オウンドメディアの成功事例14選|施策例をもとに全体像を理解
この記事でわかること
- 目的別・企業の成功事例
- 成功メディアに共通する3つの法則
- オウンドメディア運用のポイント
「自社の商材をより多くの人に知ってもらいたい」「ユーザーからのお問い合わせや資料請求といったリードを獲得したい」「求職者からの多くのエントリーが欲しい」
このような担当者の悩みを解決に導く一つの手段に、オウンドメディアがあります。
オウンドメディアは、解決できる企業課題の幅が広く、目的や成果を定義し、正しく運用することができれば、企業に大きな成果をもたらします。
オウンドメディアをどのように運営すれば成果が得られるのかを理解するためには、自社の目的に合う成功事例が役立ちます。運用目的に合わせた具体的な施策や、それによる成果がわかるためです。
本記事では、オウンドメディアの運用に成功している14の事例を、以下4つの目的に分けて、プロの視点から徹底的に解説しています。
また、オウンドメディアの定義や、成果を出しているオウンドメディアに共通する3つの法則、オウンドメディアの構築方法についても解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。
オウンドメディアの立ち上げや運用にお困りではないですか?
オウンドメディアは、適切な戦略設計に基づき正しく運用することで、事業成長を加速させられる可能性があります。
- オウンドメディアを立ち上げ、インバウンドでの顧客獲得を行いたい
- すでに運用しているものの、思うような成果が得られていない
- 社内にリソースがなく、最適な運用ができていない
このようなお悩みは、数々のオウンドメディアマーケティングの支援で成果をあげてきたTHE MOLTSにご相談ください。業界歴10年のプロフェッショナルが、戦略設計や実行支援、組織構築など、貴社の事業成長に必要なご提案をいたします。
オウンドメディアの定義と目的をおさらい
弊社では、オウンドメディアの本質的な役割を「事業・採用課題を解決する手段としてのメディアである」と定義しています。
「自社の商材へのリード(お問い合わせ)を増やしたい」「求職者からの採用エントリー数を増やしたい」といった自社が抱える事業や採用課題を解決するための手段の一つが、オウンドメディアであると考えています。
オウンドメディアの「成功」とは何か
定義について理解したところで、オウンドメディアの成功とは一体どのような状態を指すのかを考えて見ましょう。
月間100万PVといった、多くのトラフィックを集めることができれば成功でしょうか。それとも、メディアを広く認知させることができれば成功と言えるのでしょうか。
何をもって成功とするのかは、オウンドメディアを運用する目的によって異なります。運営の目的はあくまで一例ですが、代表的な4つをご紹介します。
- リード獲得
- 採用課題
- 認知拡大/ブランディング
- サービス利用者の増加
どのような目的でオウンドメディアを運営するかによって、発信するコンテンツの内容も異なるため、まずは「何を目的としてオウンドメディアを運営するのか」を明確にし、成果までのストーリー設計を行うことが重要です。
しかし、当然ながら運営の目的は企業によって異なるため、一概にこの数値を達成すれば「成功」であるとは断言ができません。
仮に、リード数の獲得を目的としてオウンドメディアを運営したとします。その場合、成果指標として定めたリード獲得数を達成し、売上に貢献するなど事業課題の解決に繋がっているのであれば、オウンドメディアは成功したと言えるでしょう。また、一定の採用エントリー数を達成し採用課題の解決に繋がっている場合も同様に、オウンドメディアは成功していると言えます。
オウンドメディアの成功は、企業が抱えている事業や採用課題を解決できているか否かで判断できるのです。
混同されがちな「商業メディア」と「オウンドメディア」の違い
オウンドメディアを語る上で、理解しておかなければいけないのが「商業メディア」と「オウンドメディア」の違いです。一般的にオウンドメディアと呼ばれるものの多くは、実際には商業メディアであるケースが多々あります。
商業メディアとは、メディア自体での収益化を目的として運営されるものです。多くのトラフィックを集めることで、アフィリエイトやSSPと呼ばれる広告を利用し、直接的にマネタイズを行います。
基本的には、トラフィックの伸びと比例して、収益性が高まるので、いかにトラフィックを集めることができるかがメディア戦略の肝となります。
一方のオウンドメディアは、上述したように、「事業・採用課題を解決する手段としてのメディア」です。いくらトラフィックが集まっても、事業・採用課題の解決へと繋がっていなければ意味がありません。
したがってオウンドメディアは、リードの獲得や商材の認知向上などを通し、事業または採用に貢献することによって、間接的にマネタイズを行うのが一般的です。
同じWebメディアでも、「商業メディア」と「オウンドメディア」では、運営の目的が全く異なり、役割や成果のポイントが変わってくるということを頭に入れておきましょう。
- オウンドメディアを新規で立ち上げたい
- メディアを立ち上げ、運用を続けているものの、一向に成果が出ない
- 外部のパートナーに任せっきりで社内にノウハウがなく、運用をインハウス化していきたい
成功事例1:リード獲得を目的とした企業事例
BtoB企業によく見られるオウンドメディアの運用目的に、リード獲得が挙げられます。
例えば「オウンドメディアのコンテンツを経由して問い合わせを獲得する」「お役立ちコンテンツを提供する代わりにメールアドレスや電話番号などの個人情報を取得する」といった流れで、ユーザーとコミュニケーションを取れる状態を構築します。
