アトリビューションとは?広告における必要性や成功事例を解説
この記事でわかること
- そもそもアトリビューションとは何か、分析の必要性
- アトリビューション分析に向かないケース
- アトリビューション分析を自社で始めるための3ステップ
コンバージョンへの経路が複雑化・多様化している現代において、広告の効果計測を正しく行うことの重要性が増しています。最終的にコンバージョンに到達したメディア(広告)だけでなく、消費者がその前に接触したメディアにも適切な評価を与える必要があります。
本記事では、広告の間接的な貢献を分析する手法「アトリビューション」について、基礎知識から分析の必要性、そしてアトリビューション分析を自社で始めるためのステップについて解説していきます。
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アトリビューションとは?

アトリビューション(Attribution)とは、「間接効果」とも呼ばれ、ユーザーが最終的にコンバージョンに至るまでに、間接的に影響を与えた「流入チャネルごとの貢献度合い」を正しく測定するために用いられる分析方法です。
多くの場合、消費者は広告やメディアと接触し、即座に商品やサービスの購入に至る訳ではありません。ブランドや商品を認知し、時間をかけて情報を集めながら興味や関心を高め、最終的に購入という意思決定に至ります。
高単価商材になるほどこのプロセスは長期化する傾向にあり、消費者が自動車を購入するには3ヶ月の間に、約900回デジタルコンテンツ(メーカーサイトや比較サイト、Web広告等)と接触すると言われています。
スマートフォンが普及し情報が簡単に手に入る現代において、ユーザーが最終的に購入の意思決定をするまでのストーリーは複雑化し、一つの広告ではなく複数の広告が間接的に作用することが多くなっています。
それぞれの広告がユーザーの意思決定に、どれだけ影響を与えたのかを「終点モデル(ラストクリック評価)」や「起点モデル(ファーストクリック)」「線形モデル」など、成果分配モデルに当てはめて評価を行うのが、アトリビューション分析です。
アトリビューション分析の必要性

デジタルマーケティング界隈をはじめ、近年アトリビューション分析の必要性について議論される機会が増えてきました。では、なぜアトリビューション分析が必要なのか、分析のメリットを交えながら解説していきます。
ラストクリックのみの測定では、正しい広告評価ができない
一般的に広告の効果を測定する際によく用いられるのが、コンバージョンを軸とした方法です。しかし、この方法は、最終的にコンバージョンに繋がった広告のみしか評価することができません。
「ユーザーが商品やサービスを知るきっかけとなった広告」や「買いたい気持ちをより強めた広告」に関しては、どうしても評価が低くなってしまい、場合によっては広告の配信を停止するなど、間違った施策に陥ってしまうケースが出てきます。
アトリビューション分析を行うことで、その広告自体のコンバージョン発生率は低いものの、最終的なコンバージョンに寄与している広告を発見でき、プロモーション全体の最適化を図ることができるでしょう。
認知促進のための、最適な広告アロケーション(予算分配)に役立つ
また、直接的なコンバージョンに繋がらないものの、認知や興味喚起に貢献している広告に対して、いくら投資すれば良いのかという「広告アロケーション」の設計にも役立ちます。
例えば、とある自動車メーカーが新しく発売した車種の売上を促進するために、Web広告を運用したとします。ディーラーへの来店予約をコンバージョンとした時に、「具体的な車種名」で検索するユーザーに対して、リスティング広告を表示することができれば、ラストクリック評価で高い評価を受けることになるでしょう。
しかし、この方法では、既に具体的な車種名を知っているユーザーにしか訴求することができず、コンバージョン数の最大化という視点から見ると、成果に限りが出てきてしまいます。
コンバージョン数を最大化するためには、車種のターゲットとなるユーザーに認知を促進するための広告が必要になってきます。アトリビューション分析を活用することで、これらの認知促進の広告にいくら投資するべきなのかを、データを元に正しく判断できるようになります。
このようにアトリビューション分析は、限られた予算をどのチャネルや媒体に分配すべきかの判断軸になります。
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アトリビューション分析に向かないケース
アトリビューション分析は、広告を正しく評価するために有効な分析方法ですが、日用品の通販サイトや、引越業者比較サイトなど、コンバージョンまでの検討期間が短いサイトでは、あまり分析の意味がありません。
アトリビューション分析は、ユーザーが広告・SNS・SEOなど様々なチャネルを跨いで、複数回にわたりセッションが発生するようなサイトで効果を発揮します。
自社のサイトで、アトリビューション分析が必要かどうかを判断する目安として、Googleアナリティクスの「経路の数(コンバージョン>マルチチャネル>経路の数)」をチェックすることをおすすめします。
経路の数は、コンバージョンに至るまでに何回のセッションを要したかを示す数値です。
この数値の「1回」が、8〜9割を超えるサイトは、検討期間が短く、アトリビューション分析の効果が薄いサイトと言えるでしょう。

アトリビューション分析の3つの成果配分モデル
アトリビューション分析は、広告への貢献度合いの比重をどこに置くのかによって、成果配分モデルが異なります。
今回は、特に活用されることの多い「①終点モデル」「②起点モデル」「③線形モデル」の3つのモデルについて解説をしていきます。
この他にも、「減衰モデル」「接点ベースモデル」といったモデルが用いられるケースもありますが、貢献度の割り振りを自身でうまく調節する必要があります。
これらはアトリビューションモデルの応用的な分析方法なので、まずは、「終点モデル」「起点モデル」「線形モデル」で分析を始めるのがおすすめです。
①終点モデル(ラストクリック)

終点モデルは、一般的な広告評価にも使われている方法で、ユーザーがコンバージョン前に最後にクリックした広告の貢献度を100%とするモデルです。
②起点モデル(ファーストクリック)

