成果を出すキーワード選定10ステップ|注意点やおすすめツールも解説
この記事でわかること
- キーワード選定が重要な理由
- キーワード選定の10のステップ
- キーワード選定に役立つツール
「自社で記事を書くなら、どのようなキーワードで制作するべきだろうか」「成果が出ていないオウンドメディアを改善するために、キーワードから見直したい」本記事をお読みの方の中には、このようにお悩みの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
SEOのキーワード選定は、Webサイト/Webメディアの成果に直結すると言っても過言ではありません。自社の製品やサービスに関連するキーワードであっても、成果に直結するとは限らないからです。
そのため、「このようなキーワードならターゲットが検索しそう」といった想像ではなく、ロジックに基づき、合理的にキーワード選定を行なっていく必要があります。
本記事では、何故キーワード選定が大事なのかといった前提の知識から、具体的なキーワード選定の手順について解説をしていきます。
Webメディアを運用しているがなかなか成果に結びつかない、これからWebメディアをローンチするがどうやってキーワードを選べば良いか分からないといった方は、ぜひ参考にしてください。
※弊社が考えるコンテンツマーケティングの本質については、以下の記事もあわせてご覧ください。
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なぜSEOでは、キーワード選定が重要なのか

SEOのキーワードを、「何となくメディアとの関連性が高そうだから」「月間の検索ボリュームが多いから」といった理由で選定するケースがあります。
しかし、弊社ではキーワード選定を、検索流入を軸とするWebサイト/Webメディアの生命線と考えています。何となくではなく、しっかりとしたロジックを持ってキーワードを選定することが、結果的に成功・失敗を大きく分けるからです。
例えば、「転職エージェント 比較」というキーワードで検索してくるユーザーは、自分にマッチした転職エージェントに登録して、なんとしても転職を成功させたいというニーズを持っています。
そのため、転職エージェントを各サービスごとに比較できる質の高い記事を書き、検索順位1位に表示できれば、多くのCV(コンバージョン)を生み出すことができるでしょう。
一方、「転職エージェント とは」というキーワードは、転職エージェントに登録したいというニーズよりも、そもそも転職エージェントとはどのようなサービスで、どんなメリットがあるのかといった知識を得たいというニーズが強いキーワードです。
エージェント登録意図はさほど高くはないため、仮に上位表示ができたとしても、CV(コンバージョン)へとはあまり繋がらない可能性があります。
転職エージェントへの登録を直接的な収益に繋げる「アフィリエイト型のWebメディア」であれば、この2つのキーワードでの成果は大きく分かれるでしょう。
このようにキーワード選定によって、得られる成果は変わってきます。自社のメディア運営の目的と照らし合わせて、どのキーワードで1位を取れば、最も成果が見込めるのかというキーワード設計が大切です。
そもそもSEOとは
SEOとは、Search Engine Optimizationの略で、日本語では「検索エンジン最適化」と訳されます。検索エンジンとは、「Google」や「Yahoo!」といったWeb上の情報を検索するためのシステムのことです。
皆さんも日々、スマホやPC・タブレットで調べ物をする時に、検索エンジンを活用するでしょう。通常、検索された時に上位に表示されるサイトは、多くのアクセスを集めることができます。

SEOとは、このようにユーザーが検索したキーワードに対して、自社のWebサイトを上位に表示させることで、多くのユーザーの集客を見込むための「あらゆる施策」を指します。
SEOに関する施策は「SEO対策」と呼ばれますが、SEO対策には、実に様々な施策が存在します。本記事内でも詳しく言及していきますが、重要なポイントは1点です。
それは、「検索するユーザーにとって有益なページを提供すること」です。
小手先のSEO対策のテクニックはたくさんありますが、現在の検索エンジンのアルゴリズムは非常に精度が高いので、そもそもWebサイトのコンテンツがユーザーにとって有益でなければ、基本的に上位表示はされないと考えてください。
キーワード選定でリソースと成果は段違いに変わる
