データ活用とは?マーケティングに活かせる5種類のデータと流れを解説

この記事でわかること

  • ビジネスにデータを活用するメリット
  • データ活用におすすめなツールや、具体的な活用方法
  • データ活用を実施している企業の事例

「データ活用を行うには、どのようなデータを収集すべき?」「データ活用はどのような流れで行えば良いの?」という方に向けて、データ活用について詳しく解説していきます。

まずデータ活用は、主に以下の2つに分類できます。

  • 収集したデータをそのまま施策に活かす
  • データを分析してから施策を検討・実行する

データの販売もデータ活用の一つとして考えられますが、今回はデータを施策に活かす方法について解説していきます。

データにはさまざまな種類がありますが、マーケティングに関連する重要なデータは以下の5つです。

  • 顧客データ
  • 取引データ
  • アクセスログデータ
  • SNSデータ
  • オープンデータ

目的に併せてどのようなデータを収集するかを決定し、正確なデータを収集・分析することが大切です。そのためには専門的な人材も必要となるので、どのような人材を確保しておく必要があるのかも理解しておかなければなりません。

この記事では、以下の内容を詳しく解説しています。

  • データ活用のメリット
  • ビジネスで活用できるデータの種類
  • データ活用の流れ
  • データ活用に必要な人材
  • データ活用に失敗する企業の特徴

この記事を読むことで、データ活用を行うメリットや流れを理解できます。また、必要な人材に関しても詳しく解説していますので、ぜひ最後までお読みください。

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データ活用とは?

データ活用を簡単に説明すると、データを分析すること、もしくは集めたデータを施策に活かすことです。

データ活用と聞くと、データを分析して知見を獲得し、それを基に施策を検討・実行するというイメージがあるでしょう。一方で、レコメンデーションや不正検知など、データをそのまま施策に活かす形もデータ活用の一つとして考えられます。

また、データを分析することで、自社の現状や課題を明らかにすることができます。データに基づいた将来予測を立てたり、効果の検証を行うといった活用も可能です。

データを一か所に集約するデータウェアハウス(DWH)

データ活用を始める前に知っておきたいのがデータウェアハウス(DWH)です。DWH(Data Warehouse)を直訳すると、「データの倉庫」や「データの保管所」を意味し、その名の通りデータを格納するためのシステムを指します。

データは、生産や販売などの管理データや、MA・CRM・SFAなどのツールから得られるデータ、アクセスログデータなど多岐に渡り、日々増大していきます。そのため、データをまとめて格納しておくDWHが必要になるのです。

DWHは格納だけでなく、以下のような特徴があります。

  • データが分析しやすい形態で格納される
  • 分析を行うためのデータ処理が速い

条件に該当するデータを絞り込んだり、データを重複せずに保存したりできるので、長期的な分析も可能になります。

DWHの特徴やおすすめ製品について詳しく知りたい方は、別記事「データウェアハウス(DWH)とは?目的や特徴を分かりやすく解説」を併せてお読みください。

データを活用する4つのメリット

データを活用することで得られるメリットは、以下の4つです。

  • 売上の向上
  • 業務の無駄を軽減
  • 顧客一人ひとりに合わせた接客ができる
  • 不正検知ができる

では、これらのメリットについて1つずつ具体的に解説していきます。

売上の向上

データを分析することで顧客のニーズを理解し、セグメントごとに施策の立案を行ったり、商談が成功しやすいパターン・失敗しやすいパターンを明らかにしたりすることが可能です。

また、蓄積された顧客の購買履歴や閲覧履歴などを活用すればレコメンデーションを行えるようになり、クロスセル(同時購買数)の増加も期待できます。

さらに、顧客の購買意欲が高まったタイミングでコミュニケーションをとれるようになり、ホットリードの取りこぼしが減るでしょう。

このように、データを活用することでさまざまな面から売上の向上が期待できます。

コスト削減

データ分析によって業務の無駄な部分を明らかにし、マーケティングにおいて必要な施策に限定した投資をすることが可能になります。そうすることで不必要な施策が減り、結果としてコスト・工数削減に繋がります。

顧客一人ひとりに合わせた接客ができる

データを活用して顧客を深く理解することで、顧客一人ひとりに合わせた接客ができるようになります。

例えば、ECサイトで集まった顧客データを基にレコメンデーションを行えば、顧客ごとに違った提案をしていることと同じです。顧客からすると、「こんな商品があったのか」「いいものを見つけられた」と感じることもあり、顧客満足度の向上も期待できます。

