事例から学ぶ「コンテンツマーケティング」とは?成果に繋がる戦略の描き方

青波 美智

Content Director

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事例から学ぶ「コンテンツマーケティング」とは?成果に繋がる戦略の描き方

コンテンツマーケティングの本質を理解し、戦略に基づいてしっかりと取り組めば、コンテンツマーケティングで成果を上げることは可能です。

実際に大手競合サイトや有名サイト、また行政の公式ページを抜いて検索順位1位を獲得し、そこから大きな成果を得ることも不可能ではないことを、弊社の実績として残し続けてきました。

そこで今回は、弊社が考えるコンテンツマーケティングの基本をお伝えした上で、成功に繋がった事例を紹介し、そこから学べる成功論について詳しく解説していきます。

目次 非表示

コンテンツマーケティングの事例を見る前に

コンテンツマーケティングの成功事例を具体的に見ていく前に、当分野で多くの実績を残してきた弊社の経験から、前提としてお伝えしたいポイントがあります。

コンテンツマーケティングとは何か

まずは、コンテンツマーケティングという言葉の意味についてです。

弊社では、コンテンツマーケティングを、「ユーザーが興味がある、欲しい情報」をもとに「企業が得たい成果」をコンテンツを用いて獲得するコミュニケーション施策と定義しています。この考え方を抜きに、ただコンテンツを作っているだけでは、それは単なる記事制作にすぎません。

コンテンツマーケティングは、あくまでマーケティング手法の一つであるため、企業が得たい成果を明確に定義しなければなりません。その成果に対して、どのようにコンテンツを作っていくのか。これが、コンテンツマーケティングの本質になります。

弊社が考えるコンテンツマーケティングの基本については、別記事「コンテンツマーケティングとは?成果を出すための考え方と5つの成功事例」をご覧ください。

成功事例を見る前に、押さえておきたい2つのポイント

コンテンツマーケティングで重要なポイントは、ユーザーとの接点(タッチポイント)をどこに設定するか、そして、ユーザーとどのようにコミュニケーションを取っていくのかの2点です。

1. ユーザーとのタッチポイント

企業がユーザーと何らかのタイミングで持つ接点を、「タッチポイント」と言います。

これらのどのタッチポイントを想定するかによって、コンテンツマーケティング戦略の作り方が変わってくるため、コンテンツ制作の際はどこで接点を持つのかを意識する必要があります。

  1. 自然検索流入(Organic Search)
  2. 広告流入(Paid Search)
  3. SNS流入(Social)
  4. 外部サイトからの流入(被リンク、Referral)
  5. 直接流入(お気に入り・ブックマークなど、Direct)
  6. Other(メールのリンク、アプリケーションから etc.)
  7. サイト内の回遊

この7種類の中でも、検索を想定したコンテンツマーケティングで成果に繋がりやすいのは、以下4つです。

1. 自然検索流入

(Organic Search)

ユーザーが特定のキーワードで検索することにより、自社のWebサイトにたどり着いてもらう

【メリット】コンテンツ制作のキーワード設定の時点でユーザーの態度(興味のステージ)がコントロール可能

【デメリット】安定した成果を得るまでに数ヶ月〜半年以上の期間を要する

2. 広告流入

(Paid Search)

Web上に配信する広告によって、ユーザー流入数をお金で買う手段

【メリット】最短即日で結果を計測することができる

【デメリット】ユーザーを獲得し続けるためにはある程度の予算が必要

3. SNS流入

(Social)

SNSを利用したインフルエンサーの拡散によってユーザーの流入を増やす

【メリット】インフルエンサーと同じ条件(性別・年代など)を持っているユーザーは態度変容を起こしやすい

【デメリット】シェアする人物によってはコンテンツの捉えられ方が変化、あるいは一人歩きしてしまうため、ユーザーニーズを的確に捉えることが難しい

4. サイト内の回遊

自社のページ内で別の自社コンテンツを紹介することによって同じWebサイトを巡回してもらう手法

【メリット】外部で複数のタッチポイントを設けずにサイト中で巡回させることで、ユーザーの態度変容を促すことができる

【デメリット】コンテンツ同士の関連性が低いとユーザーニーズとの隔たりで閲覧数が伸びない

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それぞれの流入経路の詳しい違いについては、下記の記事をご覧ください。
コンテンツマーケティングとは?5つの成功事例から学ぶ戦い方

