リードジェネレーションとは|9つの手法と成功事例を解説
この記事でわかること
- そもそもリードジェネレーションとは何か
- リードジェネレーションの9つの施策と、その成功事例
- リードジェネレーションで成果を上げるための、優先度の付け方や施策のコツ
リードジェネレーションとは、マーケティングにおいて「自社の商品・サービスに興味関心のある見込み客(リード)を創出すること」を指します。
マーケティングの成果をしっかりと売上に繋げるためには、このリードをどこまで広く、かつ成果に直結する形で創出・仕組み化できるかが重要になります。
しかし「リードジェネレーションにはどのような手法があり、どうやって施策を行っていけばよいのか分からない」という担当者も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、代表的なリードジェネレーションの手法を、オンライン/ オフラインに分けて合計8つ紹介していきます。
- 成果が出やすい手法はどれか
- どのような施策から着手するべきなのか
- リード獲得を成功させるためのコツや注意点
などを、実際の成功事例を交えて解説するので、ぜひ参考にしてください。
※以後「見込み客=リード」として表記します。
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リードジェネレーションとは?
リードジェネレーションとは、「自社の商品・サービスに興味関心のある見込み客(リード)を創出すること」を指します。
リードジェネレーションの「リード」とは、BtoB、BtoCといった業態問わず、自社の製品・サービスに興味関心を持ち、将来的に受注に繋がる可能性のある顧客のことです。
また「ジェネレーション」には「発生」といった意味があります。つまりリードジェネレーションとは、新たな見込み顧客を創出するという意味になるわけです。
具体例
弊社THE MOLTSでは実際に、オウンドメディアを使ったリードジェネレーションを行っています。
オウンドメディアとは、ここでは「ブログ」をイメージしていただけると分かりやすいでしょう。コンテンツを作成し、主に検索エンジンからの流入を獲得し、それをリード創出に繋げています。
例えば「リスティング広告」というキーワードでGoogle検索をしたときに、上位に弊社のコンテンツが表示されます。
この記事を通して検索経由でリスティング広告に悩んでいるユーザーと接点を持ち、価値提供をした上で、ユーザーを「記事コンテンツ」→「サービスページ」→「問い合わせ」へと誘導しています。
▼記事コンテンツ内にある、サービスページへの誘導ボタン(黒いエリアの部分)
▼サービスページ内にある、問い合わせフォームへの誘導ボタン(黄色いボタン部分)
これにより、弊社のサービスに興味関心のある見込み客(リード)を、継続的に創出することに成功しています。
このようなリード獲得のための施策全般を、リードジェネレーションと呼びます。
なお、あくまで弊社はオウンドメディアを中心にリードジェネレーションを行っているだけであって、手法は他にもさまざまなものがありますし、オンラインだけではなくオフラインで行うこともあります。
各手法については、次の章で後述します。
「リードナーチャリング」や「リードクオリフィケーション」との違い
「リードを生み出す」リードジェネレーションに対して、リードナーチャリングは「リードを育成すること」、リードクオリフィケーションは「リードを選別すること」を指します。
リードジェネレーションで生み出したリードは、そのままの状態では必ずしも商談や受注に結び付くわけではありません。そこで、リードナーチャリングと呼ばれる育成を行い、自社サービスへの興味関心度合いや、購買意欲を高めていく必要があります。
例えばリードナーチャリングでは、以下のようなことを行ってリードとコミュニケーションを取っていきます。
- メルマガの配信
- 導入事例の提供
- 架電
- セミナー開催
接点を持ったリードと適切なコミュニケーションを取り続けて売上に繋げることが重要です。
リードクオリフィケーションとは、「顧客の選別」を意味します。リードナーチャリングで購買意欲を高めた顧客に対して、その中でもさらに購買意欲の高い層を見つけ出すことが役割です。
リードクオリフィケーションでは、以下のような顧客の行動をもとに購買意欲の度合いを選別します。
- セミナーへの参加
- メルマガのURLクリック
- 事例ページや料金ページの閲覧
例えば料金ページを見に来るユーザーは、サービスを検討しており料金が気になっている可能性があるため、丁寧にアプローチすることで商談へと繋げられる可能性があります。
