Web広告の13の種類と手法|仕組みや費用、運用のコツを解説
この記事でわかること
- 他施策と比較した際のWeb広告の4つのメリット
- 13種類のWeb広告とそれぞれの特徴、効果を最大化させるためのWeb広告の選び方
- Web広告のCPAを改善する際に立ち返りたい「5W3Hの考え方」
インターネット広告への投資は年々増え続け、2019年にはインターネット広告費がテレビメディア広告費を超え、2021年の株式会社電通が発表した「2021年 日本の広告費」によれば、すでにインターネット広告がマスコミ四媒体広告費を上回っているようです。
また、コロナ禍において、テレビやオフライン媒Web広告とは|13種類の広告手法、成果を最大化する施策の選び方体の広告を減らした代わりに、Webでの広告予算を大幅に増やしたという企業も多いでしょう。
しかし、Web広告と一口に言ってもさまざまな種類があり、自社の課題やフェーズ、ターゲットによって使い分ける必要があります。また、各広告の特徴を理解せず闇雲に施策ばかりを打てば失敗する可能性もあります。
本記事では、Web広告の選び方と代表的な種類を解説します。これからWeb広告を始めたいという企業はもちろん、現在行っているWeb広告から更なる成果を得たいという人もぜひご覧ください。
Web広告運用の設計・運用でお困りではないですか?
Web広告の運用を通じてマーケティング成果をあげるには、専門性を持った人材が不可欠です。このような悩みを抱える企業は少なくないでしょう。
- Web広告の種類が多く、どの手法を選べば良いのかわからない
- 運用経験者がおらず、どのように取り組めば良いのかわからない
- 将来的には社内で運用やデジタル集客を行い、費用を抑えて成果を伸ばしたい
Web広告にまつわるお悩みは、デジタルマーケティングの支援実績が豊富なTHE MOLTSにお気軽にご相談ください。さまざまな媒体を熟知したプロフェッショナルが戦略立案から施策代行、運用チームの育成など、貴社に最適なデジタル集客のプランをご提案いたします。
他施策と比較した際のWeb広告(ネット広告)のメリット
テレビ広告や新聞・交通広告、その他Webマーケティング施策と比較して、Web広告には以下のような特徴があります。
- 細かいターゲティングが可能
- データ測定が可能
- マス広告と比べて安価で広告出稿が可能
- SEOと比べて短期間で効果が出やすい
Web広告の最大のメリットは、ユーザーの年齢や性別・地域といった基本的な属性や、趣味や関心のある事柄、実際に検索しているキーワードなどを使い分けることによって、狙っているターゲットに対して的確に広告を配信できる点です。
例えば、「30代の自動車に興味がある男性」「20代で化粧品を探している女性」といったように細かいターゲティングが可能になるので、無駄な広告配信が少なくなり、より高い費用対効果が期待できるでしょう。
また、データ計測ができるため、配信の実績によって細かく調整しながら運用を調整できる点や、安価での広告出稿が可能な点、またSEOをはじめとする他のWebマーケティング施策よりもスピーディに実施が可能で、効果が出るのも早いといった点もWeb広告ならではのメリットです。
なお株式会社電通が実施した「体別広告費」の調査結果によると、2021年に「インターネット広告費」が「マスコミ四媒体広告費(新聞・雑誌・ラジオ・テレビの合計広告費)」を初めて上回りました。
2019年 | 2020年 | 2021年 | |
---|---|---|---|
インターネット広告費 | 21,048 | 22,290 | 27,052 |
マスコミ四媒体広告費 | 26,094 | 22,536 | 24,538 |
- 競合他社が少ないため、1広告あたりの単価を抑えられる
- 新しいメニューは広告効果が高い可能性がある
- ユーザーにとっても新鮮であるため、視認性向上が期待できる
Web広告(ネット広告)の種類とそれぞれの特徴
Web広告と一括りにしても、配信する媒体やプラットフォーム・配信手法によって10種類以上に分けることができます。
それぞれに商材やターゲットとの相性や、配信の強みがあるため、特徴を理解した上で、最適なWeb広告施策を打つことが必要です。
- リスティング広告
- ディスプレイ広告
- アドネットワーク広告
