株式会社ギフティ
AIで「つくる」を変え、人が「成果」に向き合う。「giftee for Business」、コラム経由の商談数が約1.7倍に至るまで

Summary
- 概要
- デジタルギフトを活用した法人・自治体向けサービス「giftee for Business」を展開するギフティ。2024年に始まったオウンドメディアの運用から、2025年4月の生成AIを組み込んだコンテンツ制作体制への転換まで、AIを「副操縦士」と位置づけ、人を主体に成果を高めてきた取り組みを振り返ります。
- 業種
- 販促・マーケ
- 従業員規模
- 101名以上 - 500名以下
- ビジネスモデル
- BtoB オンラインサービス・SaaS
デジタルギフトを活用した法人および自治体向けサービス「giftee for Business」を展開する株式会社ギフティ。「giftee for Business」の累計導入案件数は86,000件を超え(2026年6月末時点)、企業が行うキャンペーンのインセンティブやアンケート謝礼といったプロモーション用途から、企業間の季節の挨拶、福利厚生・営業報奨、自治体による住民支援まで、デジタルギフトの活用領域を広げ続けられています。
今回の取り組みでは、2024年のマーケティング組織の拡大期に始まったオウンドメディアの運用、そして2025年4月からの生成AIを組み込んだコンテンツ制作体制への転換やBtoBマーケティング全般のご支援まで、株式会社THE MOLTSにお任せいただきました。
今回は、同社で本プロジェクトのローンチを指揮した四方田 惇氏、生成AI導入時にコンテンツ編集を担っていた宮田 浩平氏、現在、戦略立案から運用全般を担う田中 伶奈氏、そして本案件を担当したTHE MOLTSの永田 さおりを交えて鼎談。生成AIをCo-pilot、いわゆる「副操縦士」と位置づけ、あくまで人を主体としながら、AIを活用していかに業務の効率性を高めていくか。そのチャレンジングな取り組みと、そこから生まれた成果について語っていただきました。
用途も商材も、向き合う業界も多種多様。「一般解」が通用しないマーケティングの難しさ