2. ユーザーの態度変容

ユーザーが自社のサイトやサービスの認知から成果獲得に至る一連の流れは「カスタマージャーニー」と呼ばれ、ユーザーの心理状態を「態度」、その段階的な変化を「態度変容」と言います。

※ユーザーの心理や行動の変化を、カスタマージャーニーを言います。

※A.I.S.A.S(アイサス)とは、インターネット普及後の時代における購買行動プロセスを表したものです。

コンテンツの成果指標は、「リード獲得」「商材購買」「メルマガ登録」などプロジェクトによって異なりますが、どれにも共通して大切なのは、接点を持てたユーザーにいかにファンになってもらえるかです。

そして成果獲得までの速さはユーザーの態度によって変わります。コンテンツマーケティングでは、ユーザーの態度が企業の求めるアクションに近い方が、成果を上げやすくなります。

例えば、「iPhoneの購入」の成果指標に対して、下記3つのキーワードがあったとしましょう。

【A】iPhone とは

【B】iPhone 欲しい

【C】iPhone アップデート いつ

最速で成果を上げるためには、どのキーワードで検索上位を狙っていくべきでしょうか。

上記のカスタマージャーニーを踏まえて考えると、成果指標の「iPhoneの購入」は、ユーザー態度では「購買(Action)」にあたります。

成果に最短距離で結びつけるには、CVの確度が高い、つまりあらかじめ「購入」する意図が見えている(=比較・検討)キーワードでリードを獲得するのが最も効率的です。

したがってここで狙うべきキーワードは、すでにiPhone購入の意図が現れている「iPhone 欲しい」になります。

より長い時間は要しますが、「iPhone とは」で検索している潜在ユーザーの態度変容を、認知段階から比較検討まで促していく戦法もあります。

いずれにせよ、まずは成果を定義し、その上でタッチポイントを考えCVまでの設計図を描く

これが、コンテンツマーケティングの基本的な考え方です。

ユーザーとのタッチポイントはどこなのか。そして、どういった態度変容を促すのか。この2点を明確に抑えることがコンテンツマーケティングにおいて重要だということを覚えておきましょう。

コンテンツマーケティングにおけるオウンドメディアの位置付け

コンテンツマーケティングでは、企業が得たい成果を明確に定義し、その上で有効なタッチポイントを選んでCVにつなげることが重要です。

検索をタッチポイントとしてユーザーにコンテンツを提供する方法の一つに、オウンドメディアの活用が挙げられます。

そもそもオウンドメディアとは何でしょうか?

メディアの種類の一つだと考えると簡単かもしれませんが、本質的な部分を捉えなくてはコンテンツマーケティングの手段として、その効果は薄くなります。

弊社での定義をご紹介しますと、オウンドメディアとは企業が抱えている事業・採用課題の解決のために、コンテンツを継続的に発信する手段のことを指します。

単なる情報発信の場として利用するのではなく、いかに企業の収益を増やし、人を集め、事業に貢献するのかという視点で運用することで、コンテンツマーケティングにおいても非常に大きな成果を上げることが期待されているのです。

また、これから取り上げるコンテンツマーケティングの6つの事例のなかにも、いくつかオウンドメディアの活用がみられます。

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オウンドメディアの利点や事例については別記事「5分でわかる「オウンドメディア」とは?事例を用いてわかりやすく解説」をご覧ください。

コンテンツマーケティングの6つの事例|パターン別に紹介

本章では、SEOライティングで成果を上げているコンテンツマーケティングの事例をご紹介します。

一本のSEOコンテンツが成功に導いたケースと、オウンドメディア全体として成果を上げているパターンがありますので、すでにお伝えしたユーザーのタッチポイントや態度変容を意識してご覧ください。

コンテンツSEO型

まずは、検索をタッチポイントとした記事コンテンツのマーケティング事例です。

ボーグル|「働き方改革とは」で潜在リードを大量に獲得

サイト名ボーグル(旧:BOWGL)
企業名株式会社ベネフィット・ワン
対象コンテンツ5分で分かる「働き方改革」とは?取り組みの背景と目的を解説

ボーグル(旧:BOWGL)は、弊社が約3年間に渡って支援させていただいている、福利厚生サービスを提供する株式会社ベネフィット・ワンのオウンドメディアです。

中でも「働き方改革とは」をキーワードとした記事コンテンツ「5分で分かる「働き方改革」とは?取り組みの背景と目的を解説」は、同社が提供する福利厚生サービス「ベネフィット・ステーション」へのお問い合わせ拡大に大きく貢献しています。