- リターゲティング広告
- 純広告
- SNS広告
- –Facebook広告
- –Twitter広告
- –Instagram広告
- アフィリエイト広告
- 記事広告
- 動画広告
- メール広告
リスティング広告
リスティング広告とは、ユーザーの検索するキーワードに応じて検索結果画面に表示される広告のことです。別名、「検索連動型広告」とも呼ばれています。
- 顕在層へのアプローチがしやすい
- 低予算で始められる
ご自身が検索する時を想像するとわかりやすいかもしれませんが、ユーザーが検索(行動)を起こすのは、ユーザー自身が何かを「知りたい」「買いたい」「行きたい」といったニーズや悩みを抱えているときです。
例えば、「化粧品 おすすめ」と検索するユーザーは、新しい化粧品を探しているユーザーであることが想像できます。同様に「都内 賃貸 一人暮らし」と検索するユーザーは、都内のアパートやマンションに引越しを検討しているユーザーだと想像できます。
商品やサービスに一定の興味や関心を持っている顕在層へ効果的にアプローチできるので、他のWeb広告と比較して費用対効果を高めやすいという傾向があります。
また、リスティング広告は最低出稿額が決められていません。予算に応じて広告主が自由に設定できるため、低予算からWeb広告を始めたいという企業にマッチした施策といえるでしょう。
ディスプレイ広告
ディスプレイ広告とは、Webサイトやアプリの広告枠に表示される広告のことを指します。
「画像+テキスト」もしくは「動画+テキスト」を組み合わせたバナーで表示されることが多く、バナー広告とも呼ばれます。

- 表現の幅が広く、訴求できる内容が豊富
- 潜在層へのアプローチができる
ディスプレイ広告はバナーや動画を用いて視覚的に訴求するため、テキストだけのリスティング広告と比較すると、ユーザーの目を惹きやすいという特徴があります。
また、ユーザーの興味や関心を煽るクリエイティブを用意することで、潜在層の購入意欲を駆り立て、いわゆる「衝動買い」を促せることが強みです。比較的、検討期間が短いと言われる化粧品や健康食品などのBtoC向け低単価商材と相性が良いのが特徴です。
アドネットワーク広告
アドネットワーク広告とは、複数の広告媒体を集めた広告配信ネットワークに対して、広告を配信するシステムのことです。

これだけを聞くと一見難しいように感じてしまうかもしれませんが、通常の「ディスプレイ広告」がアドネットワーク広告のことを指すと考えて問題ありません。
代表的な媒体として「Googleディスプレイネットワーク(GDN)」と「Yahoo!広告 ディスプレイ広告 運用型(YDA)」の2種類が挙げられます。
GDNもYDAも、インターネットを利用しているユーザーの約90%以上にリーチできます。多様な年齢層や性別・地域に広告配信が可能です。
リターゲティング広告
リターゲティング広告とは、1度自社のサイトに訪れたユーザーに対して、サイトから離脱した後も追跡して広告を配信する手法です。

数日前に調べていた商品の広告が別のサイトで表示された、という経験がある方も多いのではないでしょうか。
リターゲティング広告が利用される理由は、サイトに訪れるユーザーの約90%がコンバージョンに至らずに離脱してしまっていることにあります。情報が溢れる現代において、1度のサイト訪問で商品購入やサービスの導入を即決するユーザーは決して多くないのです。
リターゲティング広告では、買おうか迷っている検討中のユーザーにアプローチ(リターゲティング)することで、再びサイトに訪問してもらいコンバージョンへと繋げることができます。無関心なユーザーをターゲットとする広告よりも、コンバージョン率が高くなりやすいというメリットがあります。
純広告
純広告とは、特定の媒体(メディア)に対して広告を配信する手法です。例えば、自動車メーカーであれば、自動車の情報メディアなど、自社のターゲットに近いユーザーが閲覧するであろうサイトへ出稿します。
媒体ごとに広告掲載の単価が決まっているため運用の手間がかからないことや、認知度の向上やブランディングに役立つというメリットがあります。一方で、一定の掲載期間や掲載する場所が決まっており、効果があまりでなくても費用が発生してしまう・調整をしにくいといったデメリットも存在します。