弊社は、定義した成果が最も見込めるキーワードを「マストキーワード」と呼んでいます。このマストキーワードで順位を押し上げていくために、マストキーワードに付随する「サブキーワード」を選んでいく必要があります。
ここでも同様に、サブキーワードを選ぶロジックが大事になってきます。よくやってしまいがちなのが、Googleキーワードプランナーなどの「キーワード選定ツール」で、関連しそうなキーワードを羅列し、それらのキーワードで大量にコンテンツを書いていくことです。
とりあえずコンテンツ数を増やしていけば、成果は出るという考え方は間違いです。
具体的なサブキーワードの選定方法は、「キーワード選定の10のステップ」の章で解説して行きますが、本当に必要なサブキーワードのみを選定して、徹底的に記事の質を高めていくことで、無駄なリソースを使うことなく、最大限の成果を得るための「最短ルート」を走ることが大切です。
- コンテンツマーケティングに取り組みたいが、何から始めれば良いか分からない
- コンテンツマーケティングを実施しているものの成果が出ない
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成果が出るキーワード選定10ステップ

ここからは、具体的にキーワード選定をしていく手順について解説していきます。
キーワード選定は、以下の手順で進めましょう。
- 目的と成果を明確化する
- ターゲットを明確にする
- 関連しそうなキーワードを並べる
- キーワードを実際に検索する
- マストキーワードを定める
- マストキーワードのコンテンツ骨格を作る
- 骨格から抽出された要素を並べる
- サブキーワードを選定する
- メンテナンスを加味してキーワードツリーを作る
- キーワードの関係性を理解して、継続的に運用を行う
では、手順ごとに詳しく解説していきます。
STEP1:目的と成果を明確化する
「売上をあげたい」「リードを獲得したい」「認知を拡大したい」などWebメディアの運用目的は様々です。運用の目的によって、狙うべきキーワードは異なります。まずは何のために、Webメディアを運営するのか、その目的を明確化しましょう。
例えば、あるクリニックが、「当院ではニキビに悩んでいる人がよく通院しており、その実績が豊富であることため、より多くの人にクリニックを知ってもらいたい」と考えました。そこで、「ニキビ」の悩みを持ったユーザーを想定して、ニキビの病名である「尋常性痤瘡 治療」というキーワード設定をしました。
しかし、ニキビの患者が「尋常性痤瘡 治療」と検索するためには、自身の正式な病名を把握しそれに対して治療が必要であることを理解していることが条件となります。この場合、例えば「ニキビ 治療」や「美肌 方法」といったキーワードを選定するほうが適切と言えます。
なぜなら、病名には馴染みがない人が多いことや医療関係者しかその名前を知らないからです。
商品やサービスから、直接想像したキーワードに縛られず、ユーザーが検索するキーワードは何なのかという視点で選定するようにしましょう。

またその目的に応じて、成果を定めましょう。成果とは、目的が達成したかどうかを判断する基準になります。売上が目的であれば「売上高」、リード獲得が目的であれば「リード数」などが成果指標になるでしょう。
STEP2:ターゲットを明確にする
サイト内のコンテンツを作成する時には、誰に対してそのコンテンツを届けたいのかを考えなくてはいけません。届けたい対象が曖昧だったり、万人受けを狙うことで、コンテンツのメッセージ性が弱くなり、成果に繋がりにくくなってしまいます。
前述の通り、誰に対してコンテンツを届けるのかを明確にすることは重要です。そこで知っておいて欲しいことの一つに、ペルソナ設定があります。

「ターゲット」と混同されがちな「ペルソナ」ですが、それぞれ意味が異なります。ターゲットは年代や性別といった属性で区切った「集団」であるのに対し、ペルソナはその集団に属する「個人」をより具体的にイメージできるようにしたものです。
ペルソナを作る目的は、以下の3つです。
- チーム全体で共通のユーザーイメージを持つため
- 見込み客が抱えている悩みや問題点を発見しやすくするため
- ユーザー視点で、効果的な施策を考えるため
ペルソナの作り方などは、以下の記事で詳しく解説していますので、併せてご覧ください。
STEP3:関連しそうなキーワードを並べる
次に、Googleのキーワードプランナーをはじめとする「月間の検索ボリューム」を調べることができるツールを活用し、関連しそうなキーワードを並べていきます。
