効果的なBtoB広告の運用ガイド|8つの手法と成功事例を解説
この記事でわかること
- BtoB広告の8つの手法
- BtoB広告の成功事例
- BtoB広告の運用方法
「BtoB広告はどの手法が効果的なのだろう」
「BtoB広告を打ち出したものの、いまいち成果が出ていない」
BtoB広告について、このようにお悩みの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
広告を出すときに重要なのは、どのターゲットにどのような目的でアプローチするのかを考えることです。
特にBtoB(Business to Business)の広告運用では、以下のような特徴があります。
- 企業向けのため、配信規模やアクセス数がBtoC商材に比べて少ない
- 購入に至るまで複数の方が介在し、リードタイムが長い
- 平日のユーザー数が多く、休日はWeb上でのアクセスが減少する
また、SaaS型モデルの製品・サービスでない限り、BtoC商材のように頻繁に購入が繰り返されることは少ない傾向にあります。そのため、ただ闇雲に広告を配信するのではなく、これらの特性を理解した運用を行うことが大切です。
そこで本記事では、弊社が100社以上の企業さまの支援を通して学んだ、BtoBの広告運用で成果を出すために必要な考え方と施策例をご紹介します。
成功事例も紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。
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BtoBの運用型広告をはじめる前に知っておくべき2つのこと
本記事をお読みの方は、認知獲得やリード獲得のために、BtoB領域で広告運用を検討していると思います。リスティング広告やSNS広告といった手段で迷われている方もいらっしゃるでしょう。
最初にお伝えすると、BtoB領域において「この広告をこのように出せば成果に繋がる」といった魔法のような方程式は存在しません。
一言にBtoB企業といっても製品やサービス、ターゲットや事業形態も多岐に渡ります。また、なにを成果とするかによって適切な手法や運用方法が異なるからです。
BtoB領域での運用型広告で成果を得るために、実際の運用の前におさえておくべき2つのポイントは以下の通りです。
- 目的とターゲティングを明確にする
- 本質的な事業成長を見据えて予算を決める
では、詳しく解説していきます。
1. 目的とターゲティングを明確にする
広告を含むマーケティング施策を行う最初のステップとして重要なのが、「何を目的として」「誰に」広告を届けるのかを明確にすることです。
下の図は、見込み客が製品やサービスを認知してから購入に至るまでのプロセスを表す「ファネル」と呼ばれているフロー図です。

説明のために非常に簡略化されていますが、基本的にはこうしたフロー図に基づき、広告の目的を「製品購入」としてターゲットを今すぐニーズのある顕在層に絞るのか、そもそも製品・サービスを知ってもらうことを目的として潜在層向けに配信するかなど、目的を分けて考えます。
広告というと、購買意欲が高い顕在顧客に向けて購買行動を促すイメージが強いかもしれません。しかし、BtoBにおいては冒頭で紹介したように、
- 企業向けのため、配信規模やアクセス数がBtoC商材に比べて少ない
- 購入に至るまでのリードタイムが長い
- 平日のユーザー数が多く、休日はWeb上でのアクセスが減少する
といった特徴があります。
そのため、購買意欲の高い「今すぐ客」のみに向けて広告を配信し続けたところで、十分な数の見込み客に見てもらえるかどうかはわかりません。
「認知」や「興味」の段階にいる潜在層は、広告を見ていきなり購入には至らないことが前提となるため、より確度の高い顧客の発掘(リードジェネレーション)や育成(リードナーチャリング)を目的とした広告配信や、他施策を並行させる対策も必要です。
同じ製品・サービスであっても顧客が認知・興味・比較検討・行動のどのステップにいるかによって取るべきアプローチ方法は異なります。