SNS広告
SNS広告は、ユーザーが日常的に情報収集のために利用している「Facebook」や「Twitter」「Instagram」といったプラットフォームに配信する広告です。タイムラインにうまく溶け込ませることで、リスティング広告やディスプレイ広告よりもユーザーに受け入れられやすいというメリットがあります。
- 他の広告よりもユーザーに受け入れられやすい
- 潜在顧客にリーチができる
それぞれの特徴について見ていきましょう。
Facebook広告
Facebookは、実名での登録を基本としており、「氏名」「年齢」「地域」「趣味・関心」「勤め先」などユーザー自らが登録した情報を元にした精度の高いターゲティングが可能です。
また、既存の顧客と属性やWeb上の行動が似ているユーザーにターゲティングする「類似オーディエンス」という機能も備えています。新しい顧客を効果的に獲得したいという場合にも、Facebook広告は有効です。
Twitter広告
Twitterは、10〜30代を中心とする若年層の利用が多いSNSプラットフォームです。実名制ではないため、Facebook広告のような詳細なターゲティングはできませんが、ユーザーの趣味や関心を軸にターゲティングしていくことができます。
Twitter広告の課金方法には、「CPM(インプレッション課金)」「CPC(クリック課金)」の他に、いいね・シェアなどのエンゲージメント数で課金される「CPE(エンゲージメント課金)」などがあります。
リツイートやいいねなどの機能を利用した拡散力に強みをもち、二次的なエンゲージメント(クリックやリツイート)については課金が発生しません。そのため、狙いを持ってバズを起こすことで、CPAを抑えることができるのが特徴です。
Instagram広告
Instagramは、10〜20代の女性の利用率が高く、化粧品や美容グッズ・ファッションなど女性向けの商材との相性が良いのが特徴です。
モバイル画面全体にビジュアルを表示できるので、ブランドのイメージを強く訴求することができます。
Instagram広告の課金方法には、「CPM(インプレッション課金)」「CPC(クリック課金)」の他に、アプリがインストールされるごとに料金が発生する「CPI」、動画の再生時間に応じて料金が発生する「CPV」があります。
アフィリエイト広告
アフィリエイト広告とは、媒体主(アフィリエイター)が保有しているブログやSNSアカウントなどに広告を設置してもらう手法です。「成果報酬型広告」とも呼ばれ、通常、成果が発生したときのみ、広告主から媒体主へ報酬が支払われます。
- 成果報酬型のため、費用対効果が高い
クリック数やインプレッション数ではなく、コンバージョン数に応じて報酬を支払うことから、費用対効果が高くなりやすいというメリットがあります。その一方で、自社の広告が掲載されるサイトを選べないため、意図しないサイトに掲載されるとブランドイメージが悪化してしまう可能性があります。
記事広告
記事広告とは、広告主ではない第三者の目線で、商材やサービスの魅力をまとめた記事をWebメディアに掲載する手法です。「タイアップ広告」や「PR記事」と呼ばれることもあります。
ネイティブ広告と同様、ユーザーに広告らしさを感じさせないことが大切です。1コンテンツとして、さりげなくユーザーに商品の魅力を伝えましょう。ディスプレイ広告やリスティング広告などでは反応を得られない層でも、記事広告であればコンテンツの内容に面白みを感じれば、振り向いてもらえる可能性があります。
他の手法ではアプローチできないユーザーや、またユーザー自身がニーズに気づいていない「潜在層」へのアプローチに有効です。
動画広告
動画広告とは、「YouTube広告」に代表されるように、動画(映像+音声)を用いて広告を配信する手法です。テキストのみの広告に比べて、短時間で多くの情報をユーザーに届けることができる点や、ユーザーのイメージに残りやすいといった利点があります。
その反面で、動画制作のノウハウや費用がかかることや、興味がなければすぐにスキップされてしまうといった点も考慮する必要があります。
メール広告
メール広告とは、文字通り、電子メールでユーザーに広告を配信する手法です。「テキスト形式」と「HTML形式」の2種類があり、HTML形式で配信する場合は、画像や動画・イラストなど幅広い表現が可能です。
