デジタルマーケティング実践ガイド|成果を倍増する12の実践方法
この記事でわかること
デジタルマーケティングとは、一言でいうと「データを活用したマーケティング」のことです。
インターネットが人々の生活に浸透し、消費者の行動データや実店舗のPOSデータだけでなく、Web上の行動データも具体的なものとして取得できるようになりました。マーケティング活動を進めていくうえで、これらのデータは効果的な施策の検討や改善に役立ちます。
しかし、デジタルマーケティングの手法は非常に多岐に渡ります。そのため、自社のターゲットを十分に理解した上で、自社の商材や市場環境・リソースなどと照らし合わせて、最適なデジタルマーケティングの手法を見つける必要があるでしょう。
本記事では、デジタルマーケティングとは何なのか?という基本的な知識から、具体的な手法、そしてデジタルマーケティングの実践手順について解説していきます。
実践する上での注意点も解説していますので、これからデジタルマーケティングを始めたい、より力を入れていきたいと考えている方は、ぜひ最後までお読みください。
デジタルマーケティングの基本
デジタルマーケティングとは、消費者の行動から得られる「デジタル化できる情報(データ)」を活用したマーケティング手法のことを指します。
活用されるデータには、消費者のWeb上の行動データやモバイル端末から取得した位置情報データに加えて、実店舗のPOSデータなどオフラインの消費者の行動データも含まれます。
これらの蓄積されたデータを分析〜検証することで、実行したマーケティング施策に対して、どのような効果があったのかを、「定量的」にそして「即時的」に判断することが可能になります。
例えば、新聞広告の場合は一度に多くの読者に広告を訴求することができます。しかし、具体的にどれくらいの読者に見てもらえたのか、結果的にどれだけ購買に繋がったのかといった費用対効果を、具体的に把握することはできません。
一方で、デジタルマーケティングの代表的な手法である「リスティング広告」や「ディスプレイ広告」であれば、出稿した広告に対して、
- どれだけリーチができたか
- どれくらい広告がクリックされたのか
- 顧客を獲得するのにいくら費用がかかったか
など、広告の成果計測をリアルタイムで行い、PDCAを回していくことができます。
また、Web上でのユーザーの行動把握だけでなく、リアルな消費行動のデータと融合させて、企業のマーケティング活動を最適化をさせていくことも可能です。
例えば、お店のレジで商品が販売されたときに記録される「POSデータ」を活用することで、「いつ」「どこで」「何が」売れたのかをリアルタイムで把握することが可能です。ポイントカードやアプリを活用して自社の会員としての購買履歴をとることで、顧客の年齢や属性データを組み合わせて分析を行うこともできます。また、「Tポイントカード」や「Ponta」といった加盟会員カードと紐付けることで、他加盟店での購買情報と組み合わせた分析も行うことも可能です。
このように、蓄積されたデータを分析〜検証することで、実行したマーケティング施策に対して、どのような効果があったのかを、「定量的」にそして「即時的」に判断することが、デジタルマーケティングの基本的な考え方と言えるでしょう。
デジタルマーケティングが注目を集めた背景

「デジタルマーケティング」は、2009年頃から広告代理店が「インターネットマーケティング」からシフトをして発信をし始め、2020年現在では多くの企業から高い関心を集め、「経営戦略の重要な要」として捉えられています。
では、デジタルマーケティングはなぜ注目を集めるようになったのでしょうか。
かつてマーケティングと言えば、チラシやカタログを利用した広告や、テレビCMやラジオCMを利用して幅広い層に認知を拡大させる「マス・マーケティング」、実店舗での「販売促進・PR」が主流でした。
しかし、インターネットの台頭、最近では「4G」「LTE」といった高速通信技術の発展やスマートフォンの普及により、消費者の購買行動は大きく変化しました。そこで台頭してきたのが、「デジタルマーケティング」の考え方です。
例えば、何らかの商品やサービスを購入しようと思った時に、消費者はWebサイトやSNSをチェックし、商品のスペックや口コミやレビューといった情報を把握した上で、実店舗に足を運ぶ・営業マンの話を聞きに行くといった行動を取るようになりました。
また、ECサイトやAmazon・楽天といったインターネット上のモールで購入まで至る「オンライン完結型」の購買行動も増えています。
そのため、消費者の行動を深く理解し、オンライン・オフライン問わずに「企業」と「消費者」がいかにコミュニケーションを取れるかが重要になってきたのです。
最近では、アプリ上で店頭で使えるお得なクーポンやキャンペーン情報を発信することで、実店舗へ誘導する「O2O(Online to Offline)」や、実店舗とオンラインの垣根を無くして様々な流通経路から顧客と接点をもつ「オムニチャネル」の重要性も高まっています。
Webサイト上の施策だけでなく、オンラインとオフラインを連携させて、いかに全体のマーケティング施策を最適化させていくかが、これからの企業の経営戦略に求められていると言えるでしょう。
Webマーケティングとの違い
デジタルマーケティングとよく似た言葉に、「Webマーケティング」があります。どちらも同じような意味合いで用いられることが多いのですが、厳密に言うとデジタルマーケティングは、Webマーケティングの上位概念にあたります。