また、リードクオリフィケーションを行う際は、購入確度を推測するために「スコアリング」によって購入確度を測ることもあります。
スコアリングとは、各行動に点数を設定し、加点方式でユーザーを評価する考え方です。一定のスコアが溜まったらホットリードと見なします。
例えばメルマガを開封した人よりも、セミナー会場に足を運ぶ人の方がスコアが高いなど、施策ごとに点数をつけて、点数の高いユーザーだけを抽出することがリードクオリフィケーションです。
リードジェネレーションは、受注までのプロセスの1つ
受注までのプロセスをまとめると、「リードジェネレーション」で商品やサービスに関心があるリードを獲得し、「リードナーチャリング」でメルマガ配信やセミナー開催などで購買意欲を高め、「リードクオリフィケーション」によって受注に繋がりやすい顧客に絞ってアプローチして受注まで導いていきます。
売上を拡大するには、生み出したリードに対して適切なコミュニケーションを取って受注に繋げていくことが大切です。リードジェネレーションからリードクオリフィケーションまでの工程を踏み、選別して商談に持ち込むといった流れが1つのセオリーです。
リードジェネレーションの9つの手法を紹介
ここからは、リードジェネレーションの具体的な施策例を見ていきましょう。
企業の目的・予算などによって、最適な施策は異なります。あくまでも手法の一例としてご覧ください。
オンラインで行う手法 | 1. デジタル広告 |
---|---|
オフラインで行う手法 | 1. 展示会 |
1.デジタル広告
「リスティング広告」や「SNS広告」などを活用してユーザーにアプローチし、リードジェネレーションを狙う手法です。
デジタル広告には様々な手法があり、「認知」~「比較・検討」段階の潜在顧客にアプローチすることが可能です。
広告の種類 | 特徴 |
---|---|
リスティング広告 | GoogleやYahoo!などの検索結果に表示させる広告です。ニーズが顕在化した検索キーワードに対して出稿することで、受注・商談に近い「比較・検討」段階の潜在顧客を集客することができます。 |
SNS広告 | 動画や画像で視覚に訴えかけるクリエイティブを出稿することができるため、「認知」の獲得施策として有効です。また、ユーザーのパーソナル情報に基づいて配信できるためターゲティングしやすいことが特徴です。 |
ディスプレイ広告 | サイトやアプリに表示させることができるグラフィック広告のことです。動画やバナーといった視覚に訴えかけるクリエイティブを出稿することができるため、「認知」の獲得施策として有効です。 |
純広告 | 特定のメディアの広告枠を買い取って、出稿する広告のことです。「認知」の獲得施策として有効です。 |
リターゲティング広告 | 一度接触のあったリードに狙いを定めてアプローチできる広告です。「比較・検討」段階の潜在顧客をターゲットとして活用しつつ、リードナーチャリングとしても活躍する手法です。 |
記事広告 | 自社商品・サービスのターゲットに近しい潜在顧客が閲覧しているメディアへ「記事」を出稿し、掲載してもらうという手法です。一定のPV数を期待できる大型メディアへと出稿するため、基本的には認知拡大を目的に実施されます。 |
デジタル広告は、今回紹介する手法の中では、基本的に最も早く成果に繋がりやすい施策です。
数あるデジタル広告の中でも、ターゲットが検索エンジンで情報収集をする業界であれば、まずはリスティング広告を検討してみるとよいでしょう。比較検討段階のユーザーにアプローチすることができ、受注に繋がりやすいリードを獲得できます。
また、ターゲットが中小企業なのであれば、基本的にはどの企業もFacebook広告を行うのがおすすめです。ビジネスに関する情報発信・情報収集を行うユーザーが多く、比較的低単価でリードを獲得できるからです。
2. オウンドメディアマーケティング
オウンドメディアとは、企業の事業課題を解決するためのメディアのことです。ここではWebマガジンやブログなどを指します。
オウンドメディアでコンテンツを作成し、主に検索エンジンから集客することで、新規リードの創出を狙う手法です。
ユーザーが検索するキーワードによって、「認知」~「比較検討」段階のユーザーまで、幅広い層に向けた情報発信ができます。
例えば「オウンドメディア運用 代行」というキーワードで上位表示ができれば、運用代行の依頼を検討しているであろうユーザーを呼び込むことができます。一方で「オウンドメディアとは」と検索するユーザーは、運用代行を検討していない潜在顧客である可能性が高く、そういったユーザーの認知を獲得することが可能です。