他のWeb広告施策に比べると入稿から配信までの期間が短く、手間がかかりません。急なキャンペーンやセールなどにも対応できる点もメリットといえるでしょう。
- 競合他社が少ないため、1広告あたりの単価を抑えられる
- 新しいメニューは広告効果が高い可能性がある
- ユーザーにとっても新鮮であるため、視認性向上が期待できる
Web広告の予算費用の決め方
Web広告の予算の決め方は、掲載の目的が定まっていれば非常にシンプルです。以下の公式に従い、決めてしまいましょう。
目標CPA × 目標CV数 = 必要予算

広告で適切な費用の使い方をするためには、予算を決めるとともに「撤退ライン」と「増額基準」、「初月で広告費を確保しすぎないこと」がポイントです。
1. 広告効果が不調な場合の「撤退ライン」
予算よりも優先して考えるべきなのが、広告効果が不調な場合の「撤退ライン」です。広告の目的は組んだ予算を全て消化することではなく、最低限の費用できちんと成果を出すことです。
運用中に目標値を大幅に切っている状況がわかったら、まず広告の一時停止を検討し、戦略を練り直しましょう。
2. 広告効果が好調な場合の「増額基準」
反対に想定していた以上にリスティング広告の効果が良かった場合、「広告費の増額が可能なのか」「可能な場合いくらまで増額できるのか」を事前に確認しておくことも大切です。
せっかく成果が発生しているのに、予算不足が原因で配信を伸ばしきれないのは、機会損失です。いつ強力な競合が参入してくるかも分かりません。獲得ができるタイミングで一気に配信を伸ばせるように、良い状態のことも想定して対応を明確にしておきましょう。
3. 初月から予算を確保しすぎないように注意
予算決めで最も避けるべきは、初月から予算を確保し過ぎないことです。
無謀な目標を立てて配信を開始し、思うような効果が出ず、社内的に「Web広告は効果が悪い」とマイナスイメージがついてしまい初月で掲載終了となってしまうケースも稀にあります。
Web広告は、配信データの分析と改善を繰り返すことで、成果を拡大していくものです。短期的な成果だけを求めず、2ヶ月、3ヶ月と中長期的な計画を描き、初月の予算を決定していきましょう。
効果を最大化させるWeb広告(ネット広告)の選び方
ここまで、様々なWeb広告の種類とその特徴についてご紹介しました。
しかし、自社でどのWeb広告を選べばいいのか、どうやって決めたらいいのかわからないという担当者もいらっしゃるかもしれません。
Web広告を選ぶときは、ターゲットが利用する媒体を選ぶことと、目的に合わせて選ぶことが重要です。
ターゲットが利用する媒体で選ぶ
どのWeb広告施策を打つべきか選定する際の大前提として、ターゲットが利用している媒体で広告を配信することが大切です。

例えば、Twitterは10~30代の若年層の約半数が利用していますが、60代以上の利用率は10%を下回ります。当然ですが、高齢層向けの商材をTwitte広告で訴求しても、その効果は薄いといえるでしょう。
また、最近では「ググるからタグる」といった言葉に表されるように、若年層の情報収集源が、GoogleやYahoo!などの検索エンジンから、SNSのタイムラインやハッシュタグによるものに移っているといったことも言われています。
このように、ターゲットとなるユーザーの年齢層やデジタル上の行動を理解した上で、どの媒体が効果的なのかを吟味することが必要です。
広告の目的から選ぶ
ひとえにWeb広告施策といっても、企業によってその目的は異なります。認知を拡大したいケースもあれば、既に商材を知っている層に向けて興味や関心度を高める、比較や検討をしているユーザーを実際に購入へと結びつけるなど、様々な目的があります。

上記は、ユーザーの態度変容ごとに向いている広告を表した例です。まずは、広告を打つ目的を明確にした上で、それぞれの目的に応じて最適な手法を選択しましょう。
Web広告(ネット広告)の運用で効果を出す4つのポイント
初めてWeb広告を運用するという担当者もいるかと思います。そんな運用初心者が心得ておくべきポイントは、以下の4つです。
- 何のための広告運用かを明確にする
- 広告を通じて、誰に何を言いたいのかを明確にする
- 正しい初期設計がなければ、PDCAは回らない