不正検知ができる

冒頭でもお伝えしたように、不正検知もデータ活用の一種です。

以前は不正利用や不正取引などを取り締まるために、モニタリングに人員を割く必要がありました。しかし、人がモニタリングを行えばそれだけコストがかかり、精度も落ちてしまいます。

そこで、AIによる不正検知が行われるようになり、人がモニタリングを行うよりも確実な検知が可能になりました。

例えば、多くの人が利用するフリマアプリの「メルカリやラクマ」では、不正な商品の出品をAIで排除できるようになっています。

このようなことができるのも、データを活用するメリットと言えるでしょう。

ビジネスで活用できる5種類のデータ

ビジネスで活用されるデータとして、総務省の情報通信白書では以下のようなデータが挙げられています。

オープンデータ公共の機関が調査した公表データ
産業データM2MセンサーやIoT機器など、機械から収集するデータ
知のデジタル化産業や企業が持つパーソナルデータ以外のデータ
パーソナルデータ個人識別の可否に関わらず個人に関するデータ

参照:平成29年版 情報通信白書|第1部 特集 データ主導経済と社会変革

これらのデータをより理解しやすいように、マーケティングに活用しやすい5つのデータについて解説していきます。

  • 顧客データ
  • 取引データ
  • アクセスログデータ
  • SNSデータ
  • オープンデータ

顧客データ

顧客理解を深めるために重要なのが、顧客データです。

顧客の以下のような情報を指します。

  • 氏名
  • 住所
  • 電話番号
  • メールアドレス
  • 年収
  • 家族構成
  • 行動履歴
  • 顧客ID

このような定量データを収集することで、顧客一人ひとりの嗜好や購買意欲の高さを知ることができます。また、顧客の属性ごとに購買に繋がりやすい商品を明確にすることも可能でしょう。

アンケート・お客様の声・クレームなどの定性データも顧客データに含まれます。定性データと定量データを合わせることで、より深く顧客を理解できるでしょう。

取引データ

取引データとは、購買データやATMの利用など何らかの取引をしたデータ全般を指し、トランザクションデータとも呼ばれます。

例えば、ECサイトで購買データを収集することで、以下のようなことがわかります。

  • 購入日時
  • 購入した商品
  • 価格
  • 数量
  • 割引やプロモーションの利用
  • 支払い方法

実店舗であれば、割引コードやポイント交換のためにカードやアプリをスキャンすることで、取引データが蓄積されます。

アクセスログデータ

ユーザーがサイトやアプリにアクセスした際の通信履歴データをアクセスログデータといいます。

アクセスログデータでは以下のようなことがわかります。

  • サイトの訪問者数
  • ページ別の閲覧数
  • サイトへの訪問回数
  • サイトの滞在時間
  • ユーザーの属性
  • CV数
  • 流入経路
  • サイト流入検索ワード

Google Analyticsなどの解析ツールを使用し、上記のようなユーザーの行動を把握することで、サイト・アプリの改善や広告媒体の効果測定に活用可能です。

SNSデータ

SNSデータはTwitter・Instagram・YouTube・ブログなどに投稿されたデータを指し、消費者の動向やトレンドを把握するために役立ちます。

また、SNSに投稿された消費者の声を収集することで、人気の商品が長期的なものなのか一時的なものなのかを予測することも可能です。

例えば、あるトレンド商品に関しての投稿を収集した結果、その商品に関する投稿が増加しており、なおかつ好意的であれば今後もまだトレンドが継続する可能性が高いと考えられます。反対に、投稿数が減少傾向にあれば一時的なトレンドだと判断できるでしょう。

さらに、SNS各社はアナリティクスデータが確認できる以下のツールを公開しています。

  • Twitterアナリティクス
  • Instagram Insights
  • Facebook Insights
  • YouTube アナリティクス

これらのツールでは、フォロワー数や属性、エンゲージメント率などが把握できます。そのデータを活用することで、アカウントの現状確認やKPIの設定、問題点の洗い出しと改善などが可能になります。

オープンデータ

オープンデータとは公共の機関が調査した公表データのことで、以下のような特徴を持ちます。

  • 誰でも自由に使える
  • 誰でも再利用・再配布できる

オープンデータを利用することで、個人や企業では調査できない範囲の公共データを事業に活用できます

例えば、スマイティという不動産情報サイトでは「住みやすい街」を紹介するページがあります。そのページでは、地域ごとの平均年齢・地価・犯罪率などを掲載しており、それらの情報はオープンデータの統計です。