そうして得たリード情報を元に営業活動を行い、購入や受注へと繋げていくのです。
▼リード獲得のイメージ
例えばチャットボットを提供する企業が、「チャットボット おすすめ」で検索したユーザーに対して、各社が提供するチャットボットの費用や特徴をまとめたページを作成し、検索からトラフィックを集めます。コンテンツを読んで興味を持ったユーザーがCTAをクリックして資料請求やチャットボットのお試し利用などのアクションに至れば、「リード獲得」が完了します。
メールアドレスや電話番号をフォームに入力してもらっていれば、その後はこちらからコンタクトを取れる状態になり、商談や受注へ繋げるためのコミュニケーションを行えるのです。
本章では、このような流れでオウンドメディアから成果を生み出している企業の事例を見ていきます。
なおオウンドメディアでリードの獲得をしていく際に注意しなければならないのは、無闇にPV数やUU数などのトラフィックばかりを追い求めてはいけない点です。実際、「PVは稼げているが、成果(リード獲得)にはあまりつながっていない」といったオウンドメディアも少なくありません。
もちろん、最低限のトラフィックは必要ではあるものの、それ以上にリード獲得のための戦略設計、仕組みづくりが重要です。戦略的なリード獲得に成功した企業事例をもとに、その成功要因を探ってみましょう。
1. ユーザー視点のコンテンツ制作の実施で、サービスへの問い合わせ数が毎月130件前後に成長(BtoB)
課題 | テレアポを中心とするアウトバウンド営業中心のリード獲得をしており、インバウンドマーケティングの強化が必要だった |
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実施施策 | オウンドメディアを立ち上げ、ユーザー視点のコンテンツ制作の実施 |
成果 | サービス全般への問い合わせ件数が毎月130件前後まで急増 |
ブランドビジョンに「Chance-Making Company」を掲げる株式会社ウィルオブ・ワーク。
同社ではもともとアウトバウンド営業を中心としたリード獲得を行っていましたが、より効率的にリードを創出するための施策として、検索をタッチポイントとした戦略を軸にオウンドメディアの運用に取り組むことになりました。
成果指標を、法人リードの獲得に設定。検索からの流入を増やすために、コンテンツSEOに取り組みまずは記事数を担保することに注力し、デジタルマーケティング部のマネージャー自身が、およそ3ヶ月間、1日1本のコンテンツを作成することに。とことんユーザーと向き合いながらオウンドメディア運営をし続けた結果、取り組みから約1年半でリード件数は毎月130件前後まで急増しました。
また、お問い合わせ件数が増えるだけではなく、獲得した問い合わせから億を超える売上を作り出すことに成功しました。
2.既存メディアの戦略と運用を見直し、サイト流入数3倍、月200件以上のCVを達成(BtoB)
課題 | Web広告やイベント中心のリード獲得だったが、インバウンドマーケティング施策の一環としてオウンドメディアを強化する必要があった |
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実施施策 | 戦略の立案・設計、それに付随するコンテンツ制作 |
成果 | 法人サイトへの流入数3倍増加月200件以上のCV獲得 |
パーソルホールディングス株式会社は、人材派遣サービス、転職サービス、ITアウトソーシングや設計開発などのサービスを提供する人材会社です。
これまではWeb広告やイベントからのリード獲得を中心とした施策を展開していましたが、さらなる新規顧客の獲得のため検索を接点としたコンテンツマーケティングに取り組んでいました。
しかし、コンテンツの量産で一定の流入数は確保できたものの、オウンドメディアには記事だけが大量にある状態で、作ったコンテンツが成果に繋がっていない、またそのためのノウハウが不足していました。
当時の課題は以下の2つです。
- 「良質な潜在顧客を発掘するにはどうすればいいのか分からない」
- 「問い合わせ数や案件化率をどうやって改善すればいいのか分からない」
そこで「売上を伸ばすためのリードや問い合わせを獲得するため、どのようなコンテンツであるべきか」を念頭にこれまでの戦略を見直すことに。既存コンテンツの内容やその流入データを見ていくことで、伸ばす余地や課題を明確化しました。
またグループの商材やサービスが約200以上ある中で、より売上に貢献する商材を見定め、どの商材・ターゲットに対して優先順位を上げて注力していくべきかを決定。実際にコンテンツを制作していくに当たっては、数ある商材の中でも商談や受注につながるキーワードを定義し、まずはその分野で勝ち切ることに注力しました。
結果として、プロジェクト開始から約1年で法人サイトへの流入数は3倍、月200件以上のCVが発生しています。
3. 大量に制作したコンテンツのメンテナンスとCTAの改善でリード数50倍、月間40〜50件のアポイント創出に成功(BtoB)
課題 | 事業を拡大させるためには、今よりも多くのリードを獲得していく必要があった(過去に作成した既存コンテンツが放置され成果に繋がっていなかった) |
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実施施策 | 戦略設計の見直し、それに付随するコンテンツ制作 |
成果 | 月10件→500件のリード創出に成功。また月間40〜50件が安定してアポを獲得し、月5件はオウンドメディアから安定して受注できる体制を構築 |
Instagramの運用代行やコンサル、運用支援ツールの提供をする株式会社SAKIYOMIでは、自社のリード獲得を目的としたオウンドメディアを運営しています。