リードジェネレーションが目的なのであれば、基本的には、比較検討段階のユーザーが検索するであろうキーワードで記事を作成し、上位表示を狙っていきます。
ただし、オウンドメディアマーケティングは比較的時間がかかる手法と言えます。コンテンツを作成し、検索エンジンに評価されて上位表示されるまでには、半年~1年程度かかることが一般的です。
そのためオウンドメディアマーケティングは、短期間で成果が出やすいデジタル広告などの手法を行いながら、長期的な視点で取り組むことが重要です。
オウンドメディアマーケティングについて、以下の記事でも詳しく解説しているので、合わせてご覧ください。
3.SNSマーケティング
SNSへの投稿やキャンペーン施策・広告出稿などによって、新規リードの創出を狙う手法です。BtoBの領域では、以下のようなSNSがよく利用されます。
主要なSNS | 特徴 |
---|---|
幅広いユーザーが利用しており、拡散性に優れるため多くの潜在顧客へアプローチできる | |
ビジネスパーソンが多く利用しているため、BtoB企業に適している | |
YouTube | 動画を活用して、ナレッジやお役立ちコンテンツを配信するのに適している |
SNSでは通常の投稿やキャンペーン施策を行う以外にも、自社の商品・サービスについてつぶやいているアカウントに対して、直接コンタクトをとることも可能です。これは「アクティブサポート」と呼ばれるカスタマーサポートの手法で、「比較・検討」段階の潜在顧客を取り込むことができます。
ただしSNSマーケティングは、ターゲットが潜在顧客になることが多く、成果が出るのに時間がかかります。そのため、一般的には優先度は低いと考えてよいでしょう。
4.リードジェネレーションサービス
リードジェネレーションサービスとは、BtoB向けのシステムやツールなどを掲載し、他社製品と比較したり、口コミを確認できたりするサービスです(明確な呼び方が決まっているわけではありません)。
気になる製品の資料請求が行えるため、「見積もり比較サイト」のようなサービスをイメージしていただくと分かりやすいでしょう。
例えば、以下のようなサービスがあります。
これらのサービスでは、「勤怠管理システム 比較」「SEOツール おすすめ」など、サービスの比較検討段階にいるユーザーが検索するであろうキーワードで、コンテンツSEOを行い、多くのユーザーを集客しています。自社で対策を行わずとも、掲載するだけで比較検討ユーザーと接点を持てるため、短期間で効果が出やすい手法だと言えます。
掲載に費用がかかることが一般的ですが、リード獲得に大きく貢献する可能性があるため、ぜひ検討してみてください。
5. オンラインセミナー(ウェビナー)
コロナ禍がきっかけにリードの獲得が難しくなったため、オンラインで実施するセミナー(ウェビナー)を開催してリード獲得を行う企業が増えています。
- Web広告やSNSなどでウェビナーの参加者を集める(ここでリード獲得)
- ウェビナーを開催し、価値提供する
- ウェビナー後は、メルマガなどでナーチャリングを行う
- ホットリード化したら、営業に引き渡して商談化を狙う
オンラインセミナー(ウェビナー)は、「リアルタイム配信」と「録画配信」の2つの方法で配信することが多いため、ユーザーの予定や都合にあわせて気軽に参加できるメリットがあります。リアルタイム配信の場合は、アンケートやチャットといった機能を活用することで、その場での質疑応答などユーザーとのコミュニケーションが可能です。実際に参加してもらうことで、商品やサービスへの興味・関心が高まりやすくなるでしょう。
ただし、オンラインセミナー(ウェビナー)は開催するだけでは人を集めることができません。自社サイトでの告知だけでは限界があるため、Web広告やSNSなどを活用して集客することが多いです。
オンラインセミナー(ウェビナー)を開催する流れやツールの選び方は、以下の記事で解説しているのでぜひご覧ください。
6. 展示会
国内外の展示会に出展し、自社ブースを訪問した人と名刺交換を行うことで、数百、場合によっては数千という大量のリードを創出することができます。
リード創出以外のメリットとしては、訪問者と直接会話ができる点が挙げられます。
自社の商品・サービスのどの部分に興味を持っているのか、また現在抱えている課題や、商品・サービスに対して求めていることなどを直接ヒアリングすることで、商品開発やマーケティング活動へのヒントを得るきっかけになるでしょう。