以上のことから、「何を目的に」「ファネルでいうと、どのステップにいるターゲットに向けて」広告を出すのかを最初に明確にしておきましょう。
2. 本質的な事業成長を見据えて予算を決める
目的とターゲットが定まったら、次に広告予算を決めましょう。一般的に言われている広告予算の決め方の一つが、目標のコンバージョン(=CV)数から算出する方法です。
目標CPA=LTV×粗利率
例えば月に獲得したいCV数が100件で、目標CPAが10,000円だったとします。この場合は100件×10,000で100万円が予算となります。
しかしここでおさえておきたいのは、広告の目的が「新規顧客の最大化」であれ「クロスセルの最大化」であれ、事業としての本質的な目的は「見込み客からの売上をどれぐらいの期間で獲得できるか」です。
例えば、上記の「CV数100件」といった目標に対して、Webサイト訪問や資料ダウンロードでとどまるのか、はたまたその後の商談の商談に繋がる確率、そして商談から受注に繋がる契約率(+受注単価)によって、1件当たりのリードの評価が変わります。
下図の場合は、「CV」の中でも売上貢献により近い「商談」を生むリードの方が、広告予算の観点から見た価値評価は高いと考えられます。

つまり「見込み客」や「CV」を全て同じ指標として考えるのではなく、「本質的な事業成長のためには、どこに注力すべきか」を考えた計算式から、必要な広告費の目安を決めていくことが大切です。
もう一つ、広告予算を考えるにあたって必要な観点が、今自社がどういう事業フェーズにいるかを把握することです。既存の事業を成長させるためには、どれだけの期間でどこまで事業やプロジェクトを伸ばしたいのかという目標設定から逆算して、広告の全体予算を決めましょう。
新規事業の場合は、競合他社がどれくらいのシェアを持っているのかを把握し、自社と競合の差異をブランド力・商品力といった観点で比較することで、必要な広告予算を割り出す方法もあります。
- BtoBマーケティングを実施していきたいものの、何からはじめば良いかが分からない
- 事業成長の実現に向け、新たなリードジェネレーション・ナーチャリング施策を行いたい
- MAツールを導入したが、メール配信を行うだけになり、商談数の向上につながらない
BtoB広告の手法と選び方
BtoB広告の手法は、前述したように「目的」「ターゲティング」「予算」に合わせて適切に選ぶ必要があります。

本章では、
- リスティング広告
- ディスプレイ広告
- リターゲティング広告
- SNS広告
- 記事広告
- BtoBメディアの純広告枠
- マス広告
- 交通広告
について、それぞれの特徴を解説します。
リスティング広告
リスティング広告は、検索エンジンにおいて検索ワードに連動して表示する広告です。例えば、デジタルマーケティング支援を行なっている会社の場合、「デジタルマーケティング支援」というキーワードで検索した人に広告を表示させることができます。
その特徴から、すでに製品・サービスに興味関心のある顕在層に向けたアプローチができるメリットがあります。
一方、指定したキーワードをターゲットが検索しない限り広告が表示されることはないため、潜在顧客へのアプローチには不向きです。
1クリック10円から広告を出すことができますが、クリック単価はキーワードの人気度によって大きく変動します。
- 10円~500円前後/クリック
ディスプレイ広告
ディスプレイ広告とは、Webサイトやアプリ上状に表示される、画像広告・動画広告・テキスト広告のことです。
画像や動画といったクリエイティブを用いてターゲットに届けられることから、サービスや商品をまだ知らない、興味はあるが行動に移していない潜在層に対しても配信できます。
さらに、自社の商品やサービスに近いものや関連する事柄を調べているユーザーに配信できるターゲティング機能を使えば、購買意向が強い顕在層にもアプローチすることが可能です。
- 10円〜/1000インプレッション、または1クリック
リターゲティング広告
リターゲティング広告とは、一度自社サイトやLPに訪れたターゲットに再度広告を表示する手法です。