当初から、将来的にはオウンドメディアを軸にインバウンドでCV獲得ができる体制を目指し、社内で制作を全て内製化。その後、3カ月で100記事ほどのコンテンツを制作しました。
しかし、コンテンツの掲載である程度の流入は見込めたものの、想定していた成果に繋がっていないといった運営上の課題がありました。
ある程度の流入の確保ができていたこと、またそれに連動する形で検索の上位表示が獲得できていた背景から、課題は「成果に結びつけるための導線(今回の場合はCTA)がないこと」だと判断。今までは「PV」をKPIに設定していましたが、「コンバージョン獲得数」へ変更し、CTA改善施策やリライト施策を実行しました。
以下が、当時設置したCTAの実例です。
「どのようなコミュニケーションであればユーザーに興味を持ってもらえるか(成果に繋がるか)」という設計をもとにCTAを設置することで、記事に訪れたユーザーがサービスページへと遷移できるようになり、コンバージョンが発生するようになりました。
結果、リード創出は月10件→500件増加し、そのうち月間40〜50件が安定してアポ獲得、月5件はオウンドメディアから安定して受注できる体制を整えることができました。
4. 戦略の見直しとコンテンツのメンテナンスにより、3カ月でリード総数を4000件へと倍増(BtoB)
課題 | PV数・UU数ともに伸び悩んでいた |
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実施施策 | 戦略設計の立案・設計、それに付随するコンテンツ制作 |
成果 | 30万UUの増加/150記事のうち30記事で1位を獲得 |
『ボクシルマガジン』は、株式会社スマートキャンプによって運用されているBtoB向けのオウンドメディアです。
コスト削減や業務効率化を図るために、クラウド型サービスの導入を検討している企業担当者をターゲットとし、ツールの比較に必要な基礎知識や、各ツールの価格や特徴を解説しています。
製品を比較検討しているユーザーが検索からコンテンツを読みに訪れ、興味のあるサービスを無料で比較検討し、資料請求をすることで、メディアの収益化へと繋げています。
同社はオウンドメディアの運営を開始してからしばらくは、独学でのメディア運営やコンテンツ制作に伸び悩みを感じていました。
そこで改めて関わるメンバー全員が「成果を出すためのオウンドメディア」にはどのような戦略や記事制作が必要なのか、を体系的に学び直し、既存のコンテンツのメンテナンスを実施。
その結果、「マーケティングオートメーション 比較」「勤怠管理 比較」など、同社サービスの導入を実際に検討してくれるユーザーが検索するであろうキーワードでの上位表示を実現しました。見込み顧客を効率よく集客することで40万UUで伸び悩んでいたメディアが、70万UUまで増加。リードの最大化に繋げることができました。
5. リード獲得と確度の高い「今すぐ客」以外への追客施策により、総額数億円の売上を創出(BtoB)
課題 | 既にオウンドメディアに取り組んでいたものの、事業に貢献するためのリードが創出できていない、またそれを実現するためのノウハウが社内に不足していた |
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実施施策 | 戦略立案・設計、それに付随するコンテンツ制作CTAの設計・作成、インサイドセールス体制の構築 |
成果 | オウンドメディア経由で総額数億円の受注金額が発生 |
レイビーは、「不動産投資を初心者がゼロから理解できる」をコンセプトに、株式会社グローバル・リンク・マネジメントが運営する不動産メディアに関する情報を発信するメディアです。
ご相談いただいた当初、オウンドメディアを活用しどのようにして見込み客を最大化しそこから新規のリード獲得に繋げるべきか、を模索されていました。
そこで弊社では、戦略の立案から設計、それに付随する新規コンテンツ制作の方法、CVへと繋げるためのCTAの作成方法などのレクチャーを行い、インハウスでメディア運営ができることを目的に支援を実施。
まずは流入数を増やすためにコンテンツを増やすため、具体的には毎月10本しっかりと配信していきましょうと「行動量」を意識したKPIを設定し、メディア運営をはじめていきました。
結果、検索流入を中心とし「不動産投資」「不労所得」などのビッグキーワードで検索上位を獲得。そこからリード獲得へと繋げています。
一方で、施策によって見込み客の情報は溜まっていくものの、今度はそれらのリードに対して追客ができていないという課題が発生しました。
そのため、MA(マーケティング・オートメーション)やメルマガ配信によって、獲得したリードを最終的に受注へと繋げるためのインサイドセールスの組織と連携することに。
まずはSFAのデータや商談履歴の分析からスタートし、お客様のモチベーションを調査しました。その上で、どのユーザーにどういったコンテンツのメールを送るのが良いのか、といったシミュレーションを行います。例えば「メール内のリンクをクリックした方をホットリードと定義し、架電対象にする」といった形で試行錯誤をした結果、送客数は10倍以上へと成長していきました。
このような取り組みを経て、同社はオウンドメディアの立ち上げ2年で、数億円以上の受注を生み出すメディアとなりました。
不動産という高単価商材ながら、オウンドメディアを活用して事業課題を解決した良い事例と言えるでしょう。
6. オウンドメディアを皮切りに、直接売上約6億を稼ぐ事業部(BtoC)
課題 | 新規事業は立ち上げに際して、当初はリスティング広告で集客を行っていたものの、収益性が安定せずにCPAが合わなかったため、まずは潜在的なニーズを刈り取ることが必要になった |