オープンデータには多くの種類があり、総務省統計局やデジタル庁などの各省庁も数多くのオープンデータを公開しています。オープンデータは「DATA GO.JP」のようなデータカタログサイトから探すことができますので、活用できるデータがないか確認してみましょう。

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効果的にデータ活用をするための流れ

ここまで、データ活用について解説をしてきましたが、ここからは実際にデータ活用の方法について見ていきましょう。

データ活用の流れは以下のように進めてください。

では、ステップごとに詳しく解説していきます。

STEP1.データ活用の目的を明らかにする

はじめに、データ活用によってどのような課題をクリアしたいのかを明確にし、解決するにはどうすべきか「データ収集の目的」を考えてみましょう。売上の向上やコスト削減、新規事業の創造など課題は企業によって異なります。

課題が明確になったら、次にどのようなデータを収集すべきかを判断するために目的を検討します。

例えば、売上の向上が課題であれば、

  • 新規顧客の増加
  • リピート率の向上
  • 解約率の低減

このように、いくつかの目的が考えられます。

どの目的に照準を合わせるかによって収集するデータは異なるので、目的を決めて収集するデータを決定しましょう。

STEP2.データの有無を明らかにする

目的によっては、すでに必要なデータが揃っているケースもあります。すでにあるデータを再度収集するのはコストと労力が無駄になるので、データ収集を行う前に必要なデータの有無を確認しましょう

STEP3.必要なデータを収集する

データの有無を確認した結果、データが不足していたり存在しない場合は、データを収集します。

自社でデータを収集する場合は、部署・部門の協力を仰ぎ、必要なデータを収集しましょう。例えば、解約率を下げたい場合は解約に至る理由を探るために、カスタマーサポートでクレーム・トラブル・解約理由などの情報を蓄積する仕組みを作るといったことが考えられます。

自社では収集できないデータは、調査会社などにデータ収集を依頼したり、他社が保有するデータを取引して入手することで活用が可能になります。

オンラインでの情報収集においては、法令に抵触することを避け、データ収集に対してユーザーから理解を得るために、事前告知を行う必要があります。

自社WEBサイト上での個人データ収集・Cookieを利用したデータ収集・第三者から入手したデータに関しては、プライバシーポリシー内で入手方法と利用目的をユーザーに告知し、同意を得ることを忘れないようにしましょう。

具体的に、下記内容はプライバシーポリシーに盛り込むことをおすすめします。

  • アプリケーション提供者の氏名・名称・連絡先
  • 取得する個人データの項目等
  • アプリケーション提供者による個人データの取得方法
  • 個人データの利用目的の特定・明示
  • 個人データの第三者への提供・情報収集モジュールに関する事項
  • 同意取得の方法および利用者関与(削除・訂正)の方法
  • 問合せ先
  • プライバシーポリシーの変更手続き

STEP4.データを可視化する

収集したデータを分析する必要がある場合は可視化しましょう。データの可視化とは、グラフ・表・図などを使い、数値データでは確認しにくいことを明らかにすることです。

ただ表などにまとめるだけでなく、もっとも大きな数値を目立たせるなどして、より分析しやすくまとめましょう。

STEP5.データを分析する

データを可視化したら、次はデータを分析する段階です。

分析するデータによって分析方法は異なりますが、顧客データを分析する場合は以下のような方法を用いて分析を行います。

セグメンテーション分析顧客の年齢や性別・居住地・行動パターンなどで切り分けることで、顧客をグルーピングする手法
バスケット分析顧客の買い物カゴ(バスケット)の中身を分析する手法
RFM分析R(Recency:直近いつ)・F(Frequency:頻度)・M(Money:購入金額)の3つの指標を用いて顧客を分析する手法
デシル分析購入履歴のデータから全ての顧客の購入金額を高い順に10等分し、各グループの購買データを分析する手法
コホート分析ユーザーを属性や条件でグループ(コホート=観察対象となる集団)に分類し、ユーザーの行動や定着率を分析する手法