- KPIを正しく定める
まずは大前提として、何のために広告を運用するのか、その目的が明確になければ、広告運用が成功することはありません。広告は、企業にとっての「投資」にあたります。投資である以上、何かしらのリターンを得ることが必要です。
何を求めているのかは企業によって異なりますが、ECサイトの売上拡大・サービスの新規利用者の獲得、実店舗への送客など、明確な運用目的を定めることは欠かせません。
また、広告運用はクリック単価や入札方法に目が行きがちですが、そもそも誰に(Whome)何を(What)伝えるのかといったコミュニケーション設計が必要です。
コミュニケーション設計がなければ、いくら広告がクリックされても、コンバージョンや認知拡大といった目的を得ることはできないでしょう。
加えて、最近では自動入札を活用するケースが一般的なため、適切なアカウント構造を作る必要性や、達成したい目標に対して「目標CPA」や「ROAS」といったKPIを正しく設定することが求められます。
Web広告でCPAが高騰した場合の改善ポイント
具体的な改善ポイントを解説する前に、CPAについてより深く見ていきましょう。
CPAは、「広告費用÷コンバージョン数」で算出できることをお伝えしましたが、CPAを構成する要素を更に分解すると、以下の公式に落とし込むことができます。

広告費用は、「広告のクリック数(CT)×クリック単価(CPC)」で算出します。また、コンバージョン数は「広告のクリック数(CT)×コンバージョン率(CVR)」をかけ合わせることで算出します。
つまり、CPAは、「クリック単価(CPC)」を「コンバージョン率(CVR)」で割った値と言い換えることができます。
このことから、高騰したCPAを改善するとは、基本的に「クリック単価(CPC)を下げる施策」もしくは、「コンバージョン率(CVR)を上げる施策」のどちらか、または両方を実施することであるといえるでしょう。
クリック単価(CPC)を下げる
クリック単価(CPC)とは、「広告費用÷クリック数」で算出できます。そのため、いかにしてクリック率を高めていくかといった施策が求められます。
ディスプレイ広告やSNS広告など、バナーや動画を使った広告では、直感的にユーザーの興味を惹くクリエイティブになっているのか、またターゲットとなるユーザーにちゃんと配信されているのかを確認しましょう。
何度も同じクリエイティブをユーザーに表示していると、ユーザーが新鮮さを感じずに、広告をスルーしてしまう傾向があります。「以前はクリック率が良かったから」という理由で同じクリエイティブを使い続けるのではなく、定期的に新しいものへと差し替えるようにしましょう。
一方で、リスティング広告の場合では、「広告の品質」がCPCに大きく影響します。広告の品質を高めるためには、配信するキーワードと広告の関連性や、遷移先にあたるランディングページの利便性を改善することが必要です。
ユーザーの検索意図に沿った広告文や見出しになっているか、ランディングページと広告で訴求している内容が一致しているか、またランディングページの読み込み速度が著しく遅くないかといった点を確認しましょう。
また、CPCの改善への影響度が一番高いのは入札の抑制です。 一般的には入札単価が高いほどページ上での広告の掲載順位が高くなりますが、上限CPCを設定することでCPCを制限することが可能です。
コンバージョン率を上げる
コンバージョン率を上げるためには、広告をクリックしたユーザーが遷移するランディングページや商品サイトのクオリティを高める必要があります。
例えば、せっかく広告に興味を持ちクリックしたユーザーでも、ランディングページの内容が分かりにくい・デザインが古い・信憑性にかける・何となく怪しいなどマイナスのイメージを持ってしまうとコンバージョンには至りません。さらに申し込みフォームに辿り着いてからも、記入箇所が多い、答えたくない項目があるなどといった問題があれば、ユーザーは離脱してしまいます。
ユーザーがどのようなニーズを持って、ランディングページに辿り着いてたのかを深く分析し、その上で最も商材の魅力を伝えられるように改善しましょう。
ランディングページの効果的な改善方法
ランディングページを最適化する施策のことを「LPO(Landing Page Optimization)」と呼びます。