特に、エンタープライズをターゲットとした企業は、展示会でリード情報を収集し、それを元にターゲティングを行うのが効果的です。なぜならエンタープライズをターゲットとした場合、中小企業に比べてその数が限られてしまい、デジタル広告などで不特定多数に幅広くアプローチするのは不向きだからです。リードの数よりも質を重視し、展示会でキーパーソンとの接触機会を増やした方が、効果的にマーケティングを進められます。
これは「ABM(アカウントベースドマーケティング)」という手法の考え方です。規模の大きい企業がターゲットである場合は、ぜひこちらの記事も参考にしてみてください。
なお、展示会で創出できるリードはほとんどが「認知」段階であり、自社商品・サービスへのニーズを持っているリードは少ないというデメリットがあります。そのため展示会への出展は、リードナーチャリングの活用を前提に取り組むとよいでしょう。
さらに、出展にあたっては多額の出展費用とともに人的リソースも必要になります。これらを考慮すると、展示会は大量のリードを獲得できるからと言って、必ずしもコストパフォーマンスが高い手法だとは限らないことを覚えておきましょう。
7. テレアポ(営業電話)
テレアポは長年のリード創出の代名詞ともいえる手法です。「比較・検討」段階の潜在顧客へアプローチできればその場でリードナーチャリングへと移り、商談・受注へとステップを進めることが可能です。
また、オンライン施策のようなコンテンツの制作や広告・SNSアカウントの作成といった下準備が不要のため、人員がいればすぐに取り組みやすいというメリットがあります。その意味では、比較的成果が出やすい手法だと言えます。
しかしながら、テレアポは潜在層へのアプローチが基本となるため、手当たり次第に架電していては成功率も低い手法であることは否めません。
そして一度担当者に断られてしまうと、再アプローチが困難になるケースが多かったり、営業担当者の精神的な負担も大きかったりするというデメリットがあるため注意が必要です。
8. セミナー
自社の商品・サービスに対して一定の興味を持っている層を集客できるのがセミナーです。そのようなリードと直接コミュニケーションを取る中で、自社へのイメージアップや購買意欲の向上を図ることができます。
対象は「比較・検討」段階のリードを中心としつつも、セミナーのテーマ次第では「認知」段階の潜在顧客をはじめ、幅広いリード創出につなげることが可能といえるでしょう。
なお、従来行われていたセミナーは、自社オフィスがない場合は会場の手配が必要で、展示会とは違い集客も自社で行わなければなりませんでした。しかし近年はオンラインでのセミナー(ウェビナー)開催も広まってきており、会場の人数制限に縛られず、多くの参加者を募ることが可能になってきました。
9.DM(ダイレクトメール)
DM(ダイレクトメール)は、顧客情報を元にターゲットに商品・サービスの情報を送る手法です。
株式会社ネオマーケティングが行った、「コロナ前と比べて、効果が上がった施策」のアンケートによると、特に「FAXによるDMの効果が上がった」と回答した割合が多かったようです。
- DM(FAX)の効果が上がったと回答:58.1%
- DM(郵送)の効果が上がったと回答:34.1%
※参考:BtoB企業のマーケティング施策に関与する1000人に聞いた「コロナ前後のBtoB企業のマーケティング活動に関する調査」
DM施策を行う際は、受け取る人と中身を読む人(担当者や決済者)が異なることを意識し、両者が「自社にとって有益なDMだ」と思えるようなコンテンツやデザインを考えましょう
無料トライアルや資料請求に繋がるQRコードをDMに記載する、などの施策も効果的です。
成果が出やすく、貢献度が大きい手法から着手する
ここまで8つのリードジェネレーション施策について紹介してきましたが、それぞれの手法で成果が出るまでのスピードや、リード獲得の貢献度などが異なります。そのため、なるべく早く、かつインパクトの大きい施策から優先的に着手することがおすすめです。
まず、最も成果に繋がりやすいデジタル広告を優先的に行っていきましょう。次点で、リードジェネレーションサービスの利用や、テレアポ(電話営業)を検討します。
ただしこれらの施策だけでは、継続的に販管費をかけなければリードを獲得できなくなってしまうので、同時にオウンドメディアマーケティングにも着手するのが望ましいです。オウンドメディアはコンテンツの作成や体制構築などに時間がかかるため、中期的な目線で取り組む必要がありますが、コンテンツを資産にすることができるうえに、潜在層へのアプローチなども幅広く行えます。
短期的に成果が出やすい施策と、来期や再来期を見据えた中長期的な施策を行い、右肩上がりでリード獲得数が伸びるようにできるとよいでしょう。