目的によってデータ分析が必要ない場合もあります。例えば、レコメンデーションをしたい場合は商品の閲覧データがあれば可能だからです。

データ分析の手法についてより詳しく知りたい方は、別記事「顧客データ分析のポイントとは?4つの代表的な手法や活用事例を紹介」を併せてお読みください。

STEP6.データを活用して戦略や計画を実行する

分析結果を基に戦略や計画を検討し、実行します。揃ったデータを用いて機能を実装していくなど、やるべきことを実行しましょう。

STEP7.効果を測定する

施策の効果は、定期的に測定して改善しましょう。データを活用したことによって新たな課題や事実が発見できることもあります。

効果の測定結果を基に目的を再設定し、PDCAサイクルを回しましょう。

データ活用を行うために必要な人材

データ活用には、データ収集・分析・ビジネスへの応用に関しての専門的な知識が必要です。

そのため、データ活用を行うためには以下のような人材を確保しておく必要があります。

人材特徴
データテクノロジストデータの抽出・加工集計を行う
データアナリストデータを分析して問題・課題の解決策の提案を行う
データサイエンティスト膨大なデータから情報を収集・抽出し、分析をして課題解決のための施策立案を行う
データスチュワードデータの保全管理や、データを活用した施策に対して適切なデータの準備を行う

では、これらの人材がなぜ必要なのかについて解説していきます。

データテクノロジスト

データテクノロジストとは、データの抽出・加工・集計を行う人材です。データ活用を行うためにデータテクノロジストは欠かせません。

データテクノロジストがいないと、必要なデータを充分に収集できず、分析すらできない状態に陥ってしまう可能性があります。

そのため、データ活用を行う上でまずはじめに確保しておきたい人材と言えるでしょう。

データアナリスト

データアナリストは、簡単に説明するとデータを分析する人材です。

事業の課題や悩みに合わせ、収集されたデータを分析して仮説を立てて解決策の提案を行います

データアナリストは、課題を解決するためにはどのようなデータを収集すべきかという判断も行うため、収集すべきデータがどれか判断できない企業では、データテクノロジストよりも先に確保が必要なケースもあるでしょう。

データアナリストとデータテクノロジストはデータ活用に欠かせない人材であるため、両方の人材が必要になることを覚えておきましょう。

データサイエンティスト

データサイエンティストとは、ビッグデータなどから必要な情報を収集し、抽出する人材です。抽出したデータの分析を行い、課題解決のための施策立案も行います。

データアナリストと共通する部分が多くありますが、データアナリストは分析結果をビジネスへ応用すること、データサイエンティストは分析モデルの構築を行うことに重点をおいています。

AIに関連する分析が必要な場合は、データサイエンティストも必ず確保しておきたい人材です。

データスチュワード

データスチュワードは、データマネジメントにおける責任者のような位置付けの人材です。

データのクオリティや活用方法に問題がないかをチェックしたり、施策に必要なデータの準備やどのようにデータを活用すべきかなどの提案を行ったりします。

データスチュワードがいることで、適切にデータを管理しながら充分なクオリティのデータを施策に活用できるようになるため、データを取り扱う機会が増えている現状において、重要な役回りの人材といえます。

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データ活用に失敗してしまう企業の特徴

データ活用は正しく行わなければ、予想していたような効果が得られず失敗してしまう可能性もあります。

データ活用に失敗する企業の特徴は以下の3パターンです。

  • データ活用の目的が明確でない
  • データ活用を行える人材が不足している
  • 分析結果をストレートに反映できていない

どのようなことが失敗に繋がるのかについて、パターンごとに解説します。

データ活用の目的が明確でない

データ活用の流れでも解説した通り、目的によって収集するデータは異なります。収集したデータをどうしたいのかが明確でなければ、そもそもどのデータを収集すべきかわからないという状態になるでしょう。

「売上を上げたい」といったような大きな課題に関連するデータを全て集めようとした場合、見込み顧客から優良顧客まで幅広い顧客情報や、アクセスログデータやSNSデータなどさまざまなデータを収集することになります。それは現実的ではありませんし、データを収集したところでどのように活用するのかもはっきりしていないため、施策を立案できません。

そのため、「新規顧客を増やす」「リピート率をアップする」といった明確な目的が必要なのです。

データ活用を行える人材が不足している

データ収集や分析、さらにデータを施策に応用する人材がいなければ、データ活用はできません。

特に、先ほど紹介したデータテクノロジストやデータアナリストが揃っていないと、目的に対して必要なデータがなにか判断できない・データを収集できても正しく分析できないといったことが起こるため、失敗に繋がります。