永田:ギフティさんは、2010年に設立後、翌2011年に個人間で気軽にギフトを贈り合えるカジュアルギフトサービス「giftee®︎」を開始。その後、2016年にはデジタルギフトを活用した法人・自治体向けサービスである「giftee for Business」を立ち上げられました。今回は「giftee for Business」のマーケティング支援をさせていただきましたが、そのサービス概要やマーケティング課題について改めて教えてください。
四方田:まず、「giftee for Business」におけるギフトの活用領域は大きく3つあります。
一つ目が、企業のキャンペーンにおけるインセンティブや、アンケート謝礼などでの活用です。私たちはこれを「Promotion Gift」と呼んでいます。
二つ目が、2022年から展開している「Corporate Gift」です。企業が、取引先や顧客、従業員に対して関係性構築・関係性強化を目的として感謝の気持ちを表すために贈るギフトのことを言います。取引先・顧客向けであればお中元・お歳暮をはじめとするシーズナルギフトや周年事業など、従業員向けであれば福利厚生や営業報奨などの用途で活用いただいております。
三つ目が、自治体が住民支援等を目的に生活者に向けて贈る「Government Gift」も展開しており、幅広い領域で活用されています。
そして、ギフトの活用領域だけでなく、私たちが提供できるギフトコンテンツやソリューションも幅広くご用意しています。ギフトコンテンツは、デジタルギフトに限らず、「体験ギフト」や「良質なモノ」「Swag®︎(※)」などもありますし、ソリューションでは、SNSキャンペーンの抽選システムやアンケートのシステム提供などがあります。企業・自治体のニーズに合わせて必要なギフトコンテンツやソリューションが異なるため、一口に「ギフト」と言っても、実際にご提案できる範囲はかなり広いんです。ひとつのサービスでありながら、ギフトからソリューションの提供までを一気通貫で提供でき、活用領域や用途も多様で、向き合うお客さまの業界や職種も多岐にわたります。
マーケティングとしては、基本的に一定以上の企業規模のお客さまを主なアプローチ先として設定していますが、これだけ用途やニーズが多岐にわたり、提供しているギフトコンテンツやソリューションが幅広いと、一律のマーケ手法や切り口では、お客さまへの提案の角度がどうしても浅くなってしまう。これが「giftee for Business」のマーケティング課題の一つではありました。
※ロゴやコーポレートカラーなどその企業らしさが込められたオリジナルグッズのこと
永田:そうした課題がある中で、今回、オウンドメディアである「giftee for Business」公式サイトの「コラムページ」の強化を目指された理由を教えてください。
四方田:企業のお客さまにも「ギフティはデジタルギフトの会社」というイメージを一定持っていただけていた一方、デジタルギフトを活用することで自社のどのような課題を解決できるのか、どのようなメリットが得られるかまでは、なかなかイメージしていただけていない状況でした。
そこで、オウンドメディアを活用してまずは「giftee for Business」の公式サイトに訪問いただき、具体的なユースケースを知っていただこうと考えました。そして、「自社でもこんな活用ができそうだ」「〇〇の課題解決にはデジタルギフトが効果的かもしれない」と、具体的な活用イメージを持っていただくことで、インバウンドでのリード獲得を増やす、というマーケティングの目的にもつながります。そのためにも、まずは公式サイトへの訪問数そのものを増やす必要があった、というわけです。
大手と比較し、最後は「直感」でTHE MOLTSを選んだ
永田:では、そうしたオウンドメディアの強化を進める中で、THE MOLTSにお問い合わせいただいたきっかけや経緯についても教えてください。
四方田:THE MOLTSさんが属するTHE MOLTSグループは前職時代から存じていました。前述した通り、「giftee for Business」のマーケティングにおける特有の課題をどう解決するか、悩んでいたときにふと思い出して調べてみたら「永田さんっていう凄そうな人がいるぞ」となって(笑)。
THE MOLTSグループには様々なケイパビリティを持った方々が在籍し、それぞれの自主性を重んじていらっしゃると伺っていたので、逆に言うと「問い合わせたら、実際に誰が担当になるんだろう」という不安も大きかったのです。しかし、問い合わせフォームの時点でコンサルタントを指名できたため、「この人に相談できる」と分かった上で、安心して問い合わせることができました。
永田:ありがとうございます!初回の打ち合わせでは、分厚い提案資料を持参するのではなく、「目的を何に据えるか」「達成指標をどこに置くか」を1枚の紙にまとめた上で議論を始めさせていただきました。ちなみに、当時は他社様とも比較検討されていらっしゃったのでしょうか。
四方田:SEOを得意とする大手企業を含め、数社からお話を伺いました。私たちのように「一般解」がハマりにくいマーケティングに一番向き合ってくれる会社を探していたので、正直なところ、最初から「お願いするならTHE MOLTSさんだろうな」と思いながら各社のお話を聞いていました。
永田:そのうえで、最終的に弊社に決めていただいた決め手は何だったのでしょうか?
四方田:サービスそのものの筋は非常に良いものの、それをマーケティングのチャネルに乗せたときに、どうグロースさせていくのか。その勝ちパターンを一から見つけて構築していかなければいけないこの作業は、泥臭い仮説検証の繰り返しですから結果に結びつかないことも多く、かなり精神的にもタフさが求められるプロセスです。だからこそ、パートナーには、そのしんどさを“面白い”と思えるかどうか、「絶対に成果を出す」という意気込みを持って取り組んでくださるか、その点を重視していました。
実際に永田さんとの打ち合わせでは、単刀直入に「giftee for Businessは、どうしたら伸びるだろうか」という会話から始まりました。そして永田さんは「何をKPIに据えるのか」「成果をどう検証し、PDCAを回していくのか」といった、施策以前のマーケティングの仕組みそのものから一緒に考えていきましょう、というスタンスだったんです。単にSEOの施策を提案するのではなく、事業をどう伸ばすかというところから一緒に向き合ってくれる。その姿勢が最終的な決め手となり、正式に依頼させていただきました。
「AIだから」の反発はなかった。なぜなら「最後は人」の認識が合致していたから
永田:取り組みが始まって間もない2024年末頃から、THE MOLTSでは生成AIをオウンドメディアの記事の制作プロセスに組み込む構想を温めていました。そして2025年4月、どのクライアントさんよりも先んじてご提案したのがギフティさんです。
しんどい試行錯誤が続くことが前提で、プロンプトも改良し続けなければいけない。そうした苦労も含めて、ギフティさんであれば一緒に取り組んでくださるだろうと考えていましたが、私から提案した当時は、率直にどのような印象を持たれましたか?
四方田:私が永田さんに期待していたのは、AIやツールを導入すること自体ではなく、事業が成長する構造と仕組みづくり、そして実際に成果を出すことでした。それに対してAIの導入がベストな判断なのであれば「ぜひやるべき」だと思いました。
もちろん懸念が全くなかったわけではありませんし、もしAIが自律的にコンテンツを制作し、ほぼ人のコントロールを介さず公開まで行うようなプロジェクトであれば、もっと慎重に進める必要もあったかと思います。ただ、ご提案いただいた当初から、永田さんとは「最終的にはクオリティを担保すべきは人である」という認識が一致していた。だから、「AIだから抵抗がある」といった議論は、ほとんどしていません。
どこか“人らしさ”のない原稿。AIが「ギフティらしさ」を習得するまで