興味深いのは、福利厚生サービスへのCVを狙った記事コンテンツにも関わらず、ユーザーと接点を持つキーワードを、福利厚生サービス系ではなく「働き方改革」においている点です。

同サイトが立ち上がった2017年当時、働き方改革を認知すらしていないユーザーを態度変容させるために、まずは「働き方改革とは」の単一キーワードで検索順位トップを獲得して大量のユーザーを確保。

記事内のCTAで、働き方改革に関する記事コンテンツを網羅的に提供しつつ、ユーザーが自社で働き方改革を実践するための方法を探し始めたところで、今度は記事末尾のCTAで「福利厚生サービス」の提案をしています。

福利厚生サービスの認知段階からお問い合わせまで、ユーザーの態度変容を一気に実現しているコンテンツマーケティングの好例です。

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ボーグルの成長秘話については、こちらもご覧ください
働き方改革や福利厚生などの主要キーワードで1位を獲得し続ける『ボーグル』成長の裏側

BOXILマガジン|比較・検討ワードで高いCV率を確保

サイト名ボクシルマガジン
企業名スマートキャンプ株式会社
対象コンテンツ勤怠管理システム価格・機能比較 – おすすめをカテゴリー別で76サービス紹介

スマートキャンプ株式会社の運営する「ボクシルマガジン」は、法人向けSaaSの無料比較や資料請求を行えるオウンドメディアです。

同メディアのコンテンツ「勤怠管理システム価格・機能比較 – おすすめをカテゴリー別で76サービス紹介」は、「勤怠管理システム 比較」をはじめとする複数の比較検討ワードで検索上位を取り続けています。

先述の通り、比較・検討の態度にいるユーザーを十分に確保できれば、企業としての成果は得やすくなります。実際に同コンテンツは、すでに勤怠管理ツールの導入意向の強いユーザーを獲得できているため、過度なCTAを用いなくても高いCV率で成果を上げている例です。

なお同社は、勤怠管理システムのサービス提供会社と直接契約を締結し、ユーザーがBOXILマガジンを経由して資料をダウンロードすることで、メディアの収益化へと繋げています。

ビギナーズ|比較・検討ワードから自社サービスへの送客最大化

サイト名ビギナーズ
企業名株式会社マーケットエンタープライズ
対象コンテンツサックスのレンタルサービス4社を徹底比較!安くお得に借りよう

株式会社マーケットエンタープライズが運用するビギナーズは、カメラ・家電・楽器といった幅広いアイテムをWebサイトから注文することで、最短3泊4日からレンタルできるネット型レンタルサービスです。

例えば「サックス レンタル」で検索1位(2020年3月現在)を取っている記事コンテンツ「サックスのレンタルサービス4社を徹底比較!安くお得に借りよう」は、すでに「借りたい」という比較・検討フェーズにある見込み客を効率良く獲得することで、高いCV率に貢献しています

なお、ビギナーズでは記事内で自社のレンタルサービス「ReReレンタル」への送客を行い、事業に貢献して間接的なマネタイズを軸としながらも、一部アフィリエイトをはじめとする広告を貼り付けることによって、直接的な収益化も行っています。

こちらも過度なCTAを用いることなく、事業貢献と直接収益化を両立しているコンテンツの好例と言えるでしょう。

V-CUBE|ユーザーニーズの最適化とコンテンツの戦略設計でリード獲得を最大化

V-CUBE公式サイトより

サイト名V-CUBE
企業名株式会社ブイキューブ
対象コンテンツテレワークナビ|導入のヒントを学び、働き方改革を実現する

株式会社ブイキューブは「テレワークで日本を変える」というスローガンを掲げ、Web会議システムやテレビ会議システム、セミナー向け動画配信サービスをはじめ、テレワークに関する様々なソリューションを提供しています。

本サイトではキーワード設定・戦略設計をユーザーニーズと照らし合わせることでコンテンツを最適化しました。

また、新型コロナウイルスの感染拡大によってテレワークのニーズが急速に拡大する前にしっかりとオウンドメディアでの受け皿を構築できていたこともあって、実際に「テレワーク」関連のキーワードでアクセスを集めることに成功し、同時にテレワーク=V-CUBEの認知付けにも成功しています。