オウンドメディアを立ち上げるときの流れや必要な費用、体制などは、以下の記事でお伝えしているので合わせてご覧ください。
目的に合ったコンバージョンポイントの設計
リードジェネレーションを行うには、手法そのものだけではなく、コンバージョンポイント(問い合わせなのか、資料請求なのかなど)についても考えなければいけません。
- トライアルの申し込み
- 見積もり依頼
- お問い合わせ
- 資料請求(サービス詳細や導入事例など)
- ホワイトペーパー請求(お役立ち情報や成功事例・調査レポートなど)
コンバージョンポイントをどのように設定するかによって、リードの獲得数や商談化率・受注率が異なります。
例えば上記の中では、「トライアルの申し込み」をするリードは、ある程度サービス導入を前提として考えているため、獲得できれば受注率が高くなると考えられます。しかし、この中では最も分母が小さいことが多く、リード獲得数自体は少なくなってしまいます。
一方で、ホワイトペーパーのダウンロードを行うリードは、自社サービスには興味がない可能性が高く、受注率が低い「潜在層」であるケースが多いです。ただし、潜在層は顕在層に比べて数が多いため、リード創出の数は最も多いと推測できます。
このように、どこをコンバージョンに設定し、どのようなフォームを用意するのかによって、リード獲得数や商談化率・受注率が大きく異なります。そのため、どれくらいの売上をその施策から生み出したいのかをしっかりと考え、目的に合ったコンバージョンポイントを設計するようにしましょう。
短期間で売上を伸ばしたい場合は、「トライアルの申し込み」「見積もり依頼」「お問い合わせ」などをコンバージョンポイントに設定し、顕在層寄りのリードを優先的に獲得していくと効果的です。そのコンバージョンポイントに合わせて、広告やコンテンツ自体も、比較検討段階のユーザーに適した内容を考えていきましょう。
例1:「無料トライアル」の場合
例えば、「無料トライアル」をコンバージョンに設定するのであれば、サービスの利用を既に検討しているであろうユーザーにターゲティングしたり、比較検討段階のユーザーが検索するであろうキーワードでコンテンツを作成する必要があります。
扱っているサービス | SEOツール |
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手法 (タッチポイント) |
|
コンバージョンポイント | 無料トライアル |
コンテンツ |
|
例2:「サービスの資料請求」の場合
「サービスの資料請求」も、利用を検討している顕在層ユーザーに適したコンバージョンポイントです。サービス詳細に興味を持つであろうユーザーと接点を作り、ニーズに合わせたコンテンツを用いてリード獲得に繋げます。
扱っているサービス | チャットボット |
---|---|
手法 (タッチポイント) |
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コンバージョンポイント | 資料請求(製品詳細)のダウンロード |
コンテンツ |
|
- BtoBマーケティングを実施していきたいものの、何からはじめば良いかが分からない
- 事業成長の実現に向け、新たなリードジェネレーション・ナーチャリング施策を行いたい
- MAツールを導入したが、メール配信を行うだけになり、商談数の向上につながらない
成功事例
ここからは、これまで弊社が支援させていただいた企業の事例を元に、具体的なリードジェネレーションの施策や、それによってどのような成果に繋がったのかを紹介していきます。
事例1. キーワードを見直して月200件のリード獲得に成功
課題・目的 | オウンドメディアを立ち上げ記事を量産したが、お問い合わせや商談に繋がらない |
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行った施策 | オウンドメディアマーケティング |
結果 | コンバージョン数5倍以上、月200件以上のリード獲得に成功 |
成功のポイント | 「本当にリード獲得に繋がるキーワードで上位表示できているのか」を見直した |
人材派遣や転職サービス・ITアウトソーシング・設計開発など、多種多様な事業を展開するパーソルグループが行った、オウンドメディアマーケティングに関する事例を紹介します。
同社は、2019年頃まではイベント出展や事例広告の出稿が中心でしたが、コロナ禍以降はデジタルを活用したプロモーション活動が本格始動し、オーガニック検索からの流入を増やすためにオウンドメディア(SEO)の強化に取り組むことになりました。
