製品開発や広報など各部署から投稿のアイデアを募れるようにしておくと、運用の役に立ちます。また投稿やキャンペーン内容についての定期的な会議をあらかじめ設定しておきましょう。

運用前には必ず、アカウント運用マニュアルと炎上発生時の対応フローを整備してください。運用マニュアルでは、文章・画像・動画などのトンマナや、どのような投稿を避けるかといったことを記載し、炎上を避けるための対策も記載します。

炎上発生時の対応フローを用意しておき、万が一の際に迅速に対応できるようにしておくことが重要です。

8.施策を実施し、効果検証を行い改善する

ここまで準備ができたら、施策を実行していきます。効果を検証して分析を行い、KPIを達成するにはどこを改善すべきか検討しましょう。

SNSマーケティングの施策は成果を感じるまでに時間がかかるケースもあります。改善を繰り返しながらより効果的な方法を模索していきましょう。

SNSマーケティングを成功させるポイント

プラットフォームごとの思想に基づいたハックを展開する

前述したように、SNSはプラットフォームごとにハック手法が異なります。そのため、SNSとひとくくりにしてしまっては最適な施策を講じることができず、失敗する可能性が高まります。ハックの違いは、各プラットフォームのアルゴリズム(投稿の評価基準のようなもの)を理解することが重要です。

例えばInstagramの場合は、まず投稿に対してフォロワーがどれだけエンゲージメントしたかが重要だとされています。一定数のエンゲージメントがあると、「コンテンツの質が高い」と判断され、フォロワー以外でその投稿に興味を持ちそうなユーザーに発見タブなどでリーチさせます。

発見タブに表示されるようになるとリーチ数が伸びやすくなり、そこからエンゲージメントを獲得することで、さらにリーチを広げることができるのです。つまり、いかにフォロワーが投稿に対して「保存」などのアクションを起こしたくなるかが重要であり、それを踏まえた投稿をする必要があります。

対してTikTokの場合は、以下のように投稿が評価されます。

  • 視聴時間
  • 視聴完了率
  • エンゲージメント

このように、エンゲージメントを高めることも重要ですが、いかに動画を最後まで見てもらえるかも重要です。このことから、ユーザーが最後まで視聴したくなるような動画づくりが重要であることがわかります。

このように、アルゴリズムを理解して、それに合わせた運用を行わなければ、いくら投稿をしてもリーチを広げることはできません。また、リーチを広げるにはどのような投稿をすべきかは、膨大なアカウントを分析するなどの手間が必要であり、初心者では判断が難しいでしょう。

「SNSが盛り上がる=事業成果に繋がる」ではないことを理解する

SNSがバズることが、SNSマーケティングの成功ではありません。その投稿から自社や自社商品・サービスに興味を持ってもらえなければ成果に繋がらないからです。

例えば、TikTokで「社員が踊る動画」に多くの「いいね」や「コメント」などの反応があったとします。しかし、「踊っている姿が面白い」だけで終わってしまえば、再生されるだけでその後のアクションは起きません。

そのため、自社がアカウントを運用する上でどの数字を達成しなければならないのかを把握して、施策を行わなくてはなりません。そのために、KPIツリーを作成することが重要なのです。

SNSマーケティングの勉強に役立つ書籍3選

最後に、書籍でさらに詳しく学びたいという人に向けて、おすすめの書籍を3つ紹介します。

  • SNSマーケティング100の法則 すぐに始めたい人の導入法・活用法
  • SNSマーケティング大全
  • 僕らはSNSでモノを買う

書籍のおすすめポイントを解説します。

SNSマーケティング100の法則 すぐに始めたい人の導入法・活用法

本書では、SNSマーケティングの手法をわかりやすく図解や事例を用いて解説する入門書です。基本知識の他にコンテンツ作成・広告配信・分析方法といった社内に知見が少ないポイントも紹介しています。