▼THE MOLTSが考えるマーケティング・デジタルマーケティング・Webマーケティングの定義
マーケティング | 市場やターゲットを動かすこと |
---|---|
デジタルマーケティング | データの取得・活用ができるマーケティングのこと(オンラインかオフラインかに限らない) |
Webマーケティング | デジタルマーケティングのうち、Web上の施策に絞ったもの |
上表の通り、弊社ではWebマーケティングは、自社のWebサイトやECサイトといった消費者のWeb上の行動データを軸としたマーケティングであると定義しています。対して、デジタルマーケティングはWebサイト上に留まらず、オンライン・オフラインの様々なデジタルチャネルを含めた包括的なマーケティングのことと定義しています。
デジタルマーケティングの最新トレンド
デジタルマーケティングを語る上で、欠かせない2つの大きな動向があります。
一つは「新型コロナウイルスの影響」、もう一つは個人情報保護の観点から広まる「Cookie規制の問題」です。
新型コロナウイルスの影響で加速するデジタルシフト
新型コロナウイルスの影響で、今まで以上にデジタルマーケティングの重要性が高まりました。特に、実店舗への来店を軸とするビジネスモデルをもつ業界は、大きな変化を迫られることになりました。
顕著に現れたのが、「飲食業界」です。人と人との接触を防止する観点から、店内での飲食行為に一部制限が課せられたため、非常に大きなダメージを受けた飲食店は少なくありません。
そこで加速したのが、「Uber Eats(ウーバーイーツ)」や「出前館」といったデリバリーサービスや、Webサイト(アプリ)から事前に予約・決済した上でテイクアウトができるシステムの活用です。
日本全国にデリバリーサービスを展開する「出前館」では、感染症拡大防止のために在宅が推奨されるようになった2020年3月の月間注文数は約303万件となり、前年同月比の121%アップを実現しています。また、店舗からの問い合わせも平時の約3〜4倍に増加しました。
従来の収益の柱であった店舗への集客が見込めなくなったことから、デリバリーサービスやWebサイトなど、デジタル上でいかに消費者と接点を持つかが重要になってきていると言えるでしょう。
また飲食業界だけでなく、スーパーなどの食料品や日用品を扱う「小売業界」でも、新型コロナウイルスによって、ビジネスモデルの変化が起こりました。
このように新型コロナウイルスの影響で、もともとWeb上での集客を要としていた業界だけでなく、実店舗をもつ多くの業界でデジタルシフトが進んでいます。オンラインとオフラインを融合させて、いかにマーケティング活動全体の最適化を図るかが重要になってきています。
Cookieの利用規制により変化するターゲットとのコミュニケーション
近年、個人情報を保護する観点から、Webブラウザのログイン情報や、Webサイトを訪問したユーザーの情報を蓄積する「Cookie(クッキー)」の収集・利用が制限されるようになりました。
欧米では、2018年に「GDPR(EU一般データ保護規則)」、2020年には「CCPA(カリフォルニア州消費者プライバシー法)」が施行され、違反した場合には厳しい罰則が課せられます。
また日本でも、Cookie規制の流れは強くなっており、ユーザーの同意なしにCookieを収集することが、従来よりも困難になっています。
特に、ユーザーのWeb上の行動を追跡することで効果を高めるリターゲティング広告は、Cookieが規制されることで、大きな影響が出ることが予想されています。
このCookie規制に対して、「従来のようにデジタルマーケティングで成果を出すことが難しくなるのでは?」と懸念する声もありますが、Cookie規制は特定の企業だけに課されるものではなく、デジタルマーケティングを行う全ての企業に影響があるものです。
Cookie規制に対する情報や、実際の影響度に関して目を向ける必要があります。しかし、Webサイトを訪れたユーザーに会員になってもらい「1st party data(自社で保有するデータ)」を取得する、SNSのフォロワーや友達になってもらうなど、継続的にユーザーとコミュニケーションを取る方法は他にもあります。
Cookie規制が強まることでデジタルマーケティングの難易度が上がると考えるのではなく、業界トレンドや技術が変化していく中で、メッセージを届けたいターゲットに対して、どのような場でコミュニケーションを取るべきかを模索していくことが大切だと言えるでしょう。
デジタルマーケティングを推進していく前に必ず確認しておきたい「設定した目的がそもそも本当に目的になっているか」どうか
多くの企業が「何のためにデジタルマーケティングを推進していきたいのか」その目的まではなんとなく決まっているものの、いざその目的に対して再現性を問われると、解像度が低く目的の設定から見直さなければならない、といったケースが多くあります。
なぜこのようなことが起こるのか、一例を挙げてご説明していきます。多くの企業支援に入る中で、非常に大切なことだと考えているため、これからデジタルマーケティングをはじめようと思っている、また、検討を進めている方にはぜひ参考にしていただきたいと思います。
例えばとある企業が「会社全体の売上を10倍にしたい」といったミッションを掲げ、デジタルマーケティングの検討をはじめたと仮定します。本来ですと、その目的をゴールとし、達成するための戦略から実行を考えていくわけですが、ここで重要なことが、「設定した目的がそもそも本当に目的になっているか?」ということです。
売上を10倍にするため、現状を整理する際に、本来であれば以下のようなことを検討しなければなりません。