当初はコンテンツマーケティングの立ち上げを進め、実際に検索経由での流入は増えていたものの、リードの創出にはなかなか繋げられず、「この量産したコンテンツをどのように活用し、お問い合せや商談につなげていけばいいのか分からない」といった課題をお持ちでした。
そこで弊社に相談をいただき、オウンドメディアの分析と改善を支援させていただくことに。
まずご提案したのが、「今ある大量のコンテンツをどう活かすか」よりも「成果のためにどのようなコンテンツがなければいけないのか」を考え、オウンドメディア全体を見直すことでした。
以前までは、同社のオウンドメディアでは「検索ボリュームやサイトへの流入数が大きくても、コンバージョンに繋がらないキーワード」が目立ちましたが、本当にリード獲得に繋がるキーワードでコンテンツを作成できているのか、そしてそのコンテンツは検索エンジンで確実に上位表示ができているのか、といった視点にシフト。
各事業(人事領域・アウトソーシング領域・採用領域など)のリード獲得につながるキーワードを見直し、良質なコンテンツ制作を進めていきました。
その結果、プロジェクト開始から約1年でコンバージョン数は5倍以上、月200件以上のリード獲得に成功しました。
なお、今回紹介した「コンテンツを量産したものの、リード獲得に繋がらない」といった課題は、同社だけではなく多くの企業で見られるものです。オウンドメディアを活用したリードジェネレーションを行う際は、ぜひ本事例を参考に、「いかにコンバージョンに繋がるキーワードでコンテンツを上位表示させ、流入を得られるか」といった視点を持ち、運用するようにしてみてください。
事例2. オウンドメディアで比較検討段階のユーザーを中心に獲得し、月間4,000件のリードを創出
課題・目的 | オウンドメディアを立ち上げたものの、PV数・UU数ともに伸び悩んでいた |
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行った施策 | オウンドメディアマーケティング |
結果 | ・検索1位のコンテンツを量産 |
成功のポイント | ・比較検討段階のユーザーが検索するキーワードで記事を作成した |
株式会社スマートキャンプでは、法人向けITサービスの比較や資料請求ができるオウンドメディア「ボクシルマガジン」を運営しています。
記事を通じて、読者に多種多様なクラウドサービスのトレンドや事業者を紹介し、サービスの掲載を希望する企業には見込み顧客のリード獲得を促しています。
ボクシルマガジンでは、リードジェネレーション施策として、コンテンツSEOを実施。ITサービスを探している企業の担当者(比較検討段階のユーザー)が検索するであろう「福利厚生サービス 比較」「勤怠管理システム おすすめ」などの、いわゆる比較検討ファネルに位置するキーワードを中心に、コンテンツの作成を進めました。
その成果として、同メディアのコンテンツ「【2022年最新】勤怠管理システムおすすめ比較!価格・機能・クラウド対応一覧」は、「勤怠管理システム 比較」をはじめとする複数の比較検討ワードで検索上位を取り続けることができ、後に月間4,000件のリードを生み出すメディアへと成長しました。
また、このような比較検討段階にいるユーザーの目線に立ち、分かりやすい製品の比較表を用意するなど、徹底してコンテンツを作り込んでいる点も、ぜひ参考にしてみてください。
事例3. オンラインセミナーの開催によるリードジェネレーションを実施し、その他施策と合わせて1年でリード獲得数2.5倍を実現
課題・目的 | 新規顧客の開拓ができず、既存顧客からの紹介に偏っていた |
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行った施策 | オンラインセミナーの開催 |
結果 | ・リード獲得数が2.5倍になった |
成功のポイント | ・ホワイトペーパーや事例集を作成した |
新規顧客の獲得ができていない課題を抱えていたところ、オンライセミナーを開催してリードジェネレーションを実施し、リード獲得数を伸ばした事例をご紹介します。
同社は「既存顧客からの紹介が99%を占めていて、新規顧客の開拓がうまくいかない」という課題をお持ちでした。
オンラインセミナーの開催による見込み客の獲得に取り組み、リアルタイムのオフラインセミナーだけではなく、セミナーを動画化したウェビナーを追加したことで集客効果を発揮しました。
その結果、施策開始から1年後にはリード獲得が2.5倍になり、成約数2件の獲得に成功しました。