一度認知はしたものの、何らかの理由で離脱したターゲットにリターゲティング広告を表示させることで、製品・サービスを思い出してもらい、再び検討してもらうきっかけを作れます。
特にBtoBの場合は検討期間が長い傾向があるため、一度のサイト訪問だけで簡単に購入にいたらず、ターゲットは競合他社と比較検討に時間を要します。
そこで、リターゲティング広告を使用してターゲットとコミュニケーションを取り続ければ、思い出してもらいやすい存在になるケースもあります。
メリットは、過去に一度検討したターゲットに向けた広告配信となるため、他の広告手法と比べてコンバージョン率が高い傾向にある点です。
ただし、過度に広告を表示させるとターゲットからあまり良い印象をもたれないため、適度なタイミングや頻度に設定することが重要です。
- 10円〜/1000インプレッション、または1クリック
SNS広告
SNS広告とは、Facebook・Twitter・Instagram・LINE・LinkedInなどのSNSに表示させる広告です。
SNS広告の一番のメリットは、職業・地域・興味関心といったデータから、狙いたいターゲットにピンポイントで広告を配信できることです。まだ商品・サービスを認知していない潜在層にもアプローチできます。
また、詳細に効果測定できるため、PDCAを回しやすいというメリットもあります。
- 1円~200円前後/クリック ※ただし条件による
記事広告
記事広告とは、第三者メディアと協力・連携して出す、記事型の広告です。タイアップ広告とも呼ばれています。
企業や商材のPRを目的としたコンテンツを制作し、コンテンツのPV数を保証することで、広告主から直接収益を得る方法です。1PVあたり約50〜100円が相場となっており、1万PVを保証するコンテンツであれば、約50万〜100万円の収益を見込めます。
記事広告のメリットの一つは、第三者の目線で商品やサービスを紹介してもらえる点でしょう。また、タイアップするメディアの認知度が高ければ、多くの人に認知してもらえるだけではなく、信頼感を持ってもらい購買意欲を高められます。
記事広告の費用は、媒体にもよりますが、50〜200万円程度が相場になります。以下は、記事広告を出した時の想定PV数と費用の例です。
メディア名 | 想定PV数 | 費用 |
---|---|---|
マイナビニュース | 4000〜5000PV | 80万円 |
WIRED | 10,000PV | 100万円 |
MarkeZine | 2,000〜4,000PV | 90万円 |
ITmedia | 5,000〜10,000PV | 140~240万円 |
こちらの表はあくまでも一例です。自社サービスと関わりのあるメディアの記事広告を調べてみると良いでしょう。
BtoBメディアの純広告枠
純広告とは、サイト内で決められた広告枠に広告を表示させる手法です。
純広告の大きなメリットは、今まで自社の商品・サービスに興味関心のなかった潜在層にもアプローチできる点です。
人気のあるメディアであれば、その分多くの人の目に触れることになります。掲載するメディアをBtoBに関連するメディアに絞ることで、大まかなターゲティングも可能です。
マス広告
マス広告とは、マスメディア(テレビ・ラジオ・新聞・雑誌)に掲載される広告です。一度に多くの人に見てもらえるため、製品・サービスの認知を増やせます。
マス広告で商品・サービス・会社名の認知を大きく広げることで、検討段階で選ばれやすくなったり、指名検索が増え、Web施策においても受け皿となるサイトやコンテンツへと結びつけることができたりします。
ただし多額の予算がかかる上、しっかりとした設計に基づかないと「ただ広告を打って終わった」と目的を見失う結果になりかねないので注意が必要です。
交通広告
交通広告とは、
- 電車
- バス
- タクシー
などの車両内にあるディスプレイで配信される広告です。
テレビCMのようにチャンネルを変えることができないため、車内にいる乗客に対して確実に広告を配信することが可能です。また、電車やバスなどは通勤・通学で利用するユーザーが多いため、単純接触効果が期待できます。
ただし、効果測定が難しいという点がデメリットです。
■単純接触効果とは?