- 市場として現実的なのか
- 既存顧客のアップセル・クロスセルと新規顧客開拓はどういう割合で必要になるのか
ありとあらゆる方法を模索して検証した結果、そもそも売上を10倍にすることすら難しく、結論として5倍が現実的な目標だった、というケースに陥る場合もあるでしょう。
また、デジタルマーケティングの強みは、実行したマーケティング施策に対して、どのような効果があったのかを定量的に振り返り、その結果をもとに次の施策へ繋げることにあります。
施策を実行したとしても目的から間違っていれば、振り返りができず次の施策へと繋げることができません。
そのような事態に陥らないためにも、あらゆる角度から「再現性」がある目的の設定ができているかどうか、を確認する必要があるでしょう。さらに、目標設定をする際には効果検証ができるように「SMART」で考えなければなりません。
▼SMART
Specific | 具体的であること |
---|---|
Measurable | 計測可能であること |
Achievable | 現実的であること |
Related | 最終目標と関連していること |
Time-bound | 期限があること |
SMARTとは、目標設定のフレームワークであり、上記すべてを満たすものが適切な目標と言えます。
しかし、企業によっては以下のような原因により、適切に目的の設定ができないケースもあります。
- 社内で適切に市場調査が行えない
- STPが明確にできていない
- 戦略を立てるノウハウが社内にない
- 実行を実現するリソースが足りない
もし、上記のような原因によって適切に分析できないのであれば、外部パートナーにコンサルティングを依頼することも検討しましょう。
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デジタルマーケティングで用いられる12の手法
ここからは具体的に、どのような手法で消費者とのコミュニケーションを図っていくのか、その具体的な手法について解説していきます。
デジタルマーケティングと一言で括っても、その手法は非常に多岐に及びます。それぞれの手法で、メリットやデメリットがあり、得られる効果も変わってきます。
自社の商材や市場環境・リソースなどと照らし合わせて、最適なデジタルマーケティングの手法を見つける必要があるでしょう。
以下は、主なデジタルマーケティングの手法です。
1.リスティング広告
2.SNS広告
3.ディスプレイ広告
4.純広告
5.オウンドメディアマーケティング
6.SEO(検索エンジン最適化)
7.コンテンツSEO
8.メールマーケティング
9.アクセス解析
10.マーケティング・オートメーション
11.動画マーケティング
12.CRM
1.リスティング広告
リスティング広告(検索連動型広告)は、獲得したい成果に応じて予算や入札金額・クリエイティブなどを調整する「運用型広告」の一種で、「Google」や「Yahoo!」など検索エンジンを利用するユーザーに対して、広告を出稿する手法です。
ユーザーが検索するキーワードに対して出稿することができるので、ユーザーがどんな情報を求めているのか、どんな商品やサービスに興味を持っているのかを企業側が把握しやすく、コンテンツの設計がしやすいという特徴があります。
リスティング広告はSEOとは異なり、入札額次第で即日での入札したキーワードの上位表示が可能です。デジタルマーケティング施策の中では即効性があるため、すぐに効果を出したいというケースで有効です。
2.SNS広告
SNS広告は、FacebookやInstagram・Twitter・LINEといったSNSのプラットフォームに出稿する広告のことを指します。リスティング広告と同様に、運用型広告の一種です。
ユーザーのタイムラインやニュースフィードに自然に溶け込むことや、クリエイティブの手法が豊富なことから、比較的ユーザーに受け入れられやすい傾向があります。
また、ユーザが登録したプロフィール情報をもとに年齢や性別・勤め先・役職・学歴などでターゲティングを行い、狙っているターゲットに的確に広告を配信できるというメリットがあります。
リスティング広告とは異なり、ニーズが明確でないユーザーや、自社の商材をまだ知らない「潜在層(非認知層)」に広告を配信することで、新規顧客開拓に有効です。
3.ディスプレイ広告
ディスプレイ広告とは、「GDN(Googleアドネットワーク)」や「YDN(Yahoo! ディスプレイアドネットワーク)」などのアドネットワークを活用して、Webサイトやアプリの広告枠に配信する広告のことを指します。
ユーザーの目につく場所に出稿し、テキストを含めたビジュアルで興味を引くことで、サイトへの誘導やコンバージョンへと繋げます。リスティング広告やSNS広告と同じく、運用型の広告です。
費用は「クリック課金(CPC)」を採用することが多く、リスティング広告に比べて、CPCを安く押さえられる傾向があります。そのため、より多くのユーザーに広告を配信したいという場合に有効です。
また、自社サイトやLPに訪れた人・また既に会員となっている既存顧客をターゲットとして広告を配信する「リターゲティング(リマーケティング)」も可能です。すでに自社の商品やサービスを認知している可能性の高いユーザーを追跡して、広告を配信できるので、高いコンバージョン率を期待することができます。

デメリットとしては、どこの媒体に配信しているのかを広告主(出稿側)がコントロールしきれないので、場合によっては意図しないメディアに配信され、ブランドのイメージを悪くしてしまうことが挙げられます。