起点モデルは、ユーザーが最初に接触した広告の貢献度を100%とするモデルです。純広告や動画広告など、認知促進を目的とした広告の評価に用いられます。
③線形モデル

線形モデルは、ユーザーがコンバージョンに至るまでに接触した広告の貢献度を全て均一に評価するモデルです。アトリビューション分析の中でも、使われることの多いオーソドックスなモデルです。「均等配分モデル」と言われることもあります。
アトリビューション分析の成功事例

弊社がアトリビューション分析を行い、広告出稿の貢献度を分析した事例について解説を行います。
とある専門通販サイトを運営する企業では、各広告媒体がどれだけ売上に貢献しているのか分からず、また現状で正しい予算分配ができているのかも分からないという課題を抱えていました。
そこで弊社では、Googleアナリティクスを用いてアトリビューション分析を実施。まずは、コンバージョンまでの接触経路を分析した結果、発生したコンバージョンのうち、約75%が複数回の接触を経て、コンバージョンに至っていることを確認しました。
そこで、純粋な認知貢献として「起点」、購入検討段階の貢献として「最後の間接」、コンバージョンへの直接的な貢献としての「終点」の3つの成果分配モデルで、リスティング広告やディスプレイ広告、directなど各媒体の評価を行いました。
その結果、終点モデルでは「direct」が最も高いシェアを占めていましたが、起点や最後の間接モデルで計測すると、「direct」のシェアが大きく落ち、リスティング広告やディスプレイ広告のシェアが高くなることが分かりました。
つまり、リスティング広告やディスプレイ広告が最終的なコンバージョンには大きく寄与しないものの、「認知の促進」や「購入の後押し」に貢献している可能性が高いことが分かりました。
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アトリビューション分析を自社で始めるための3ステップ
アトリビューション分析と言うと、細かい設定が必要に想像するかも知れませんが、Googleアナリティクスなどを活用すれば、ボタン一つで成果配分モデルごとの広告評価を確認することができます。
ここからは、自社で分析を始めるためのステップを注意点を交えながら解説していきます。
STEP1:分析ツールを準備する
まずは、分析に用いるツールを準備しましょう。一般的に活用されているのは、Googleアナリティクスもしくは、アドエビスをはじめとする広告計測ツールになります。
Googleアナリティクスは、Googleアカウントがあれば誰でも無料で活用することができます。ここでは、Googleアナリティクスの活用を前提として、解説をしていきます。
STEP2:分析するデータを集める
次に分析のデータを集める必要があります。Googleアナリティクスを活用する場合は、流入元を判別するために、パラメータを付与しなければいけません。
追加できるパラメータの種類などは、Googleアナリティクスのヘルプページで解説されていますので、そちらを参考にしてください。
STEP3:複数のモデルで比較をする

Googleアナリティクスの、「コンバージョン」→「マルチチャネル」→「モデル比較ツール」から、アトリビューション分析が可能です。

アトリビューション分析を行う際は、一つのモデルで見るのではなく、複数のモデルを比較してコンバージョン数がどう変化するのかに着目しましょう。Googleアナリティクスでは、3つのモデルを比較して、その変化量を見比べることができます。
仮に、特定のチャネルにおいて、「終点モデル」のコンバージョン数よりも、「起点モデル」や「線形モデル」のコンバージョン数が大きく増加した場合、認知の促進や興味関心の喚起に貢献している可能性が高くなります。
起点や線形での評価が高いチャネルの広告の予算を増やしてみて、コンバージョン数がどう変化したかを確認し、チューニングしながらCV数最大化を目指します。
代理店に広告運用を依頼している場合は一度相談してみるといった対策をおすすめします。
なお、Googleアナリティクスの初期設定では、コンバージョン前の30日間のみのクリックが計測されます。検討期間が長い商材などは、上記画像の青枠の部分を変更しましょう。
まとめ|アトリビューションは、広告の効果を正しく分析するための一つの方法として活用しよう
本記事では、アトリビューション分析とは何かといった基礎知識や、分析の手順について解説をしてきました。
アトリビューション分析は、ラストクリックのみの広告評価ではなく、別の評価基準から広告を分析することで、効果を正しく測る方法です。
ユーザーが購入するまでに長い検討期間を要し、複数回のセッションが見られるようなサイトでは、ぜひ活用してみることをおすすめします。
ただし、分析するだけでは意味がなく、分析から得られるデータを元に、広告予算の再分配など何らかの施策を実行しないと、アトリビューション分析による恩恵は受けられません。
分析結果をみながら、少しづつ変化させながら、最適な予算配分を探していきましょう。
よくある質問とその回答
アトリビューションとは何ですか?
アトリビューションとは、ユーザーが最終的に購入に至るまでに、間接的に影響を与えた「メーカーサイトや比較サイト、Web広告等」ごとの貢献度合いを正しく測定するための分析方法です。
それぞれのサイトや広告が、ユーザーの意思決定にどれだけ影響を与えたのかを、広告との接触度合いを見る成果分配モデルに当てはめて、評価を行います。
詳しくは「アトリビューション分析の3つの成果配分モデル」をご覧ください。
アトリビューションの計測方法を教えてください。
Googleアナリティクスなどを活用すれば、ボタン一つで成果配分モデルごとの広告評価を確認することができます。
まずは、分析に用いるツールを準備しましょう。
次に分析のデータを集める必要があります。流入元を判別するために、パラメータを付与しなければいけません。
そして、Googleアナリティクスの、「コンバージョン」→「マルチチャネル」→「モデル比較ツール」から、アトリビューション分析が可能です。
詳しくは「アトリビューション分析を自社で始めるための3ステップ」をご覧ください。
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