単純接触効果とは、関心がない物事に複数回接触することで、興味がわいてくる心理的現象です。
例えば、特に好きではなかったCM曲を毎日テレビで耳にしているうちに、覚えて口ずさんでいた、といったことも単純接触効果に当てはまります。
広告単体ではなくマーケティング全体の最適化をしよう
実際に広告を運用していると、戦略はあっても日々の情報キャッチアップや入札業務に忙殺されてしまい、運用体制そのものがうまくいっていないケースは多々あります。
弊社でも実際に、「CPAを下げたい」「Facbook広告の成果が思わしくないから、Twitter広告をやってみたい」と個別施策寄りのご相談を受けることも珍しくありません。
そうしたときにお伝えしているのは、「広告手法」や「広告自体」にとらわれず、にマーケティング全体を最適化することを忘れてはいけないということです。
下図は顧客に自社の製品・サービスを知ってもらってから購買に至るまでに考えられる施策(一部)を簡単にまとめたものです。

広告はマーケティング施策の一部にすぎません。そのため、特定の広告手法や広告という施策にとらわれすぎてしまうと、ほんの一握りの見込み客にしか向き合えていない状態になってしまいます。
事業の本質的な目的に立ち返り成果を出すためには、広告だけではなく、他の手法と組み合わせて顧客のニーズに答えていくことが重要です。
また、BtoB広告はクリックした人がすぐに顧客になるわけではありません。広告においてKPIとしてCPAを設定することが多いですが、BtoBにおいては尚更、「有効リード率/ 数」や「商談化率」など、いかに売上に貢献しているかをCV指標として考慮すべきです。
そのためにも、広告運用担当者は広告管理画面だけではなく、必要であればマーケティング担当者やインサイドセールスとも協力して、広告の成果を観察しPDCAを回していきましょう。
正しいKPI設計で戦略化することが重要
広告運用で重要になってくるのが、「戦略」です。ここでいう戦略とは、BtoB広告の最終的なビジネスゴール(KGI)を達成するために、最適なKPI構造を設計することを指します。
手法論で考えると「とにかくクリック単価を安くしよう」という部分最適な動きに陥ってしまうものです。
しかし、正しいKPI構造を組み立てることによって「クリック単価が〇〇円以下で、△△件の流入、◇◇件のコンバージョンがあれば、目標を達成できる」といったように、目標達成(全体最適)のため最適なルート(打つべき施策)を描くことが可能になります。
運用の担当者は、「CPA〇〇円以下」「CVs何件以上」など、与えられたルールの中で、施策を考えてしまいがちです。注力している施策が本当にビジネスゴールに向かっているのかという全体的な視点で、改めて広告の戦略から見直すことで、運用を最適化していくことができるようになるでしょう。
KPI設計を行う際にはKPIツリーを作成する
KPI設計をおこなう際には、同時にKPIツリーも作成しましょう。
KPIツリーとは、「KGI(最終目標)」を達成するために必要な「KPI(各要素)」を、樹形図にしたものです。KGI達成のための要素を洗い出したり、具体的な施策のアイデアを出したりする際に役立ちます。

KPIはKGIを達成するための要素であるため、KGIから逆算して考えていきましょう。そうすることで、最適なKPIを設定できます。
KPIツリーは以下の手順で作成しましょう。
- KGIを設定する
- KGIを構成する要素をゴールから順番に洗い出す
- 定量化して計算できるようにする
- ロジックツリーで可視化する
これらの手順は、以下の記事で詳しく解説していますので、併せてご覧ください。
- BtoBマーケティングを実施していきたいものの、何からはじめば良いかが分からない
- 事業成長の実現に向け、新たなリードジェネレーション・ナーチャリング施策を行いたい
- MAツールを導入したが、メール配信を行うだけになり、商談数の向上につながらない
BtoB企業の広告成功事例
最後に、BtoB領域の広告運用の成功イメージを持っていただくためにも、弊社が広告領域を支援して成果をあげたBtoB企業の例をご紹介します。
BtoBのITシステム企業|月10件に満たなかったリード数が、3ヶ月で月約100件にまで急成