広告から流入したユーザーを離脱させずにコンバージョンへと確実に繋げられれば、結果的にCPAの改善に寄与します。
ランディングページの改善というと、CTAの設置場所やクリックボタンの色といったデザイン面での改善施策を思い浮かべるかも知れませんが、大前提としてターゲットへの理解がなければ効果的なランディングページを作ることはできません。
たまに見かけるのが、ターゲットの思考や検討プロセスを考えずにコーポレート・サービスサイトやパンフレットにある情報だけ羅列したようなランディングページ(LP)です。
ターゲットはどんな情報を求めているのか、どんな情報があればボトルネックを解消できるのかをまずは仮定し、それをLPに反映した上で広告を運用して、データをチェックしましょう。
その上で、以下の手順でLPOを行っていきます。
- 現状の課題を抽出する
- 課題に対して仮説を立てる
- 改善施策の実行と検証(A/Bテスト)
まずは、Googleアナリティクス等の解析ツールを用いて、現状のランディングページの問題を見つけます。例えば、特定のページの直帰率が高いのであれば、広告文と遷移先のページに統一性がないといったことが考えられます。
課題 | 仮説 |
---|---|
ファーストビューの離脱率が高い(=そもそも読まれていない) | ・ページの読み込み速度が遅く、表示前に離脱されている |
フォームに到達していない | ・CTAまでの導線が長い |
特定の流入経路からのCVRが低い | 広告での訴求とコンテンツ内容が一致しない |
読まれた後の離脱率が高い | ・入力フォームが分かりにくい |
課題を抽出できたら、なぜこのような問題が発生しているのかといった仮説を立てて、改善施策を行います。複数パターンのランディングページを用意して同時期にランダムに表示するなど、A/Bテストを繰り返し、課題が解消されたかをモニタリングします。
Web広告(ネット広告)のCPAを改善する際に立ち返りたい「5W3Hの考え方」
広告の本質は、自社の商材を顕在的にまた潜在的に求めているユーザーに対して適切に広告を配信すること、そして興味や関心を高め、最終的な購買・申し込みへと繋げることです。
運用をチューニングすることで、CPAを下げることも大切ですが、その前に「誰に(Whom)」「何を(What)」「どのように(How)」伝えるのかを考えることを忘れてはいけません。
その際に、頭に入れておきたいのが「5W3H」という広告プランニングの基本的な考え方です。
- When(いつ配信するか)
- Where(どこに配信するか)
- Whom(誰に広告を配信するのか)
- What(何を見せて、どこに誘導するのか)
- Why(何のために広告を配信するのか)
- How much(いくらで広告を配信するのか)
- How many(一人のユーザーに、何回配信するのか)
- How(最適化と検証ができているのか)
そもそも配信している広告が「誰に向けたものなのか」「いつ配信すべきなのか」「何を見せるべきなのか」といったことは明確でしょうか。CPAの改善に終始するあまり、ターゲットや配信のタイミングなど広告戦略の核となる部分が置き去りになってしまうことがあります。
例えば、ターゲットを都内在住の会社員と明確に設定できれば、ターゲットの生活リズムと照らし合わせて、配信の時間帯や曜日に強弱をつけることができます。また、興味関心や年収・年齢等を軸に、配信面(プレースメント)やデバイスを最適化することができるでしょう。
CPAの改善に行き詰った場合は、クリック単価やコンバージョンといった視点から一旦離れて5W3Hを見直し、そこから実際の施策に落としこむイメージを持つことが大切です。
web広告(ネット広告)の効果的な運用方法
広告運用ではよく、「社内で運用できる体制を作ったほうがいい」や、「広告担当者を割り当てるのは退職などのリスクがある」と議論されます。
短期的な視点ではなく、自社の事業の特性や事業フェーズ、リソースなどを十分に考慮した上で、効果的な運用方法を選択することが必要です。
インハウス化のメリット
Web広告を自社で運用する最大のメリットは、売りたい商品・サービスやマーケットについて十分な理解がある上で、広告を運用できる点です。また、社内にノウハウが蓄積していくことでスピード感を持って運用できたり、代理店に支払う手数料を削減できたりします。
