運用型広告のインハウス化支援を、私たちが一方的にはおすすめしない理由

菊池 真也

Marketing Strategist / Consultant

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運用型広告のインハウス化支援を、私たちが一方的にはおすすめしない理由

近年また、運用型広告の体制を内製化(インハウス化)する企業が増えてきています。

多くの事業会社でインハウス化をしたいという要望が強くなり、インハウス化支援事業を行う事業者も増えてきましたが、MOLTSでは推奨・否定どちらの明確なポジションを持たない、というスタンスを取っています。

なぜなら私たちは、お客様が運用型広告で最も成果が出せるように、最適なタイミングで、最適なソリューションを提案させていただくことが価値であると考えているからです。

つまり、私たちにとってインハウス化は、お客様の成果を上げるために必要な選択肢の一つ、ということです。

今回は、市場の大きな流れには沿いつつも、独自のノウハウを用いた運用型広告コンサルティングサービスを提供するMOLTSの考え方や、実績について、その一部をご紹介させていただきます。

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インハウス化の主な目的は「コスト削減」と「運用レベル向上」

運用型広告のコンサルティングサービスを提供する弊社では、日々、お客様から経営や事業課題に関するさまざまなご相談をいただきます。

その中でも、特にインハウス化、つまり外部の広告代理店に運用を依頼するのではなく、社内リソースのみで運用するにはどうしたらいいのか、というお悩みは近年増加傾向にあります。

弊社によく寄せられる、インハウス化に関する主なご相談内容は以下の2種類です。

1つ目は、コスト削減

もともと契約していた広告代理店に支払っている手数料(例えば、広告費の20%など)をなるべく削減していきたい、という要望です。

2つ目は、自社での広告運用レベルや施策スピードの向上

広告代理店に発注をしている事業会社がインハウス化したいもう一つの理由に、施策スピードを改善したい、という声をよく聞きます。

掘り下げていくとそれは、ただ代理店の対応が遅いという話ではなく、広告のプロであっても事業のプロではない(事業理解が浅い)ということに通ずる、と私たちは考えています。

外部の立ち位置である代理店では、本来スピード感を持って内部の営業サイドや開発サイドと連携を取り合わなければならない場面でも、どうしても伝言ゲームのようなかたちになってしまい、施策の実行スピードが落ちてしまうことがあります。

こちらについては代理店側の問題というよりも、事業側の体制に課題があるケースもあります。

また実際の状況や、事業への理解が浅いままだと、課題を改善するための提案も本質からずれてしまうこともあります。

そのため、弊社ではお客様からご相談を受けると、どこまでの範囲をインハウス化するつもりなのかを、お聞きするようにしています。

初期ヒアリングの段階では、何が本当の問題で、それをどこまでやるのか、を認識することが大切だと考えているからです。

インハウス化ブームの背景は、慢性的なスキル人財不足

運用型広告の業務を滞りなく実行するのは、初心者にとって簡単なことではありません。

もちろん簡単に出稿可能なツールや仕組みを使えば、実行すること自体はできるようになっています。しかし、運用型広告に精通した人を採用できるか、インハウスで運用を行う担当を抱え続けることができるか、という問題は別です。

運用型広告の代理店でも、2〜3年程度でスキルが付いてくると辞めて別の事業会社へ転職したり、独立するというケースが人財確保の課題としてよく聞かれます。

そもそも中途採用市場において、求人量に対して広告運用スキルを持つ求職者の割合が少ないため、代理店でトップクラスの実力を持つ人たちを採用するというのは、引く手数多の人財を採り合うことになるため、大半の企業は苦戦を強いられています。

経験者の採用が難しいならイチから育てよう、となったとしても、2〜3年後のキャリアプランをしっかりと用意できていないと、経験を積んで辞めていくスパイラルが起きてしまうリスクも考えなければいけません

弊社にご相談いただいた場合、お客様の会社の採用力や従業員のロイヤリティ向上、キャリアプランの設計などにも携わらせていただくこともあります。

インハウス化を行う際には、そうした目の前の課題を解決することだけでなく、事業全体の状況も加味しながら施策を実行していく必要があります

インハウス化だけが正解ではない

冒頭でも申し上げたように、弊社はインハウス化することだけを推奨する立場ではありません。

実際にお客様からご相談をいただく中でも、インハウス化を最初からおすすめするのではなく、それが実現可能なのかの判断も含めて話し合いましょう、とまずお伝えしています。

また場合によってはインハウス化をしない、という選択肢をご提案することもあります。

例えば、広告運用を内製化したはいいものの、頼りにしていた担当者が突然辞めてしまい採用が間に合わない。

急ぎで採用したとしてもスキルが前任者に及ばないことや、スキルがあっても事業の理解が追いついておらず、結果として運用成果が悪化してしまった、というケースもあります。

つまりインハウス化すること自体が重要なのではなく、その時点での事業の状態に対して、どのような体制を組んで施策を進めることが最適なのかを適切に判断できているか、を考えることが重要です。