永田:「AIとオウンドメディア」と聞くと、記事の企画から公開まで、すべてをAIに任せる姿を想像されるかもしれません。ですが、当時の提案から現在の取り組みまで、その逆の考えでした。
記事の構成案や初稿の作成、リライト、レポーティングといった作業はAIが支援する。一方で、「何を書くべきか」という企画や編集、ファクトチェック、トーン&マナーの確認、公開の判断などには必ず人が介在し、意思決定を行う。いわゆる「ヒューマン・イン・ザ・ループ」の考え方で、人とAIの役割を明確に線引きしたことは、大事なポイントでした。
そして、いきなり記事の量産はせず、まずは1本だけAIで記事を書いてみて「これは及第点なのか」「何が足りないのか、率直にフィードバックしてほしい」と、通信社記者・メディア編集者のご経験がある宮田さんにお渡しするところからスタートしました。
宮田:最初の1本はよく覚えていますね。日本語として破綻はしてはいなかったのですが、これまで作ってきたコラムと比べると「これはAIが書いた文章だな」とすぐに分かる記事ではありました。
たとえば、何事も断定的に書いてしまっていたり、本来であればソースをきちんと示すべきところを、そのまま企業やその発言をした人の言葉として言い切ってしまっていたり。人が記事を書くと、普通、「これは本当にここまで言い切ってしまってよいのだろうか」「この表現は誰かに誤解を与えないだろうか」と迷う瞬間ってあると思うんです。そうした書き手の迷いや逡巡は、自然と文章の筆致にも表れる。それが人らしさ、につながる。
最初に共有いただいたAI作成の記事は、そうした“人の迷い”がほとんど感じられなかった。文章としては成立しているけれど、すごく人間らしさのない記事だな、というのが最初の印象でした。

宮田:そこからの改善は、とにかく泥臭いプロセスでした。AIが作成した原稿に私が赤を入れ、そのフィードバックをAIに学習させる。改善されたAIが次の原稿を作成し、また私が赤を入れて、AIが学習するーーこういったサイクルを何度も繰り返していくうちに、初稿のクオリティが加速度的に改善されていきました。これもAIの力なのかと、学びの多い経験でしたね。
また、SEOにおいて重視される考え方の一つに「E-E-A-T(※)」がありますが、これを担保するためにも、まだ言語化されていない社内のユニークなノウハウやナレッジを記事に落とし込んでいく必要がありました。そこで、カスタマーサクセスや営業のマネージャーに30分ほどお時間をいただき、永田さんに直接ヒアリングしていただく場を設ける取り組みも実施しましたね。
※E-E-A-T:Experience(経験)、Expertise(専門性)、Authoritativeness(権威性)、Trust(信頼性)
永田:オウンドメディアにAIを取り入れたことで、想定していなかった副産物もありました。これまで、「コラム」というアウトプットにおける「ギフティらしさ」は、少なからず担当者の属人的な感覚に支えられていた部分があったと思います。しかし、その「ギフティらしさ」をAIに教えるためには、フィードバックを一つひとつ言語化しなければなりませんでした。
結果として、AIを活用してコンテンツ制作に取り組んだからこそ、これまで暗黙知だったコラムにおける「ギフティらしさ」が明文化されていったように思います。そして今、ギフティ様の担当が宮田さんから田中さんに変わった後も、そうした「ギフティらしさ」やトンマナの部分で大きな修正が発生することなく、スムーズに記事制作を進められていると感じています。
田中:確かに、私が宮田さんから業務を引き継いだ時点で、「ギフティらしさ」はすでに確立されていたように感じますね。漢字の「閉じ開き」のような細かい表記ルールはもちろん、「ギフトに関する専門性や知見はきちんと伝えつつ、決してアロガントにはならない」という絶妙なトーンまで、AIが作成する初稿に自然と反映されていたのには驚きました。
こうしたニュアンスは、言葉で一から引き継ごうとしても難しい部分もあると思うので、それがすでにAIに蓄積されていたのは、後任としても非常に助かりました。