クライアント課題 | リードの獲得数が少なく事業がスケールしない |
ミッション | CPA20,000円・150件以上のリードの獲得 |
広告の種類 | リスティング広告 |
■プロセス
以前インハウスで広告を運用した経験があったが、5件〜10件のリード獲得にとどまり、思ったような成果が出なかった。
そのため、商品・サービスの理解を通じてターゲットをfixし、キーワード・広告文・バナークリエイティブの選定をサポート。初月で得られた広告効果から、KW・バナークリエイティブを調整し、そこから得られた結果を基に広告文のトンマナを整え運用を実施した。
■成果
初期接点としてのターゲット・媒体・キーワード選定・CVまでの導線の見直しを行い、月間で約100件、計300件ほどのリードを獲得することができた。
また、クリエイティブと広告文にUSPを盛り込み、広告クリック後のページでは、余計な情報は一切排除し、離脱数を最小限に抑えることに成功。広告文×クリエイティブの組み合わせを複数作成し、スピード感あるA/Bテストを実行した。
BtoBのITツールベンダー|CPAおよびリード獲得件数の改善に貢献しCAC最適化を実現
クライアント課題 | 広告運用ノウハウ不足 |
ミッション | CACの最適化 |
広告の種類 | リスティング広告・Facebook広告 |
■プロセス
Google広告のみだったが、ターゲットを広げるためにFB広告も展開。またFAX DM、メールナーチャリングなどのオフライン広告の展開、セミナー企画などチャネル拡大を実施。またCAC最適化のために、CRM/SFA分析を実施し、訴求ターゲットの明確化を実施。
■成果
Google広告の場合、CPA1万〜2万円、月10件程度のリード獲得数であったのが、CPA8千円、最大300件のリード獲得を実現。リードジェネレーションによるSQLへの転換率が20%増加し、日々成長している。
総合経営コンサルティング企業|CPA2万円台で抑えながら効果的なリードを獲得
クライアント課題 | 広告運用のノウハウ不足・運用会社との連携不足 |
ミッション | 売上に結びつくリード獲得の最大化 |
広告の種類 | リスティング広告・Facebook広告等 |
■プロセス
SEO施策やリスティング広告、ホワイトペーパー制作を同社が担当し、広告運用の実行部分は外部の運用会社へ依頼をしていた。しかしプロジェクトが進行するにつれ、改善点や改善方法が分からず壁打ちになり、運用会社のディレクションにもかなりの手間がかかる状態に陥った。
そこで、外部からプロを招き、プロジェクトを再構築。まずは運用会社と同社の役割分担を明確にし、再構築した戦略を元に運用型広告やSNS広告など、さまざまな施策を展開した。
■成果
同社と運用会社の役割分担を明確にでき、限りあるリソースを最大限活用できるようになり、Facebook広告のCPA2万円台で抑えながら、以前よりも効果的なリードを獲得することができた。

BtoB広告を運用する3つの方法
広告の運用方法は、「社内で運用できる体制を作ったほうがいい」「広告担当者の割り当ては退職などのリスクがあるから代理店に依頼すべき」というような短期的な視点で決定すべきではありません。
自社の事業の特性や事業フェーズ、リソースなどを十分に考慮した上で、効果的な運用方法を選択することが重要です。
本章では、自社に適切な方法を選べるように、BtoB広告の運用方法3つの特徴について詳しく解説します。
- インハウス化
- 代理店運用
- 伴走型コンサルティングの利用
インハウス化
BtoB広告を自社で運用する最大のメリットは、売りたい商品・サービスやマーケットについて十分な理解がある上で、広告を運用できる点です。また、社内にノウハウが蓄積していくことでスピード感のある運用や、代理店に支払う手数料を削減できます。
- メリット:コスト削減、広告運用レベルやスピードUPが期待できる
- デメリット:社内に十分なリソースが必要
代理店運用
短期間で成果を出したい場合や高額での広告運用を検討している場合には、知識やノウハウをもった人材が必要不可欠です。そのような人材がいない場合でも代理店へ依頼すれば、広告のプロが運用してくれるため、教育コストや施策の是非に困ることは少ないでしょう。