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実施施策 | オウンドメディアの戦略立案・設計、それに付随する体制構築 |
成果 | 他部門へ数億円の利益貢献、直接売上約6億を稼ぐ事業部に成長 |
マーケットエンタープライズは、ネット型リユース事業・モバイル事業・メディア事業を手がけており、「iPhone格安SIM通信」「ビギナーズ」をはじめとする複数のメディアを運営しています。
取組み当初、メンバーは他業務との兼任の4名しかおらず、ノウハウも一切ない状態であったため、どのように運営すべきかがわからないといった課題があったようです。
そこで、弊社にオウンドメディア運営のサポートを依頼しました。
支援を通じて、キーワード選定の方法や記事構成案の組み立て方、コンテンツ執筆方法、メンテナンスの方法などを学びました。
コンバージョンの獲得を目指しコンテンツの量産体制を整え、新しいメディアの立ち上げも実施。コンテンツの量産によってコンバージョンを獲得していくことを狙いつつも、集めたユーザーを通じてより収益を得られるようアフィリエイトによる収益化も開始しました。結果、自社サイトへの総客数が増えたことで、コンバージョン獲得も、アフィリエイトによる直接的な収益も右肩上がりに。
その後は新しいメディアの立ち上げも行い、前二つのメディアのノウハウを横展開し、順調に伸ばしていきます。メディアとして売り上げを作ったという実績ができたことで、メンバーも確保しやすくなったため、オウンドメディア毎に編集長を立て、それぞれで自走して運営できる体制を構築していきました。
サポートの過程で得られたノウハウや知識をドキュメント化したり、各種ツールを導入したりして、徹底的に仕組み化しています。常時50名ほどの社外ライターとの取り組みをはじめ、マネジメントとチーム化も推進しました。
このような取り組みを通じて、メディア事業は自社の事業への貢献度を含めたセグメント別利益で3億4500万円の利益をもたらし、さらに直接的な売上高として約6億円を創出するまで成長しています。
7. ゼロからの立ち上げで、年間数万件の法人リードを創出に成功(BtoB)
課題 | さらなる事業拡大を目指すため、インバウンドマーケティングへ取り組む必要があった |
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実施施策 | 記事制作・組織全体でのマーケティング強化、マーケティング組織づくり |
成果 | 年間数万件の法人リード創出を実現 |
HR NOTEは、人事担当者・経営者・HRに関わる人に向けた、日々の業務のノウハウやナレッジを発信している、株式会社ネオキャリアが運営するメディアです。
同社ではもともとマーケティング部がなくテレアポを中心としたアウトバウンド中心のリード獲得を行っていました。さらなる事業拡大を視野に入れた際、インバウンドでのリード獲得を強化すべくオウンドメディア「HR NOTE」を立ち上げました。
まずはオウンドメディアの取り組みを社内に認めてもらう材料を揃えるためにも、事業に好影響が出る「リード数」を成果指標にしました。オウンドメディアでは記事の本数も重要であるため、専任担当者が1日1本記事を書くようにし、記事数を徐々に増やしていきました。
インハウス支援を受けつつ戦略的にコンテンツ制作を進めたところ、「勤怠管理システム」という難関キーワードで検索順位1位を獲得。このような確度の高いユーザーが検索するであろうキーワードで上位表示を実現し、初年度で目標としていた月間100件のCV獲得を達成しました。
2年目以降は、さらなるリード獲得を目的に新たな採用ポータルサイトの立ち上げや、HR NOTEを軸に他事業部との連携を深め、全社的なリード創出に貢献。その結果、社内でも少しずつインバウンドマーケティングの重要性が理解されるようになっていきました。
結果として、支援開始から5年の月日が経過し、リード件数は年間数万件にまで増加。最初は一人だった担当者も現在では約50人までの組織に拡大し、アウトバウンドがメインだったリード獲得からインバウンドが中心のカルチャーへと変革しました。
⒏ 情報発信を楽しむことや改善の積み重ねで、リード獲得・認知拡大を実現(BtoB)
課題 | 多忙により社員のコンテンツ制作が止まっていた時期があった |
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実施施策 | コンテンツ制作に関して新たなルールを設けた |
成果 | 忙しい中でも記事制作を続けられるようになった |
LIGは、BtoB・BtoC分野の双方でさまざまなジャンルのコンテンツを発信しているメディアです。近年では、DXやテクノロジーに関するコンテンツに注力し、DXやシステム開発支援の会社を検討している企業に役立つノウハウコンテンツなどを積極的に配信しています。
そんなLIGはオウンドメディアの運営を通じて、リード獲得や認知拡大を実現しています。制作したコンテンツがSNSで頻繁に拡散され、MAX月間800万PVという記録を叩き出したこともあります。
成功した主たるポイントは2つあります。
1つは、経営陣が情報発信を楽しむ気持ちを強く持っていることです。そうした発信を楽しむ気持ちが、ユニークで熱量の高いコンテンツを生み、またオウンドメディアを運用し続けられるモチベーションにも繋がりました。
2つ目は、会社の状態に応じて体制などを柔軟に変更し、改善を繰り返していることです。2007年にオウンドメディアを立ち上げてから、市場や事業の変遷に伴って、LIGブログもさまざまな変化を遂げてきました。
