「広告インハウス化のAI活用=自動化」と思っていたが、CV1.6倍事例を聞いて目が覚めた話
先日、社内のAIケーススタディ会で、とある先輩から「広告運用のインハウス化プロジェクト」に関する発表がありました。
毎月広告代理店に支払っていた数百万円の運用代行費をそのまま広告投資に回し、CVは1.6倍、CPAは30%減と、圧倒的な成果につながっていた事例です。
「広告運用のインハウス化にAIを活用する」と聞くと、クリエイティブの量産、入稿の自動化、レポートの自動生成など、「オペレーションを自動化して速くすること」につい着目しがちです。しかし成果を上げるために先輩が最初に手をつけたのは、そこではありませんでした。
ブレずに向き合っていたのは、「成果に対するボトルネックはどこか」だったんです。
最初に手を入れたのは、レポートの設計だった
このクライアントはインハウス化に踏み切る以前、検索広告とディスプレイ広告でそれぞれ代理店が分かれていました。
レポートには数値が並んでいる。でも、目標に対して達成ペースなのかどうかが、そもそも書かれていない。媒体ごとにデータが分かれていて、媒体レポート上のCVと計測ツール側のCVで数値差もある。事業側が一番知りたい「いま目標に対してどこにいるのか」に、どのレポートも答えていない状態でした。
これは「レポートが見にくい」という表面的な課題ではありません。事業側が「この数字は良いんだっけ悪いんだっけ」を判断できない。そうなれば、成果につながる打ち手を打つことはできません。
だから先輩はインハウス化にあたり、AIでクリエイティブを作るでも、AIで入稿を速くするでもなく、まずはレポートの設計そのものに手を入れました。
目標に対する進捗がコメントつきで一目でわかり、「ここが警戒ライン」といったアラートまで差し込まれた横断レポートを、AIで自動生成。広告にあまり詳しくないメンバーも、「目標に対して今の状態がどうなのか」を自分で読めるようになりました。
CV1.6倍・CPA30%減という成果は、このインハウスの基盤ができて初めてついてきたものです。
自動化する前に、詰まっているところを直す
AIを使って広告を作る。レポートを自動化する。入稿を速くする。そうした施策は分かりやすく、すぐに手をつけやすいものです。だからこそ、そもそも向き合うべき「ボトルネック」が深掘りされないまま、プロジェクトが進んでしまうケースがあります。
でも、目標に対する進捗すら読めない状態でクリエイティブや入稿だけAIで自動化しても、成果にはなかなかつながりません。
問題点を全部並べて、クリティカルなところにリソースを寄せて、直していく。なんでもかんでもオペレーションを自動化するのではなく、成果に対するボトルネックから潰していく。この順番を間違えないことこそが、今回一番学びになったところです。
本来の目的は、成果の創出。AIはあくまで手段。まずはどこがボトルネックなのかを見極めてから、AIをどう効かせるかを考える。その順番を決して間違えないよう、心に留めておきます。
記事をシェア