- メリット:コスト削減、広告運用レベルやスピードUPが期待できる
- デメリット:社内に十分なリソースが必要
これからご紹介する「未経験者に広告運用を任せたいのですが、どう教育すれば良いですか?」では、大手企業からスタートアップまで幅広く運用型広告のインハウス化支援を行ってきたコンサルタントが、広告運用における未経験者の教育方法について解説しています。ぜひご一読ください。
代理店運用のメリット
短期間で成果を出したい場合や高額での広告運用を検討している場合には、知識やノウハウをもった人材が必要不可欠です。そんな時に代理店へ依頼すれば、広告のプロが運用してくれるため、教育コストや施策の是非に困ることは少ないでしょう。
さらに、運用に関わる業務をアウトソースできるため、本来の業務に注力しながら広告運用を進めることが可能です。
- メリット:社内に知識やリソースがなくても本格的な運用が可能
- デメリット:広告運用時の社内連携に時間がかかる可能性がある
伴走型コンサルティングを付けるメリット
インハウス化を検討する際は、伴走型の運用支援を付けることがおすすめです。
伴走型の1つ目のメリットとしては、経験者が必要な手順をサポートしてくれる、という点です。インハウス化を検討する初期段階では、豊富な知見を持つ外部の企業に依頼をした方がスムーズなスタートダッシュを切ることができます。
2つ目のメリットは、お客様が行う作業の確認役として、私たちをご活用いただける点です。日々広告運用をする中で何かしらのミスがあった場合でも、伴走メンバーが付いていれば早急にケアできます。リスクの負担は担当者だけに負わせるのではなく、伴走型で付いてきてくれるパートナーと連携してミス防止のスキームを組むなどすれば、起こりうるリスクを事前に回避できる可能性が高くなります。
- メリット:経験者が必要な手順をサポート、ミス防止のスキームを組める
- デメリット:あくまで伴走なので、業務の丸投げをすることができない
広告運用の伴走型コンサルティングについては、以下記事をご覧ください。
Web広告(ネット広告)でCPAを改善した企業事例
CPAの削減と売上150%アップを実現
提供領域 | リスティング広告・ディスプレイ広告 |
業界 | 広告・マーケティング |
課題
代理店事業として、エンドクライアントのマーケティング支援や運用代行をおこなっていたA社では、大規模プロジェクトを統括・運営する人材不足に加え、Web広告を運用代行するためのスキルやノウハウ不足に不安を抱えていました。
実施内容
そこで、MOLTSがA社の一員としてプロジェクトに参画。エンドクライアントのプロジェクトの統括・運営、広告運用のサポートまで一気通貫で行いました。また利益率を上げるためにも、抜本的な改善をおこなう必要があったため、ブランドの認知度を可視化するためのブランドリフトやメディアごとにCVの貢献度を可視化するアトリビューション分析を実施。
- プロジェクトの統括・運用
- 広告運用のサポート
- 利益最大化のための各施策での効果の可視化・検証〜戦略設計
成果
定期的な検証及び振り返りを行い、利益最大化のための戦術・戦略を創り上げたことで、ブランド認知とCVRが上昇、新規ユーザーを拡大しながらCPAは前年を下回り、売上は前年比150%以上を継続した上で達成。
また、約2年で本店で売上シェアが最も高い状態を実現することができました。

まとめ|Web広告(ネット広告)は、効果測定し改善を続けるのがポイント
本記事では、Web広告の代表的な13種類の手法と、それぞれの特徴やメリットについて解説しました。リスティング広告やディスプレイ広告はWeb広告を代表する手法ですが、それ以外にも様々な媒体が存在します。
ユーザーの態度変容を加味した上で向いている広告・向いてない広告が異なるため、目的を明確にした上で、最適な手法を選択しましょう。
効果測定がしやすいWeb広告では、配信して終わりではなく、効果を見ながら日々運用の調整を行うことが求められます。効果に合わせてターゲティング、クリエイティブ、入札戦略を見直し、改善し続けることで成果を上げていきましょう。
よくある質問とその回答
web広告(ネット広告)で成果を上げたいのですが、どのようにすれば良いですか?