例えば2018年当時には「社員は月に1本記事を書く」というルールがありましたが、形骸化しており、多くの社員が記事制作に取り組めていない時期がありました。その状況を変えるため、2ヶ月に1本、業務で学んだことをテーマに記事を書く、という新たなルールを設けました。徹底した社内周知の結果、取り組みは浸透し、忙しい中でも記事制作を続けられるようになりました。こうした環境に応じて、柔軟に変化に対応し続ける姿勢もオウンドメディアの成果につながっています。
参考記事:LIGブログの昔といま、そして未来【2022年現在】
⒐ 体制・戦略の見直しで、検索のリード獲得数・売上共に昨年比140%(BtoC)
課題 | 広告施策を行っていたものの、CPAが非常に高騰していた |
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実施施策 | オウンドメディアのコンテンツ制作、体制構築、KPIの設計、データ活用 |
成果 | 広告費の大幅削減、検索経由でのリード獲得数・売上共に昨年比140% |
株式会社ライフテックスは、アンテナ工事や空調設備工事事業を展開する会社です。集客施策としてリスティング広告を中心とした施策を行っていましたが、CPAの高騰を背景に、コンテンツマーケティング施策に注力し始めました。
しかし当初は、外部のライターを交えてコンテンツ制作を進めてたものの、一向に成果が上がりませんでした。
そこで弊社(旧MOLTS)に相談いただき、オウンドメディア運営の基盤となる制作チームの体制から見直すことに。オウンドメディアの戦略設計からKPIの設定、効果的なコンテンツの制作方法、データに基づいた意思決定を行う「データドリブン」の大切さを学びました。
改善点を反映させた新しい施策を実施したところ、開始から4ヶ月ほどで、検索経由でのリード獲得数・売上共に昨年比140%を記録。また、広告費の高いWeb広告からオウンドメディアに切り替えたことで、広告費の大幅な削減にも成功しました。
施策実施の過程でデータドリブンの文化が社内に根付き、現在でも持続的に成長しています。
成功事例2:採用課題の克服を目的とした企業事例
自社の採用力強化にも、オウンドメディアが活用できます。
自社にフォーカスしたコンテンツを発信するオウンドメディアを運営することで、自社のカルチャーやビジョンに共感する採用候補者の獲得に繋げやすくなるからです。
例えば以下のような活用方法が考えられます。
- SNSをタッチポイントに、コンテンツを通して自社に興味を持ってもらう
- SNSをタッチポイントに、採用募集を行う
- スカウト文面にオウンドメディアのコンテンツを添え、メッセージの返答率を向上させる
また、入社後のミスマッチを防げる効果が期待できるでしょう。
10. オウンドメディアでありのままの会社を伝え、自社のカルチャーにフィットした人材を獲得(BtoC)
『メルカン(mercan)』はメルカリに適した人材を採用し、採用後のミスマッチを減らすという採用課題の解決をするため、フリマアプリを運営する株式会社メルカリが2016年5月より運用を開始したオウンドメディアです。
『メルカン(mercan)』は“メルカリの人を伝える”をコンセプトに置き、グループ内で活躍するメンバーや社内の出来事をコンテンツとして社内外へと発信しています。
当メディアを通して、ありのままの会社や人を伝えることで、メルカリのカルチャーにフィットした人材を集めることができます。求職者自身がメルカリにフィットするかどうかを自己判断する材料となるので、採用の効率化や採用後のミスマッチを防ぐことにも繋がります。
またメルカリは入社者の約6割が、社員によるリファーラルからの採用です。社員自身がFacebookやTwitterでコンテンツを拡散することによって、社員の知人や友人がメルカリに強い興味を抱くといった効果も見受けられます。
11. 自社の取り組みやスタッフのワークスタイルを発信し、採用ブランディングに貢献(BtoC)
『LINE HR BLOG』は「コミュニケーション」をテーマに、自社の取り組みやスタッフのワークスタイルを積極的に発信することで、採用課題の解決に取り組んでいるオウンドメディアです。さまざまな部署のスタッフが直接顔を出して職場を紹介し、自社の雰囲気や、グローバルな理念を伝えています。
記事の内容のほとんどがスタッフのインタビュー記事で、自社が行っている最新の取り組みや、事業体制などをPRしている、企業のイメージ発信に特化したオウンドメディアといえるでしょう。多種多様なワークスタイルに焦点を当てた情報は求職中の人にとって、採用応募を決める大きな判断材料となりえます。
『LINE HR BLOG』は2012年9月に開始し、継続的に運用、情報更新を行ってきましたが、2020年8月より『On LINE』へとリニューアルしています。「LINEでは、こうしてます。」をコンセプトに、LINE社そのものの情報発信に力を入れ、採用関連情報にもコンタクトしやすいサイトへ生まれ変わっています。
成功事例3:認知拡大・ブランディングを目的とした企業事例
オウンドメディアは、サービスや商品自体を知らない「非認知層」に向けての認知拡大施策や、ブランディングにも用いられます。
ユーザーや企業の担当者が興味・関心を示しそうなコンテンツや、抱えている課題の解決に繋がるコンテンツを継続して発信することにより、会社名やサービス名を知ってもらうきっかけを作ることができ、結果として認知拡大に繋がります。
また、自社サービスの強みや特徴をユーザーに認知してもらい、ユーザーが持っている「~を重視して選びたい」という評価軸とブランドを結びつけることで、ブランデングを図ることも可能です。
12. ソーシャル上で話題になるようなコンテンツの発信で、認知拡大・ブランディングに成功(BtoB)