その結果、約半年でセッション数も前年比で7倍、リード件数も10倍以上に成長。案件化率30%増、そして受注率も前年同月比で3倍増と、事業成長に貢献できている事例です。

検索をタッチポイントとしたユーザーニーズと提供しているコンテンツを、キーワード設定・戦略設計によって最適化することによってリード獲得の最大化を実現しています。

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ブイキューブの成功までの過程を詳しく知りたい方はこちらもご覧ください
半年間で「リード数10倍以上、受注率3倍増」と、爆速でBtoBベンダーのマーケ施策が成長したワケ

ソーシャルタッチポイント型

新規市場のためキーワードの検索母数が見込まれない場合や、ユーザーの口コミ効果が成果に繋がる場合は、SNSをユーザーとのタッチポイントとすることもあります。

yenta|成果の実証コンテンツでバズを創出

サービス名yenta
企業名株式会社アトラエ
対象コンテンツビジネスマッチングアプリ「yenta」で人脈が1ヶ月で100件超できた話

株式会社アトラエが提供する「yenta(イェンタ)」は、起業・出資・採用などに結びつくビシネスの出会いをサポートするマッチングアプリです。アプリダウンロード数の拡大という成果に対して、複数のタッチポイントでマーケティング施策を行いました。

2016年のリリース時には、ビジネスマッチングの社会認知度が低いという課題があったため、 人脈作りの悩みを抱えている潜在ユーザー層を対象としたビジネスマッチングアプリ「yenta」で人脈が1ヶ月で100件超できた話」という成果実証コンテンツを、リリース後の早い段階で配信。画期的な課題解決ツールとしての注目度を急速に高め、結果的に多くのダウンロード数を獲得しました。

なお記事内には、興味を持ってくれたユーザーの態度をもう一段階変容させるため、各章毎にyentaのアプリダウンロードボタンを設置しています。

各章毎のアプリダウンロードボタン

アプリ自体が簡単なステップでダウンロードできるため、CTAの中でも気軽なクリックに繋がっていると考えられます。

GLOVER Refer|”採用決定数4倍”の実例配信で認知を獲得

サービス名GLOVER Refer
企業名株式会社リクルートキャリア
対象コンテンツ【実録保存版】社員紹介からの採用決定数が一気に4倍アップした話

株式会社リクルートキャリアが提供する「GLOVER Refer」は、リファーラル採用(社員紹介採用)の仕組み作りをサポートするサービスです。

正式リリースがなされた2015年時点では、リファーラル採用が一般的に知れ渡っておらず、想定ユーザー層である人事担当者も採用難を抱えていました。

そこでWebサイト制作などを手がける株式会社LIGとの共同施策として、採用決定数アップの実績を記事コンテンツ「社員紹介からの採用決定数が一気に4倍アップした話」で発信。その解決ツールとしてGLOVER Referを紹介することで、サービスへのお問い合わせ最大化に貢献しています。

企業の人事や採用担当者は、社内だけでなく社外のカウンターパートとのコネクションが強いという特性を掴みつつ、無認知の状態から一気にツールの共有(Share)までの態度変容を促した事例です。

サイボウズ式|“新しい価値を生み出すチーム”のブランド連想を確立

企業名サイボウズ株式会社
対象コンテンツサイボウズ式公式サイト

“新しい価値を生み出すチームのメディア”をコンセプトに、働き方やマネジメント、ワークライフバランスといったテーマで情報を発信しているのが、サイボウズ株式会社が2012年に運用を開始したオウンドメディア「サイボウズ式」です。

タッチポイントはソーシャルとし、記事コンテンツに共感したユーザーの拡散によって「サイボウズには新しい価値を生み出せる組織体制を作るヒントがある」というブランド連想を勝ち取っています。

コンテンツ一本で勝負を仕掛けるのではなく、複数のコンテンツで成果獲得を狙う包括的なマーケティングを行なっていると考えられます。

コンテンツマーケティングの成功事例から学ぶ3つの法則

本記事で取り上げた事例の他にも、弊社は今まで多くのコンテンツマーケティングに携わらせていただきましたが、その中で、成功には3つの法則があるということがわかっています。