web広告で成果を上げるためには、ターゲットの明確化、目標・KPI設定、運用、改善を短いスパンで繰り返していく必要があります。
そのためには、web広告で目指すべき成果を見据えながら、改善を繰り返し、長期に渡って継続できる運用体制が必要です。
web広告を新たに取り組みたい、今実施している広告成果をより上げていきたいという担当者様に、MOLTSでは成果にこだわったweb広告支援を提案しております。
まずは一度「web広告支援内容」をご覧ください。
どのような点に気をつけてWeb広告(ネット広告)を選べば良いでしょうか。
Web広告を選ぶときは、ターゲットが利用する媒体を選ぶことと、目的に合わせて選ぶことが重要です。
ターゲットの例だと、Twitterは10~30代の若年層の約半数が利用していますが、60代以上になるとその利用率は10%を下回ります。当然ですが、高齢層向けの商材をTwitte広告で訴求しても、その効果は薄いと言えます。
このようにターゲットとなるユーザーの年齢層やデジタル上の行動を理解した上で、どの媒体が効果的なのかを吟味する必要があります。
本記事では、その他にもWeb広告を選ぶときに重要な”目的に合わせた選定”についても解説しています。詳しくは「効果を最大化させるWeb広告(ネット広告)の選び方」をご覧ください。
Web広告(ネット広告)は代理店に依頼すべきでしょうか。自社でやるべきでしょうか。
どちらが優れているということはなく、広告運用の目的や長期的に広告をどのように運用すべきかを見据えて、どちらかを選択すべきです。
広告運用を代理店に依頼するケース、インハウスで運用するケースのメリット/デメリットは複数あります。本記事では、代理店に依頼するメリット/インハウスで運用するメリットについて解説しています。
詳しくは「web広告(ネット広告)の効果的な運用方法」をご覧ください。
Web広告の課題は、広告運用のプロにご相談ください
出稿する広告の選定や入札戦略、広告文の最適化…と、適切なWeb広告の運用には検討すべき事柄はさまざまです。「何から着手すればよいのかわからない」「最適な広告戦略を組めない」と悩む方も少なくないでしょう。事業課題に即した戦略設計や運用が欠かせませんが、適切な施策を自社だけで判断するのは難しいものです。
Web広告における運用や戦略の見直しを検討されている方は、ぜひTHE MOLTSにご相談ください。デジタルマーケティングに精通した広告運用のプロフェッショナルが、成果を出すための戦略立案から施策実行まで支援いたします。
- 一からWeb広告のチーム構築支援を行い、事業全体の売り上げ前年比20%増を実現
- 未経験者の育成・サポートを徹底し、2ヶ月でROASを30%改善し過去最高へ
- 事業構造に適したアカウント構築やKPI設計を行い、CPAの水準を維持しつつ申し込み件数を拡大
まずは貴社のお取り組み状況についてお聞かせください。広告運用のプロフェッショナルが、事業成果・マーケティング成果創出の観点から、貴社に最適なご提案をいたします。
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