例えば、勤怠管理システムのリード獲得が目的であれば、「勤怠管理」「勤怠管理システム」「勤怠管理 とは」「勤怠管理ソフト」「勤怠管理 無料」「勤怠管理システム 比較」など、ボリューム順に並べていきましょう。
検索ボリュームに応じて、ビッグワード・ミドルワード・スモールワードに分類できるため、違いや特徴を理解し、自社の目的に合った適切なキーワード選定をしましょう。
ビッグワード
ビッグワードは、多くの検索意図やニーズを含み、検索ボリュームが10,000を超えるようなキーワードのことです。
ボリュームが大きい分、ビッグキーワードで上位表示が取れることで一気にサイトの流入数を確保できます。しかしその一方で、競合も多いため、難易度の高さは軽視できません。
また、複数語句が中心となるミドルやスモールワードと異なり、ビッグワードの多くは「WiFi」「働き方改革」など一語であることがほとんどです。
そのため、適切にニーズを捉えることが難しく、コンバージョン率は他のワードと比較しても低い傾向にあります。ただし、全てのビッグワードがコンバージョン率が低いとは限らず、その率が高いワードも存在します。それは、顧客の購買に近しいフェーズに存在しているワードの場合です。
例えば「SIM フリー スマホ」は検索ボリュームで20,000件を超えるビッグワードです。上位表示することができれば高い成約率が期待できます。なぜなら、検索するユーザーには「SIMフリーのスマホの購入を検討している顕在層のユーザーである確率が高いからです。
そのため、「ビッグワード=コンバージョン率が低い」ではなく、キーワード毎にユーザーの検索意図を鑑みた上で、ビッグワードを選定することで結果(CVの増加など)に結びつけることができるでしょう。
ミドルワード
ミドルワードは、月間検索ボリュームが1,000〜10,000までのキーワードのことです。ビッグワード同様、定義はさまざまにありますが、弊社では上記のように定めています。
ミドルワードは、ビッグワードとスモールワードの中間の性質を持っています。ミドルワードのように中規模の検索数のキーワードでも、検索上位を獲得すれば、アクセス数のトータルはビッグワードに匹敵する場合もあります。
なぜなら、ビッグワードとスモールワードの中間の性質を持っているため、検索ユーザーのニーズがビッグワードと比較した際に顕在化しているケースも多く、成果(成果など)に繋がりやすくなるためです。
また、ミドルキーワードは競合がビッグワードほど強くはないので、比較的検索上位を狙いやすい点も特徴でしょう。
スモールワード
スモールキーワードは、検索ボリュームが1,000以下のキーワードのことです。
複数語句やニッチなワードから成り立っていることが多いこと。また、ビッグワードやミドルワードと比較してキーワードボリュームが少ないため競合性は比較的低い傾向にあります。そのため、キーワードによっては上位表示がしやすいと言えるでしょう。
また、ニーズが顕在化しているケースも多く、成果(CVなど)に繋がりやすい、といった特徴があります。
例えば、「Wifi 無料」は検索ボリューム1,600ですが、「Wifi 無料 カフェ」だと検索ボリュームは160です。この場合、「Wifi 無料 カフェ」と検索しているユーザーの動きとして「Wifiのあるカフェを探している」というニーズが顕在化していることが読み取れるでしょう。
そのため、「Wifi 無料 カフェ」のキーワードを取れた場合、検索ユーザーはアクション(来店など)を起こす可能性が高くなるでしょう。つまり、最終的に狙いたい成果(今回は来店)に繋がるのです。
このようにキーワード選定によって、大きく成約率も変わるため、ビッグワードやミドルワードだけに縛られず、スモールワードも対策していきましょう。
STEP4:キーワードを実際に検索する
並べたキーワードで、実際に検索してみましょう。
検索したキーワードで、商品の比較サイトやサービスページが上位表示されている場合は、検索しているユーザーが商品の購入意欲が比較的高いことを示します。上記の例で言えば、「勤怠管理システム」「勤怠管理 無料」「勤怠管理システム 比較」といったキーワードが該当します。
STEP5:マストキーワードを定める
マストキーワードとは、「絶対に1位を取らなければならないキーワード」のことを指します。
例えば、リード獲得が目的であれば、検索ユーザーの購入意欲が高いキーワードが、マストキーワードとなります。先の「ポケットWifi」の例でいうと、「ポケットWifi 即日 おすすめ」「ポケットWifi 大容量」など具体的な条件がキーワードに含まれることが多いです。