それが私たちのスタンスにもなっています。

インハウス化を成功させるポイント

①インハウス化と代理店運用の違いを適切に理解する

ここまで述べてきたように広告運用をインハウス化するためには、コスト面だけでなく、採用面や事業全体のバランスも考慮した上で、判断していかなければいけません。

そのため現場の従業員だけでなく、経営層やマネージャーも、広告運用における影響範囲を適切に認識する必要があります。

一般的に広告運用は属人的な性格を持つ業務ですので、特定の従業員のみに仕事が集中した場合、社内のノウハウはその人一人だけが握っている、ということになります。

そうした外部の情報が一切入ってこない状況で、コストダウンだけを目的に実行すると、失敗してしまうケースを私たちは多く目にしてきました。

マネジメント層の中には、広告を出すことの現実的な工数や運用改善方法について知識がない方もいらっしゃいます。

ですが近年の広告運用は、全体的な高度化・複雑化が進んできており、いかに情報をキャッチアップしながらPDCAを回していけるのか、といった地味で高負荷なパフォーマンスが求められます。

そうした背景も十分理解したうえで、適切な打ち手はどこなのか、という勘所を常に鍛えておくことは重要だと思います。

②自ら手を動かし、日常のコミュニケーションを確認する

上記と関連してこれまで代理店に広告運用を一任していた企業は、一度広告配信の作業を自分たちでもやってみる、という経験を持つことをおすすめします。

広告運用は見た目よりも地味な作業の連続です。それらを実際に体験することで、毎日の入稿作業の負荷だけでなく、現実的なオペレーション工数などもシミュレーションすることができます。

試してみた結果、仮に自前で広告運用をするのは難しそうだ、という判断になれば、今後起こる可能性の高いリスクを施策前にある程度予見することもできるようになります。

もう1点気をつけておきたいポイントとしては、代理店に対するコミュニケーションが普段から健全に行われているか、ということです。

現場で互いの認識齟齬が頻繁に起こっていたり、何度も代理店を代えた経験のある企業は、自分たちのマネジメント方法は適切だったのか、などを振り返ってみることも大切です。

なぜなら、インハウス化を成功させるために重要なのは、現場とマネージャー層との信頼関係がキーになってくるからです。

現場で困ったことがあればマネージャー層がサポートし、マネージャー層が判断に迷えば、現場がアドバイスをする。そういった関係性を維持していくことで、スムーズな広告運用が実現します。

伴走型コンサルティングを付けるメリット

①経験者が一緒に実行するから安心して相談できる

インハウス化を検討する際は、伴走型の運用支援を付けることを弊社ではおすすめしています。

伴走型の1つ目のメリットは、経験者が必要な手順をサポートしてくれる、という点が魅力です。

広告運用業務を担当される方が、よほどの経験者か代理店出身でないかぎり、いきなり「明日からやってくれ」と言われてもすぐに出来るものではありません。

もちろんその指示を出す側も、自分で経験したことのない業務を担当者に対して適切にオーダーし、評価することが課題となります。

代理店に広告運用を委託している場合でも、インハウス化を前提とした契約を結んでいなければ、担当者の教育までサポートを求めるのは難しいでしょう。

そのためインハウス化を検討する初期段階では、豊富な知見を持つ外部の企業に依頼をしたほうが、スムーズにスタートダッシュを切ることができます。

②見過ごしがちなミスも二重チェック可能

伴走型の2つ目のメリットは、お客様が行う作業の確認役として、私たちをご活用いただける点です。

日々広告運用をする中で、何かしらのミスがあった場合でも、伴走メンバーが付いていれば早急にケアにまわることが可能です。

極端な例ですが、担当者が1人しかいなければ、作業のダブルチェックを行うこともできません。作業ミスに気づけず、リンク切れを起こしたまま広告を配信し続けてしまえば、そこにかけた数十万、数百万円は無駄になってしまいます。そして失ったお金は1円も戻ってきません。

そのようなミスが積み重なっていくと、経営に与えるダメージも甚大です。

リスクの負担は担当者だけに負わせるのではなく、伴走型で付いてきてくれるパートナーと連携してミス防止のスキームを組むなどすることで、起こりうるリスクを事前に回避できる可能性が高くなります。

上記に加えて、代理店は常に業界の最新情報を持っているので、トレンドのキャッチアップを気軽に行えるという点も伴走型のメリットとして挙げられます。

経営者の目線から事業フェーズに合った施策を提案する

ここからは弊社サービスの提案スタイルについてご紹介します。

私たちは、お客様の課題が広告運用に関するものであったとしても、広告費の20%マージンで運用を請け負います、という提案だけを行うわけではありません。

まず本質な事業課題やボトルネックはどこなのか、お客様の事業が今後より成長していくためにはどこから入らせていただくのが適切なのか、を明確にしてからプロジェクトをスタートさせます。

具体的には、週1回のミーティングでコンサルティングをさせていただきながら、平均6ヶ月ほど、ひとつのプロジェクトを回していくというイメージになります。

プロジェクトの内容に関しては完全なオーダーメイドで、お客様の事業課題に対して、極力ニュートラルな立場で一緒にすり合わせをしていき、成果へのロードマップを設定します。