どちらか一方を採用していても、収集・分析のどちらかに問題が出てしまう可能性があるため、両方を揃える必要があります

もし人材が確保できない場合は、人材派遣やアウトソーシングの利用を検討してみましょう。

分析結果をストレートに反映できていない

データを収集・分析すると、社内の常識をくつがえすような結果が出る可能性があります。

分析結果に納得がいかず、なかったことにしてしまえばデータ活用を行う意味がありません。いくらデータを収集・分析しても効果は出ないため、失敗してしまうでしょう。

今まで苦労して行ってきたことを全否定するような結果だった場合でも、データを信じて分析結果をストレートに反映できる環境づくりが重要です。

データ活用におすすめな6つのツール

ツールを導入することで、データ収集や分析を効率的に行えるようになります。

さまざまなツールの中でもおすすめなのが、以下の6つのツールです。

  • CDPツール
  • EPMツール
  • MAツール
  • SFAツール
  • CRMツール
  • SNS分析ツール

では、これらのツールでどのようなデータを収集・分析できるのかについて解説していきます。

CDPツール

CDP(Customer Data Platform)ツールは、顧客一人ひとりの詳細なデータを収集し統合するツールです。

以下のようなデータを収集し、分析することができます。

  • 氏名や住所などの個人情報
  • アクセスログ
  • 購入履歴
  • 閲覧履歴

複数のシステムやツールからデータを収集するため、精度の高い分析が可能です。

EPMツール

EPM(Enterprise Project Management)ツールは、企業の業務をプロジェクトとして管理するためのツールです。

以下のような管理を可視化し、業務プロセス実施状況の把握を行うために活用します。

  • タスク管理
  • スケジュール管理
  • コスト管理
  • 品質管理
  • コミュニケーション管理
  • 人材管理

EPMは、これらのデータをリアルタイムで収集できます。そのため、データを素早く経営に反映させることが可能です。

MAツール

MA(Marketing Automation)ツールとは、見込み顧客の獲得・育成のためのマーケティング活動を自動化・効率化するためのツールです。リード管理機能を搭載しており、リードのデータを一元管理できます。

スコアリング機能を搭載した製品もあり、顧客が自社の商品やサービスにどの程度の関心を持っているかを数値化することもできます。

MAツールについて詳しく知りたい方は、別記事「MAツールおすすめ23製品比較|機能・事例を用いて解説【レビュー付】」を併せてご覧ください。

SFAツール

SFA(Sales Force Automation)ツールは、営業活動を支援するツールです。

営業活動で得られる以下のような情報を収集し、一元管理できます。

  • 顧客情報
  • 商談情報
  • 案件進捗

さらに、営業活動のプロセスをデータ化して分析することができ、マネージャーは営業担当者に的確なアドバイスをすることができ、戦略の立案にも役立ちます。

また、営業担当者の過去の実績や売上予測なども自動で作成され、効果的に営業活動を改善していくことが可能です。

SFAツールについて詳しく知りたい方は、別記事「SFAツールおすすめ27製品比較|機能や選び方を徹底解説【レビュー付】」を併せてご覧ください。

CRMツール

CRM(Customer Relationship Management)ツールは、顧客との良好な関係を築くためのツールです。すでに自社の商品やサービスを購入したことがある顧客の個人情報・購入履歴・問い合わせ履歴などを一元管理することができます。

CRMツールの分析を活用することで、顧客の購買傾向や、購買に至りやすいコミュニケーション方法などがわかります。

CRMツールについて詳しく知りたい方は、別記事「CRMツールおすすめ31製品比較|機能や選び方を徹底解説【レビュー付】」を併せてご覧ください。

SNS分析ツール

SNS分析ツールは、Facebook・Twitter・Instagramなどに投稿されたユーザーの生の声を収集・分析するためのツールです。SNSを分析することで、市場トレンドの調査や自社商品のイメージ調査が可能になります。

また、キャンペーンなどの効果測定にも役立つため、SNSでデータ活用をしたい場合に欠かせないツールといえるでしょう。

データ活用の事例3選

実際にデータ活用を実践し、成功した大企業の事例を3つ紹介します。 

楽天グループ

※引用:楽天グループ コーポレートサイト

楽天市場は巨大なECモールであり、1億以上の膨大な顧客データが集約されます。そこに、楽天グループが保有するさまざまなデータを紐づけ、精度の高い広告配信を実現しています。