『サイボウズ式』はチームの生産性やマネジメントならサイボウズという認知拡大やブランディングを目的としてサイボウズ株式会社が2012年に運用を開始したオウンドメディアです。
“新しい価値を生み出すチームのメディア”をコンセプトに、働き方やマネジメント、ワークライフバランスといったテーマで情報を発信しています。
在宅勤務や副業をしながらサイボウズで働く社員にスポットを当てた記事や、社外の有識者へのインタビュー記事といったソーシャルで話題になるようなコンテンツ作りが行われています。
サイボウズの認知を獲得することで、自社のビジネスアプリ作成クラウド「kintone」やグループウェア「サイボウズOffice」といったサービスのお問い合わせ獲得や、採用エンゲージメントの向上に役立てています。
13. ユーザー目線を心がけたコンテンツ制作やSNSとの連携で、月間1,300万PVを記録(BtoC)
「北欧、暮らしの道具店」は、北欧由来の雑貨を取り扱い、日常にひとさじのワクワクを与えることをコンセプトとしているメディアです。
同社では、ECサイトへの集客をする中で、マーケティング費用が売上高の15%を占めるといった課題を抱えていました。
そこで広告費削減の一環として、オウンドメディア(ECサイト・ブログ)でのコンテンツの制作を開始します。購買意欲の高いユーザーを集めようと思うと広告費がかかるため、「まだ買い物をする気がない人」のサイト来訪を増やすことに注力しました。
そうした人達の関心を引くため、「読者として読みたいコンテンツを制作する」という方針の元メディアを運営します。
例えば「暮らしのイメージ広がる、当店の特集」といった特集では、北欧道具のある魅力的な生活をイメージしてもらえるよう、北欧の生活をテーマにさまざまなコンテンツを投稿しています。
過度に商材を売り込まず、ユーザーから共感を得られるコンテンツ制作に注力したことで、多くのアクセスを集めるメディアへと成長しました。
ブログでのコンテンツ制作に加えて、SNSアカウントも運用し連携するなどした結果、月間1,300万PVを達成するほどに成長しました。
参考記事:「北欧、暮らしの道具店」が生まれるまで。世界観の作り方、SNS運用の秘訣
成功事例4:サービス利用者の増加を目的とした企業事例
リードの獲得に近い目的ですが、サービス利用者の増加を目的として、オウンドメディアを運営するケースもあります。
発信する情報から自社の商品やサービスの訴求へと結びつけ、サービス利用者の獲得を狙っていきます。
14. 自社サービスに関連する「趣味」の情報発信で、サービス利用者の獲得に成功(BtoC)
※現在はサービスが終了しています。
『ビギナーズ』は自社のサービスの利用者を増やしたいという事業課題を解決するため、株式会社マーケットエンタープライズが2017年6月より運用を開始した、BtoC向けのオウンドメディアです。
株式会社マーケットエンタープライズは、ネット型レンタル事業「ReReレンタル」を展開しています。カメラ・家電・楽器・モバイルWi-Fiといった幅広いアイテムをWebサイトから注文することで、3泊4日からレンタルできるサービスです。
ビギナーズでは、レンタルという切り口でオウンドメディアを展開するのではなく、”趣味と出会うメディアサイト”をコンセプトに置き、「趣味を見つけたい人」「趣味を始めたい人」をターゲットに、それぞれの趣味の魅力や上達方法、道具選びに関するコンテンツ発信を行いました。
これから趣味を始めたい人の多くは、必要な道具をすぐに購入するのではなく、まずはレンタルをしたいというニーズを強く持っています。こういったニーズを持ったユーザーに対して、「ReReレンタル」のサービスを訴求することで、利用者の獲得へと大きく貢献していました。
なお、ビギナーズでは「ReReレンタル」への送客を行い、事業に貢献して間接的なマネタイズを軸としながらも、一部アフィリエイトをはじめとする広告を貼り付けることによって、直接的な収益化も成功させました。事業貢献と直接収益化を両立したハイブリッド型のオウンドメディアの好事例と言えるでしょう。
- オウンドメディアを新規で立ち上げたい
- メディアを立ち上げ、運用を続けているものの、一向に成果が出ない
- 外部のパートナーに任せっきりで社内にノウハウがなく、運用をインハウス化していきたい
成功メディアに共通する3つの法則
弊社では、現在まで数百社のオウンドメディア支援に携わってきました。その中で分かったことは、成功しているオウンドメディアには3つの共通項があるということです。
- 目的と成果が明確に定義されている
- 目的に沿った運用がされている
- 継続と改善を行い続けている
これらは、オウンドメディアの運営を行ううえで非常に重要なポイントです。オウンドメディアを成功させるためにも、上記のポイントがなぜ重要なのかを理解しましょう。
1. 目的と成果が明確に定義されている
プロジェクトにおけるゴールを達成するためにも、KPIツリーの設定は必要不可欠です。
KPIツリーとは、目標を達成するための設計図のようなものです。オウンドメディアの目的を「KGI」とし、それを達成するための成果目標として「KPI」を設けます。
例えば、富士山の頂上に辿り着くことをKGIとした場合、いきなり頂上を目指す人はいないでしょう。ステップとしてまず5合目に辿り着き、6合目、7合目と達成していくことで、次第に頂上に近づいていくはずです。
オウンドメディアでも同様に、最終的なゴールを定めたら、富士山の登頂で言うところの5合目、6合目などを設定してあげる必要があるのです。
正しくオウンドメディアを運用していくためにも、KPIツリーを設計して、適切な段階を踏んで、目的を達成できるようにしていきましょう。
2. 目的に沿った運用がされている