目的と成果が明確である

まずは、成果が明確だからこそ、成果を得るための適切な行動が取れるということです。

なんとなく作る、ただバズらせたい、とりあえず検索順位1位を取りたい。これらは全て、成果が定義できていなければ、正しいマーケティング施策として成り立ちません。コンテンツマーケティングで成功するには、目的や成果から逆算してコンテンツを作る必要があります。

例えばV-CUBEの事例では「テレワーク=V-CUBE」というイメージ戦略によってリード獲得の最大化を目指したい、という大きな目標がありました。

そのために「テレワーク」を主軸としたコンテンツ制作・サイトリニューアルを行うという手段をコンテンツマーケティングの施策として実行し、成果に繋がっています。

一発で終わりではなく、継続し改善し続けている

良いコンテンツは一朝一夕で出来上がったのではなく、作り手側が何十回、何百回と継続的にマーケティングの改善を重ね、ようやく辿り着いた結果です。

yentaGLOVER Referは幾度となくコンテンツを改善していますし、サイボウズ式も単発のコンテンツでは十分に認知されなくても、継続的にユーザーと接点を持ち続けることで確固たるブランドを構築しています。ビギナーズボクシルは、サイト内に様々なコンテンツが敷き詰まっていることがわかります。ボーグルも、以前よりコンテンツマーケティングの担当者が運営していたものを、さらに根気強くパワーアップしていった結果です。

何が言いたいかというと、コンテンツはたかが一本や何十本を作っただけで本当に意味のある成果を獲得できるものではなく、タッチポイントごとに切り分けて成果に紐づいた戦略を立てた上で、しっかりと計測・継続していかねばならないということです。

タッチポイントによって適したコンテンツ運用が行われている

タッチポイントがソーシャルの場合は企画が、また自然検索流入の場合はキーワードから読み取れるユーザーニーズの調査が、コンテンツマーケティング成功の鍵を握っています。

良質なコンテンツを作るためには、このようにタッチポイントによって戦略立てが変わってくるのですが、ご紹介した事例はどれも、奇をてらったアイディアや企画ではありません。それぞれに適したコンテンツ制作・運用が成果に繋がっていることがお分かりいただけたかと思います。

なぜ多くの企業は編集プロダクションやエージェンシーを活用するのか

ご相談いただく多くの企業様にも、すでにインハウスマーケターやライターがいらっしゃる場合がありますが、最後に、コンテンツマーケティングにおいてプロフェッショナルの力を必要とする意義について考えてみようと思います。

リソースが足りないから、ではない

ただコンテンツを作ることと、成果に向かってどう最短距離で走るのかといった戦略立ては、全くの別物です。

内部のリソース不足のために外部エージェントに依頼する手もありますが、むしろ新規にコンテンツマーケティングを始めるケースや予算が十分に確保されている場合は、コンテンツ作成をプロフェッショナルにお任せたいただいた方が、成果は出やすかったりします。

ソーシャルのタッチポイントの構築は難しい

ソーシャルをタッチポイントにする場合、成果の設定は言わずもがな、思うようにユーザーを態度変容させていくのは容易ではありません。

今の時代、著名人ではない一個人でも、ソーシャル上でバズを起こすことができるようになりました。しかしながら設計や企画からの質が伴っていないと、企業としての狙った成果を得るのは難しくなります。

ソーシャル上でバズを生み出せるコンテンツ制作者は、コンテンツ自体が肉厚で、自身のブランディングを巧みに活用しながらユーザーニーズに上手く訴求しているケースが多いです。結果、良質なリードの獲得やCVに繋がっているように見受けられます。

ただ「バズらせる」のではなく、「定義した成果に繋がるようバズらせる」のが難しいのです。

良質なコンテンツは作りづらい

クラウドソーシングを活用して記事執筆を依頼する場合、コンテンツの質には十分注意しなければなりません。

文字が書けるという理由だけでライター業に従事している方は多くいらっしゃいますが、企業が成果を共有せずに執筆だけ外注していては双方にとって実にならず、結果的に失敗しているケースが多いため、正直おすすめいたしません。

ビジュアル(写真)との兼ね合いなどユーザビリティが探求されている良質なコンテンツが欲しい場合は、プロフェッショナルに相談すべきだと考えています。

コンテンツSEO型は攻めやすいが中途半端では勝てない

検索をタッチポイントとするコンテンツマーケティング手法をコンテンツSEOと言いますが、同一キーワードでの競合は記事数にして1,000〜何十万本にものぼり、生半可なマーケティングではその中で1位を獲得するのは難しいのが現状です。