4.純広告
純広告とは、特定のサイトやアプリの広告枠を買うことで、広告を出稿する方法です。日本でトップクラスのトラフィックを集める「Yahoo! JAPAN」のトップページに広告を掲載するYahoo!ブランドパネル広告が代表的です。
純広告は、オークションで掲載される運用型広告と異なり、一定期間は必ず掲載されるため、短期間での認知拡大を目的としたキャンペーンなどに用いられます。
ただし、掲載自体に費用が発生してしまうため、配信後に思ったような成果が得られなくても、CPAを調整していくことが難しいというデメリットがあります。また、媒体によって効果が異なるため、ターゲットとするユーザーと、掲載する媒体との相性をしっかりと見極める必要があるでしょう。
5.オウンドメディアマーケティング
オウンドメディアマーケティングとは、ブログやWebマガジンなど継続的にメディアを運用することで、「自社が抱えている事業課題(もしくは採用課題)の解決を図る」手法のことを指します。
SEOやSNSなどから作成したコンテンツへの流入経路を作ることで、自社の商品やサービスの認知拡大やお問い合わせ・資料請求といったリード獲得に寄与します。

企業の伝えたいことを自由に発信できることや、トラフィックが集まった段階で「SSP」や「アフィリエイト」などを活用することで、メディア自体を収益化し、マーケティングツールとして自走させることができるといったメリットがあります。
ただし、継続的に質の良いコンテンツを作るための組織づくりやキーワード設計のノウハウが不可欠なことや、Googleの検索アルゴリズムのアップデートによってトラフィックが減少するリスクについて理解しておかなくてはなりません。
6.SEO(検索エンジン最適化)
SEO対策とは、ユーザーが検索エンジンで検索した際に、自社サイトのページを検索結果の上位に表示させるための施策です。主にGoogleとYahoo!の二大検索エンジンで、各キーワードに対してサイトを上位表示させることで、多くのユーザーの集客が見込めます。
SEO対策は以下の2つに分けることができます。
コミュニケーション領域 | 良質なコンテンツをユーザーに届け、その結果検索上位を目指すための施策 |
---|---|
テクニカル領域 | ページやWebサイトの情報を検索エンジンに正しく伝え、適切な評価をしてもらうための施策 |
現在のSEOでは「ユーザーにとって最も利便性が高い検索結果を提供すること」が重視される傾向があるため、いかにコンテンツを充実させて、ユーザー体験を向上させるかが重要です。
一般的なWeb広告とは異なり、質の高いコンテンツをストックさせていくことで、右肩上がりのトラフィックを作り出せます。ただし、Googleのコアアップデートをはじめ外的な要因によって、急激に順位が下がり、効果が出にくくなるというリスクも存在します。
7.コンテンツSEO
コンテンツSEOとは、ユーザーとの接点(タッチポイント)を自然検索においたコンテンツマーケティングの一つです。
「Google」や「Yahoo!」など検索エンジンから流入してきたユーザーに対して、コンテンツを用いてコミュニケーションを取ることで、次のアクションを促すことを目的とします。
例えば、「転職エージェント おすすめ」と検索するユーザーは、転職意欲があり、転職エージェントへの登録を検討している可能性が高いと推測されます。このようなユーザーに対して、自社の転職エージェントサービスの魅力や、他社サービスとの違いを訴求することで、会員登録やお問い合わせへといったアクションを促せます。
8.メールマーケティング
メールマーケティングは、見込み顧客や既存の顧客に対して、メールを用いてコミュニケーションを取る方法です。デジタルマーケティングの黎明期から行われている手法ですが、現在も有効であり、多くの企業で採用されています。
Web広告やオウンドメディアマーケティングと比較すると、コストがかからず、導入がしやすいというメリットがあります。
最近では、MAツール(マーケティングオートメーション)と組み合わせることで、顧客一人ひとりのニーズや熱量に応じて、メールコンテンツを出し分ける「One to Oneマーケティング」が主流です。
また、他社が保有している会員データを利用して、メール広告を打つ手法もあります。
例えばTSUTAYAやコンビニエンスストアで利用されるTポイントは、累計発行枚数が1億9000万枚に及び、会員数は2019年時点で7000万人を超えています。このようなデータベースを持つ企業と連携することで、自社で保有しているリードだけでなく、新規顧客に向けた広告施策を活用していくことができます。
配信したメールの開封率やサイトへの遷移率・コンバージョン率などを追っていくことで、効果的なデジタルマーケティングを行うことが可能です。
9.アクセス解析
アクセス解析とは、Web上のユーザー行動や属性を「アクセス解析ツール」を用いて分析し、サイト課題の発掘〜改善や、効果検証に繋げていく方法です。
例えば、コーポレートサイトやオウンドメディアを運用しているけれども、いまいち効果が出ないといった場合に、どんなユーザーがサイトに訪れているのか、またサイト上でどんな行動をしているのかを可視化することで、新たな施策を打つことが可能になります。
ただし、サイトのトラフィックやコンバージョンが極端に少ない場合には、効果的なアクセス解析が見込めません。一定の成果があるサイトをいかに伸ばしていくかといったフェーズで有効なデジタルマーケティングの手法と言えるでしょう。