また、2018年には機械学習を活用して、広告配信における高精度な拡張ターゲティングを提供するAIエージェント「Rakuten AIris」を開始しました。Rakuten AIrisは対象商品の購買実績があるユーザーの属性・購買傾向・楽天グループサービス内の利用傾向などを含む約920項目のデータを分析・スコア化し、マッピングして購買見込みユーザーを予測します。そして、そのユーザーに対して広告を配信することができるため、精度の高い拡張ターゲティングを可能にしています。

スシロー(FOOD & LIFE COMPANIES)

※引用:株式会社FOOD & LIFE COMPANIES

回転寿司チェーンのスシローでは、データ活用による需要予測を行い、売上や顧客満足度の向上に成功しています。

スシローで収集されているデータは、寿司皿のICタグデータです。ICタグによって、どの顧客にどのような寿司が食べられたか・どのネタがどれだけ流されたかといった情報を収集しました。

これまでに収集したデータは10億件にも上り、それらのデータを活用することで需要を予測して、流す寿司の数や種類を調整しています。

また、皿ごとにどれだけレーンを流れているかも管理できるため、廃棄のタイミングが明確にわかるようになり、提供される寿司の安全性も向上しています。

パナソニック

※引用:パナソニック ホールディングス株式会社

パナソニックでは営業部門において、

  • 案件の進捗状況をスムーズに把握できない
  • 他部門との情報共有に時間がかかる
  • 顧客情報を正確に管理できていない

といった課題がありました。

課題解決のためにMAツールを導入したところ、営業活動を可視化することができ、案件の進捗状況を把握しやすくなりました。また、他部門との連携をとりやすくなったことで、融合型の提案を行えるようになりました。

さらに、タイムライン機能を活用して営業部門でコミュニケーションをとりやすい環境を構築したことで、情報共有がスムーズに行えるようになり、案件の情報をリアルタイムで共有できるようになったことで、業務効率化にも繋がりました

データ戦略にお困りの方へ

  • データ戦略の立て方が分からない
  • 自社にとって必要なデータが何か、また集め方や選定基準を知りたい
  • データを活用して無駄なリソースをかけずに最短で成果を出したい
などのお悩みをデータ戦略のプロへ相談してみませんか。まずはサービスページをご覧ください。

データ活用について学べるおすすめ書籍

最後に、データ活用について詳しく学びたいという人のために、初心者向けのおすすめの書籍を紹介します。

データ利活用の教科書

本書は、データ利活用の知識が体系的にまとめられた、教科書の位置付けに相応しい一冊です。著者であるマクロミルは、生活者を取り巻くさまざまなデータを収集・分析し、国内年間3,000社以上の企業のマーケティング支援を行っています。

本書では、図解と具体例が多く用いられているため、データをビジネスに活かす方法がわかりやすくまとめられています。そのため、これからデータ活用について学びたいと考えている人におすすめの一冊です。

「専門家」以外の人のためのリサーチ&データ活用の教科書

※引用:Amazon|「専門家」以外の人のためのリサーチ&データ活用の教科書

本書は、リサーチとデータ活用について一冊で学べる内容です。著者の経験や過去の事例を基に解説されているため、他の本よりも理解しやすくイメージが湧きやすく、データ活用の専門知識がまったくない人におすすめの一冊です。

最終目標に向かってどのように取り組むべきかといった実践的な内容も含まれているので、日々の業務に取り入れるべきこともわかりやすく解説されています。

データマネジメントが30分でわかる本

本書は筆者の実際の業務での適用事例を元に、データマネジメント知識体系ガイド(DMBOK)を独自要約した内容です。データマネジメントとは、データを登録・更新・活用することを指すため、データ活用を学びたい人にもおすすめの一冊です。

DMBOKはデータマネジメントを11の領域で解説していますが、初心者には難解で理解するまでに時間と労力がかかります。この本では、そんなDMBOKの内容を30分程度で理解できるようにまとめられています。

よくある質問とその回答

データ戦略を活用して成果を上げたいのですが、どのようにすれば良いですか?

データ戦略に必要な基盤を作るためには、ターゲットの明確化、目標・KPI設定、運用、改善を繰り返していく必要があります。

まずはWeb上の閲覧データや行動データ、SNSの口コミデータなど様々なデータを利活用できる仕組みが必要です。

データ戦略を新たに取り組みたい、データをもとに施策を進めていきたいという担当者様に、MOLTSでは成果にこだわったデータ戦略を提案しております。

まずは一度「データ戦略の支援内容」をご覧ください。

データ活用とは何をすることですか?