また、認知の獲得が目的であれば、ボリューム数が多く、認知を取りたいターゲットと親和性の高いキーワードを選ぶ必要があります。この場合は、「ポケットWifiとは」「ポケットWifi 仕組み」など、特定の製品検討には至っていないが、そもそもポケットWifiという手段を考えている人向けのキーワードになります。
なお、初心者が新規で始めるオウンドメディアなどであれば、運用開始時に5つ程度のマストキーワードを定めるのがおすすめです。そこから1〜2つに選択と集中をし、成果が得られなければ次のキーワード、とフェーズを分けて考えます。
STEP6:マストキーワードのコンテンツの骨格を作る
定めたマストキーワードで、検索するユーザーが何を求めているのかというニーズを、上位表示されているサイトから読み取っていきましょう。
抽出したニーズから、どのようなコンテンツであればユーザーの理想となるコンテンツになるのかを組み立て、タイトルや実際のコンテンツ構成を考えていきましょう。
骨格に関しては「検索で上位表示するためにプロが必ず実践すること」で詳しく解説しています。
また、タイトルの設定方法や具体例ついては、以下の記事で詳しく解説していますので、併せてご覧ください。
STEP7:骨格から抽出された要素を並べる
タイトル案やコンテンツの内容が決まったら、そこに付随する要素を抽出していきます。
例えば、「勤怠管理システム」をマストキーワードとした場合、「勤怠管理とは何か?」「勤怠管理システムとは何か?」「勤怠管理システムの比較」「勤怠管理システムのメリット・デメリット」といった要素を抽出できます。
STEP8:サブキーワードを選定する
これらの要素をサブキーワードとして設定していきます。
運用初期のオウンドメディアの場合は、1つのマストキーワードに対して、5〜10個程度のサブキーワードを設定すると良いでしょう。
STEP9:メンテナンスを加味してキーワードツリーを作る
設定したマストキーワードでは、必ず1位を獲得しなければいけません。そのために新規で作ったコンテンツを定期的にメンテナンスをして、質を高めていく必要があります。
その際に、サブキーワードで制作した記事の内容を、マストキーワードの記事に補足として付け加えると、よりユーザーにとって有益なリッチコンテンツになっていきます。そのため、サブキーワードは、マストキーワードの記事のメンテナンスを加味して選定していくと良いでしょう。
この際に重要なのが、「キーワードツリー」です。選定したいくつかのマストキーワードに同じ内容(サブキーワード)が重複してしまうことがあります。コンテンツの内容が被らないように、キーワードの階層を可視化するツリーを作成します。

運用初期のオウンドメディアであれば、マストキーワードを3〜5つ、サブキーワードを5〜10つ選び、最小でも15記事、最大で50記事のキーワードツリーを作っていきましょう。
STEP10:キーワードの関係性を理解して、継続的に運用を行う
キーワードツリーを作成したら、実際にコンテンツを作っていきます。まずはマストキーワードの記事作成、次にサブキーワードの記事作成を行います。その後、メンテナンスでサブキーワードの記事内容をマストキーワードの記事に追加して、順位を上げていきましょう。
ただし気をつけたいのが、マストキーワードの記事に要素追加をすると、コンテンツが長くなりすぎてしまうケースがあります。情報を盛り込みすぎると、かえってユーザーが知りたい情報を見つけるための妨げになってしまいます。
そこで本文が長くなりすぎないように、各項目の要約だけを記述し、内部リンクでサブキーワードのコンテンツにうまく誘導することが有効です。
例えば弊社では、以下の赤枠の「BtoBマーケティング用語」の見出しに、各詳細記事へのリンクを貼り、コンテンツが長くなりすぎないように調整しています。
上記は、「BtoBマーケティング」という競合性が高く検難易度の高いキーワードで検索上位を獲得(2023年9月時点)しているコンテンツです。
このようにユーザーの利便性を第一に考えて、コンテンツの質を高める運用を続けていくことは極めて大切です。
もしも、マストキーワードで1位を取れなかった場合は、サブキーワードの数を増やす、マストキーワードで1位を取れたのであれば、別のマストキーワードを用意して、攻める領域を増やしていきましょう。
なおメンテナンスの考え方や取り組む上でのポイントは、以下の記事も参考にしてください。
- コンテンツマーケティングに取り組みたいが、何から始めれば良いか分からない
- コンテンツマーケティングを実施しているものの成果が出ない