10.マーケティング・オートメーション
マーケティング・オートメーション(通称、MA)は、企業のマーケティング活動において、マーケターが手動で行なっている膨大な業務を自動化して、効率を高めるシステムです。
MAを活用することで、
- リードを生み出す作業(リードジェネレーション)
- リードを育成する作業(リードナーチャリング)
- リードを選別する作業(リードクオリフィケーション)
このような一連の流れに対応し、業務を効率化させることができます。
また、大量のリードの中から受注確度の高い「今すぐ客(ホットリード)」を抽出することで、無駄のない営業活動に貢献します。

11.動画マーケティング
従来は、テキストや画像を中心としたコンテンツが主流でしたが、最近ではYouTubeやInstagramといった動画配信プラットフォームが普及したことから、動画コンテンツを活用して、消費者に訴求をする動画マーケティングが注目を集めています。
また、タクシーの車内ディスプレイに広告を配信する「タクシーサイネージ広告」も非常に好調で、数ヶ月先まで満稿(広告が出稿できない)になっているというケースもあります。
動画コンテンツは、テキストや画像に比べて、ユーザーに伝えることのできる情報量が多い「リッチコンテンツ」のため、より効率的に商品やサービスの理解を促進させることが可能です。
12.CRM
CRM(Customer Relationship Management)とは、日本語で「顧客関係管理」もしくは「顧客関係マネジメント」と言います。
一度購入してもらった顧客にリピートしてもらうために、顧客とコミュニケーションをとって関係構築していくことであり、最近ではその活動を効率的に実行するためのツールそのものを「CRM」と呼ぶこともあります。
以下は、新規顧客に対してリピート購入(F2転換)を促すための、CRM施策のシナリオ例です。

CRMツールを活用すれば、顧客情報を一元的に管理できます。そのデータから分析も行うことができ、顧客の購買傾向や自社の課題などを把握することも可能です。
その他の機能はツールによって異なりますが、顧客行動をスコアリングして購買の角度を数値化したり、顧客に合わせた適切な施策をレコメンドするAI機能が備わっていたりするため、マーケティングをサポートしてくれるツールと言えるでしょう。
デジタルマーケティングを実施する2つのメリット
デジタルマーケティングを実施するメリットには、主に以下の2つがあります。
データを活用して効果的な施策を講じられる
ターゲットを絞り込める
なぜデジタルマーケティングを行うのかをより深く理解するためにも、メリットを把握しておきましょう。では、詳しく解説していきます。
データを活用して効果的な施策を講じられる
前述した通り、デジタルマーケティングを実施することで、オンライン・オフラインに限らずデータを収集できます。収集したデータを分析することで、ユーザーニーズの把握や購買行動の傾向など、さまざまなことがわかります。
例えば、オウンドメディアマーケティングを実施した場合、ユーザーが流入してきた経路や、ページごとにどの程度コンバージョンに至ったかなど、サイト内での行動から分析と対策を行えます。

この例では、分析結果から以下のような施策を講じることができます。
- ページBの露出を増やすため、SEOの強化や広告への出稿を検討する
- このページのコミュニケーション内容を、別のページへ横展開する
POSレジの場合も、時間ごとの客層や客数、商品の売れ行きなどのデータを見ることができ、それに合わせた商品の入れ換えや在庫管理などが可能です。
また、改善を行った際の効果もデータで測定できるため、効果的にPDCAを回すことができます。
ターゲットを絞り込める
デジタルマーケティングを実施すると、年齢・性別・居住地などのユーザー属性を把握できます。そのデータから、自社のターゲットはどのような属性かを的確に把握することが可能です。
適切なターゲティングができると、そのターゲットに集中して投資ができるため、費用対効果の高いマーケティング施策が実施できるようになります。
デジタルマーケティングを始めるステップ
デジタルマーケティングを始める具体的なステップを解説していきます。
- ペルソナ・カスタマージャーニーマップを作成
- カスタマージャーニーマップをもとに施策を考える
- 施策に対してKPIを組み立てていく
- KPIのデータ計測方法を定める
- それぞれを実行して検証する
では、ステップごとに詳しく見ていきましょう。
STEP1.ペルソナ・カスタマージャーニーマップを作成
デジタルマーケティングに取り組む場合、ターゲットのことを深く知り、それをもとにコミュニケーションを考えて施策を検討することが重要です。
まずはペルソナを作成して、よりターゲットの解像度を高めていきましょう。
ペルソナを作る際は、ターゲットに詳しい人、もしくはターゲットに当てはまる人にヒアリングをおこなったり、実際の顧客データを分析したりして、「どのように心理状態が変化し、どのような意思決定をしてサービス利用に至るのか」というストーリーを組み立てます。
list-2※あくまで、本記事の解説で使用する例としてお考えください。
ユーザーのことをよく知る現場の営業担当者や、ターゲットユーザー自身にヒアリングを行って、解像度を高めていきましょう。既存顧客に関するペルソナを作る際は、CRMやSFAといったシステムに蓄積された情報も役立ちます。
ただしペルソナのストーリーは、全てのケースにおいて上記の流れになるわけではありません。事業内容に合わせて、ターゲットユーザーの心理状態や行動の変化を書き出すことが大切です。