AIを組み込んだコンテンツマーケで、商談数は約1.7倍に。売上への貢献も可視化

永田:2025年4月からAIを組み込んだマーケティングにシフトし、記事の新規制作とリライトに加えて、ホワイトペーパー(WP)の制作、既存記事のCTAの見直しと、施策の幅を広げてきました。2026年9月時点では、どのような成果が得られているのでしょうか?
田中:大きく3つの成果があります。
1つ目が、制作できる記事本数が、AI活用前と比べて月間で約3倍になったことです。オウンドメディアの予算は変わっていませんが、AIを取り入れたことで、同じ予算の中でも約3倍の記事を制作できるようになりました。
2つ目は、商談数の増加です。AI活用前と比べて、コラム経由の月間商談数はおよそ1.7倍に増えています。3つ目が、AIにコンテンツ制作を任せられるようになったことで、「効果測定や分析など、コンテンツをつくった“その先”の業務に、より時間を割けるようになったこと」です。
たとえば、先ほどお話しした商談数の増加。その背景の一つに、CTAの改善があります。現在、約100件のCTA改善を、確認作業まで含めて1週間ほどで回していますが、これもAIを活用することで実現できるようになったことですね。また、以前はCVを獲得した後、実際にどれだけ商談につながったのかまで、十分に振り返ることができていませんでした。それが直近では、どのWPを起点に、どのような商談が生まれているのかまで、データをもとに振り返れるようになっています。
AIによって単にコンテンツ制作が効率化されたというよりも、人が「つくること」に追われず、「どう成果につなげるか」に向き合えるようになった。そこが大きな変化だと感じています。
またこれらの成果は、そのすべてがAIだけによるものではないとも思っています。たとえば永田さんからは、「既存のWPがこれだけ揃っているのであれば、資料請求をCTAに据えて、そこから逆算してCVにつながりやすいキーワードの記事を積極的につくっていきましょう」といった足元の施策提案から、「『人気のギフト○選!』といった一般生活者からの流入が多い記事を、法人向けオウンドメディアとしてどう評価すべきなのか」といったKPI設計まで、一緒に考えていただいています。
こうして、施策の実行支援から、その前提となる戦略まで一気通貫でコンサルティングしていただいたことが、成果につながっているのだと思います。
永田:ちなみに、これまでを振り返ると、施策の物量とスピードを止めなかったことが、成果につながったと感じています。四方田さんは、どのように感じていましたか?
四方田:「giftee for Business」公式サイトのドメインパワーを強化していく上で、当時はまだ、ひたすら「勝ちパターン」を見つけていくフェーズだったと思っています。だからこそ、とにかく手数を増やして、試行錯誤を重ねる必要がありました。
すでに勝ちパターンが見えていれば話は簡単なのですが、今回は、そもそも何が勝ちパターンなのかを一緒に探していくフェーズでした。そのため、「どれが当たるか分からないんだったら、全部やろうよ」というのは、永田さんも私も同じ考えだったと思います。
永田:そうですね。私も当時、御社のフェーズとしては、まずは数をこなし、試行回数を増やしていくことが最優先だったと思います。ただ、クライアント様がどのようなフェーズにあっても、私が一貫して大事にしているのは「1秒でも無駄にしないこと」です。たとえば、100本の記事すべてのCTAを今日中に差し替える必要があるのであれば、今日中にやり切る。1日でも後ろ倒しになれば、その分だけクライアント様の機会損失につながるわけですから。
そのスピードを実現するために、AIに任せられる作業はAIに任せ、人は品質の担保や判断に集中する。今後も私たちとしては、AIをCo-pilotとしてフルに活用しながら、人にしかできない部分にしっかりと向き合い、クライアント様の課題に対して120%の成果を出していきたいですね。
「本質」に向き合い「数字」と「成果」にコミットする。THE MOLTS流のマーケティング

永田:最後に、今後の展望ないしはコンテンツマーケティングに課題を抱えていらっしゃる企業の担当者へ、アドバイスをお願いします。
田中:展望としては、より事業にきちんと貢献できるオウンドメディアをつくっていきたいです。ギフト市場は、法人からのCVを構造的に伸ばしていく難しさもあるので、そこは今後も、永田さんと一緒にこの難しさを楽しみながら考えていきたいと思っています。
宮田:「数字」や「成果」にここまでコミットしてくださる方にはこれまでお会いしたことがなく、本当にさまざまなことを学ばせていただきました。同じように成果にこだわってマーケティングに取り組みたい方は、ぜひTHE MOLTSさんにご相談してみることをお勧めします。
四方田:永田さんは、最初にご提案いただいたときから、AIを取り入れるようになった今に至るまで、一貫して「本質」に向き合っていて、そこがまったくブレていない印象があります。
極端な話ですが、もしSEOで成果が出ないと判断したら、永田さんなら「SEOはやめましょう」と、はっきり言ってくれる気がしています。SEOやAIといった手段ありきではなく、常に「事業にとって何が一番よいのか」を考えてくれている。そうした信頼感は、最初にご相談したときから変わらず、今も持ち続けています。
永田:率直なご意見も含め、さまざまなお話をお聞かせいただき、ありがとうございました!
担当者

Marketing Project Lead
永田 さおり
SAORI NAGATA
業界歴10年以上。オウンド・コンテンツマーケティングを中心に100社以上を支援。現在はデジタルマーケティングの立ち上げから実行、組織開発・コミュニケーション設計までの総合支援を行う。
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