さらに、運用に関わる業務をアウトソースできるため、本来の業務に注力しながら広告運用を進められます。
- メリット:社内に知識やリソースがなくても本格的な運用が可能
- デメリット:広告運用時の社内連携に時間がかかる可能性がある
広告運用代行の費用
広告代理店に依頼する場合、一般的に運用する「(媒体)広告費の約20%」が手数料の相場です。例えば、広告費として月々100万円を運用する場合、手数料は20%の20万円となり、合計で120万円の予算が必要になります。
手数料:100万円(広告費) × 20% = 20万円
予算:100万円(広告費)+ 20万円 = 120万円
ただし、この20%という手数料相場は、予算の大小で変動します。広告費が高額であるほど手数料も高額になり、少額の場合は代理店の工数や人件費を考えた際に割に合わなくなるからです。
そのため、月々の予算が高額な場合は手数料が10〜15%ほどに下げられたり、予算が少額の場合は手数料20%とは別に、5~10万円ほど固定の手数料を設定する代理店もあります。
広告代理店の選び方
代理店を選ぶ際に、知名度や売上ランキングなどだけを参考にして決定するのはやめましょう。なぜなら、実績のある代理店だからといって、アサインする運用担当者に実力があるとは限らないからです。
広告予算が少ない企業の場合、経験が浅い新人が運用担当者となることもよくあります。また、ある程度経験を積んでいる運用担当者であっても、自社の業界に関する経験や事業への理解が薄かったり、案件を多数抱えていることでリソースがあまり割けなかったりする可能性があります。
そのような担当者がついた場合、期待通りの成果を得られない可能性が高くなります。
そのため、代理店だけを見て選ぶのではなく、さらに運用担当者が自社にマッチするかも見極める必要があるのです。
広告代理店を選ぶおすすめの方法は、以下の3つです。
- 実際にWeb広告代理店を利用したことがある知人に紹介してもらう
- SNSを活用して、Web広告業界に精通している人や代理店の社員に相談してみる
- Yahoo!マーケティングソリューションの「セールスパートナー 一覧」を参考にする
また、代理店を決めたら契約前に以下のポイントをチェックしましょう。
- できれば営業担当者ではなく、運用担当者本人に話を聞くようにする
- 運用担当者のスキル・経験・運用方法などを確認する
- 運用担当者のリソースと、運用代行費用を確認する
広告代理店の選び方については、以下の記事で詳しく解説していますので、併せてご覧ください。
伴走型コンサルティングの利用
インハウス化を検討する際は、伴走型の運用支援を付けることがおすすめです。
伴走型の1つ目のメリットは、経験者が必要な手順をサポートしてくれる点です。インハウス化を検討する初期段階では、豊富な知見を持つ外部の企業に依頼をした方がスムーズなスタートダッシュを切ることができます。
2つ目のメリットは、自社で行う作業の確認役として、コンサルタントを活用できる点です。日々広告運用をする中で何かしらのミスがあった場合でも、伴走メンバーが付いていれば早急にケアできます。
リスクの負担は担当者だけに負わせるのではなく、伴走型で付いてきてくれるパートナーと連携してミス防止のスキームを組むなどすれば、起こりうるリスクを事前に回避できる可能性が高くなります。
伴走型コンサルティングの費用
伴走型コンサルティングの費用は、「月額20万円~」に設定されているケースが多くあります。
ただし、伴走型コンサルティングの支援内容には主に以下のようなものがあり、どこまで支援してもらうのかによって、費用は変動します。
- 現在の運用状況の診断(既に広告運用を行っている場合)
- 戦略構築
- 体制の構築(メンバーの役割分担や評価体制の構築など)
- メディアプランニング(媒体や予算・KPIの設定など)
- 広告媒体の利用
- クリエイティブの作成やKW選定
- 運用実務(成果改善やミーティングなど)
- 効果測定・レポーティング(レポート作成やデータ基盤の構築など)
伴走型コンサルティング会社の選び方
伴走型コンサルティング会社を選ぶ際には、以下のポイントに注目しましょう。