- インハウスでコンテンツ制作やメディア運営ができる組織体制を作りたい
キーワード選定後に必ず行いたい2つのこと

具体的なキーワード選定のステップをお伝えしたところで、継続的に結果を出すために必要なポイントも含めて、2つの注意点をご紹介します。
1. 定期的にキーワードの見直しを行う
キーワード選定は、一度行ったら終わりではありません。
なぜなら、記事を作成する中で、
- 公開後、一つの記事に対し複数のキーワードで上位を獲得できる
- 現状設定していたキーワードよりも良いキーワードが出てくる
上記2つの理由があるからです。これらは記事を公開して運営してみなければわかりません。
もしも、一つの記事に対し複数のキーワードで上位を獲得できた場合、当初設定していたキーワードで記事を書く必要がなくなる可能性があります。また、より良いキーワードを思いついたのであれば、それもキーワードツリーに組み込む作業が必要です。
そのため、最低でも3ヶ月に1回は、定期的にキーワードの見直し・追加選定を行うことをおすすめします。
ポイントとしては、設定したキーワード、ボリューム、検索順位、公開日などは分類しておくと良いでしょう。下記のようなイメージです。

上記のようにまとめておくと、チームとしても一元管理しやすく非常に便利です。
メンテナンスなどの対策が行えておらず、順位が上がっていないキーワードなどもすぐに見つかるため、必ず行うことをおすすめします。
2. 定期的に検索順位を確認する
後ほど紹介するツールなどを活用しながら、定期的に検索順位を確認しましょう。特に最初は週に1回の頻度で順位を追ってください。そうすることで、次に取るアクションが明確になります。
キーワード選定と同じで、コンテンツも一度作って終わりではありません。
リライトや検索順位の傾向を見て、新しいコンテンツを追加するなどのより効果を出すための対策を行っていきましょう。
次章では、実際に検索順位などを確認する上で役立つツールがあるので、解説します。
SEOで継続的に成果を出すために必要な3つの考え方
SEOで成果を出すには、以下の基本的な考え方を理解しておきましょう。
- 検索結果で1位を獲得することが重要
- 検索するユーザーの利便性を追求し続けることが、上位表示につながる
- ユーザーの行動こそすべて
では、これらの考え方がなぜ大切なのかについて、解説していきます。
検索結果で1位を獲得することが重要
「検索」をタッチポイントとした場合、SEOにおいては検索順位が重要な指標です。
Advanced Web Rankingでは、検索順位とCTR(クリック率)の相関を調査しており、ここから検索順位の重要性を読み解くことができます。
※2023年9月時点のデータ
同サイトによれば、検索順位1位を獲得した場合、CTRは平均45%程度なのに対し、2位の場合は17%程度とおよそ3分の1まで落ち込んでしまいます(2023年9月時点)。さらに、3位、4位と順位が低下するほどその差は大きくひらいていきます。
このことから、「検索上位」を目指すのではなく、「検索結果1位」を獲得することがいかに重要かが理解できるでしょう。
この検索順位を決める要因は、コンテンツの質にほかなりません。キーワード設計によって温度感の高いユーザーに狙いを定めると同時に、実際にコンテンツへ訪れてもらうためにも、検索順位の上位獲得、ひいては良質なコンテンツを生み出すことが大切なのです。
「良いコンテンツ」の定義はさまざまありますが、少なくとも「読み手の悩みや課題が解決されること」、そして「その企業だからこそ発信する価値があるもの」だと筆者は考えます。
他社のコンテンツの真似事にならず、届けるべきユーザーに目を向け、自分たちだからこそできるコンテンツ発信を心がけましょう。
検索するユーザーの利便性を追求し続けることが、上位表示につながる
検索順位の1位の獲得を目指していく時に、理解しておきたいのがGoogleの基本的な理念です。Googleは、ユーザーの利便性を第一に考えるという思想を持っています。
ユーザーに焦点を絞れば、他のものはみな後からついてくる。
Googleは、当初からユーザーの利便性を第一に考えています。新しいウェブブラウザを開発するときも、トップページの外観に手を加えるときも、Google 内部の目標や収益ではなく、ユーザーを最も重視してきました。Google のトップページはインターフェースが明快で、ページは瞬時に読み込まれます。金銭と引き換えに検索結果の順位を操作することは一切ありません。(以下、略)
※引用:Google公式サイト「Googleが掲げる10の事実」より