BtoB領域では、オウンドメディアを活用したリード獲得に取り組むことが多いですが、オンラインセミナー(ウェビナー)に注力しリード創出する施策も有効です。オンラインセミナー施策の事例をぜひ参考にしてみてください。
成果を上げるポイント
ここからは、リードジェネレーションの成果を最大化させるためのコツや考え方について解説していきます。
まず覚えておいていただきたいのは、リードジェネレーションでは、ただ闇雲にリードを創出すれば良いわけではないということです。なぜならマーケティングを事業として行う以上、最終的な売上に繋がらないと成果と言えないからです。
リードジェネレーションの目的、つまり売上増大のためには、ただ単純にリードを獲得するだけではいけません。そのリードの購買意欲を高め、受注確度が高まったリードを選別し、営業にパスして着実に商談・受注を獲得していく必要があります。
そのため、後々の企業成果までを考えた上で、目的達成に貢献するリードを獲得する必要があります。
こういった考えを前提に、リードジェネレーションを成功させるためのポイントを3つ解説します。
ポイント1. 目的に沿ったリードを集める
1つ目は、事業目的を見据えたリードを集めることです。
リードジェネレーションは前述の通り、商談や受注に繋がらなければ意味がありません。
例えば、MA(マーケティングオートメーション)ツールを提供している会社であれば「年間300万円程度かかるMAツールの導入が可能な企業規模の担当者」をターゲットにすることが有効だと思われます。仮にリードを大量に集めることができても、その中身が「顧客リストや予算が豊富ではないスタートアップ企業の担当者ばかり」であれば、成果には繋がらないでしょう。
また、目的が短期的なキャッシュ創出なのか、中長期的な売上規模拡大なのかによっても、集めるべきリードの属性が異なります。
短期的に売り上げを伸ばしたいのであれば、より商談・受注に近い「比較検討段階のリード」の獲得に適した施策を行う必要があります。反対に中長期的な売り上げ規模拡大であれば、ナーチャリングを前提に、購買意欲が低くても多くのリードの創出を最重視することもあるでしょう。
このように、自社が獲得すべきリードを明確にしたうえで、施策に取り組む必要があります。
ポイント2. 集めたリード情報を蓄積し、施策に活かす
リードジェネレーションによって集めたリード情報は、自社に合った方法で蓄積・管理していく必要があります。持っているリード情報を元に、「どんな顧客にどのようなコミュニケーションを取れば、目的の達成に繋がるのか」を分析する必要があるからです。
リード創出の手法は様々ありますが、各施策で得たリード情報がバラバラに管理されていては、活用の手立てがありません。
- どの手法で創出したリードなのか
- そのリードの属性(購買意欲など)はどのようなものか
このような情報を蓄積し、分析できる状態を整えていきましょう。
そして施策の効果を検証し、目的達成のためのコミュニケーション設計へと繋げていくことが重要です。
なお、膨大な数のリード情報を蓄積する際は、MA(マーケティングオートメーション)を活用すると効果的です。リードの行動を可視化することで「どのページに需要があるのか」「Webサイト内でどんな動き方をしたのか」といったデータを、施策に活かすこともできます。
MA(マーケティングオートメーション)を活用して解決できる課題や活用事例は、以下の記事で紹介しているのでぜひ参考にしてみてください。
ポイント3. 受注率の高いターゲット属性を特定する
集めたリードから成果を上げられるように、最初から受注につながりやすいターゲットを特定しておきましょう。
過去受注に至ったリードの業種・役職・職種・課題・ニーズなどを分析し、その属性に近いリードの獲得を優先していきます。
そのためには、SFA(営業支援システム)やCRM(顧客関係管理システム)などのツールを活用するのがおすすめです。
例えばSFAに情報が蓄積されていれば、過去の商談内容や、受注に至るまでのフローを確認することができます。そのため、受注に至ったリードがどのような課題やニーズを持っていたのかを分析し、施策に活かすことができるでしょう。
またCRMに既存顧客の情報が蓄積されていれば、売り上げ貢献度の高いリードはどのような属性(業種や役職など)なのかを、分析することができます。つまり、優先的に獲得すべきリードの解像度を高めることができます。
これらのデータから、どのような属性のリードであれば受注に繋がりやすいのかを明確にし、そのリードにアプローチできるように施策を考えていきましょう。
効果測定・改善のポイント