2つ目の共通項は、定めた目的や成果に対して正しい運用がなされていることです。オウンドメディアの運用目的としては、以下が挙げられます。
- 製品の売上拡大
- 見込み客(リード)獲得
- 認知拡大やブランディング
- 人材の採用
例えば、自社ツールのリード獲得を目的とした場合、「比較・検討フェーズの見込み客」をしっかりと集客し、ユーザーが訪れたコンテンツにお問い合わせや資料請求といったリードの導線を引くことで、成果に繋げることができます。
このように目的や成果から逆算して、正しいストーリーを描けているかがオウンドメディアの成功・失敗を分ける1つのポイントになってきます。
成果獲得に向けたストーリー、戦略を設計
オウンドメディア運用には目的に沿った戦略設計が必要になります。ただ闇雲にコンテンツを作る、PVを増やす、ではなく、オウンドメディアの本質である事業貢献、事業課題の解決のために必要なストーリーを組み立てていきます。
戦略を立てる上で、成果獲得のための戦略が立てられているかを常に意識しましょう。
どの市場で戦っていくべきか、具体的な計画だけでなく、予算や運用体制といったリソースが確保できているか、どの程度の運用ノウハウを持っているか、なども考慮する必要があります。理想論ばかりに囚われない実現可能性が伴なった実行計画を立てましょう。
戦略を推し進めていけば、その都度振り返り、適切な評価を下す必要が出てきます。設定したミッションや成果目標に対して、達成・未達の要因分析をした上で、次のアクションを決めていきましょう。
目的に沿った運用をするにはユーザーの「態度変容」を理解する必要がある
オウンドメディアで定めた目的や成果に沿った運用をするためには、ユーザーの心理、行動の変化のことである「態度」や「態度変容」を理解する必要があります。
ユーザーの心理状態の段階を「態度」と言い、定めた目的や成果を達成するために必要な行動をユーザーが起こすまでの態度の変化を「態度変容」と言います。
ユーザーが実際に商品を購買するまでのプロセスは、以下5つのステップがあります。
▼ユーザーの購買プロセス
1. 認知 | 商品やサービスを認知する。 |
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2. 関心 | 認知した商品やサービスに対して関心を持つ。 |
3. 比較検討 | 関心を持った商品やサービスを手にするために、比較検討を行う。 |
4. 購買 | 比較検討を行って自分に適した商品やサービスを購買する。 |
5. 情報共有 | 購買した商品に対しての情報を共有する。 |
定めた目的や成果を達成するために、認知や関心の段階のユーザーに態度変容を促すように働きかけるのか、比較検討の段階のユーザーに対して行動を起こすように働きかけるのかで提供するコンテンツなども変わってきます。
オウンドメディアの目的や目指す成果から逆算して、どのような態度の段階のユーザーにどのようなコンテンツを提供していくかを考えながらオウンドメディアを運用していく必要があります。
3. 継続と改善を行い続けている
オウンドメディアは、検索でのユーザー流入を主軸として設計した場合、短くても成果が出始めるまでに半年〜1年程度はかかってきます。本記事で成功事例に挙げたオウンドメディアの多くは、3年以上運用を継続しているものがほとんどです。
オウンドメディアの本来の運用目的を見据えながら、改善を繰り返し、長期に渡って継続できるかも成功と失敗を分ける重要なポイントです。
例えば検索をタッチポイントとしてオウンドメディアを運用しており、上位表示を実現できたとしても、順位は日々変動するため何もせずその状態をキープしていくことは難しいです。Googleなどの検索エンジンは日々検索順位を変動させる仕組みを採用しており、ユーザーのニーズも日々変化していくためです。
そのため、最新の上位サイトの傾向やユーザー動向にキャッチアップし、それをコンテンツに反映させていくことも大切です。長期的に高い検索順位を維持し、さらに向上させていくには、順位のモニタリングやメンテナンスを継続的に実施していくようにしましょう。
SNSなど検索以外のオウンドメディアを運用する場合も同様で、自社や競合の状態をモニタリングし、継続と改善を繰り返していくことが大切です。
オウンドメディアの設計方法4ステップ
成功しているオウンドメディアの法則について理解したところで、適切な設計方法についても見ていきましょう。
- オウンドメディアの運営目的やミッションを明確にする
- 成果達成に向けたストーリーを描く
- タッチポイントを設計する
- モニタリング環境を構築する
では、ステップごとに解説していきます。
なお、以下の記事ではより詳しくオウンドメディアの設計方法を解説していますので、併せてご覧ください。
オウンドメディアの運営目的やミッションを明確にする
まずは、オウンドメディアの目指すべきゴールである、オウンドメディアの運営目的やミッションを定めましょう。すでに運用している場合は、チームメンバー全員の認識を合わせるために改めて目的を確認してください。
運営目的をあらかじめ定義しておくことは、設計や運用フェーズにおけるすべての判断基準になります。解決すべき課題の優先度、とるべき戦略、運用体制など、あらゆる意思決定の基準となるため、必ずチーム全体で認識をあわせましょう。
目的を設定したら、前述したように達成状況を定量的に計測し進捗を把握できるよう、KPIツリーを設定しておきましょう。結果の良し悪しが判断でき、再現性をもってさらなる拡大に繋げられるようになります。KPIツリーに関しては併せて以下の記事をご覧ください。KPIについての考え方やツリーの作成方法をご紹介しています。
成果達成に向けたストーリーを描く
続いて、目的達成に向けたストーリーを描いていきます。