このことから、最もユーザーの利便性を考えられているコンテンツこそが、1位になるであろうと推測できます。利便性を追求するためには、コンテンツやページは作って終わりでなく、継続的に運用する、つまりメンテナンスが非常に重要です。
ユーザーの行動こそが全て
メンテナンスにおいて、「ユーザーの滞在時間を長くするためにはどうすれば良いですか?」「直帰率を下げるには、どういった施策が必要ですか?」といった質問を受けます。
しかし、ユーザーの利便性を満たせているであれば、滞在時間が短くても、直帰率が高くても問題ありません。
例えば、「妊娠 初期症状」といったキーワードの場合、妊娠したかも知れないというユーザーの情報ニーズに対して、情報量が多く詳細まで読み込まれているような、滞在時間の長いコンテンツの方が質が良いと考えられます。
一方で、賃貸情報を扱うサイトであれば、ユーザーが求めている物件まで早くたどり着けるように設計され、滞在時間の短いページの方が利便性が高いと言えるでしょう。
このように検索キーワードによって、ユーザーが求めている情報を的確に伝えられるかが重要です。滞在時間を高める、直帰率を下げるというテクニック論では無く、ユーザーの課題解決ができるかといった視点でコンテンツやページを考えていかなくてはなりません。
コンテンツ制作で最も重要な工程となる「記事骨格」
検索で上位を獲得するためには、キーワード選定だけでなく良質なコンテンツを作る必要があると解説しましたが、ユーザーのニーズを満たすコンテンツ作りには事前準備が欠かせません。
まず、キーワードの選定後に事前準備として行うことは、「記事骨格」の作成です。記事骨格とは、どのような内容で記事を執筆していくのかという、構成のことです。
骨格を作る際には、上位記事の調査や関連キーワード・サジェストキーワードなどを調べ、ユーザーがなぜこのキーワードで検索したのかを読み取ります。
そこから、ユーザーが記事の読了後にどのような状態になっているとニーズを満たせるのかという「最高の結果」を設定しましょう。最高の結果を定義することで、おのずとどのような情報を記事に入れるべきかが判断できます。
最高の結果が設定できたら、骨格を作っていきましょう。弊社では、以下のような記事骨格シートのテンプレートを使用し、記事制作前に必ず骨格を作成しています。

ユーザーニーズのリサーチやペルソナなどを1枚のシートにまとめることで、確認しながら構成を考えられるようになっています。
見出しを考えるうえで、上位5位までの記事に2回以上出ている情報は、ニーズに沿っている可能性が高いため盛り込むようにしましょう。ただし、上位記事にある情報だけでは自社のオリジナリティが出ず、ただの「二番煎じ」の記事になってしまいます。
リサーチからユーザーの顕在ニーズだけでなく潜在ニーズまで汲み取り、自社ならではの情報などを組み込みながら、オリジナリティのある記事を制作しましょう。
キーワード選定に役立つツール3選
実際にキーワードを洗い出していく時に、役立つツールを3つご紹介します。必ずしも、このツールを使用する必要はありませんが、使い勝手や見やすさ・必要な機能といった視点で、大変便利なツールです。
Keyword Tool

「Keyword Tool」は無料で使える検索ボリュームを確認できるキーワードツールです。アカウント登録をしなくても、最大750個のキーワードを生成できます。
Googleの検索ボリューム数の他に、YouTubeやTwitterでの検索数も調べることが可能です。過去のボリューム数とも比較できるので、最新のトレンドのキーワードを見つけることもできるでしょう。
Ubersuggest

「Ubersuggest」は無料で使えるキーワードツールです。検索ボリュームの他に、競合や季節性・CPC(クリック単価)などを合わせて確認できます。有料プランでは、自社のコンテンツ分析や順位チェックツールの利用が可能です。
keywordmap

keywordmapは、SEOとコンテンツマーケティング用の調査・分析ツールです。SEM領域で圧倒的なデータ量を保有しており、世界最大級の日本語データ群による本質的なSEO調査・分析を実現します。
- 競合サイト分析
- キーワード調査
- 検索順位モニタリング
- コンテンツ制作に必要な情報の抽出
- 成果の出ている競合他社の広告データの調査
など、Webマーケティングのあらゆるステップで求められる機能を利用できます。
まとめ|キーワード選定は成果を大きく左右する
本記事では、成果が出るキーワードの選定方法と、コンテンツ制作に必要な考え方について解説しました。