それでは最後に、リードジェネレーションの成果を検証するための指標や、PDCAを回す際のポイントを解説していきます。
1. マーケティングチームが創出したリードが、営業を通して受注に繋がったかどうかを確認する
繰り返しになりますが、リードジェネレーションは、ただリードを獲得すればよいというものではありません。マーケティングチームが創出したリードが、営業を通して受注に繋がっている必要があります。
そのため「今行っているリードジェネレーション施策は本当に受注に繋がっているのか」を営業からフィードバックしてもらうようにしましょう。
なお、リードジェネレーションの成果の効果測定、ひいては売上最大化を実現するためにはマーケティングチームと営業チームの連携が不可欠になってきます。もし両者の間に溝があるという場合は、なるべく早めに連携強化に取り組まれると良いでしょう。
2. 中間コンバージョンをKPIとして設定し、施策の貢献度を検証
事業成長に繋がる施策を行っていくためには、施策の目的や成果指標を明確にしておく必要があります。
リードジェネレーションにおいては、リードの流入経路ごとに中間コンバージョンポイントをKPIとして設定することで、施策の貢献度を検証できます。
例えばWeb広告やコンテンツSEOによって集客したリードに対しては「会員登録数」「ホワイトペーパーダウンロード数」「資料請求数」など、リードジェネレーションによって創出したリードが、商談・受注に至るまでの間に起こすアクションをKPIに設定するとよいでしょう。
これらのコンバージョンポイントは、この後のリードナーチャリングで取るべきコミュニケーションの判断基準にもなり、最終目的である商談・受注へと繋がる施策であったと判断することもできます。
3. 受注効率が最も良い施策に選択と集中する
リード創出に向けて様々な施策に手を付けたくなるものですが、手当たり次第に施策を打ち続けるのは得策とは言えません。
成果を出していくためには、「実際に購入や成約に繋がっている施策はどれなのか」という視点を持つことが重要です。その上で成果の出ている施策は継続し、成果の出ていない施策は打ち切るなど、選択と集中を徹底していくことがリードジェネレーションの成果最大化には欠かせません。
そのために正しいデータ測定や分析を行って施策の貢献度を検証すること、また施策を実行するチームの構築・連携も重要になってきます。
まとめ|リードを集めて終わりではなく、目的に応じた施策展開を
- リードジェネレーションとは「自社の製品・サービスに興味関心を持ち、将来的に受注に繋がる可能性のある見込み客を創出すること」
- リードジェネレーションには様々な施策があるが、成果が出るまでのスピードが早く、インパクトが大きいものから着手する(まずはデジタル広告、時点でリードジェネレーションサービスの利用やテレアポ)
- リード獲得数と商談化率(受注率)のバランスを考え、目的に合ったコンバージョンポイントを設定する
- リードジェネレーションでは、ただリードを創出するだけではなく、商談や受注に繋がりやすいリードを分析を元に定義し、優先的にアプローチすることが大切
リードジェネレーションはただ集客をする施策ではなく、集客したリードとコミュニケーションをとれる状態にすることが重要です。
そして施策のムダ打ちをしないためにも目的に応じたリード創出を目指し、リードの定義や施策の効果検証をしていくことも欠かせません。
目的に応じて適切なリードの質と量を判断し、実施すべき施策を判断していきましょう。
成果を出すBtoBマーケティングは、マーケティングのプロにご相談ください
BtoBマーケティングにおいて、ターゲット企業の顧客理解や適切なコミュニケーションが欠かせず、売上や利益向上のための戦略を描き、最適な施策の実行や改善活動を行うためのノウハウや実行体制が求められます。しかし、実際の運用においてはなかなかリソースが割けず、実行に踏み切れていない企業も少なくないでしょう。
事業成長のためのBtoBマーケティングの実行やその改善を検討されている方は、ぜひTHE MOLTSにご相談ください。デジタルマーケティングやBtoBマーケティングに精通したプロフェッショナルが、成果を出すための戦略立案から施策実行まで支援いたします。
- 顧客を呼び込むリードジェネレーションやナーチャリング施策を行いたい
- 商談化率や受注率の向上を図りたい
- 導入したMAツールをうまく活用していきたい
- 現在のマーケティング施策が適切か、アドバイスがほしい
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