データ活用とは、収集したデータを施策に活かしたり、データ分析を行って知見を獲得し、それを元に施策を検討・実行することです。

顧客のセグメントごとに合わせた適切なコミュニケーションを行うためにはデータの分析が必要になりますが、レコメンデーションや不正検知などはデータをそのまま使用します。

データ活用と聞くと、データを分析して知見を獲得し、それを基に施策を検討・実行するというイメージがあるでしょう。一方で、レコメンデーションや不正検知などもデータ活用にあてはまります。

後者は集まってくるデータを処理し続けるものであるため、分析や知見の獲得を行う必要はほとんどありません。

詳しくは「データ活用とは?」をご覧ください。

企業がデータ活用を行えるようになると、どのようなメリットがありますか?

データを活用することで得られるメリットは、以下の4つです。

売上の向上
  • 顧客のニーズを把握し、セグメントごとに施策の立案ができる
  • 商談が成功しやすいパターンの把握ができる
  • レコメンデーションによるクロスセルの増加が期待できる
  • ホットリードの取りこぼしを防止できる
業務の無駄を軽減
  • データ分析で業務の無駄を把握できる
  • 顧客に合わせた施策を講じて効率化しコスト削減に繋がる
顧客一人ひとりに合わせた接客ができる
  • 顧客を深く理解することで、一人ひとりに合わせた接客ができる
不正検知ができる
  • AIで精度の高い不正検知ができる

データを分析するか、そのまま活用するかによって得られるメリットも異なります。

詳しくは「データを活用する4つのメリット」をご覧ください。

まとめ|売上を向上して業務の無駄を削減したいならデータ活用を

データ活用は、主に以下の2つに分類できます。

  • 収集したデータをそのまま施策に活かす
  • データを分析してから施策を検討・実行する

売上の向上のためにデータを活用するのであれば、収集したデータを施策に活かすか、分析して施策を検討・実行することが重要です。

データにはさまざまな種類がありますが、マーケティングで活用できるデータには次のようなものがあります。

  • 顧客データ
  • 取引データ
  • アクセスログデータ
  • SNSデータ
  • オープンデータ

データ活用を行うためには、目的の設定などの準備も重要です。以下の流れに沿ってPDCAサイクルを回しましょう。

  1. データ活用の目的を明らかにする
  2. データの有無を確認する
  3. 必要なデータを収集する
  4. データを可視化する
  5. データを分析する
  6. データを活用して戦略や計画を実行する
  7. 効果を測定する

データ活用を行うためには、データテクノロジスト・データアナリストが不可欠です。AIに関するデータ活用を行う場合はデータサイエンティストもいた方がいいでしょう。

人材が揃っていないとデータ収集・分析・活用がうまくできず失敗してしまう可能性があるので、社内・社外問わず、人材を確保してから取り組みましょう。

データ戦略の立案や施策実行の課題は、データ活用のプロにご相談ください

データを適切に取り扱えるようになれば、自社の課題や顧客のニーズを細かく把握できるようになり、施策の大幅な改善が可能です。ひいては、売り上げ向上や不要なコストの削減が期待できます。しかし、実施に際して、さまざまな課題に直面してしまい、失敗に終わることが少なくありません。

効率的に成果をあげるなら、THE MOLTSにご相談ください。クライアントのさまざまな課題を解決に導いてきた業界歴15年以上のプロフェッショナルが支援いたします。

・GA4とSFAのデータを集約し、レポーティング基盤を構築
・分析や1to1マーケティングへの活用を見越したデータ基盤の構築
・データウェアハウスの導入から運用までを総合的に支援
・CMPツール(Cookie同意管理)を導入し、ユーザー同意のもとデータの取得を実施
・ダッシュボードの設定により、リアルタイムで投資判断や戦略立案が可能な環境を構築

まずは貴社のお取り組み状況についてお聞かせください。データ活用のプロが、「マーケティングへの活用」という観点から成果を出すための最適なご提案をいたします。

著者情報

MASAHIRO NISHI

西 正広

Marketing Strategist / Data Analyst

業界歴15年。データ戦略の立案、アクセス解析、CVR改善、データ活用基盤の構築などを担当。電通デジタルを経て2019年MOLTS参画。

担当領域の
サービス

  • マーケティングリサーチ
  • コミュニケーションプランニング
  • SEO
  • アクセス解析
  • CDP/DMP構築・運用

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