キーワード選定の手順は以下の通りです。
- 目的と成果を明確化する
- ターゲットを明確にする
- 関連しそうなキーワードを並べる
- キーワードを実際に検索する
- マストキーワードを定める
- マストキーワードのコンテンツ骨格を作る
- 骨格から抽出された要素を並べる
- サブキーワードを選定する
- メンテナンスを加味してキーワードツリーを作る
- キーワードの関係性を理解して、継続的に運用を行う
正しい手順を踏みながらキーワードを設定していくことで、リッチなコンテンツに仕上げられるだけでなく、メンテナンスも効率的・効果的に行えるようになります。十分にリサーチなどを行いながら、適切なキーワードを選定しましょう。
また、キーワード選定が完璧でも、コンテンツの質が伴っていなければ上位表示は叶いません。検索ユーザーのニーズを把握し、最高の結果を設定したうえで、記事骨格を作りましょう。繰り返しメンテナンスを行うことも忘れないようにしてください。
キーワード選定を行う際に、以下のようなツールがあると非常に便利です。
- keyword Tool
- Ubersuggest
- keywordmap
競合調査などにも役立ちますので、必要であれば取り入れてみましょう。
よくある質問とその回答
キーワード選定をはじめて行います。何から考えはじめれば良いでしょうか。
キーワード選定を行う前に、必ず目的と成果を明確に定めるようにしましょう。
「売上をあげたい」「リードを獲得したい」「認知を拡大したい」などオウンドメディアの運用目的は様々です。運用の目的によって、狙うべきキーワードは異なります。まずは何のために、オウンドメディアを運営するのか、その目的を明確にしましょう。
さらに目的に応じて、定量的な目標を定めていきます。売上が目的であれば「売上高」、リード獲得が目的であれば「リード数」などが成果指標になるでしょう。
本記事では、キーワード選定の10のステップに加え、プロが使うキーワード選定に役立つツールについて紹介しています。詳しくは「成果が出るキーワード選定10ステップ」をご覧ください。
キーワード選定の手順を教えて下さい。
キーワード選定は、以下のステップで行います。
STEP1:目的と成果を明確化する
STEP2:ターゲットの選定を明確にする
STEP3:関連しそうなキーワードを並べる
STEP4:キーワードを実際に検索する
STEP5:マストキーワードを定める
STEP6:マストキーワードのコンテンツの骨格を作る
STEP7:骨格から抽出された要素を並べる
STEP8:サブキーワードを選定する
STEP9:メンテナンスを加味してキーワードツリーを作る
STEP10:関係性を理解して、運用を行い続ける
各ステップを理解することで、よりキーワード選定を戦略立てて行うことができます。
詳しいキーワード選定の手順は「成果が出るキーワード選定10ステップ」をご覧ください。
どのような点に気をつけてキーワードを選べば良いでしょうか。
キーワード選定で、気をつけるべきポイントはいくつあります。
例えば、そもそも設定したキーワードの検索のボリューム数自体が少なければ、たとえ上位表示ができても、成果があがらないことがあります。市場が大きければ、このようなことはありませんが、世の中に認知されたばかりの新しいツールなどといった新興市場では、よく見られるケースです。しっかりとメディア自体の成果を定義して、どのようなキーワードで上位表示をすれば、成果に繋がるのかを見極めた上で、キーワード選定を始めるべきでしょう。
本記事では、その他にも成功事例から学ぶことを主軸にキーワードを選定する上での10のステップについて紹介しています。詳しくは「成果が出るキーワード選定10ステップ」をご覧ください。
コンテンツマーケティングの戦略設計や運用は、プロにご相談ください
コンテンツマーケティングは自社の課題解決に導く有効な手段ですが、期待する成果を出すためには、徹底したターゲット理解や、タッチポイントにあわせた最適なコミュニケーション設計、そして有益なコンテンツの提供が欠かせません。
専門性の高いノウハウや、なにより実行しつづける組織体制が最も重要です。 事業成長やマーケティング成果のためのコンテンツマーケティングを検討されている方は、ぜひTHE MOLTSにご相談ください。数々のプロジェクトで成果を上げてきたプロフェッショナルが、貴社の事業成長を支援いたします。
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