次に、ペルソナ作成で組み立てた「ターゲットユーザーがサービス利用に至るまでのストーリー」を、カスタマージャーニーマップに落とし込み可視化します。
ペルソナのストーリーを心理状態ごとに区切り、それに合わせてユーザーが取るであろう行動やタッチポイントなどを、当てはめていきましょう。
▼例

※あくまで、本記事の解説で使用する例としてお考えください
「刺激」の欄では、その心理状態のユーザーに対してどのようなコミュニケーションを取れば態度変容が起こるのか(次の項目へ進められるのか)を考えます。
なお、このカスタマージャーニーマップに書くべき項目は事業内容やペルソナの内容によって異なります。縦軸と横軸に何を設定するのかを、慎重に考えましょう。
ペルソナとカスタマージャーニーマップの作成方法は、以下の記事で詳しく解説していますので、併せてご覧ください。
STEP2.カスタマージャーニーマップをもとに施策を考える
上記のマップをもとに、デジタルマーケティングのプロモーションやコミュニケーション内容を検討します。
「その時点のユーザーはどのような心理状態にあり、どこで接触できるのか」「そのユーザーに対してどのような刺激を入れて態度変容を促すのか」を考慮しながら施策を考えましょう。
例えば、上記のカスタマージャーニーマップの例では「美容液に関する情報収集」の段階にいるユーザーが、Google検索で美容液を探したり、美容インフルエンサーが紹介した商品を参考にしたりすることが分かりました。
そのタッチポイントに合わせて「Googleリスティング広告」「コンテンツSEO」「SNSマーケティング」といった施策を検討することが考えられます。
STEP3.施策に対してKPIを組み立てていく
施策を実施する前に、KPIツリーでKPIを組み立てましょう。
KPIツリーとは、最終目標を達成するための要素となるKPIを、数式(樹形図)にして可視化したものです。
▼KPIツリーの例

例えばInstagramで集客して、プロフィールに設置されている美容液のLPに誘導し、コンバージョンを獲得する場合は、以下のような形でKPIツリーを作成します。
顧客獲得数=「投稿の閲覧数」×「プロフィールへの遷移率」×「プロフィールのリンククリック率」×「LPからのCVR」
このように、目標達成に必要な指標を可視化することで「何をすればうまくいくのか」「何が失敗だったのか」「どこを改善すればよいのか」などを明確にすることができます。
以下の記事では、KPIツリーの重要性や設計手順を解説しています。併せてご覧ください。
STEP4.KPIのデータ計測方法を定める
KPIツリーを組み立てたら、次はそれを正しく計測するための方法を考える必要があります。
先ほどのInstagramの例の場合、
- LPからの獲得数(コンバージョン数やコンバージョン率)をどのように計測するのか
- InstagramからLPへの遷移率や、プロフィールへの遷移率をどのように計測するのか
を考え、データを計測する基盤を構築していきましょう。
STEP5.それぞれを実行して検証する
データの計測基盤が構築できたら、施策を実行していきましょう。
「とりあえず○○をやってみよう」という考え方で施策を実行すると、何が失敗だったのか、次に活かすためにはどうすれば良いのかを分析することができません。
「デジタルマーケティングを実施する2つのメリット」でも解説しましたが、デジタルマーケティングはデータを使ってPDCAを回し続けられることが最大のポイントです。
そのため、データを活用して施策を検討・実行し、その結果を効果検証して「さらに良くするには」「どのポイントがボトルネックになっているか」を把握できるかが、デジタルマーケティングで成果を上げられるか否かに結びつきます。
デジタルマーケティングに取り組む際には、マーケティングの知見だけでなく、データ解析や統計のスキルも必要になることを押さえておきましょう。
デジタルマーケティング予算の最適な配分とは?
ここまで、デジタルマーケティングの実践ステップを解説してきましたが、実際に複数の施策を同時進行する際に重要になるのが「限られた予算をどの施策にどれだけ配分するか」です。
多くの企業では、予算を各施策に均等配分したり、「話題の手法だから」という理由で予算を振り分けてしまい、結果的に費用対効果が悪化するケースが見られます。また、一度決めた予算配分を固定化してしまい、施策の成果に応じた柔軟な調整ができていない企業も少なくありません。
限られたリソースで最大の成果を得るには、施策の目的と成果指標を明確にした上で、過去データの分析から改善仮説を立て、成果に応じて柔軟に予算を再配分していく仕組みづくりが不可欠です。特に、ROASやCPAなどの指標を適切に活用することで、どの施策により多くの予算を投下すべきかを定量的に判断できるようになります。
MOLTSが実践する「脳内SEO型マーケティング」─ 年間600件の問い合わせを広告費ゼロで実現する7つの施策
デジタルマーケティングの効果を最大化するためには、単に各手法を実行するだけでなく、それらを組み合わせた独自の戦略が必要です。
THE MOLTSでは、前述した12の手法を独自の形で統合し、年間600件もの問い合わせを獲得しています。しかも、広告費をほとんど使わずにこの成果を実現しているのです。
MOLTSの戦略の核心は「脳内SEOで1位を獲得し続ける」という考え方にあります。これは、顧客が何か課題を抱えたときに真っ先に思い浮かべるポジションを確立することを意味します。その結果として、問い合わせの約2/3は知人からの相談や紹介によるものです。