米国Advanced Web Ranking社によるデータ(2020年2月時点)では、狙ったキーワードで検索1位を獲得した際の平均CTR(クリック率)が、33.5%程度ということがわかっています。このCTRは10位で1%程度まで落ち込み、トップの記事とすでに30倍もの差があることが伺えます。

※月あたりの検索ボリュームが500以上のキーワードデータの国際平均CTR値(2020年2月時点)

「コンテンツは資産」とよく言われますが、検索で1位を取れなければ資産にはなりません。そこで勝つための最短距離を取る手段として、自社でしっかりと運用体制を回すためのインハウス支援や、そもそも勝つための成果指標やキーワードを設計していくコンテンツ制作代行があります。

コンテンツ制作をプロに任せる際に知っておきたいこと

なぜ多くの企業がコンテンツマーケティングにおいてプロフェッショナルの力を必要とするのか、その理由を知ると「自社でコンテンツ制作をするのは難しいのか」と考える方も多いかもしれません。

しかしながらプロに任せることを安易に決めてしまうことも、賢い選択とは言えません。あらゆる面から考えて総合的に判断して、コンテンツマーケティングの成果を出すための選択が重要になります。

例えば弊社では、コンテンツSEOの場合1本10万円からコンテンツ制作をお受けしています。

この値段設定のみを聞くと「高い」と思われるかもしれませんが、ここにはそれなりの理由と根拠があるのです。

コンテンツ制作で大切にすべきことは多々ありますが、プロに任せるにしても自社での制作にしても、最終的にはユーザーに寄り添い、突き詰めて考え抜かれたコンテンツが重要となります。

実際にプロがコンテンツ制作の際、何を重要と捉えているのか、どういった仕事をしているのかを知ることが、外部に依頼する際の判断材料になるでしょう。

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別記事「コンテンツSEOの記事制作価格が、1本10万円を超える理由」では、コンテンツ制作においてプロが大切にしているポイントや考え方をご紹介しています。ぜひ、あわせてご覧ください。

成果に照らし合わせて、最適な選択を

コンテンツマーケティングに絶対的な正解はありません。ただし、成果を出すために、今現在盛り上がっている領域や市場を意識する必要はあります。

例えば2020年2〜3月にかけて、コロナウイルス(COVID-19)の影響で日本政府や企業によりテレワークが推奨されました。これを受けて、テレワークに必要な「テレビ会議」「Web会議」の導入需要が急速に高まっています。

こうした場合、時流に即した「テレビ会議システム」や「Web会議システム」といったリモートサービスは、競合性は高まるにしろ、検索ボリュームが上がるため狙いやすくはなります。

しかしこれが10年前となると、テレワークは今ほど盛り上がりを見せていなかったはずです。

キーワードに設定しようにも、社会的ニーズがなければ検索からの流入を見込めません。であれば、タッチポイントをソーシャル型に切り替えてユーザーに新規市場やサービスを認知してもらう戦略を立てるなど、別の施策が必要になります。

つまり、獲得したい成果は何か、そしてその成果を取り巻く環境(社会情勢含む)や予算を見据えて、どのようなコンテンツマーケティングを実践していくのか。これらの設計は極めて重要になってきます。ここの設計がないがしろになったまま「とりあえずコンテンツを作ろう」と走り出すと、結局はコストの無駄となり成果に結びつきません。

もし、コンテンツマーケティングで成果を出すことを望むのであれば、まずは獲得したい成果をしっかりと定義づけ、その成果に合わせて最適な選択をしていきましょう。

この記事を書いたメンバー

MISATO AONAMI

青波 美智

Content Director

1992年生まれ。米系リサーチ会社Guidepointのシンガポール支部でのリサーチャー、現地教育情報誌の営業・Webプランナーを経て、独立。to Bの海外渡航コーディネーターとして活動する傍ら、HR、テレワーク、観光など様々な領域のオウンドメディアでコンテンツディレクターを兼任。 2020年4月よりMOLTSに参画し、子会社KRAFTに所属。オウンドメディアの制作ディレクションや、問い合わせや資料請求等のCVに結びつくコンテンツの設計を行う。

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