初心者から中堅担当者まで役立てられる一冊です。

SNSマーケティング大全

本書は、SNSを使ったマーケティングやプロモーションのノウハウを凝縮した一冊です。アカウント運用や、フォロワーを集客に結びつける手法などを詳しく解説しています。

巻末には、おすすめの画像加工・動画編集ソフトの紹介や、炎上対策が掲載されています。

僕らはSNSでモノを買う

本書の著者は、本記事の事例で紹介したジョンソンヴィル・ジャパンのSNSマーケティングを行った企業である、株式会社hotlinkの執行役員CMO、飯髙悠太氏です。

本書では、自然発生する口コミである「UGC」は信頼性が高く、態度変容が起こりやすく、さらに拡散されやすいことから、SNSマーケティングの要になることを紹介しています。UGCを発生させる仕掛けやSNS時代の購買プロセス「ULSSAS」についても学ぶことができ、効果的にリーチを広げる方法を学べる一冊です。

まとめ|適切なプラットフォーム・手法を選定し、SNSマーケティングを成功させよう

本記事では、SNSマーケティングの手法や手順を解説しました。

以下のような企業であれば、SNSマーケティングに取り組むことで、認知拡大や顧客獲得などの効果を得られる可能性があります。

SNSマーケティングで成果を得やすい企業
  • ターゲットユーザーが日ごろからSNSで情報収集や活動をすることが多い企業
  • SNS利用率が高い年代がターゲット層の企業
  • オンラインで商品やサービスを提供している企業
  • 口コミが効果的な商品やサービスを扱う企業

一方で、「ターゲットユーザーがSNSで情報収集をしない」「パイが小さいニッチな業界・商材を扱っている」という企業では、大きな成果を得られない可能性が高いでしょう。

「最近SNSマーケティングが活発になってきているから、とりあえず取り入れてみよう」という考え方では、施策が無駄になってしまうこともあるため注意が必要です

SNSマーケティングを行う目的・成果指標・ターゲットなどを明確にしたうえで、どのような戦略でSNS運用を行うべきかを、しっかりと考える必要があります。

また、SNSにはさまざまなプラットフォームがあり、利用するユーザーの属性・投稿を評価するアルゴリズムなどが異なります。SNSでひとくくりにするのではなく、各プラットフォームの思想に基づいてコミュニケーション方法を考え、施策を展開していくことが重要です。

ぜひ本記事を参考に、SNSマーケティングに取り組んでみてください。

SNSマーケティングに関するよくある質問

SNSマーケティングにはどのような手法がありますか?

SNSマーケティングの手法には、以下の5つがあります。

  • アカウント運用
  • SNS広告
  • SNSキャンペーン
  • インフルエンサーマーケティング

SNSマーケティングを成功させるには、これらの手法を目的に合わせて選択することが重要です。

詳しくは「SNSマーケティングの具体的な4つの手法」をご覧ください。

SNSマーケティングを始めるにはどうしたらいいですか?

SNSマーケティングは、とりあえずアカウントを作って投稿するだけでは成功できません。事前に目的を明確にして、KGI達成のためにはどのような施策が必要かを理解しておく必要があります。

具体的な手順は以下の通りです。

  1. SNSマーケティングを行う目的・成果指標を明確にする
  2. 成果達成までのフローを明確にする
  3. ターゲットを明確にする
  4. SNSプラットフォームを選定する
  5. 施策を決定する
  6. KPIを設定する
  7. 運用体制を整える
  8. 施策を実施し、効果検証を行い改善する

詳しくは「SNSマーケティングを始める8つの手順」をご覧ください。

デジタルマーケティングにお困りではないですか?

  • デジタルマーケティングを推進したいが社内に詳しい人がいない
  • 事業成長戦略が行き詰まっている。デジタル化を推進してマーケティングを加速させたい
  • 様々な代理店に依頼していて、全体の戦略を描くことができず個別最適になっている

現在、上記のようなお困りごとがありましたら、ぜひとも私たちMOLTSへご相談ください。デジタルマーケティングに精通したプロフェッショナルが、御社に最適なプランをご提案させていただきます。まずはサービスページをご覧ください。

記事をシェア

  1. THE MOLTS
  2. メディア記事
  3. SNSマーケティング完全ガイド|媒体の5つの特徴や実施手順を解説