これらを実現するために、クライアントに提供する「成果体験」を徹底的に重視し、プロジェクトでの結果にこだわる組織文化を構築しています。
MOLTSが実践するデジタルマーケティングの真髄
- 成果体験による「脳内SEOの最適化」 — 91%のクライアントが「成果が向上した」と回答し、89%が「知人へMOLTSを紹介したい」と評価。この好循環が広告費に頼らない持続的なリード獲得を可能にしています
- 多様な専門家による「ジャズ型組織」の構築 — 特定の施策に固執せず、データ分析、コンテンツ制作、メディア戦略など多様な専門家が連携し、クライアントの課題に応じた柔軟なアプローチを実現しています
- 「Result Driven」なカルチャーの浸透 — パッケージ販売を避け、案件ごとに独立採算制を採用することで、全メンバーが主体的に顧客の成果にコミットする仕組みを確立しています
デジタルマーケティングの成功事例
理解をより深めるために、実際にデジタルマーケティングの手法を活用し、売上拡大に成功した3つの事例について解説します。
「PV至上主義」から「成果主義」へ。リード獲得件数が26〜32.5倍に急成長できたオウンドメディア事例
ブランドビジョンに「Chance-Making Company」を掲げる株式会社ウィルオブ・ワーク。
もともとテレアポ文化が根強い会社でしたが、より効率的にリードを獲得するため、検索エンジンをタッチポイントとしたコンテンツマーケティングに取り組むことになりました。
コンテンツマーケティングの成果指標を法人リードの獲得に設定。そのターゲットが検索するであろうキーワードを洗い出すなど、0から戦略を練って記事を作成することに。
まずは早期にコンテンツ数を確保して検索エンジンからの流入を増やしていくために、デジタルマーケティング部のマネージャー自らが、3か月間毎日1記事を書くことになりました。
ただ記事を書くだけではなく、「この記事を読みにくる読者はどんな欲求を持ち、記事を通してどのようなベネフィットを提供することで満足してもらえるのか」を考え抜き、ユーザーのためになるコンテンツを作成しました。
とことんユーザーと向き合いながらオウンドメディア運営をし続けた結果、取り組みから約1年半で、毎月130件前後のリードを獲得できるまで成長しました。また、お問い合わせ件数が増えるだけでなく、オウンドメディア経由で獲得した問い合わせから、数億を超える売上を作り出すことにも成功しています。

TAISHI TERAKURA
Marketing Planner
業界歴10年以上。事業開発、オウンドメディア、コンテンツマーケティング支援を展開し、延べ100以上のプロジェクトを経験。藍染職人、株式会社LIGを経て、マーケティングプランナーへ。
MAツールの有効活用で昨年対比で獲得リード件数が138%の増加に成功

株式会社エルテスは「デジタルリスクに、盾を。」をキャッチコピーのもと、SNS炎上といった企業が抱えるデジタルリスクを解決するためのサービスを展開しています。
同社はこれまで、フィールドセールス主体による顧客獲得で成長してきた企業です。さらなる事業拡大には、デジタルリスクや商品への興味・関心が薄い潜在層へアプローチし、顕在層化するためのリードナーチャリングを行う必要がありました。
はじめに現状の課題を洗い出した上で、MAツールで何ができるのかを再確認。契約に繋がりそうなリードを、MAツールが自動抽出できている状態を目指すために、以下のステップでMAツールの有効活用のための土台を構築しました。
- Excelにエクスポートしたリード情報をもとに、受注につながりやすいリードを定義
- リードがMAツール上でどのような動きをしているかをすべて分析し、可視化
- 分析した結果と営業へのヒアリング内容に基づき、MAツール上でセグメントの設定
強固な土台を作り上げたMAツールを軸に、メルマガやホワイトペーパー、セミナーといった施策を展開した結果、昨対比で獲得リード件数を138%アップすることができました。

さらに、営業(フィールドセールス)のメンバーは、MAを中心としたホットリードの共有により、効率的なアポイント獲得が取れる状態になり、その結果商談に集中できるようになりました。
ゼロから自社ECを構築。事業フェーズに合わせてWeb広告を活用し、事業を加速
女性向け美容機器の開発〜販売を行うA社では、アマゾンや楽天といったECモールで商材の販売を行っていましたが、販売手数料がかかることや、他社との価格競争に巻き込まれることから、思うように利益が伸びないという課題を抱えていました。
そこで、ECモールではなく、自社でECサイトを立ち上げ、直接的な集客を見込む「D2C戦略」を開始。初期フェーズでは、自社の認知度が無かったため、獲得見込みの高いユーザーである「顕在層」のみをターゲットにリスティング広告の運用をスタートしました。
順調に利益が拡大したため、リスティング広告に加えて、自社サイトのリニューアルや、SEOコンテンツの制作・インフルエンサーの活用などのマーケティング施策に予算を配分。
リスティング広告ではアプローチしづらい潜在的なニーズを抱えているユーザーにも訴求することに成功。デジタルマーケティング施策を本格化し、わずか半年で、自社ECサイトの売上がECモールを上回り、自社EC単体での販売に移行することに成功しました。
デジタルマーケティングの担当者が心得ておくべきポイント