成果まで最短距離を走るためには、どこにリソースを投下すべきか、どこで戦うべきかを定めることが重要なポイントです。「やる」と決めたことに注力するために、「やらないこと」も明確に定めましょう。
もちろん、アクションの部分だけでなく、時間軸で見て「いまやること」「いまはやらないこと」といった具合で分けることも可能です。
事例にもありますが、最初の段階ではとにかく記事数を投下して流入数をある程度増やし、後からユーザー目線に立ったリライトなどの改修や、新規記事の作成を行うといった流れで成功しているケースもあります。
場合によっては既存記事のリライトから開始した方がいいケースもあるため、成果達成のためにはどのような流れで進めていくかを明確に描いておくことが大切です。
タッチポイントを設計する
成果までのストーリーを描いたら、オウンドメディアにおけるユーザーとのタッチポイントを設計していきましょう。
タッチポイントとは顧客との接点や接触する場所を指すもので、ユーザーに情報を届けるために考えておくべき重要な設計箇所です。
このとき、設定したペルソナのカスタマージャーニーから考えると設計しやすくなります。
▼カスタマージャーニーマップ例
カスタマージャーニーマップの項目に決まりはありませんが、
- だれに
- いつ
- どこで
- どのような情報を届け
- どのように成果を得るか
- なにを以て達成とするか
が分かるように整理しましょう。
カスタマージャーニーとして次のフェーズに態度変容を起こす仕掛けを整理したら、次はオウンドメディア全体で成果獲得までの流れを設計します。成果獲得までの流れについては、サイトマップやコンテンツマップで整理していくといいでしょう。
モニタリング環境を構築する
オウンドメディア全体だけでなく、コンテンツ一つひとつの設計も大切です。
たとえばコンテンツSEOの場合、キーワード設計がコンテンツSEOの戦略設計であり、コンテンツ設計がその成否を左右します。
▼記事執筆前に設計する構成シートのイメージ
弊社がコンテンツ制作に携わる場合も、画像のようなシートを活用し、執筆前の設計を徹底的に行います。
オウンドメディアは目的となる成果獲得のためのコンテンツです。そのため、設計なくして成果の獲得には繋がらないと考えます。
事業の成功から逆算した指標の設計を行うことが重要
これまで多くのメディア運営の支援をする中で、特に多いと感じた指標がPVやUUといったトラフィックに関するものでした。
もちろんその指標がゴールとイコールとなっていれば良いですが、多くの場合で事業課題に対して乖離がある設定がされており、なんとなく目の前にある数値を追っている、そのような企業が非常に多いように感じていました。
このような自体が発生する要因として、オウンドメディアの運営が、どのように事業の成功に、そして、企業の成功につながっていくのか、イメージができてないことに問題があると感じています。
例えば、今回のケースで考えていくと、オウンドメディア運営における目的は「リード獲得」です。
以下の図は、オウンドメディアで「リード獲得→売上」までを可視化したものです。このように1枚の絵に書くことで、メディア運営がどのような役割を果たしているのかが明確になります。
本来であればこれが頭の中に描けることで、今自分たちが何を目標にメディア運営をしていくべきか、その指標が見えてくるはずです。ですが、多くのメディア担当者が「施策単位」で成功を定義し進めているため、よくわからない指標の設定になっています。
まずはオウンドメディアは運営が目的ではなく、事業課題を解決するための手段であることを正しく認識し、その上で事業の成功とは何か、そのためにメディアを使って何をしていくのかを定義し、運営していく必要があります。
まとめ|企業事例の成功要因を読み取り、適切にオウンドメディアの設計を行うことが重要
本記事では、オウンドメディアの成功企業事例を14個ご紹介しました。
重要なのは、オウンドメディアは「事業・採用課題の手段としてのメディア」だということです。そのため、事例を見て「成功している企業がいるなら取り組もう」となんとなく取り入れるのではなく、目的を明確にし、適切に設計していく必要があります。
オウンドメディアを運営する目的には、主に以下のようなものがあります。
- リード獲得
- 採用課題
- 認知拡大/ブランディング
- サービス利用者の増加
それぞれの目的によって、発信すべき情報の内容がまったく異なります。
そのため、以下の手順でオウンドメディアを設計し、適切に運営を開始しましょう。
- オウンドメディアの運営目的やミッションを明確にする
- 成果達成に向けたストーリーを描く
- タッチポイントを設計する
- モニタリング環境を構築する
戦略設計もオウンドメディアの成功を大きく左右しますので、目的から逆算した指標の設計を行い、運営を行いましょう。
オウンドメディアの戦略設計や運用は、プロにご相談ください
オウンドメディアの可能性は非常に大きく、リード獲得や認知拡大、採用への貢献など、企業が持つさまざまな課題解決に貢献する可能性を秘めています。しかし、できることが多いがゆえに、ノウハウやリソースが不足し、適切な設計や運用に課題を抱える企業も少なくないでしょう。
事業成長やマーケティング成果のためのオウンドメディア運用を検討されている方は、ぜひTHE MOLTSにご相談ください。オウンドメディア運用を通じた数々のプロジェクトで成果を上げてきたプロフェッショナルが、貴社の事業成長を支援いたします。
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著者情報
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