話し合いの結果、課題解決のためにインハウス化が最適だという結論もあれば、今回はほかの代理店に任せたほうがよい、という結論になるケースもあります。

ECの立ち上げなど、その時の条件やフェーズによって必要な手段が全く異なることもあるので、むやみに広告費を投下するのではなく、その施策に合わせたコンサルティングを経営者の目線を持ちながら行わせていただきます。

弊社のサービスと合致しやすい企業様の特徴と事例

弊社に、運用型広告のご相談をお寄せくださるお客様は、10名以下のスタートアップから、数万人の従業員を抱えている企業様までさまざまです。

ご相談内容としては、「何となく運用型広告のインハウス化をしたい」というより、「広告業務にこれからしっかりとコミットしていきたい」とお考えになっている企業様の割合のほうが多い傾向にあります。

インハウス化の重要性を理解し、自分たちだけでは対応が難しい部分があったり、チームのレベルを上げたい、といった時にご相談をいだだくケースがよくあります。

分かりやすいイメージを持っていただくため、ここでは弊社のインハウス化の事例を一つご紹介させていただきます。

事例:既存代理店とのパートナーシップも深め、ミドルインハウス化を実現し、CPAを20〜30%削減

老舗化粧品会社のA社様の事例です。

A社様では主に、新規顧客を広告で獲得を増やし、リピート顧客を増やしていくという戦略をとっており、いかに広告を活用できるかが事業として非常に重要な役割を担っています。

Web広告・紙媒体共に月間数千万円の広告費を使われています。そのため、Web広告・紙媒体共に月間数千万円の広告費を使われており、事業成長を広告の成果が大きく左右してしまうほどの影響力をもっています。

弊社との取り組みを始める以前にA社様が持っていた課題として、コスト削減のほか、代理店とのコミュニケーションレベルを上げたい(自社の知識を高めたい)、広告運用のPDCAサイクルのスピード感を高めたい、というご希望がありました。

一般的に広告代理店を経由して広告を出すと、審査やクリエイティブ調整、ABテストの検証などに時間が掛かり、一つの施策を行うのに数週間、数ヶ月かかることもあるので、インハウス化をしてスピーディに広告を運用していきたい、という背景で弊社にご相談をいただきました。

ですが私たちは、取り組みを始めても、すぐには完全なインハウス化を目指しませんでした。

その理由はこれまで述べてきたように、代理店が付いていることで運用上のリスクヘッジにもなる上、彼らの持っている最新情報や知見を活かすことができるため、既存の代理店さんとは継続的にお付き合いをしつつ、ミドルインハウス型のようなかたちで、少しずつ一部の媒体から自走化を進めていきましょう、ということになりました。

取り組みを始めてから半年ほど経過しますが、当初よりCPAが20〜30%低い状態で広告を運用できたり、成果が出はじめている状態です。

現在でも、弊社と代理店さんが同じ定例に出ることもあり、運用に対する改善案なども互いに話し合いながらプロジェクトを進める、といった関係性を続けています。

上記事例のほか、弊社をご活用いただく際に多いパターンとして、ほかの代理店とやり取りをしている中で、その企業が提案する内容について良し悪しを判断する窓口がいないのでそこを担当して欲しい、といったご依頼もあります。

そのような場合でも、弊社が得意とする伴走型コンサルティングをご提案させていただくことができますし、お客様側の担当者として代わりに窓口対応を行うことも可能です。

セカンドオピニオンとしてもMOLTSを使って欲しい

デジタルマーケティング、特に運用型広告の業務を行っていく中で、「インハウス化をしたいけど誰に相談したらいいのかわからない」「もっと出来ることがあるはず」「代理店から提案をされているけど、本当にいいものなのか分からない」といったお悩みを持つ企業様は多くいらっしゃいます。

運用型広告における課題が原因で、いま進めるべき施策が止まってしまっているなら、それは機会損失なので非常にもったいない状況です。

そんな時に、私たちのような伴走型コンサルティングサービスを付けて、貴社のマーケティング活動におけるセカンドオピニオン役としてご活用いただくことも可能です。

私たちSTAUTを広告運用のよきパートナーとして、ぜひ貴社事業発展のお手伝いをさせていただければ幸いです。

広告運用支援サービスについて詳細についてはこちらをご覧ください

この記事を書いたメンバー

SHINYA KIKUCHI

菊池 真也

Marketing Strategist / Consultant

1982年生まれ。広告代理店で100社以上のリスティング広告を運用し、株式会社アイレップにて総合通販、大手人材会社の運用型広告コンサルタントを経験。中小から大規模の広告運用を経験したのち、GMOペイメントゲートウェイ株式会社にてEC企業の集客支援を行う組織を構築。2018年3月にMOLTSへ参画し、子会社STAUTに所属。業界問わず、また大手企業からスタートアップまで幅広く事業成果の獲得を軸とした運用型広告のコンサルティング、インハウス支援を行う。2020年3月よりSTAUTの代表取締役に就任。

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