- 中長期的な目線で伴走してもらえる
- 組織体制の構築に関するコンサルティングを行ってもらえる
- Web広告の周辺領域に関しても幅広く知見があり、サポートをしてもらえる
自社の広告運用の体制を適切に構築し、十分なサポートをしてくれるコンサルティング会社を選んでください。
広告運用の伴走型コンサルティングの選び方については、以下記事で詳しく解説していますので、併せてご覧ください。
まとめ|自社に適したBtoB広告を選び、マーケティング全体を最適化しよう
本記事では、BtoB企業が広告を出すにあたっての考え方のプロセス、広告手法の選び方、事例をご紹介しました。最後にまとめをご覧ください。
- 目的とターゲティングを明確にする
- 本質的な事業成長を見据えて予算を決める
- リスティング広告
- ディスプレイ広告
- リターゲティング広告
- SNS広告
- 記事広告
- BtoBメディアの純広告枠
- マス広告
- 交通広告
- インハウス化
- 代理店運用
- 伴走型コンサルティングの利用
適切にKPIを設定し、「目的」「ターゲティング」「予算」に合う広告を選んで運用してみましょう。
よくある質問とその回答
BtoBの広告運用で成果を上げたいのですが、どのようにすれば良いですか?
BtoBの広告運用で成果を上げるためには、目指すべき成果を見据えながら、改善を繰り返し、長期に渡って継続できる運用体制が必要です。
BtoBの広告運用を新たに取り組みたい、今実施している広告成果をより上げていきたいという担当者様に、MOLTSでは成果につながる広告運用の体制構築や支援を提供しております。
まずは一度「広告支援内容」をご覧ください。
BtoBの広告運用で成功した事例を教えてください
とあるIT企業では、リードの獲得数が少なく事業がスケールしないといった課題がありました。そこで、ターゲットの修正、キーワード・広告文・バナーやクリエイティブの選定をサポート。
その結果、広告経由で月間で約100件、3か月の運用で計300件ほどのリードを獲得することができるようになりました。
詳しくは「BtoB企業の広告成功事例」をご覧ください。
BtoBの広告運用には、どのような種類がありますか?
BtoB広告の手法は、以下のような種類があります。
- リスティング広告
- ディスプレイ広告
- リターゲティング広告
- SNS広告
- 記事広告
- BtoBメディアの純広告枠
- マス広告
- 交通広告
これらのうちから「目的」「ターゲティング」「予算」に合わせて適切に選ぶ必要があります。詳しくは「BtoB広告の手法と選び方」をご覧ください。
成果を出すBtoBマーケティングは、マーケティングのプロにご相談ください
BtoBマーケティングにおいて、ターゲット企業の顧客理解や適切なコミュニケーションが欠かせず、売上や利益向上のための戦略を描き、最適な施策の実行や改善活動を行うためのノウハウや実行体制が求められます。しかし、実際の運用においてはなかなかリソースが割けず、実行に踏み切れていない企業も少なくないでしょう。
事業成長のためのBtoBマーケティングの実行やその改善を検討されている方は、ぜひTHE MOLTSにご相談ください。デジタルマーケティングやBtoBマーケティングに精通したプロフェッショナルが、成果を出すための戦略立案から施策実行まで支援いたします。
- 顧客を呼び込むリードジェネレーションやナーチャリング施策を行いたい
- 商談化率や受注率の向上を図りたい
- 導入したMAツールをうまく活用していきたい
- 現在のマーケティング施策が適切か、アドバイスがほしい
このようなお悩みをお持ちの方に向けて、THE MOLTSでは現状の課題や得たい成果に対し最適なご提案をいたします。これまで累計500以上のプロジェクトで事業成長に貢献し、クライアントの推奨率は90%を超えています。
まずは貴社のお取り組み状況についてお聞かせください。デジタルマーケティングのプロフェッショナルが、事業成果・マーケティング成果創出の観点から、貴社に最適なご提案をいたします。
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