前章で説明したように、デジタルマーケティングには、様々な手法が存在します。なんとなく「やりやすそう」「やってみたい」といった理由で施策を進めても、思ったように効果が出ないこともあります。
本章では、デジタルマーケティングの施策を始める上で担当者が理解しておくべきポイントについて解説をしていきます。
ターゲットとなるユーザーを理解する
デジタルマーケティングは、「動画マーケティングがトレンドだからやってみる」「リスティング広告の費用対効果が良い」など、手法論ベースで議論され、実際に進められるケースが多くなっています。
しかし、デジタルマーケティングを始める前に、マーケティングの本質に立ち返り、ターゲットユーザーをしっかりと理解することが大切です。
例えば、転職サービスの新規事業でデジタルマーケティングを活用したい場合、転職意欲の高いユーザーとはどのような人で、オンライン・オフラインでどのような行動をしているのかといったペルソナの設計をする必要があるでしょう。
「マンションを買ったから、より給与の高い企業に転職したい」「子供が生まれたから福利厚生の整った会社で働きたい」など、ユーザーインサイトを深く理解していくことで、効果的なコミュニケーション施策や、デジタルマーケティングの手法を見つけていくことができます。
デジタルマーケティングは、始めれば必ず効果がでる「マーケティングの飛び道具」のように思われがちですが、しっかりとしたコミュニケーション設計がなされていなければ、成功に至るケースはありません。
「誰に」「どこで」「どのように」コミュニケーションを取るべきかを整理していくことが、デジタルマーケティングを成功に導く最初のステップと言えるでしょう。
その際は、このようなカスタマージャーニーマップの形に可視化することが有効です。
▼美容液を販売する企業が、ターゲットとのコミュニケーション設計を行うイメージ

デジタルマーケティングを活用する目的を明確にする
デジタルマーケティングの目的は、「資料請求やお問い合わせなどコンバージョン数を増やしたい」「LTVを向上させたい」「新規顧客を獲得したい」など、企業によってさまざまです。
この目的を定義することによって、投資した費用に対してどれだけデジタルマーケティング施策が有効であったかを判断することができます。
例えば、CPA(顧客獲得単価)が3,000円の広告で10件のCVが獲得できる場合と、CPA(顧客獲得単価)が10,000円の広告で50件のCVが獲得できる場合、どちらが効果的であったかは、そもそものデジタルマーケティングの目的によって判断が異なります。
「CPAをできるだけ抑えてコンバージョンを獲得したい」という目的であれば、前者の方が効果的と言えますし、「コンバージョン数の最大化が目的」であれば後者の方が効果的であったと言えるでしょう。
何のためにデジタルマーケティングを活用するのかといった目的の定義をすることで、各施策に対する適切な投資判断や効果測定を行うことができます。
内製化か外注か?適切なパートナー選択のポイント
ここまでデジタルマーケティングの手法と実践ステップを解説してきましたが、「実際に取り組みたいが社内に専門人材がいない」「どの施策から始めればよいか判断できない」と感じた方も多いのではないでしょうか。
デジタルマーケティングを成功させるには、完全に内製化する方法と、外部の専門パートナーを活用する方法があります。特に広告運用においては、媒体の仕様変更や最新トレンドへの対応が頻繁に必要なため、多くの企業が外部パートナーとの協業を選択しています。
ただし、外部パートナー選びで失敗すると、期待した成果が得られないばかりか、貴重な予算と時間を無駄にしてしまうリスクがあります。「ランキング上位だから」「価格が安いから」といった表面的な基準ではなく、自社の事業目標や現状の課題に適したパートナーを見極めることが重要です。
適切なパートナー選択の具体的な基準や注意点については、以下の記事で詳しく解説しています。
まとめ|デジタルマーケティングは的確な戦略立案とデータ計測環境の構築が重要
ここまで解説してきたように、デジタルマーケティングにはさまざまな手法があるため、目的を明確にしてターゲットとなるユーザーを理解したうえで、戦略を立てる必要があります。
目的を明確にしたら、それを達成するためには何が必要なのかを逆算して考え、施策を検討していくのですが、そもそも目的が課題解決に繋がっていない、目的に対する施策が適切ではないといったことはよくあります。
目的や施策が適切でなければ、デジタルマーケティングで大きな成果を上げることは難しいでしょう。
そのため、自社にデジタルマーケティングの知見やノウハウがないのであれば、プロに相談するのがおすすめです。外部に頼らず社内でデジタルマーケティングに取り組めるように、レクチャー・アドバイス・戦略立案などをおこなってくれます。
また、デジタルマーケティングでは戦略立案や効果検証をおこなうためにも、データの収集・分析が必須です。プロに依頼すれば、必要なデータを適切に収集できるデータ基盤構築や、現状を把握するためのデータ分析もおこなってくれます。
最短距離で成果を出したいのであれば、ぜひデジタルマーケティングのプロに相談してみてください。
著者情報

KENGO MATSUO
Marketing Strategist / Consultant
業界歴17年以上。デジタルマーケティング戦略設計・運用型広告(月額広告費10万円から数億円まで)を中心に支援。新規事業のテストマーケや計画設計も含め、様々なフェーズの支援を経験。
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